「VC-CLF1」は、2015年9月1日に東芝から発売となった、同社初の布団用掃除機(充電式)です。
とは言え、これは元々は布団用として開発されたものではありません。
- 「VC-CL1200/VC-CL200」(同3月1日発売)のハンディクリーナー部分とほぼ同型の亜種
- コード式ヨコ型機「VC-MG900」(同8月中旬発売)にも付属する電動布団専用ヘッド "パワービーターヘッド"
これらを組み合わせて、そのまま縦に置いて収納できる新設計の専用充電台を追加したもの、ということになります。
クリーナー本体部性能
まず、「VC-CLF1」のハンディクリーナー部は、毎分最大約11万回転の高性能直流モーター+18.5Vのリチウムイオンバッテリーですので、コードレス機としてはかなり強力です。
もっとも、21.6Vのリチウムイオンバッテリーを搭載し、吸込仕事率100Wと公表しているダイソンよりは劣ると思われますが。ただ、バッテリーの充電可能回数は約2,000回とされており、標準的な約500回に過ぎないダイソンの何と4倍に達します。なので、そこまでを考慮すればこちらの方が良いかもしれません。
また、サイクロン部は日本製のコードレス機としては唯一2段式の本格サイクロンを採用し、遠心分離力は比較的高いはずですが、やはり本家のダイソンには劣っているはずです。
ただし、こちらには吸気内のゴミを赤外線で検知して知らせる "ゴミ残しまセンサー" が付いていますので、ゴミの在処が視覚化されることになり、根本的に使いやすいと言えば使いやすいはずです。
ヘッド部性能
標準ノズルとして採用されている、電動式の布団専用ヘッド "パワービーターヘッド" は、ヘッド裏が全体的に振動するタイプです。
これは、1分間に1,600回振動しますが、同タイプの日立製(日立専用)のヨコ型機用布団専用ヘッド "G-DF5" がやはり1分間に1,600回振動します。
ちなみに、レイコップは、3,000〜4,000回振動しますが、これは振動版が小さいからです。これは吸引口の幅を全てカバーできていないので、あまり好ましくありません。
また、シャープ・コロネは6,000回、日立・V-FC100は何と10,000回振動するとされていますが、それらは回転ブラシが布団を叩くタイプなので、直接振動が伝わる面積は狭いです。
この「VC-CLF1」の実際の清掃力としては、公称値として、秒速80cmの速度で布団掃除をして99%以上のアレル物質を除去することが出来、80秒で布団1枚の掃除を完了できるとされています。
面積は不明ですが、レイコップは3分で90%以上、パナソニック「MC-DF100C」は布団1枚を2分で99%以上、日立「PV-FC100」は、布団1枚を3分で99%以上ですので、性能は一応かなり高いと言うことが可能です。
もっとも、肝心のダイソンやシャープ・コロネが未公表(そういった数値は多分未測定)ですので、本当の参考にはなりにくいのですが。
あと、この機には布団表面にUV(紫外線)を照射する機能はありません。
実際、UVの実用上の効果は不透明ですし、人の体に当てると危険ですので、実のところない方が好ましいと思えます。
運転モード
この「VC-CLF1」には、実は運転モードは3つあり、
- 自動
- かけふとん
- 羽毛ふとん
が存在します。
まず、"自動モード" ですが、これが標準となり、主に敷布団やマットレスで使用します。
掃除機で一般的に一番使われていそうな "強モード" はこれに含まれますが、何とそれを指定して運転をさせることが出来ません。
布団掃除をする上では、それで十分だということなのかもしれませんが、これはハンディクリーナーとして使用する場合には、少し問題になると思います。
"かけふとんモード" は、事実上の "弱モード" です。掛布団には掃除機は吸い付きやすいので、これを使用します。
"羽毛ふとんモード" は、"弱モード" 相当の吸引力にした上で、ヘッドの振動機能を停止します。これは、羽毛ふとんを傷めないためとされています。
実は布団掃除に不向きな形状
レイコップや、シャープ・コロネは、本当の布団専用機ですので、本体を丸ごと布団上に置いたまま掃除をすることが可能です。なので、重さは本来のそれ程には問題となりません。
しかし、このトルネオVコードレスや、ダイソン、パナソニックは、元々が普通のハンディクリーナーですので、本体部分を常に持ち上げて使用しなければなりません。
その為、布団掃除を始める・続けるための心理的ハードルは若干高くなります。
もっとも、気にならない方には気にならないかもしれませんが・・・。
まとめ
この「VC-CLF1」は、元々はハンディクリーナーですので、本体主要部の重量が手にかかることになり、あまり好ましくありません。
しかし、清掃力は高いようですし、やっかいない掛布団専用の運転モード "かけふとんモード" もありますので、割と良いのではないでしょうか。
ただし、この機種はサイクロン式ですので、ゴミ捨て時には細かなチリが舞いがちなはずです。その為、実際にハウスダストアレルギーのある方が使うのには、あまり適さないかもしれません。
その場合には、フィルターをチリごと丸洗いするのが標準の、レイコップの方が良いかもしれません。
また、シャープ「EC-HX100」では、約40度の温風を布団に吹き付けることで、ダニを吸い込みやすくしています。高価なレイコップの最上位機種「RP」にも約70度の温風機能がありますので、ダニを意識する場合にはそれらの方が良いでしょう。
あとは、ハンディクリーナーとしても使えることを意識するとなると、やはりダイソン「V6」の方が良いと思います。なぜなら、前述の通り当機「VC-CLF1」では、掃除機で一番重要な "強モード" を選択して使用することが出来ないからです。
東芝のこういった詰めの甘さには呆れます・・・。
※価格は変動します。時価はリンク先にてご確認下さい。
・VC-CLF1 トルネオVコードレス | |
・楽天 ・amazon [レビュー有] ・楽天レビュー:レビュー(_件)を参照 ・ヘッド形状:パワービーターヘッド(毎分約1,600回振動) ・目詰まり対策:(バーティカルトルネードシステム[8気筒]) ・吸込仕事率:未公表 ・18.5Vリチウムイオン充電池(2,000回充電) ・本体重量:1.5kg/ 全体重量:1.8kg ・運転音:未公表 ・色:グランホワイト(W) ・5時間充電・「自動」約6〜25分/「かけふとん」約18分/「羽毛」約25分可動 ・ゴミ残しまセンサー付 ・丸ブラシ、すき間ノズル、充電台付属 | |
関連ページ:
・ダイソンV6 Mattress&Trigger〔HH08COM/HH08MH〕
・ツカモトエイム AIM-UC02,AIM-UC01 ecomo UVクリーナー
・LG VH9201DSW,VH9201DS,VH9201D ふとんパンチクリーナー
・IC-FDC1 アイリスオーヤマ・コードレス布団クリーナー
関連サイト:
・高速でふとん生地を振動させて短時間で掃除できるふとんクリーナーの発売について|東芝プレスリリース
・家電製品ミニレビュー 私的ふとん掃除機の本命は東芝! コードレスで吸引力、使い勝手もマル!(家電Watch)