「MC-SK16J」は、2015年8月25日にパナソニックから発売となる新型(モデルチェンジ)のサイクロン掃除機です。
シリーズ名としては "ツインサイクロン" と呼ばれており、名前は派手ですが、実際のところは殆ど単なるフィルター式の掃除機です。
"ツインサイクロン" は、前年度は本体重量が2kg台中盤の軽量掃除機でしたが、今年度のモデルチェンジに伴い、本体重量は3.1kgで吸引力をアップさせた新ボディに変更されています。
※評価はおおよそのものです。
▼ ヘッド (3)
この「MC-SK16J」のヘッドは "軽走パワーノズル" です。非自走のモーター式回転ブラシを内蔵しているので、絨毯を掃除する必要があるのであれば、最低限この辺りが欲しい所です。
これには一応 "ふき掃除効果" もあるとされるので、フローリング掃除するにあたっても、このレベルの物があれば室内を綺麗にしやすいです。
▼ 吸込仕事率 (3)
この機種の吸込仕事率は、500〜約60Wですので、サイクロン掃除機としては結構高めですが、構造が紙パック式とあまり差のない "ツインサイクロン" 式としては、もう少し高くても良い位です。
▼ 清掃力 (3)
ヘッドも吸込仕事率も程々ですので、平均的と思われます・・・。
▼ サイクロン部(吸引力持続) (2)
この「MC-SK16J」のサイクロン方式は、前述の通り "ツインサイクロン" です。
名前は "強力なサイクロンが2つも搭載されている!" といったノリで、一瞬 "おおっ!" と思わせますが、実のところ、これは本当のサイクロン式ではなく、遠心分離を行いません。
ダストボックスは、このように単に箱になっているだけで、フィルター前に市販のティッシュを1枚挟んで、そこに大〜中のゴミを集塵し、ティッシュは使い捨てにします。
では、何がサイクロンなのかと言うと、中央に膨らみがあって抓んで回すダイヤルに見える灰色のプラスチック製円状部品に、吸い込んだ風は直接当たります。
その際、空気は左右に分かれてその場で横方向の2つの渦を巻くことになるので、パナソニックとしては、それを(勝手に)サイクロンと呼んでいるようです。
そのような渦を作ってどうなるのかと言うと、結果的に何とダストボックスの上部からゴミを詰めて行く効果があるとされており、確かに最初はそういう傾向も見られます。
しかし、実際は見ての通り、単に吸引した風が直接当たるところを避けて、ゴミが溜まって行くことになります。
なので、これはサイクロン式というよりも、"ティッシュフィルター式" といった方が正確な製品です。
ティッシュを挟んだ部分の後方には、プリーツ(蛇腹)状のメインフィルターがあり、ティッシュ部をすり抜けた小さなチリはそこに溜まります(かなりすり抜けます)。
このフィルターには手動レバー式のフィルター振動機構があり、それを左右にガチャガチャと動かすことで、ある程度のチリを落とすことが可能です。
しかし、それでは落ち切らないチリはどんどん溜まって行きますので、そうなると手作業でフィルター掃除をしなければなりません。
吸引力持続効果については、こういった方式なので、使用中においては特にありません。
しかし、毎回使用後にゴミをティッシュごと捨てて、更にメインフィルターの振動も行って落ちたチリも捨てれば、吸引力はかなり回復します。
勿論、手作業でのフィルター清掃まで行えば更に回復可能ですが、フィルターが完全に元に戻ることはないでしょう。
▼ ゴミ圧縮 (3)
ツインサイクロンは、構造として紙パック式と同様ですので、ゴミの圧縮具合も基本同等です。
ただし、紙パック式程ゴミを溜めこむ訳ではないので、あれ程圧縮される訳ではありません。
また、フィルターにまで達して、フィルター振動機構で落とされたチリには、圧縮は関係ありません。
▼ ゴミの捨てやすさ (1)
このタイプにおいては、ティッシュに集めたゴミを捨てる分には、特に大変ではありません。
しかし、メインフィルターから出たチリを捨てる際には、捨てやすくする工夫も施されておらず、舞いやすくやっかいです。
実は、ティッシュを挟まずに使うことも可能ですが、その場合メインフィルターにまで達するチリが若干は増えるはずですし、また、ゴミ捨て時に通常ティッシュに付く分を捨てる際にも、ゴミがバラけやすく厄介なはずです。
ただし、ティッシュを挟んで使う場合には、当然使う前、もしくは前回の掃除後のゴミ捨て時に、新しいティッシュを挟む必要があります。これは大した手間ではないですが。
▼ ダストボックスの容量 (5)
2015年度型ツインサイクロンの集塵容積は0.6Lですので、サイクロン式としてはかなり多いです。
その理由としては、遠心分離部のために空気とゴミを回転させるスペースがない分で、ゴミの収容スペースを広く取れているからです。
▼ フィルター (1.5)
この「MC-SK16J」のフィルターには、排気口フィルターとして、"アレル物質抑制加工フィルター" が装着されています。
アレル物質というのは、アレルギー性物質のことを指しています。
▼ 本体重量 (3)
この本体重量は3.1kgですので、集塵容積まで少ない小型機が増えた現在では普通程度ですが、非小型機としては十分軽いです。
▼ ヘッド+延伸管+ホース部重量 (3)
それらの重量は、1.5kgですので、全体から見ると普通程度ですが、モーター式回転ブラシ内蔵型ヘッド(パワーブラシ)付としてはやや軽いです。
もっとも、これはパワーブラシ型としては低性能品ですので、妥当と言えば妥当です。
▼ 運転音(最大値) (1)
この機種の運転音は、65〜約60dBですので、ごく普通のうるさい掃除機です。
▼ エコモード (1)
この「MC-SK16J」にはエコ機能としては、床面からノズルが離れると吸引を停止する、"アイドリングオフ" のみが搭載されています。
▼ 消費電力 (3)
この機種の消費電力は、1000〜約150Wですので単に標準的です。
▼ 手元グリップ形状 (3)
延伸管最上部の手元グリップですが、これは輪になった物の方が手前に引き易く、掃除が楽に進みます。
しかし、当機は比較的安価だからか、三日月状のものに止まります。
ただし、それでも付いていないよりは、付いている方がずっと良いのですが。
▼ 付属ブラシ類 (1)
当「MC-SK16J」には、手元グリップ部のブラシもなく、単に "すき間ノズル" のみが付属しています。
▼ 価格 (4)
この機種は、最終的には15,000円程度となる可能性があります。
▼ 総合評価 (2.53)
この「MC-SK16J」は、まともなサイクロン掃除機とは言えませんが、紙パックが必要ない掃除機ではあります。
また、一応モーター式回転ブラシを装備していますので、清掃力はそこそこです。
そしてそれらの上で比較的安く買えますので、そういった製品が欲しい方には良いのではないでしょうか。
メーカーがパナソニックだというのも、買いやすい要因になると思います。
当「MC-SK16J」と、前年度型「MC-SK15J」との違い
MC-SK15J | MC-SK16J | |
発売日 | 2014年9月1日 | 2015年8月25日 |
ヘッド | 小型軽量パワーノズル | 軽走パワーノズル |
吸込仕事率 | 320〜約80W | 500〜約60W |
消費電力 | 900〜約300W | 1000〜約150W |
本体重量 | 2.4kg | 3.1kg |
ヘッド+延伸管 +ホース部重量 | 1.6kg | 1.5kg |
まず、ヘッドですが、"小型軽量パワーノズル" には、実は非常に高性能なものから低性能なものまであり、昨年度型「MC-SK15J」に付いていたものは低性能な物でした。
そして、"軽走パワーノズル" もモーター式回転ブラシ内蔵型ヘッドとしては低性能なもので、実のところ性能的な違いは特にないはずです。
違いは、恐らく対応する吸引力の大きさで、"小型軽量パワーノズル" は吸込仕事率200〜300Wの機種で使われ、"軽走パワーノズル" は、500W程度以上の機種で使われるはずです。
吸込仕事率の大幅なアップについては、前年度型の約300Wというのは、一応の遠心分離(低遠心分離力)をするサイクロン掃除機で標準となる数値です。
ツインサイクロンは遠心分離をしない=遠心分離にパワーを使わないので、その分吸込仕事率を高くすることが出来るはずです。
しかし、前年度型は非遠心分離型であるにもかかわらずその程度の数値だったのと、価格が思ったより下がらなかったところから見て、軽量モーターには意外なコストがかかっていたと推測できます。
本体重量の違いについては、吸込仕事率が高くなり、モーターが重くなったことと連動しているはずです。
ヘッド等本体以外の重量については、多分どちらも同程度なのではないかと思います。
サイクロン式 上・下位機種との比較
MC-SR23J (プチサイクロン) | MC-SK16J (ツインサイクロン) | MC-SK16A (ツインサイクロン) | |
ヘッド | 小型軽量 パワーノズル | 軽走 パワーノズル | エアロノズル (タービン式) |
吸込仕事率 | 300〜約110W | 500〜約60W | |
消費電力 | 850〜約380W | 1000〜約150W | 1000〜約200W |
サイクロン方式 | パワープレス サイクロン | ツインサイクロン | |
運転音 | 61〜約54dB | 65〜約60dB | |
本体重量 | 2.9kg | 3.1kg | |
ヘッド+延伸管 +ホース部重量 | 1.5kg | 1.2kg | |
フィルター | ・逃さんフィルター ・アレル物質抑制 加工フィルター ・抗菌酵素加工 フィルター | アレル物質抑制 加工フィルター | 一般フィルター |
この上位機種は、"ツインサイクロン" ではなく、一応の遠心分離をする "プチサイクロン" ということになります。
ヘッド性能は同等ですが、フィルターには0.5μm以上のホコリの99.9%を集塵する "逃さんフィルター" を装着しており、排気性能も高いです。
また、本体重量も割と軽いですが、そこそこの遮音もなされており、運転音は掃除機としては比較的マシな部類となります。
この下位機種は、ヘッドの回転ブラシがタービン(風力)式にダウングレードされた同一ボディ機種です。
フィルターは普通の物のみが採用されていますが、別に問題はありません。
※価格は変動します。時価はリンク先にてご確認下さい。
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![]() | ・楽天![]() ・amazon [レビュー有] ・楽天レビュー: ![]() ・ヘッド形状:軽走パワーノズル(非自走) ・目詰まり対策:「チリ落とし」手動レバー ・吸込仕事率:500W(アイドリングストップ有) ・本体重量:3.1kg/ 全体重量:4.6kg ・運転音:65〜約60dB ・排気方法:― ― ― ・持ち手(本体):固定式 ・色:ブルーブラック(B) ・エアダストキャッチャー付 |
前年度型
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![]() | ・楽天 ・amazon [レビュー有] ・楽天レビュー:レビュー(_件)を参照 ・ヘッド形状:小型軽量パワーノズル(非自走) ・目詰まり対策:「チリ落とし」手動レバー ・吸込仕事率:320W(アイドリングストップ有) ・本体重量:2.4kg/ 全体重量:4.0kg ・運転音:65〜約60dB ・排気方法:― ― ― ・持ち手(本体):固定式 ・色:レッド(R) ・エアダストキャッチャー付 |
関連ページ:
・MC-SR23J プチサイクロン(上位機種)
・MC-SK16A(下位機種)
・MC-SK15J ツインサイクロン(前年度型)
関連サイト: