「MC-PA15J」は、2015年6月25日にパナソニックから発売となった、新型(マイナーチェンジ)の紙パック式掃除機です。
これは一応、パナソニック製紙パック式の上位シリーズ "強力パワータイプ" の1機種ということになりますが、吸込仕事率は500Wしかありませんので、実際は低パワータイプということになっています。
また、上位シリーズの割には、ヘッドも若干貧弱ですので、どちらかというとフローリング向けということになるはずです。
※評価はおおよそのものです。
▼ ヘッド (3)
この「MC-PA15J」のヘッドは、"軽走パワーノズル" です。
"パワーノズル" は、モーター式回転ブラシ内蔵型であることを表しており、"軽走" は、モーター式回転ブラシの回転で、ヘッドの滑りが良くなるので楽に操作できることを表しています。
もっと高性能なモーター式回転ブラシであれば、その回転によるヘッドの自走力までありますが、これにはそこまでのパワーはありません。
モーター式回転ブラシを装備していれば、自走力まではなくても、基本的に操作が少し軽くなる "軽走" でありますし、また、勿論 "パワーノズル" でもあります。なので、そういったヘッドは、言わば皆同じです。
パナソニックは、随分体の良い名前を考えたものだと感心します・・・。
▼ 吸引力(吸込仕事率) (3)
この機種の吸込仕事率の最大値は、500Wです。紙パック式で500W程度あるのは最低限ですので、1万円未満の低価格機種であればともかく、この価格帯でこのパワーでは、かなり寂しいです。
▼ 清掃力 (3)
ヘッド性能はそこそこ高いですが、吸込仕事率が低いので、あまり感心できません。
▼ 吸引力持続 (3)
この「MC-PA15J」を始めとするパナソニックの紙パック式 "強力パワータイプ" のシリーズでは、紙パックを一度バスケット状のケースにセットし、それを改めて本体内にセットします。
そのバスケット状ケースと、本体内部の壁面との間には必ずすき間が出来る為、モーターによる吸引力は、紙パック後部だけではなく紙パックの全面に働くことになります。
これは元々は、紙パックが膨らんでも取り出しやすくする仕組みでしたが、吸引力の持続にも有利に働いています。
▼ 紙パック+フィルター性能 (3.5)
本体購入時に付属している紙パックは「AMC-HC11」で、0.5μm以上の大きさのホコリの99.9%を捕塵する性能を持っています。
また、この機種には、"アレル物質抑制・抗菌酵素加工フィルター" が内蔵されています。
その名前の意味は、抗菌効果や抗アレルギー性物質効果があるというものですが、その効果は多分ないよりはマシといったところでしょう。
▼ 標準紙パックの容量 (3)
紙パックに入るゴミの容量は、1.6Lなのでごく普通です。
▼ 標準紙パック価格 (2)
標準紙パック「AMC-HC11」は、1枚約333円です。
非常に高いようですが、それでも日立と東芝の最上位紙パックよりは安いですし、パナソニックには脱臭力強化型で、更に高額な1枚400円もする「AMC-ZC5」も存在しています。
この「MC-PA15J」には、それを装着することも可能ですし、また、(同社製の)これらより安い物を装着することも可能です。
▼ 本体重量 (2)
「MC-PA15J」の本体重量は3.9kgなので、以前はともかく現在は比較的重いです。本体を片手に持って使いたい女性向けではないかもしれません。
▼ ヘッド+延伸管+ホース重量 (2)
それらの重量は約1.6kgですので、全体としては重めですが、モーター式回転ブラシ内蔵ヘッド付としては普通程度です。
▼ 運転音(最大値) (2)
この機種の運転音は62db〜約56dBですので、星の数こそ2つですが、それでもマシな部類に入ります。
つまり、ごく普通のうるさい掃除機よりは、若干静かなはずです。
▼ エコモード (5)
この「MC-PA15J」に付くエコモード(エコナビ)は、パナソニックでも最高性能のものであると共に、家庭用掃除機としても最高レベルです。
吸気内の異物を赤外線で検知する "ハウスダスト発見センサー" 、それと連動する回転ブラシの回転数制御、床質検知、ヘッドが床から離れると約3秒で吸引を停止する "アイドリングオフ" を備えています。
▼ 手元グリップ形状 (3)
延伸管最上部の手元グリップですが、これは輪になった物の方が手前に引き易く、掃除が楽に進みます。
勿論、これでも付いていないよりは、付いている方がずっと良いのですが。
▼ 特記項目 "ハウスダスト発見センサーランプ" (5)
エコモードで使われる "ハウスダスト発見センサー" は、吸引力制御に利用されるだけでなく、ゴミを吸引した際に使用者にランプで知らせます。これにより、人の目には見えないゴミを掃除機が吸っているのを確認しながら掃除が出来るという、画期的な機能となっています。
ただし、この機能により、思わず念入りに掃除を行う羽目に陥ります。なので、エコモード用の機能でもあるにもかかわらず、掃除の時間そのものが増えることによって、電気代も幾らか増えるかもしれません。
もっとも、掃除機は掃除道具ですので、室内が綺麗になるのが一番だと言えばそうなのですが。
▼ 付属ブラシ類 (3)
この「MC-PA15J」では、通例とは逆に、延伸管部先端ブラシ(子ノズル)こそありますが、持ち手付近の手元ブラシがありません。勿論、片方でもあるだけマシですが、何とも微妙なところです。
すき間ノズルに関しては、勿論付属しています。
▼ 価格 (3)
価格としては、数か月すれば、2万円程度で買えるかもしれません。
▼ 総合評価 (3.03)
この「MC-PA15J」は、ボディは上位シリーズなので、"ハウスダスト発見センサー" を備えると共に、運転音は比較的静かですし、吸引力持続の仕組みも持ちます。
しかし、ヘッドはモーター式回転ブラシ式としては最下位の物なので、絨毯用としては若干弱く、これは一応上位シリーズであるということを考え合わせると、フローリング向けということになると思います。
こういう妙な機種も、あって良いと言えば、あって良いのかもしれません。
前年度型「MC-PA24G」との違い
MC-PA24G | MC-PA15J | |
ヘッド | パワフル自走(親子) | 軽走パワーノズル |
回転ブラシ | Y字+ 毛先が球ブラシ | 一般ブラシ |
ヘッド+延伸管 +ホース重量 | 1.8kg | 1.6kg |
前年度型は、2015年度には何と2機種に分かれ、当「MC-PA15J」と上位機種の「MC-PA35G」となっています。
こちらは、ヘッドをダウングレードする代わりに、価格を抑えた機種となっているはずです。
パナソニック製2015年度型、上・下位機種との比較
MC-PA35G | MC-PA15J | MC-PK16G | |
ヘッド | パワフル自走ノズル | 軽走パワーノズル | パワフル自走ノズル |
回転ブラシ | Y字+ 毛先が球ブラシ | 一般ブラシ | Y字+ 毛先が球ブラシ |
吸込仕事率 | 500〜120W | 600〜60W | |
消費電力 | 1,000〜約300W | 1,150〜約190W | |
パワー持続 | 紙パックバスケット構造 パワー持続センサー | パワー持続センサー | |
本体重量 | 3.9kg | 2.7kg | |
ヘッド+延伸管 +ホース重量 | 1.7kg | 1.6kg | 1.7kg |
運転音 | 59〜約54dB | 62dB〜約56dB | 65〜約60dB |
集塵容積 | 1.6L | 1.3L | |
エコモード | エコナビ [ハウスダスト発見センサー+ アイドリングストップ] | アイドリングストップ | |
手元ブラシ | 〇 | × | |
フィルター | 抗菌酵素×1 アレル物質抑制×1 | アレル物質抑制 | |
本体持ち手 | ラクラクハンドル | 本体前部固定式 | |
外装 | 通常型 | ダイヤモンドカット (フタ部網目的成形) | |
すき間ノズル | 標準品 | 2WAYタイプ | |
紙パック | AMC-HC11 | AMC-NC5 |
上位機種「MC-PA35G」との違いは、ヘッドと運転音と手元ブラシの有無となります。
下位機種は全くの小型機ですが、パワーは妥協せず作られているので、パワー優先であればそちらの方が良いかもしれません。
※価格は変動します。時価はリンク先にてご確認下さい。
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![]() | ・楽天![]() ・amazon ・楽天レビュー:レビュー(_件)を参照 ![]() ・ヘッド形状:軽走パワーノズル ・目詰まり対策:紙パックバスケット収納構造&パワー持続センサー ・吸込仕事率:500〜120W[エコナビ有] ・本体重量:3.9kg/ 全体重量:5.5kg ・運転音:62〜約56dB ・排気方法:まいあげブロック構造 ・持ち手(本体):角度変動式常設型 ・すき間ノズル収納:延伸管裏 ・色:ピンクシャンパン(P) ・エアダストキャッチャー付 ・ハウスダスト発見センサー有 ・標準紙パック:AMC-HC11(1枚付属) |
関連ページ:
・MC-PA35G(上位機種)
・MC-PK16G(下位機種)
・MC-PA24G(前年度型)
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