「V6」は、2015年5月21日に英・ダイソン社から発売となった、コードレスタイプの高性能ハンディクリーナーです。
ただ、このページで扱う「Fluffy(フラフィ)」は、そのハンディクリーナーに専用の延伸管と床用ヘッドを取り付けることで、ハンディ・スティック両用の掃除機として分類されます。
ハンディ・スティック両用の掃除機には、そのようにハンディクリーナーを基本としてスティック型に仕立てた製品と、スティックタイプを基本として、中核部をハンディクリーナーとして取り出して使う製品がありますが、このダイソン「V6」はその性格から、どちらかというとハンディクリーナーとしての適性が強いです。
この「V6」固有の特徴としては、吸引力の目安を表す "吸込仕事率" の最大値は100Wを誇り、コードレスクリーナーの中では随一の吸引性能ということになっています。
その集塵用モーターには、超高性能直流モーター「ダイソンデジタルモーターV6」を採用しており、シリーズ名の「V6」はそれに由来します。
また、ヘッドにはモーター式回転ブラシを内蔵しているので、絨毯掃除にも強く、導電性カーボンファイバーを使用したブラシの効果で、フローリング上に静電気で張り付いたホコリにも強いです。
集塵方式は、ダイソンの代名詞である、ゴミの遠心分力の高い本格的なサイクロン(「2ティアー・ラジアルサイクロン」)で、国内外を問わずの他社製とは一線を画する高性能さを誇っています。
更に、この2015年度型からは、フィルターにも高性能フィルターの代名詞の "HEPAフィルター" を採用することで、その排気は家庭用高性能空気清浄機と同等レベルとなり、放出される排気は室内の空気よりも綺麗なものとなっています。
Fluffy(フラフィ)型ヘッド
ダイソンV6の上位機種では、ヘッドには2014年10月発売の「DC74」から採用された、「Fluffy(フラフィ)」型のヘッドが採用されています。
これは、全面フェルト製のローラーと、静電気抑制効果のある "カーボンファイバーブラシ" の少々を回転ブラシの代わりに採用しており、従来の一般的なナイロン製毛ブラシを排しています。
それにより、空気が通う毛ブラシ間の隙間がなくなりました。
その為、回転ローラー(ブラシ)を大胆に露出することが可能となり、ヘッドの前面が高さ約4cmに渡って開いています。
また、その回転ローラーが、従来のヘッド前面カバーの代わりをするようになりましたので、その露出にもかかわらず、床との密着具合も高く保つことが可能となっています。
そのローラーは、表面がフェルト製ですが、それ故に軟質で固形ゴミを巻き込みやすく出来ています。
それらにより、全ての掃除機が両立を苦手としているとされる、大きなゴミと細かなゴミの両方の集塵が、高いレベルで可能となったとされています。
これは実のところ、ダイソンが長年苦手だとされてきた、猫砂(ネコのトイレ用小石)対策型だと言っても良いのかもしれません。
また、この「Fluffy(フラフィ)」では、回転ローラー(ブラシ)を太くして、その内部にモーターを入れることで、その回転力を高めています。
更に、サイドに動力用ギアスペースが不要となったことで、ヘッド幅に迫る回転ローラー幅を実現しています。これにより、従来より一度に広い面積の掃除が可能になりました。
ただし、その反面、重量はそれ以前の製品の約1.3倍となり、少し扱いづらくなっています。
また、それにより、回転ローラー(ブラシ)駆動時の使用可能時間が、以前の製品より少し(数十秒〜1分程度)だけ短くなっています。
V6 Fluffy(フラフィ)のバリエーション展開
この商品バリエーションとしては、以下の3種類となります。
性能はすべて共通で、付属品と延伸管&ダストカップ中心部の色の違いがあるだけとなります。
- V6 Fluffy(フラフィ)
特別付属品:なし - 〃 +(プラス)
特別付属品:フトンツール、ハードブラシ、延長ホース - 〃 PRO(プロ)【※公式直販限定品】
特別付属品:フトンツール、ハードブラシ、延長ホース
ということになります。
「+(プラス)」と「PRO(プロ)」は、実は付属品も同じで、色のみが違っています。
尚、全機種に共通の付属品として、
- ミニモーターヘッド(ハンディ時用モーター式回転ブラシヘッド)
- コンビネーションノズル(先端ブラシ付通常ノズル)
- すき間ノズル
- 壁掛け収納用ブラケット
が存在しています。
上から3つは、ハンディクリーナーとしてのノズルですので、それらを装着することで、普通のダイソン製ハンディクリーナーとして使用可能です。
下位シリーズ「motorhead(モーターヘッド)」との違い
このシリーズには下位シリーズとして「V6 motorhead(モーターヘッド)」がありますが、そちらとの違いは、床用ヘッドのみです。
床用ヘッドは、このような「DC62」についていたものと(ほぼ)同型の物が付属します。
これは少し小型で、重量はFluffy(フラフィ)型の約75%しかありませんので、かなり扱いやすいです。
また、性能も以前はヨコ型機と基本共通設計の最新型でしたので、特に問題ありません。
ただ、Fluffy(フラフィ)が登場する前の、床に密着させるタイプの(旧)ヘッドなので、少し大きめのゴミを吸わせる場合には、ヘッドを持ち上げて上から被せる必要があります。
尚、これら両シリーズから、延伸管と床用ヘッドを取り除き、ハンディユニット部とノズルのみでのセットである「V6 マットレス&トリガー」も同時発売されています。
2014年度型「DC74」との違い
「V6 Fluffy(フラフィ)」は、前年度型「DC74」のマイナーチェンジ品に過ぎません。
変更点としては、
- 高性能なHEPAフィルターの採用
- 及び、ボディの密閉性の向上
- 全長が4mm、重量が40g増加
- 運転音を30%低減
ということになります。
フィルターに関しては、従来型の後部に円筒状フィルターを収めた部品を追加しており、そのせいで後部が5cm程度長くなっています。
しかし、実は従来は、持ち手の下に位置するバッテリー部分の方が長かったので、全長としては4mmしか長くなっていません。
5cm程度長くなった部分には、実は "強(MAX)モード" ボタンがあり、従来は本体をつかんでいる手の親指でそのボタンをONにすることが気軽に可能でした。
しかし、そのように長くなってしまっては、片手での操作は難しいですので(※手の大きさにもよります)、使い勝手はかなり下がってしまったと言えるかもしれません。
重量増に関しては、「V6」のハンディクリーナー形態で70g増えていますので、恐らく追加のフィルター部では70g増で、ヘッドで30g減となり(※下位シリーズの「モーターヘッド」で、延伸管部分の重量が変わっていないと推測出来る為)、結果40g増となったと考えらえれます。
また、そのヘッドに関しては、やはり若干の設計変更があったようで、「DC74」では絨毯上でヘッドを手前に引く際に、不自然に強い床への吸い付きが感じられ、使いにくいものとなっていました。しかし、今作ではそれがなくなっています。
吸込仕事率に関しては、フィルターが高性能化した分で落ちていそうなものですが、強(MAX)で100W、標準で28Wで何故か変更はありません。
ただ、フィルター性能に関しては、確かに高性能にはなりました。しかし、先々代「DC62」の時点で既に英国アレルギー協会の承認をもらっており、先代「DC74」は本体同型でした。
その為、別にフィルターを高性能化しなくても、これらのダイソン製掃除機は、以前からアレルギー患者にとってすら安心して使える製品で、健康な人間にとっては言わずもがなでした。
なので、フィルター性能のアップは、英国アレルギー協会の承認品を使っても健康被害を受ける程の重度の患者には有意義かもしれませんが、その他の人間には実質関係がありません。
そう考えると、それらの新旧2機種では、
- V6 ⇒ 運転音が従来比30%減
- DC74 ⇒ 片手でのパワー切替が容易
これらのどちらを取るかの問題となるはずです。もっとも、発売後しばらくは、旧製品の方がずっと安く買えますので、そちらの方がずっとお買い得です。
バッテリー交換
「V6」のバッテリーは、勿論「DC74,DC62」(及び「DC61」)と共通で、充電可能回数は約500回、価格は8,640円です。
交換の際にはダイソンのサービスセンターに直接注文する必要があり、送料が540円かかるので、計9,180円ということになります。
価格に関しては、まあそんなところで、特に高い訳ではありません。しかし、東芝・トルネオVコードレス(約2,000回)や、シャープ・フリード(約1,000回)が使用可能回数が多い分で相対的に安いので、それらと比べるならば不利となります。
これはネジでの固定式なので、予備を用意して交換しながら使うという使い方は、出来ないわけではないにしても、想定されている使い方ではないはずです。
メンテナンス
フィルターはこうやって洗浄し、24時間乾かします。
フィルターが乾き切らない内に使用すると、雑巾のような悪臭が排気と共に勢い良く噴き出す恐れがありますので(笑)、十分な注意が必要です。
ダイソンの洗浄が必要なフィルターは、スポンジタイプなので乾きにくいですが、そうではない他社製でも、一応要24時間乾燥と指定してある場合が多いはずです。
ヘッドの回転ブラシの清掃方法もご丁寧に公開されていますが、こちらは掃除しなければならない程汚れることはあまりないと思われます。
ハンディユニットで布団掃除
「Fluffy+」と「Fluffy Pro」にはメーカー純正の布団用ノズル "フトンツール" が付属しますので分かりやすいですが、「V6」標準機にも "ミニモーターヘッド" が付属しますので、布団掃除が可能です。
尚、フトンツールには別売がありますので、未付属機を買った場合にも、必要があれば買い足すことが可能です。
※価格は変動します。時価はリンク先にてご確認下さい。
・V6 Fluffy(SV09MH) | |
・楽天 ・amazon [レビュー有] ・楽天レビュー:レビュー(_件)を参照 ・ヘッド形状:パワーブラシ(ソフトローラー) ・目詰まり対策:(2段サイクロン) ・吸込仕事率:100〜28W ・本体重量:1.29kg /全体重量:約2.34kg ・運転音:未公表 ・色:ブルー×ニッケル ・3.5時間充電・「強」約6分/「弱」約20分(モーターヘッド稼働時約16分)可動 ・床用モーターヘッドに加え、ハンディ用ミニモーターヘッド、コンビネーションノズル(ブラシ付ノズル)、すき間ノズルが付属 | |
・V6 Fluffy+(SV09MHCOM) | |
・楽天 ・amazon [レビュー有] ・楽天レビュー:レビュー(_件)を参照 ・ヘッド形状:パワーブラシ(ソフトローラー) ・目詰まり対策:(2段サイクロン) ・吸込仕事率:100〜28W ・本体重量:1.29kg /全体重量:約2.34kg ・運転音:未公表 ・色:アイロン×ニッケル ・3.5時間充電・「強」約6分/「弱」約20分(モーターヘッド稼働時約16分)可動 ・床用モーターヘッドに加え、ハンディ用ミニモーターヘッド、コンビネーションノズル(ブラシ付ノズル)、すき間ノズル、フトンツール、ハードブラシ、延長ホースが付属 | |
・V6 Fluffy Pro(SV09MHPRO)【公式サイト限定】 ― ― ― | |
・楽天 ― ― ― ・amazon ― ― ― ・ヘッド形状:パワーブラシ(ソフトローラー) ・目詰まり対策:(2段サイクロン) ・吸込仕事率:100〜28W ・本体重量:1.29kg /全体重量:約2.34kg ・運転音:未公表 ・色:レッド×ニッケル ・3.5時間充電・「強」約6分/「弱」約20分(モーターヘッド稼働時約16分)可動 ・床用モーターヘッドに加え、ハンディ用ミニモーターヘッド、コンビネーションノズル(ブラシ付ノズル)、すき間ノズル、フトンツール、ハードブラシ、延長ホースが付属 | |
関連ページ:
・V6 Animalpro〔SV08MHCOM〕(絨毯向姉妹機)
・V6 Motorhead〔SV07MH/SV07MHCOM〕(軽量ヘッド機)
・V6 Mattress&Trigger〔HH08COM/HH08MH〕(ハンディのみ)
・ダイソンV6における違い(「V6」俯瞰ページ)
・DC74 モーターヘッド(前年度型)
・DC62 モーターヘッド(2013年度型)
・シャープ EC-SX310/EC-SX210[ハンディ+スティック2WAY]
・東芝 VC-CL1200/VC-CL200[ハンディ+スティック2WAY]
・三菱 HC-VXE20P iNSTICK[ハンディ+スティック2WAY]
・マキタ掃除機比較[ハンディ+スティック2WAY]
・日立 PV-BC500 パワーブーストサイクロン[スティック+ハンディ2WAY]
・エルゴラピード・リチウム[スティック+ハンディ2WAY]
・パナソニック MC-HS700G MC-HS500G(AC電源・充電兼用ヨコ型機)
・ダイソン掃除機比較/ダイソン360 Eye(ロボット掃除機)
関連サイト:
・V6 Fluffypro(SV09MHPRO)|ダイソン公式サイト
・V6 Fluffy+(SV09MHCOM)|ダイソン公式サイト
・ダイソン初体験!コードレスクリーナーが想像以上に便利でもう手放せない(家電Watch)