「EC-KP7T」は、2007年9月にシャープから発売となった、新型の紙パック式掃除機です。
ヘッドには、特殊なタービン式回転ブラシ "ダイレクトエアロドライブタービンヘッド" を装備していますが、吸込仕事率は500Wと、紙パック式としての事実上の最低限となっています。
しかし、一応タービン式ですので、フローリング掃除であれば、これでも十分かもしれません。
※評価はおおよそのものです。
▼ ヘッド (2.5)
この「EC-KP7T」のヘッドは、吸込の風で回るタービン式回転ブラシを内蔵しており、これは "ダイレクトエアロドライブタービンヘッド" と呼ばれています。
これは、一般的なタービン式とは違う少々特殊な物で、タービンを回すための空気をヘッドの両側面から取り入れます。
普通のタービン式は、このように吸込口の少し上からタービン用の吸気をして、直接回転ブラシに風を当てて回します。
その場合、回転ブラシにゴムブレードが付いている場合はともかく、毛ブラシの場合には、風はブラシの間にも流れてしまいます。なので、吸気の圧力を回転力に変える効率はよくありません。
しかし、専用のファンで吸気を回転力に変えれば、その分効率は良いはずで、回転力は高くなるはずです。
▼ 吸込仕事率 (3)
「EC-KP7T」の吸込仕事率は、500〜約80Wです。紙パック式としては最低限のパワーということになります。
▼ 清掃力 (2)
タービン式の回転ブラシは、ブラシを回転させるために、吸う必要のない位置から吸うことで吸引力を幾らか消費してしまいます。なので、吸込仕事率は少し割り引いて考える必要があります。
その上、この機種は吸込仕事率が紙パック式としては最低限なので、あまりよろしくないと思います。
しかし、フローリングであれば、一応十分だと思いますし、また、絨毯上でも、回転ブラシがないよりはずっと良いはずです。
▼ 吸引力持続 (2)
この「EC-KP7T」には、"紙パック長持ちセンサー" が搭載されています。
これは「強」モード運転時に、紙パックが詰ってきた際により強く吸うことで、吸引力を維持する仕組みです。
他では、パナソニックにのみ似たような名前の "パワー持続センサー" がありますが、そちらは「中(標準)」でしか作動しませんので、何気に優秀です。
▼ 紙パック+フィルター性能 (1)
本体購入時に付属する紙パック「EC-16PN」は、シャープのメーカー純正紙パック・(たった)計2種類の中での上位の製品で、抗菌仕様がされているのが一応の特徴となります。
尚、抗菌仕様のない下位紙パック「EC-06PN」も使用可能です。
本体内蔵のフィルターに関しては、特殊な加工等はない普通の物です。
▼ 標準紙パックの容量 (4)
シャープ製紙パック式2機種の紙パックの容量は、1.8Lで共通です。意外なことに、国内有名メーカー製としては、2015年現在最大の容量です。
▼ 標準紙パック価格 (4)
紙パック「EC-16PN」の価格は、1枚150円です。これは実のところ、かなり安い方となります。
1枚110円の下位紙パック「EC-06PN」も使えますが、シャープ製の紙パックはこれらの2種類だけですので、もっと良い物をと望んでも、少なくとも純正品としては存在していません(第三者の各社共通品に関しては、掃除機内部でゴミが漏れたりということもあるそうで、原則的に好ましくありません)。▼ 本体重量 (4)
「EC-KP7T」の本体重量は3.4kgですので、若干小型の製品です。現在はもっと小型のものも多いですが、以前はこれでも小さい方でした。
▼ ヘッド+延伸管+ホース部重量 (3)
それらの重量は1.4kgですので、全体としては微妙に軽い部類ですが、タービン式としては重めです。この機種のヘッドは、構造が独特ですので、その分重いのでしょう。
▼ 運転音 (1)
この機種の運転音の最大値は、66dBですので、ごく普通のかなりうるさい掃除機です。
ただし、弱モード時の約57dBはマシな数値ですが、その際の吸込仕事率は80Wですので、やはり若干低めです。
▼ エコモード (0)
この「EC-KP7T」は、単なる安い掃除機ですので、エコモードの類は付いていません。
▼ 消費電力 (3)
消費電力は1,000〜約250Wなので、ごく普通・標準的です。
▼ 付属ブラシ類 (2)
この機種には、先端ブラシ付ノズルが付属しています。そのブラシ部分は、出し入れが可能な2WAYタイプとなっています。
これは、延伸管の先端だけでなく、延伸管を外して手元にも付けることが出来ますので、棚の上等の埃取りにも使用することが出来ます。
▼ 価格 (4)
これの発売日は2007年9月なので、2015年2月現在、何と既に9年目ということになります。
これまでの最安値は、10,000円をどうにか切る程度ということになりますが、11,000円程度で売っている場合が多いです。
▼ 総合評価 (2.54)
この「EC-KP7T」は、本来ほぼ単に安いのが取り柄の紙パック式掃除機です。
しかし、ヘッドが少し凝っている分で若干高めなので、売れ筋からは外れています。
この機種は、あくまで安物という位置づけなので、モデルチェンジも基本的にしないようです。なので、型落ちになることもあまり考えられません。
安物のはずなのに、メリットの解説もなく、こだわったヘッドを付けて価格と敷居を高くしているのは困ったものだと思います。しかし、一応シャープ製ですし、悪くはないのではないでしょうか
この価格で、人とは違うものを買ってみたい方は是非(こういうのは、何となく男性向けの気がしますが・・・)。
紙パック式 下位機種との比較
EC-KP7T | EC-KP7F | |
ヘッド形状 | ダイレクトエアロドライブ タービンヘッド | 床用吸込口 |
本体/全体重量 | 3.4/4.8kg | 3.4/4.6kg |
すき間ノズル | 脱着式先端ブラシ付 | 通常型 |
シャープ製の紙パック式は何とこの2機種だけですが、下位機種の「EC-KP7F」とは、装着するヘッドとその分の重量、及び付属するすき間ノズルのタイプが違うだけです。
下位機種は、回転ブラシが付いていないヘッドが付いているので、清掃力はやはり高くないはずです。
しかし、勿論その分価格は安く・・・と言いたいところですが、実質それらのヘッドの差だけで3〜4,000円も違うのは、理不尽な程に思えます。
そのせいもあってか、そちらの下位機種は、国内有名メーカー製としては基本最安なので、価格優先の方には最有力の選択肢となります。
※価格は変動します。時価はリンク先にてご確認下さい。
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![]() | ・楽天 ― ― ― ・amazon ― ― ―[レビュー有] ・楽天レビュー:レビュー(_件)を参照 ・ヘッド形状:ダイレクトエアロドライブタービンヘッド ・目詰まり対策:紙パック長持ちセンサー ・吸込仕事率:500〜約80W ・重量:3.4kg/ 全体重量:4.8kg ・運転音:66〜約57dB(2009年新基準) ・持ち手(本体):折り畳み式 ・ブラシ付すき間ノズル収納:本体内 ・色:モーブブラック(B)、アクアブルー(A) ・標準紙パック:EC-16PN(1枚付属) |
関連ページ:
・EC-KP7F(下位機種)
・CV-VP5(日立製同等機種)
関連サイト: