「PV-BC500」は、2015年2月21日に日立から発売となった、新型のスティック・ハンディ兼用2WAYタイプのコードレス掃除機です。
これは新シリーズということになりますが、キャニスタータイプのサイクロン式と同じく、"パワーブーストサイクロン" の1機種ということになっています。
この2WAYタイプには、ハンディタイプを元に作れたものと、スティックタイプを元に作られたものの2種類があるのですが、この日立製は後者となります。
ただし、この「PV-BC500」は少し特殊です。
通常、スティックタイプを元に作られた2WAYタイプは、モーター等を含む中核部をスティッククリーナーから抜き取ることで、ハンディクリーナーとして使用します。
しかし、この機種はスティック時の床用ヘッドを取り外し、上へ長く伸びる持ち手部分を縮め、最後に180度折り曲げることで、ハンディクリーナーに「変身」させます。
このような方式を取るのは、日立のこの機種だけですので、希少価値は高いです。
しかし、その方式が故に欠点も生じており、ハンディ時の重量は2.0kgに達します。
同方式で、一番(断トツ)の売れ筋のエルゴラピードのハンディ部は1.1kgなので、その約2倍となり、実のところ片手で扱うのは男性なら無理やりで、女性ならほぼ無理ということになります。
ただし、スティック時には重心が低くなり、また、重量自体も問題ありませんので、スティッククリーナーとしては使いやすいはずです。
▼ サイクロン部
この「PV-BC500」はサイクロン式ですが、実のところ低遠心分離サイクロンに過ぎません。
なので、細かなチリはあまり遠心分離できず、そのかなりの部分をフィルターで濾過することになります。
その為、フィルター掃除の必要性はそれなりに高いはずです。
また、"ごみダッシュ" と称して、ゴミ捨て時に突起状部品がゴミを押し出すのがウリの一つとなっています。しかし、これはゴミの舞い上がりが厄介なゴミ捨てで、ゴミを加速(ダッシュ)して捨てることになります。
なので、確かにゴミをより確実に落とすのには役立ちますが、一長一短と言えるはずです。
ただし、その部品の一番の効果は、その色を透明な黄緑とすることで、全体をカラフルな印象にすることに成功しているところにあるのかもしれません。
▼ 吸引力
この機種の吸引力(吸込仕事率)は未公表=事実上の公開不能です。
ただし、実はこの「PV-BC500」では、何故か未公表ですがモーターには通常の交流(AC)モーターよりも高性能な直流(DC)モーターを採用しています。
このような2WAYタイプの高額機種では直流モーターが普通なので、これが特別という訳ではありません。しかし、ある程度の高性能さがあるのは確かです。
また、この機種ではバッテリーには21.6Vのリチウムイオンタイプを採用しています。これは、ダイソンと同じく比較的高電圧ですので、比較的パワーは出やすいはずです。
しかし、実際パワーが高ければ、他社に勝っているのをほのめかす宣伝になるはずですので、期待は全く出来ないと思います。
あくまで、ある程度の性能はある、という程度であるはずです。
▼ ヘッド
床用ヘッドには、キャニスタータイプ(ヨコ型)の高級機と基本同様の "スマートヘッド" を採用しています。
このヘッドの回転ブラシは、フローリングの菌まで拭き取る高性能な物です。
また、その吸引口後部には、ヘッドを引く際にのみ回る長いフェルト素材のローラーを仕込むことで、前に押す際には吸い残しを掻き取ると共に、引く際にはゴミを巻き込みつつ回転します。なので、他の掃除機よりもヘッドを引く際の清掃力が高いです。
また、このヘッドは一応回転ブラシの前回転で自走する "自走式" です。なので、他の機種よりも軽い操作が可能であるはずです。
更に、エルゴラピードと同じく、ヘッド前を照らすLEDライトも装備されています。
ただし、このヘッドのウリの一つとして、ヘッドが幅広の28cmだとされていますが、日立のキャニスタータイプの "スマートヘッド" が同30cmと例外的に広いものの、他社のキャニスタータイプは28cmもないはずです。
つまり、吸引力(吸込仕事率)が公表できない程度であるのに、ヘッドが大きすぎるのです。
これは、床がフローリングであれば、回転ブラシの高性能さも手伝って、あまり問題とはならないはずです。しかし、絨毯上となると、多少足を引っ張るかもしれません。
▼ まとめ
この「PV-BC500 パワーブーストサイクロン」は、一見ヘッドが高性能なのですが、吸引力が弱い充電式には大きすぎるものが付いています。
そして、それ以外の部分の性能は、特に見るべきものはありません。
しかし、この日立渾身の機能性重視、かつスタイリッシュなデザインは、私は少々欲しくなりますが・・・実のところ男性にしか受けないかもしれません。
ハンディクリーナーとしての使用時には、かなり重いので、実際に使いこなせるのは、やはり男性ということになるかもしれません。
そう思うと、ライバル機種は、ブラック&デッカー社の「CS3250 ORA(オーラ)」ということになるかもしれません。
そちらも、こちらと同じスティック基本型の2WAYタイプで、しかもとても重く、スターウォーズ風の男性向けデザインとなっています。
ただ・・・そちらは一応本格サイクロン(高遠心分離型)なので、スティック時にも重くて良い骨のある方には、そちらの方が向いているかもしれません。
※価格は変動します。時価はリンク先にてご確認下さい。
・PV-BC500 パワーブーストサイクロン | |
・楽天 ・amazon [レビュー有] ・楽天レビュー: ・ヘッド形状:スマートヘッド(自走式) ・目詰まり対策:― ― ― ・吸込仕事率:未公表 ・21.6Vリチウムイオン充電池採用 ・全体重量:2.5kg(ハンディ:2.0kg) ・運転音:未公表 ・色:シャンパンゴールド(N)、パールレッド(R)、シルバーメタリック(S) ・約3.5時間充電・「強」約8分/「標準」約30分可動 ・充電台、ふとん用吸口、伸縮曲がるブラシ吸口付 | |
関連ページ:
・V6 Fluffy/V6 Motorhead(ダイソン)
・VC-CL1200/VC-CL200 トルネオVコードレス(東芝)
・EC-SX200 FREED(フリード)(シャープ)
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・CS3250 ORA(オーラ)(ブラック&デッカー)
・エルゴラピードリチウム(エレクトロラックス)
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・PV-BC200(日立製下位機種)
・MC-HS700G MC-HS500G(パナソニック製AC電源・コードレス両用ヨコ型)
・MC-BR31G プチサイクロン(パナソニック製ヨコ型コードレス機)
関連サイト:
・パワーブーストサイクロン PV-BC500を発売|日立プレスリリース
・ボウリングの球も吸い上げる! 吸引力にこだわった日立のスティッククリーナー(家電Watch)
・強力吸引かコンパクトボディか、ジレンマ解決? - 日立の高級スティック掃除機「パワーブーストサイクロン」(マイナビニュース)