「VC-C4」は、2014年12月上旬に東芝から発売となった、新型(マイナーチェンジ)のサイクロン掃除機です。シリーズ名としては "トルネオミニ" と呼ばれています。
これは小型・軽量がウリのシリーズで、本体重量は有名メーカー製のヨコ型サイクロン掃除機としては業界最軽量の、たった2.2kgしかありません。
ただし、サイクロン方式は、上位機種の "トルネオV" シリーズとは違って本格的なものではなく、上手く遠心分離できずにフィルターに溜まるチリを、チリ落としレバーを使って落としながら使う方式に過ぎません。
※評価はおおよそのものです。
▼ ヘッド (3)
このトルネオ・ミニ「VC-C4」のヘッドは、非自走のモーター式回転ブラシ内蔵の "軽量コンパクトパワーヘッド" です。
"軽量コンパクト" とは、小振りであることを意味しており、確かに若干幅が狭い気がします。重量的にも、延伸管&ホース部と合わせて約1.4kgとなっていますので、モーター式回転ブラシの機種としては、最軽量級です。
しかし、重量は上位ヘッドの "イオンファイバーヘッド" もかなり軽く、数値は同一となっているので、東芝製としては特別軽い訳ではありません。
"パワーヘッド" とは、モーター式回転ブラシ内蔵であることを意味しています。
フローリングでは、モーター式ではなく、タービン(吸気の風力)式の回転ブラシでも十分だとされていますが、絨毯であれば、やはりパワーのあるモーター式が好ましいです。
また、これは上位ヘッドでも同様ですが、ヘッドと延伸管とを水平にまで出来ることで(最後にグリップ部の捻りは必要)、家具の下等のすき間を掃除しやすく出来ています。
▼ 吸込仕事率 (2)
この「VC-C4」の吸込仕事率の最大値は290Wです。この数値は、紙パック式の事実上の最低限が500Wであることから見れば低いですが、本格サイクロンではないサイクロン掃除機の小型機としては、平均的です。
▼ 清掃力 (2.5)
ヘッド性能はそこそこですが、吸込仕事率は低めなので、この位だろうということで・・・。
▼ サイクロン部(吸引力持続) (2)
この「VC-C4」を含むトルネオ・ミニは、上位機種のトルネオVとは違い、サイクロンは1段式で、基本的に大きなゴミを遠心分離できる程度です。
細かなチリは、ダストカップ上部の円形のメインフィルターで集塵されますが、主に掃除終了後のゴミ捨て時に、フィルター振動レバーを左右にガチャガチャと動かしてその振動で溜まったチリを下に落とすことで、ある程度の吸引力が回復します。
しかし、フィルターには振動では落ち切らないゴミが徐々に溜まって行きますので、そうなると手作業でのフィルター掃除が必要となります。
これは勿論、本来的なサイクロン方式とは言えず、褒められた方法ではありません。
▼ ゴミ圧縮 (3)
トルネオシリーズでは、ダストカップの底で、遠心分離されたゴミがサイクロンの渦の余波でゴロゴロと転がることでの、ゴミの圧縮効果があるとされています。
ただし、上位機種のトルネオVでは約5分の1になると書かれているのに対し、このミニでは具体的な数値が示されていません。
吸引力が衰えやすいので、そうなるとゴミもあまり圧縮されなくなるからなのかもしれませんが。
▼ ゴミの捨てやすさ (2)
ダストカップの底に溜まるゴミは、ある程度固まるので捨てやすいはずです。
ただし、トルネオ・ミニは、シャープ製やパナソニック製の類似機種とは違い、振動式のチリ落としで落としたゴミはダストカップにまでは落ちず、その上の筒型フィルターの付いた部品内に留まります。なので、このシリーズでは2つの容器からゴミを捨てることが必要となっています。
この程度は大した手間ではないと思いますが、2度手間なのは確かです。
▼ ダストボックスの容量 (1)
トルネオ・ミニのダストボックスの容量は0.25Lで共通ですが、これは小型機の分少なく、また、小型機としては標準的です。
ゴミは、掃除毎に捨てるつもりでいた方が、無難であると思います。
▼ フィルター (3.5)
この「VC-C4」を含むトルネオ・ミニのメインフィルターは、0.5μm以上のホコリの99.9%を捕塵可能な "高集塵プリーツフィルター" です。この集塵性能は比較的高いです。
また、最終フィルターとして、抗菌・ウィルス抑制効果のある "イチョウ葉エキス入りフラボノイドフィルター" も装備されています。
▼ 本体重量 (5)
トルネオ・ミニの本体重量は2.2kgで共通です。これは有名メーカー製のヨコ型サイクロン掃除機としては、業界最軽量となっています(※最軽量は、パナソニックの紙パック式「MC-JP500G」の2.0s)。その割に、性能は悪い訳ではないので立派なものです。
▼ ヘッド+延伸管+ホース部重量 (3)
それらの重量は1.4kgですので、全体としては軽めという程度ですが、モーター式回転ブラシ内蔵ヘッドとしては最軽量級です。延伸管には、グラスファイバー素材を採用することで、軽く出来ているのがウリの一つとされています。
▼ 運転音(最大値) (2)
トルネオ・ミニの運転音は、63〜約58dBで共通です。この数値だと掃除機として若干はマシですが、それでも普通にうるさいと感じるはずです。
▼ エコモード (0.5)
この「VC-C4」のエコモードは、消費電力の最大値を850W⇒500Wに抑える、つまりは、"中モード" の使用(本来「強/弱[推定:250W]」の2モード制)と、ヘッドを浮かすとパワーを低減する機能(※上位シリーズとは違い、停止には至らず)から成っています。
東芝は、何故ヘットが浮くとパワー低減が低減される機能を「強」と「弱」でも使えるようにしないのか、また、そもそも "中モード" が必要なら何故備えていないのか、不思議です。
▼ 消費電力 (3.5)
この機種の消費電力は、850W〜約120Wですので、その最大値は標準的な掃除機の15%減となっています。
つまりは、パワーが低い分、消費電力も低く済んでいます。
▼ 付属ブラシ類 (3)
「VC-C4」には、手元ブラシと延伸管部先端ブラシ(併せて「2WAYブラシ」)に加えて、通常のすき間ノズルが付属しています。
▼ 価格 (4)
この機種の価格は、数ヶ月(半年程度以上)経てば最安値では2万円を切る程度になると思われます。
▼ 総合評価 (2.67)
この「VC-C4」は、出来るだけ軽いサイクロン掃除機で、しかもモーター式回転ブラシを備えた製品が欲しい方には良いと思います。デザインが少し面白いのも、プラスなのではないでしょうか。
しかし、性能は決して高い訳ではありませんので、一応そのように了承して購入する必要があります(…値段相応です)。
とは言え、例えばアパート暮らし用としてであれば、十分だろうと思います。
当「VC-C4」と、前年度型「VC-C3」との違い
VC-C4 | VC-C3 | |
発売日 | 2014年12月 | 2013年12月 |
吸込仕事率 (消費電力は850〜 約120Wで同一) | 290〜約20W | 300〜約30W |
運転音 | 63〜約58dB | 64〜約58dB |
本体/全体重量 | 2.2/3.6kg | 2.3/3.8kg |
2014年度型では、元々軽かった重量の更なる軽量化が図られています。
本体では、新型軽量モーターの採用により100g軽くなりました。また、それにより運転音の最大値も1dB下がりましたが、その代償として吸込仕事率が10W、その最大時のパーセンテージにして約3%下がっています。
ヘッド+延伸管+ホース部では、延伸管に軽量素材のグラスファイバーを採用すると共に、ホースの径を細くすることで約100g軽くなっています。
そしてそれらの合計で、全体として前年度より200g軽くなっています。
東芝トルネオ[V&ミニ]、上・下位機種との比較
VC-S214 (トルネオV) | VC-C4 (トルネオミニ) | VC-C4A (トルネオミニ) | |
ヘッド | 軽量コンパクト パワーヘッド | フローリング ターボヘッド | |
吸込仕事率 | 200〜約50W | 290〜約80W (※パワー低減時 最小20W) | 290〜約80W |
本格サイクロン | 〇 | × | |
脱臭フィルター | 〇 | × | |
運転音 | 64〜約58dB | 63〜約58dB | |
本体/全体重量 | 3.2/4.7s | 2.2/3.6s | 2.2/3.5s |
エコモード | 〇 (パワー低減版) | × | |
2WAYノズル | 〇 | × | |
すき間ノズル 延伸管取付 | × | 〇 | |
別売品用 アタッチメント | × | 〇 |
上位機種「VC-S214」は、上位シリーズ "トルネオV" の最下位機種となります。そちらは一応本格サイクロンで、ゴミを吸気から分離するに当たり、フィルターに頼る割合が少ないです。
下位機種の「VC-C4A」は、ヘッド内の回転ブラシがモーター式ではなく、タービン(風力)式です。その為、回転のパワーは低く、主にフローリング向けだとされています。
"2WAYノズル" とは、延伸管先端部と手元グリップ部先端に付くゴミを掻き取りつつ吸引する為のブラシのことです。これは現在便利に使っていらっしゃる方には、なくては困るもののはずです。ただ、それらがない下位機種では、すき間ノズルが延伸管の手元グリップ部直下辺りに装着・保管することが可能となっています。
東芝では、この「VC-C4」より上位の機種では、すき間ノズルを延伸管に取り付けて保管することが出来ませんが、それが出来ないのは東芝とダイソンだけですので、すぐに対応した方が良いと思います。
"別売品用アタッチメント" というのはその名の通り別売ノズルを接続する際に必要な物のようですが、単に「VC-C4」より上位の機種には構造として必要がないので、付属する必要もないはずです。
※価格は変動します。時価はリンク先にてご確認下さい。
・VC-C4 TORNEO mini(トルネオミニ) | |
・楽天 ・amazon [レビュー有] ・楽天レビュー:レビュー(_件)を参照 ・ヘッド形状:軽量コンパクトパワーヘッド ・目詰まり対策:手動式チリ落とし ・吸込仕事率:290〜約20W[エコモード有] ・本体重量:2.2kg[小型機]/ 全体:3.6kg ・運転音:63〜約58dB ・排気方法:― ― ―/ 集塵容積:0.25L ・持ち手(本体):固定式 ・すき間ノズル収納:収納なし ・色:グランレッド(R) ・床上ダストゲッター(ヘッド上のチリも吸引) | |
前年度型
・VC-C3 TORNEO mini(トルネオミニ) | |
・楽天 ・amazon [レビュー有] ・楽天レビュー:レビュー(_件)を参照 ・ヘッド形状:軽量コンパクトパワーヘッド ・目詰まり対策:手動式チリ落とし ・吸込仕事率:300〜約30W[エコモード有] ・本体重量:2.3[小型機]/ 全体:3.8kg ・運転音:64〜約58dB ・排気方法:― ― ―/ 集塵容積:0.25L ・持ち手(本体):固定式 ・すき間ノズル収納:収納なし ・色:グランレッド(R)、ピンクゴールド(N) ・床上ダストゲッター(ヘッド上のチリも吸引) | |
関連ページ:
・VC-S214 トルネオV(上位機種)
・VC-C4A トルネオミニ(下位機種)
・VC-C3 トルネオミニ(前年度型)
関連サイト:
・新型軽量モーターの採用でさらに軽くなったサイクロン式クリーナーの発売について|東芝プレスリリース