「CZ-S01」は、2014年6月にCCP(バンダイの子会社)から発売となった新型のロボット掃除機です。これは同社製ロボット掃除機シリーズ「ラクリート」の最新機種ということになります。
▼ 四角形
その特徴としては、まず見ての通りロボット掃除としては珍しく、本体が四角形です。
これにより、従来の円形の機種と比べて、部屋の角のゴミが80%多く取れるようになったとされています。
しかし、そもそも何故ロボット掃除機が皆円形なのかというと、その場で回転して方向を変えることで、狭い場所に入り込んでも脱出しやすいからです。
この機種の場合、その場で回転しようとしても、本体の角の部分をぶつけることが多いはずで、単なる方向転換においても困難な場合が多く生じるはずです。
こういったロボット掃除機、特に安物のそれは、ただでさえどこかで動けなくなって止まってしまう可能性が高いです。それなのに、わざわざ止まりやすい形にする等、使い勝手を犠牲にしてまで目新しさにこだわったとしか思えません。
▼ 吸引口の回転ブラシがない
ロボット掃除機は吸引力が弱く、絨毯ではまともに掃除が出来ません。
その為、吸引口には床からゴミを掻き取る回転ブラシを付けるのが普通となっているのですが、この「CZ-S01」を含むラクリートシリーズの場合にはそれがありません。
なので、このシリーズは、ほぼフローリング専用機ということになっています。
また、側面のゴミを吸引口の前にかき集める "サイドブラシ" ですが、他のラクリートには左右に1本づつありますが、この機種の場合にはそれが右側の1本しかありません。
その割に、対応床面積は25畳と広いので、それでも問題はないのかもしれません。しかし、稼動時間が50分と若干短い上にそうであることもあり、この部分に関しては実のところかなり不思議です(汗)。
▼ 非自動充電
ロボット掃除機と言えば、掃除後には自動で充電台に戻るのが、一般的なイメージだと思います。
しかし、この機種の場合には、自動で充電台に戻る機能はありません。
実は、充電台はロボット本体を立てて置く方式なので、自動充電式と比べると、保管時には比較的邪魔になりにくいです。
また、自動充電ではないにしても、バッテリー切れの際には、充電台の近くまで戻って停止する機能が採用されています。
▼ 非接触型
ロボット掃除機の多くは、前面に大きなバンパーと接触検知センサーが搭載されており、バンパーが障害物に接触すると、その衝撃を和らげると共に障害物を認識し、ロボットの方向を変えることになります。
しかし、この「CZ-S01」の場合には、(恐らく)赤外線で障害物を認識し、基本的に接触はしないとされています。
しかし、ロボットのセンサーは、椅子の足や家具の角等の細い物体、及び黒い物体は認識できません。なので、そういった物にはもれなく衝突することになります。しかも、この機種にはバンパー自体ありませんので、衝突はする側にもされる側にも、かなり好ましくありません。
▼ 段差乗り越え能力は、約0.75cm
0.75cmだとほぼ最低限です。少し大きな段差はほぼ無理だと思った方が良いでしょう。
▼ HEPAフィルター
この「CZ-S01」では、フィルターに高性能なHEPAフィルターが付いているのもウリとなっています。
フィルターが高性能であるのは、それはそれで構いませんが、ロボット掃除機はそもそも吸引力が弱く、排気量も少ないです。
また、この機種の場合、その排気を何と本体裏に出しています。排気口は吸引口の後なので、排気が出るのは一応ゴミを吸った後の場所ということになりますが、方向転換をする際には、見事に未掃除箇所に排気を吹き付けることになります。
なので、この製品の場合、HEPAフィルター云々よりも、まずは排気口の向きを変える必要があります。
▼ 他のラクリートとの関係
この機種は、一見新登場の最上位機種に見えますが、実はそうではありません。
CZ-907 | CZ-905 | CZ-S01 | CZ-860 | |
自動充電 | 〇 | 〇 | × | × |
適用床面積 | 25畳 | 20畳 | 25畳 | 15畳 |
行動パターン | 4種類 | 4種類 | 3種類 | 3種類 |
対障害物 | 非接触 | 接触 | 非接触 | 接触 |
段差乗り越え | 1.5p | 0.75cm | 0.75cm | 0.75cm |
HEPAフィルター | × | × | 〇 | × |
掃除時間 | 60分 | 50分 | 50分 | 50分 |
充電時間 | 8時間 | 7.5時間 | 5時間 | 4時間 |
バッテリー | ニッケル水素 (14.4V) | ニッケル水素 (14.4V) | リチウムイオン (10.8V) | ニカド (14.4V) |
充電可能回数 | 300回 | 300回 | 500回 | 300回 |
サイズ (幅×奥行き×高さ) | 29.5×29.5 ×7.5cm | 28×28 ×7cm | 26×26.4 ×7cm | 27×27 ×7.6cm |
重量 | 1.9kg | 1.6kg | 1.6kg | 1.5kg |
このように、一番近いのは上から2番目の「CZ-905」ということになります。
ただし、「CZ-S01」は、かなりの後発品ということもあり、バッテリーには上級バッテリーのリチウムイオンタイプが採用されており、その点だけは最上位機種よりも優れています。しかし、バッテリーの電圧(パワー)は、全機種中最低です。その為、吸引力は他より劣る可能性がそれなりにあります。
また、これは一見かなりの薄型に見えますが、「CZ-905」とは全く同じですし、その他とも5〜6mmの違いでしかありません。
▼ まとめ
この「CZ-S01」は、性能的には選ぶ理由はほぼありません。
と言いますか、価格的に見て、もしかしたら地雷と言って良いのかもしれません(…あくまで「かも」の話です ^^;)。
どれにするか決めかねて、デザインで、もうこれにしよう!、と思ってしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、それだと最悪です(笑)。
いっそのこと、下位機種の「CZ-860」にした方が、圧倒的に無難です。
※価格は変動します。時価はリンク先にてご確認下さい。
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![]() | ・楽天![]() ・amazon [レビュー有] ・楽天レビュー:レビュー(_件)を参照 ![]() ・ヘッド形状:吸引+サイドブラシ×1 ・吸込仕事率:未公表/対応床面積:約25畳 ・本体重量:1.6kg /運転音:約60dB ・色:ブラック(BK) ・サイズ:幅26.0×奥行26.4×高さ7.0cm ・段差乗り越え能力:約0.75cm ・移動パターン:ランダム、壁沿い、渦巻き ・約5時間充電(非自動)・約50分可動 ・10.4Vリチウムイオン充電池採用 ・HEPAフィルター仕様 ・アロマトレイ付(市販のオイルを使用) ・要充電状態になると充電台の近くで停止 ・想定小売価格:26,784円 |
関連ページ:
・CZ-C02,CZ-C04 ラクリート(2015年度型)
・ニトリ・ロボット掃除機「ルノンXR210」/「ファシル2 M-H298/AIM-RC07(N)」
関連サイト:
・LAQULITO(ラクリート)[CZ-S01]|株式会社シー・シー・ピー
・⾃動ロボット掃除機 ラクリート「CZ-S01」発売|CCPプレスリリース