「MC-SK15A」は、2014年9月1日にパナソニックから発売となった新型(モデルチェンジ)のサイクロン掃除機です。
シリーズ名としては "ツインサイクロン" とカッコ良く呼ばれていますが、実際のところは殆ど単なるフィルター式の掃除機に過ぎません。
このシリーズは、前年度までは本体重量が3.8kgの普通程度の大きさの掃除機でした。しかし、今年度のモデルチェンジに伴い、その約3分の2の2.7kgにまで小型化されたニューボディとなっています。
※評価はおおよそのものです。
▼ ヘッド 
(2)
この「MC-SK15A」のヘッドは "エアロノズル" です。吸引の風で回るタービン式の回転ブラシを備えています。
これは、絨毯を掃除するのには少し非力なので、主にフローリング向けです。しかし、絨毯を掃除するにあたっても、ないよりはあった方が良いものです。
また、このヘッドには、ヘッド上に舞い上がったチリを吸うという "エアダストキャッチャー" も付いています。
▼ 吸込仕事率 (2)
この機種の吸込仕事率は、320〜約80Wですので、小型サイクロン掃除機としては普通程度です。しかし、構造が紙パック式とあまり差がなく、普通にもっとハイパワー化が可能な "ツインサイクロン" 式にしては低いです。
▼ 清掃力 
(1.5)
ヘッドがタービン式の上に、吸込仕事率も低めですので、多くは期待できないでしょう・・・。
▼ サイクロン部(吸引力持続) (2)
この「MC-SK15A」のサイクロン方式は、"ツインサイクロン" です。
名前は "強力なサイクロンが2つも搭載されている！" といったノリで、高性能を連想させますが、実のところこれは本当のサイクロン式ではなく、同方式として肝心の遠心分離を行いません。
ダストボックスは、このように単に箱になっているだけで、フィルター前に市販のティッシュを1枚挟んで、そこに大〜中のゴミを集塵し、ティッシュは使い捨てにします。
では、何がサイクロンなのかと言うと、中央に膨らみがあって抓んで回すダイヤルに見える灰色のプラスチック製円状部品に、吸い込んだ風は(ティッシュあればそれ越しに)当たります。
その際、空気は左右に分かれてその場で横方向の2つの渦を巻くことになるので、パナソニックとしては、それをサイクロンと呼んでいるようです。
そのような渦が生じるとどうなるのかと言うと、結果的に何とダストボックスの上部からゴミを詰めて行く効果があるとされており、確かに最初はそういう傾向も見られます。
しかし、実際は見ての通り、単に吸引した風が直接当たるところを避けて、ゴミが溜まって行くことになります。
なので、これはサイクロン式というよりも、"ティッシュフィルター式" といった方が正確な製品です。
ティッシュを挟んだ部分の後方には、プリーツ(アコーディオン)状のメインフィルターがあり、ティッシュ部をすり抜けた小さなチリはそこに溜まります(かなりすり抜けます)。
このフィルターには手動レバー式(※右上の写真の青い部分)のフィルター振動機構があり、それを左右にガチャガチャと動かすことで、ある程度のチリを落とすことが出来ます。
しかし、それでは落ち切らないチリはどんどん溜まって行きますので、そうなると手作業でのフィルター清掃が必要となります。
吸引力持続効果については、こういった方式なので、使用中においては特にありません。
しかし、毎回使用後にゴミをティッシュごと捨てて、更にメインフィルターの振動も行って落ちたチリも捨てれば、吸引力はかなり回復します。
勿論、手作業でのフィルター清掃まで行えば更に回復可能ですが、例え水洗いまでしてもフィルターは完全に元には戻りません。
▼ ゴミ圧縮 
(3)
こういったティッシュに集塵する方式は、構造として紙パック式と同様ですので、ゴミの圧縮具合も基本同等です。
ただし、紙パック式程ゴミを溜めこむ訳ではないので、あれ程の圧縮がなされる訳ではありません。
また、これはツインサイクロンでも、吸引力が従来機種の50％程度の低いバージョンですので、やはりその分圧縮具合も弱くなるはずです。
▼ ゴミの捨てやすさ 
(1)
このタイプにおいては、ティッシュに集めたゴミを捨てる分には、特に大変ではありません。
しかし、メインフィルターから出たチリを捨てる際には、捨てやすくする工夫も施されておらず、舞いやすく厄介です。
実は、ティッシュを挟まずに使うことも出来ますが、その場合メインフィルターにまで達するゴミは若干は増えるはずですし、また、ゴミ捨て時に通常ティッシュに付く分を捨てる際にも、ゴミがバラけやすく厄介なはずです。
ただし、ティッシュを挟んで使う場合には、当然使う前、もしくは前回の掃除後のゴミ捨て時に、新しいティッシュを挟む必要があります。これは大した手間ではないですが。
▼ ダストボックスの容量 
(5)
今年度型ツインサイクロンのダストボックスの容積は0.6Lですので、サイクロン掃除機としてはかなり多いです。
その理由としては、サイクロンとは名ばかりで、遠心分離部のために空気とゴミを回転させるスペースがない分で、ゴミの収容スペースを広く取れていることが挙げられます。
▼ フィルター (1)
この「MC-SK15A」のフィルターには、ごくごく一般的な物が採用されているだけです。高性能ではありませんが、有名メーカー製としてそれなりの物ではあると言えるでしょう。
▼ 本体重量 (5)
この本体重量は2.7kgですので、かなり軽めです。
ただし、軽さ・小ささが優先でパワーが低いですので、一軒家での主力機としては若干物足りないかもしれません。
▼ ヘッド＋延伸管＋ホース部重量 
(4)
それらの重量は1.3kgですので、全体から見ると軽く、タービン式としては普通程度です。
▼ 運転音(最大値) (1)
この機種の運転音は、65〜約60dBですので、よくある普通のうるさい掃除機です。
▼ エコモード 
(0)
この「MC-SK15A」は安価な掃除機につき、エコモードの類はありません。
▼ 消費電力 (3)
この機種の消費電力は、950W〜約300Wです。その最大値は標準的な掃除機の5％減となってはいますが、普通といっても差支えないでしょう。
勿論、パワーのない小型機の割には、電力を食いすぎです。
▼ 付属ブラシ類 (1)
当「MC-SK15A」には、"すき間ノズル" のみが付属しています。
▼ 価格 (4)
この機種は、最安値(1年近く経った後)として10,000円強程度となる可能性があります。
▼ 総合評価 (2.37)
この「MC-SK15A」は、まともなサイクロン掃除機とは言えませんが、紙パックの追加購入の必要がない掃除機ではあります。
ヘッドの回転ブラシはタービン式に過ぎませんが、ご自宅がフローリングがメインであれば、一応十分だとも言えます。
しかも、これはかなり軽い機種でもあります。
そしてそれらの上で安く買えますので、そういった製品をご希望の方には良い掃除機なのかもしれません。
メーカーがパナソニックだというのも、買いやすい要因となるのではないでしょうか。
当「MC-SK15A」と、前年度型「MC-SK14A」との違い
| MC-SK14A | MC-SK15A | |
| 発売日 | 2013年8月24日 | 2014年9月1日 |
| 吸込仕事率 | 600〜約70W | 320〜約80W |
| 消費電力 | 1140〜約150W | 950〜約300W |
| パワー持続センサー | 〇 | × |
| 運転音 | 65〜約55dB | 65〜約60dB |
| 本体/全体重量 | 3.8k/5.0kg | 2.7/4.0kg |
| 集塵容積 | 0.7L | 0.6L |
| クイックスタンド | 〇 | × |
今年度のモデルチェンジ品は、超小型機となり、パワーも半減しました。しかし、中途半端なサイクロンの方式は単に共通となっていますので、サイクロン掃除機としての低い "格" は変わっていません。
"パワー持続センサー" は、標準モード(中モード)時限定で、紙パックが詰って吸引力が落ちて来ると、パワーを上げる機能です。これは「強」での運転中には関係ありませんので、いつも「強」を使う方には、関係がありません。
"クイックスタンド" は、本体後部に、掃除中断時にヘッドを引っ掛けて立て掛けておけるフックがあることを意味しています。それ位なら、どの製品にも付ければ良いと思うのですが・・・。
ツインサイクロン・上位機種との比較
| MC-SK15J | MC-SK15A | |
| ヘッド | 小型軽量 パワーノズル | エアロノズル (タービン式) |
| 消費電力 | 900〜約300W | 950〜約300W |
| 本体/全体重量 | 2.4/4.0kg | 2.7/4.0kg |
| フィルター | アレル物質抑制 加工フィルター | 一般フィルター |
この上位機種は、ヘッドの回転ブラシがモーター式にアップグレードされた同一ボディ機種ですが、何と本体が300gも軽いです。しかし、ヘッドが300gも重いので、総重量としては当機と同じとなっています。
フィルターも少し良い物が付いていますが、特に良いという程ではありません。
※価格は変動します。時価はリンク先にてご確認下さい。
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  | ・楽天 ・amazon  ・楽天レビュー： ・ヘッド形状：エアロノズル(タービン式) ・目詰まり対策：「チリ落とし」手動レバー ・吸込仕事率：320W ・本体重量：2.7kg/ 全体重量：4.0kg ・運転音：65〜約60dB ・排気方法：― ― ― ・持ち手(本体)：固定式 ・色：ブルー(A) ・エアダストキャッチャー付 |
前年度型
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 | ・楽天 ・amazon [レビュー有]  ・楽天レビュー：レビュー(_件)を参照 ・ヘッド形状：エアロノズル(タービンブラシ) ・目詰まり対策：「チリ落とし」手動レバー＆パワー持続センサー ・吸込仕事率：600W ・本体重量：3.8kg/ 全体重量：5.0kg ・運転音：65〜約55dB ・排気方法：― ― ― ・持ち手(本体)：固定式 ・色：ブルー(A) ・エアダストキャッチャー |
関連ページ：
・MC-SK16A ツインサイクロン(2015年度型後継機種) 
・MC-SK15J ツインサイクロン(上位機種)
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