「MC-SR22J」は、2014年8月下旬にパナソニックから発売となる、新型のサイクロン掃除機です。シリーズ名としては "プチサイクロン" と呼ばれており、これは3種類あるその2014年度型の、下位機種ということになっています。
その特徴としては、その名の通りの小型機で、本体重量は2.9kgしかありません。
ヘッドには、モーター式回転ブラシが内蔵されているものの、高性能な自走式ではありません。
ただ、サイクロンの中心にある筒型フィルターは、目の細かい比較的マシなものなので、比較的低価格なサイクロン掃除機の中では、購入の候補に入るかと思います。
※評価はおおよそのものです。
▼ ヘッド (3)
この「MC-SR22J」のヘッドは、"小型軽量パワーノズル" と呼ばれます。モーター式回転ブラシの内蔵型ですが、比較的高価な機種がそうである「自走式」ではありません。
ただし、回転ブラシによる "拭き掃除効果" はあるとされていますので、低性能という訳でもないようです。
尚、パナソニック製のウリである、足踏みペダルでヘッドが外れて子ノズルが出る "親子ノズル" や前方を照らすLEDライトは未装備です。
▼ 吸込仕事率 (2)
この機種の吸込仕事率は、300〜約50Wです。小型のサイクロン掃除機としては普通程度ですが、全体としては低い数値です。
▼ 清掃力 (2.5)
ヘッド性能は程々で、吸込仕事率は低いので、こういった程度だろうと・・・。
▼ サイクロン部(吸引力持続) (3)
この「MC-SR22J」を含むプチサイクロンは、サイクロンは1段式で、基本的に大きなゴミを遠心分離できる程度です。
細かなチリは、ダストカップ上部の円形のメインフィルターで集塵されますが、主に掃除終了後のゴミ捨て時に、フィルター振動ハンドルを回して、その振動で溜まったチリを下に落とすことで、ある程度の吸引力が回復します。
ただ、サイクロンの中心部にある円筒型フィルターの目が、このプチサクロンの場合割と細かな物ですので、そこを通過してメインフィルターに達することが可能なチリは、本当に細かな物だけとなります。
しかし、メインフィルターには振動では落ち切らない細かなチリが徐々に溜まって行きますので、そうなると手作業でのフィルター掃除が必要となります。
これは勿論、本来的なサイクロン方式とは言えず、褒められた方法ではありません。
▼ ゴミ圧縮 (1.5)
このプチサイクロンシリーズは、ダストカップ下部全体が膨らみを持つ形状となっており、遠心力でその部分にゴミを集中して押し付けることで、それを約3分の1に圧縮するとされています。
ただし、ある程度大量のゴミを吸い込まないと、ゴミは回転しながら横に逃げるだけですので、圧縮は(ほぼ)されません。
▼ ゴミの捨てやすさ (1.5)
ゴミ捨て時には、一応ワンタッチでダストカップの底が開きますが、そのままボトッと落とすとホコリが舞いますし、下開きの蓋の内側に残るゴミを落とすのも厄介です。
また、実はこのプチサイクロンには、フィルター振動ハンドルを回して落としたチリを、ダストカップに掃き落とす部品がありません。下にまで自然に落ちるチリは、ダストカップ上部の円形フィルターの中央付近から出るチリだけとなります。
なので、そのチリをきちんと捨てようと思えば、円形フィルターを上に外してダストカップをひっくり返し、はたく必要があります。勿論それを怠れば、フィルター振動で落ちたチリの数割は、またフィルターに吸いよせられて付着してしまうと思います。
▼ ダストボックスの容量 (1)
プチサイクロンシリーズのダストカップ(ボックス)の容量は、0.25Lです。これは超小型機としては普通ですが、一軒家を掃除しようとするには心許ない数値です。
少なくとも、ゴミは毎回捨てるつもりでいた方が良いでしょう。
▼ フィルター (3.5)
プチサイクロンシリーズのフィルターは、0.5μm以上のチリの99.9%を捕塵可能な "逃さんフィルター" (※今年度型はその固有名詞は未使用ですが)です。
また、機体後部フィルターとして "アレル物質抑制・抗菌酵素加工フィルター" という、2つの作用のある物も装着しています。
▼ 本体重量 (5)
この「MC-SR22J」の本体重量は、2.9kgです。一応超小型機相当となりますが、これより上位のプチサクロンより200g程重いです。
▼ ヘッド+延伸管+ホース部重量 (3)
それらの重量は1.5kgとなっています。ヘッド性能が高くないこともありますが、モーター式回転ブラシの機種としては比較的軽いです。
▼ 運転音(最大値) (3)
この「MC-SR22J」の運転音は、59〜約56dBです。これは比較的マシな数値です。
▼ エコモード (1)
この機種は、ヘッドが床から離れると約3秒で吸引を停止する "アイドリングオフ" のみを備えています。
▼ 特記項目 "消費電力" (3.5)
この機種の消費電力は、850W〜約230Wですので、その最大値は標準的な掃除機の15%減となっています。
しかし、通常クラスのモーターを載せて遠心分離力を高めるのが、サイクロン掃除機として本来のあり方だと思います。
特に、このシリーズとほぼ同サイズのダイソンDC63は、1,150Wモーターですので、そういった単純な所で既にかなり劣っています。
▼ 特記項目 "半円型手元グリップ" (2)
延伸管最上部の手元グリップですが、これは輪になった物の方が手前に引き易く、掃除が楽に進みます。勿論、これでも付いていないよりは、付いている方がずっと良いのですが。
▼ 付属ブラシ類 (2)
この「MC-SR22J」には、手元グリップ下の手元ブラシと、普通のすき間ノズルが付属します。"子ノズル" がない分で、延伸管先端部ブラシはありません。
▼ 価格 (4)
この機種は、前年度型と比べると "ハウスダスト発見センサー" がありませんので、最安時には1万8,000円程度になる可能性があります。
▼ 総合評価 (2.59)
プチサイクロンは、本格的なサイクロン掃除機だとは言えず、フィルターに付いたチリを手動式の振動装置で落としながら使う掃除機に過ぎません。
しかし、この「MC-SR22J」は、比較的手頃な価格で買える(ようになる)掃除機ですので、そういったものでこの性能であれば、マシだということが出来ます。
ヘッド性能もそこそこですし、運転音もマシですので、それ程高くないサイクロン掃除機で、うるさくない物が欲しい方にはちょうど良いかもしれません。
前年度型「MC-SR21J」との違い
MC-SR21J | MC-SR22J | |
発売日 | 2013年8月25日 | 2014年8月下旬 |
ヘッド(名) | 軽走パワーノズル | 小型軽量パワーノズル |
吸込仕事率 | 300〜約110W | 300〜約50W |
消費電力 | 850〜約380W | 850〜約230W |
本体/全体重量 | 2.8/4.4kg | 2.9/4.4kg |
ハウスダスト 発見センサー (※&エコモード) | 〇 | × |
今年度は、まずヘッドが名前だけでなく実際に変更されているようで、吸込仕事率と消費電力の最小値がかなり下がっています。
それらの最小時において、まさかゴミの取れ具合を落とすわけには行かないはずなので、ヘッドが低吸込仕事率に対応した小振りなバージョンになったのでしょう。
今年度は、"ハウスダスト発見センサー" がなくなっていますが、この系統機種からセンサー機能がなくなったのは初めてですので、その分少し下の価格帯で売るつもりなのかもしれません。
重量は本体は何故か約100g重くなっていますが、ヘッド+延伸管+ホース部の数値は変わっていません。
これは正確には四捨五入で100g軽くなっているのですが、仮に何10gかの変化であれば、今年度は "ハウスダスト発見センサー" が省略されたので、そのセンサー本体と2つある表示ランプの分が、その主な要因であるのかもしれません。
パナソニック・サイクロン式 上・下位機種との比較
MC-SR32G | MC-SR22J | MC-SK15J | |
ヘッド | パワフル自走ノズル | 小型軽量 パワーノズル | |
拭き掃除効果 | フローリングの 菌まで拭き掃除 | (単なる)拭き掃除 | |
ヘッド部 LEDライト | 子ノズルのみ | ― ― ― | |
吸込仕事率 | 300〜約110W | 300〜約50W | 320W〜約80W |
サイクロン方式 | パワープレスサイクロン (※遠心分離) | ツインサイクロン (※非遠心分離) | |
筒型フィルター | ステンレスガード | 標準型 | ― ― ― (ティッシュ装着) |
メインフィルター | 0.5μmのチリの99.9%を集塵 | 未記載品 | |
最終フィルター | アレル物質抑制抗菌 酵素加工フィルター | アレル物質抑制 加工フィルター | |
本体/全体重量 | 2.7/4.5kg | 2.9/4.4kg | 2.4/4.0kg |
運転音 | 57〜約54dB | 59〜約56dB | 65〜約60dB |
ハウスダスト 発見センサー | 〇 | × (※エコモードなし) |
上位機種「MC-SR32G」との最大の違いは、ヘッドです。上位の "パワフル自走ノズル" には自走力がありますし、拭き掃除効果も高いとされています。また、子ノズルが出る "親子ノズル" 機能も付いています。しかし、そのせいで300g程重いです。
筒型フィルターに関しては、上位2機種はステンレス製となりましたが、こちらでは前年度までの物が継承されています。
また、パナソニック製のウリである "ハウスダスト発見センサー" が付いており、その分で自動パワーコントロールのエコモード(パナソニック名:エコナビ)が付いています。
下位機種「MC-SK15J」は、"ツインサイクロン" というティッシュをフィルター代わりに使うタイプの製品で、サイクロン掃除機を名乗っていても、本当はサイクロン掃除機ではありません。
しかし、構造が単純な分で安く出来るのと、やはり紙パックを使わなくても良いので、一定の需要があるタイプです。
ヘッドは「MC-SR22J」と同一ですし、パワーも同等ですので、掃除性能の面では殆ど同等です。
ただし、「MC-SK15J」はボディが小さく500gも軽いです。しかし、その分遮音がないのか、運転音が6dBも大きく、掃除機としてはちょうど普通程度です。
このタイプは、ティッシュに付くゴミはともかく、メインフィルターから落ちるチリを捨てるのが若干厄介ですので、あまりお勧めは出来ません。
※価格は変動します。時価はリンク先にてご確認下さい。
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![]() | ・楽天 ・amazon [レビュー有] ・楽天レビュー:レビュー(_件)を参照 ・ヘッド形状:小型軽量パワーノズル ・目詰まり対策:手動式フィルター振動機構 ・吸込仕事率:300〜約50W ・本体重量:2.9kg/ 全体重量:4.4kg ・運転音:59〜約56dB ・排気方法:まいあげブロック構造 ・持ち手(本体):固定式 ・すき間ノズル収納:延伸管裏 ・色:メタリックピンク(S) ・エアダストキャッチャー |
前年度型
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![]() | ・楽天 ・amazon [レビュー有] ・楽天レビュー:レビュー(_件)を参照 ・ヘッド形状:軽走パワーノズル ・目詰まり対策:手動式フィルター振動機構 ・吸込仕事率:300〜約110W ・エコモード:ハウスダスト発見センサー+アイドリングオフ ・本体重量:2.8kg/ 全体重量:4.4kg ・運転音:59〜約56dB ・排気方法:まいあげブロック構造 ・持ち手(本体):固定式 ・手元ブラシ:〇/すき間ノズル収納:延伸管裏 ・色:メタリックピンク(P)、コモンブラック(CK) |
関連ページ:
・MC-SR23J プチサイクロン(2015年度型後継機種)
・MC-SR32G/MC-SC32RG プチサイクロン(上位機種)
・MC-BR31G コードレス・プチサイクロン(充電式)
・MC-SK15J ツインサイクロン(下位機種)
・MC-SR21J(前年度型)
関連サイト: