「VC-PD8A」は、2014年7月1日に東芝から発売となった、新型(マイナーチェンジ)の紙パック式掃除機です。
その特徴としては、安めの掃除機にしては高い吸込仕事率・620Wを誇り、本体重量も通常サイズ機としては非常に軽い3.2kgであることが挙げられます。
しかし、その代りに運転音の最大値は68dBと、少なくとも日本の有名メーカー製のヨコ型掃除機の中では、最悪の数値となっています。
※評価はおおよそのものです。
▼ ヘッド (2)
この「VC-PD8A」のヘッドは、タービン(風力)式回転ブラシ内蔵の "フローリングターボヘッド" です。
"ターボ" とは、そのまま "タービン" のことで、単にタービン式回転ブラシ内蔵ヘッドであることを意味しています。
メーカー各社のタービン式ヘッドの中でも、この東芝製は多少特殊で、フローリングの表面を優しく掃く為だけにしか用途がないような、柔らかい起毛のみが回転するブラシとして採用されています。その為、他社製に比べて、フローリング上はともかく、絨毯上での有効性は低いと推測できます。
なので、この機種は、その名の通りに、ご自宅が殆どフローリングの方が選ぶのが良いと思われます。
また、これはこれより上位のヘッドでも同様ですが、ヘッドと延伸管とを水平にまで出来ることで( "床ピタ設計" 。最後にグリップ部の捻りは必要)、家具の下等のすき間を掃除しやすく出来ています。
▼ 吸込仕事率 (4)
「VC-PD8A」の吸込仕事率は620W〜約100Wですので、かなり高いです。
▼ 清掃力 (3)
ヘッドはタービン式なのでイマイチですが、吸込仕事率がかなり高いので、こんな感じだろうと・・・。
▼ 吸引力持続 (0)
東芝製の紙パック式には、吸引力持続の機能・構造はありません。
▼ 標準紙パック性能 (3)
「VC-PD8A」に標準付属している紙パックは、「VPF-5」です。これは防臭加工等はないものの、一応3層構造で、東芝製では上から2番目の集塵力となっています。
また、東芝製は紙パックの入口にゴムの輪っかが付いており、掃除機に装着されて使用されている際に、その脇からゴミを含む空気が漏れないことに関しては、非常に信頼性が高いです。
▼ 標準紙パックの容量 (2)
この「VC-PD8A」の紙パックの容量は、1.4Lです。これはどちらかというと少ないですが、それでも普通の範囲ではあります。
▼ フィルター (3)
この機種に紙パックとは別に付いているフィルターは、"一般フィルター" とだけ書かれています。
しかし、最終的な(ゴミ)捕塵率は、0.5μm以上のチリの約99%だとされていますので、どちらかというと優秀です。
▼ 本体重量 (4)
「VC-PD8A」の本体重量は3.2sですので、通常サイズの掃除機としては相当軽いです。
▼ ヘッド+延伸管+ホース部重量 (3)
それらの重量は1.4kgですので、全体としては普通で、タービン式としては重めです。ただし、これはほぼフローリング特化型ではありますが、回転ブラシの質感は良いですので、悪くはないと思います。
▼ 運転音(最大値) (0)
この「VC-PD8A」の運転音は、68〜約61dBです。これは有名メーカー製の家庭用掃除機としては、最悪の数値です(※ダイソンのみ未公表)。
使用者にとってこの面での過去最悪、もしくは最悪の一つとなる可能性も高いでしょう。
勿論、アパート・マンション等には向かないはずですし、一軒家でも夜に使いたいとは思わないものだと思います(※⇒「掃除機の騒音ランキング」)。
▼ エコモード (0)
この「VC-PD8A」は、かなり安くなるのが前提なのか、エコモードの類は装備されていません。
▼ 消費電力 (2)
この機種の消費電力は1,100〜約250Wですので、"強" で使用時に平均より10%それは高いです。
▼ 付属ブラシ類 (1)
この「VC-PD8A」の付属ブラシ類は、通常のすき間ノズルのみとなっています。
▼ 価格 (4)
この機種は、前年度の同等型番よりダウングレードされていますので、どの程度になるかは何とも言えません。しかし、最安値は、モデル末期に13,000円程度となるかな?と思います。
▼ 総合評価 (2.21)
この「VC-PD8A」は、ヘッドはタービン式ですが、吸込仕事率はかなり高いですし、フローリング用としてであれば、十二分な性能であるように思います。しかし、吸込仕事率は十分ながらも、回転ブラシがフローリング特化型なので、絨毯掃除には回転ブラシの威力の高いモーター式にするか、少なくとも他のタービン式機種にした方が良いかもしれません。
また、排気性能は悪くなく、本体は軽いですが、運転音は酷いです。なので、一軒家にお住まいで、掃除機は昼間使うから音は気にならないという方でないと、不満は大きいかもしれません。
しかし、運転音に関しては、安価な製品であればどれもそれなりにうるさいので、そういうものだと思ってしまえば、悪いポイントにはならないかもしれませんが。
当「VC-PD8A」と、前年度型「VC-PC8」との比較
VC-PC8 | VC-PD8A | |
ヘッド | コンパクト カーボンヘッド | フローリング ターボヘッド |
吸込仕事率 | 620〜約50W | 620〜約100W |
消費電力 | 1,100〜約160W | 1,100〜約250W |
本体/全体重量 | 3.2/4.9kg | 3.2/4.6kg |
エコモード (※アイドリング機能) | 〇 | × |
やわらか分散排気 | × | 〇 |
今年度の最大の変更点は、ヘッドがモーター式(非自走)回転ブラシが内蔵された物から、タービン(風力)式の物にダウングレードされたことです。パワーのあるモーター式は絨毯に向くとされ、フローリングであればタービン式でも一応十分だとされています。
そして風力式の回転ブラシの回転を維持する必要性から、吸込仕事率の最低値(及び消費電力)が上がっています。
しかし、その代りに、ヘッド+延伸管+ホース部の重量は、約300gも軽くなっています。
また、ヘッドを浮かせると吸込を弱くする "アイドリング機能" が省略となり、排気を両後輪側面に開けた小さな穴からも排出する "やわらか分散排気" が、従来よりそうであった紙パック式の他系統機種に続いて採用されています。
東芝紙パック式 上・下位機種との比較
VC-PD9 | VC-PD8A | VC-PD7A | |
ヘッド | 自走式 カーボンヘッド | フローリング ターボヘッド | |
床ピタ設計 | 〇 | × | |
吸込仕事率 | 640〜約60W | 620〜約100W | 580〜約100W |
消費電力 | 1,150〜160W | 1,100〜約250W | |
本体/全体重量 | 3.2/4.9kg | 3.2/4.6kg | 3.2/4.4kg |
手元グリップ | らくわざグリップ (三角形/輪状) | 通常タイプ (三日月状) | |
床面検知&節電 アイドリング機能 (※エコモード) | 〇 | × | |
手元ブラシ | 〇 | × | |
別売品用 アタッチメント | 〇 | × | |
標準紙パック | VPF-7 | VPF-5 |
上位機種「VC-PD9」では、ヘッドにモーター式回転ブラシ、しかも自走力を備えた比較的良いものが採用されていますので、絨毯にも向く高性能さです。
下位機種「VC-PD7A」は、この「VC-PD8A」とは差はほぼありません。 "床ピタ設計" や "らくわざグリップ" で、こちらの方が使いやすいはずではありますが、ヘッド+延伸管で一応200g重いです。
"別売品用アタッチメント" に関しては、そもそもその必要がない機種には付属していないはずです。実は東芝製の高額機種にも付属していないので、付属しないなら付属しないで、問題はないでしょう。
※価格は変動します。時価はリンク先にてご確認下さい。
・VC-PD8A | |
・楽天 ・amazon ・楽天レビュー: ・ヘッド形状:フローリングターボヘッド(タービン式) ・目詰まり対策:― ― ― ・吸込仕事率:620〜約100W ・本体重量:3.2kg/ 全体重量:4.6kg ・運転音:68〜約61dB ・排気方法:― ― ― ・持ち手(本体):折り畳み式 ・すき間ブラシ収納:延伸管裏 ・色:ライトブルー(L) ・「床上ダストゲッター」(ヘッド上空のホコリを吸引) ・標準紙パック:VPF-5(1枚付属) | |
前年度型
・VC-PC8 | |
・楽天 ・amazon ・楽天レビュー:レビュー(_件)を参照 ・ヘッド形状:コンパクトカーボンヘッド(非自走モーター式) ・目詰まり対策:― ― ― ・吸込仕事率:620W[エコモード有] ・本体重量:3.2kg/ 全体重量:4.9kg ・運転音:68〜約61dB ・排気方法:― ― ― ・持ち手(本体):折り畳み式 ・すき間ブラシ収納:延伸管裏 ・色:グレー(H) ・「床上ダストゲッター」(ヘッド上空のホコリを吸引) | |
関連ページ:
・VC-PD9(上位機種)
・VC-PD7A(下位機種)
・VC-PC8(前年度型)
関連サイト: