「VC-PG314」は、2014年7月1日に東芝から発売となった、新型(マイナーチェンジ)の紙パック式掃除機です。
これは一応東芝製紙パック式の最上位機種となりますが、吸込仕事率は550Wと控えめで、その割に運転音は64dBと普通にうるさく、ヘッドも "自走式カーボンヘッド" で東芝製の最上位ヘッドではありません。
しかし、パナソニックと東芝にしかない、吸気内のゴミを検知する赤外線センサー "ゴミ残しまセンサー" を備え、東芝純正布団用ノズル "ダニトルピー" も標準付属しています。
※評価はおおよそのものです。
▼ ヘッド (4)
この「VC-PG314」のヘッドは "自走式カーボンヘッド" と呼ばれています。
"自走式" とは、ヘッド内に仕込まれた回転ブラシの回転力が強く、その力でヘッドを若干前進させることが出来ることを意味しています。
これにより、使用者は軽い力での操作が可能となっています。ただし、引く時には通常より力が必要ですが、押す時より引く時の方が楽なのと、引く時にはヘッド後部を僅かに浮かせる事が出来るため、総合的には使いやすいです。
この機能は、国内メーカー各社の高額機種には普通にあるもので、特別なものではありませんが。
そして、"カーボン" とは、軽量の炭素素材を意味しており、これを用いることでヘッドの軽量化がなされています。
つまり、この名前は、一応このヘッドが使いやすいものであることを表すものとなっています。
その他でも、ヘッドを横に90度曲げて縦にすることで、家具の間等、ヘッドを外さずに狭い場所に押し込めたり、ヘッドと延伸管を水平にまで出来ることで、家具の下等の約6.5cm以上の高さのすき間を掃除することが出来ます。
また、回転ブラシに毛等絡んだ場合には、ヘッドを裏返すことなく、ヘッド上のカバーを取り外すことで、お手入れをすることが可能です。この仕組みは東芝独自のもので、現在はこの "自走式カーボンヘッド" 及びその上位版の "イオンカーボンヘッド" にしか採用されていません。
▼ 吸込仕事率 (4)
「VC-PG314」の吸込仕事率は、550〜約90Wですので、低くはないものの、紙パック式としては割と控えめな数値です。
▼ 清掃力 (4)
吸込仕事率はその程度あれば、一応十分なのだろうということで・・・。
▼ 吸引力持続 (0)
東芝製の紙パック式には、吸引力持続の機能・構造はありません。
▼ 標準紙パック性能 (4)
「VC-PG314」に標準付属している紙パックは、「VPF-7」です。これは東芝製の最高性能紙パックで、排気のきれいさと吸引力持続の効果、そして強力な脱臭力までもが謳われています。
また、東芝製は紙パックの入口にゴムの輪っかが付いており、掃除機に装着されて使用されている際に、その脇からゴミを含む空気が漏れないことに関しては、非常に信頼性が高いです。
尚、これは割と高価な品ですが、もっと安い東芝製紙パックを買って装着することも可能です。
▼ 標準紙パックの容量 (2)
2014年度型東芝製紙パック式の紙パック容量は、皆1.4Lです。これはどちらかというと少ないですが、それでも普通の範囲ではあります。
▼ フィルター (3)
「VC-PG314」には、"脱臭フィルター"、及び、抗菌・ウィルス抑制効果のある "イチョウ葉エキス入りフラボノイドフィルター" が紙パックとは別に装着されています。
そしてこれは、紙パックの性能による部分もあるかもしれませんが、最終的に0.5μm以上のチリの約99%を捕塵可能だとされています。
▼ 本体重量 (4)
この本体は3.4kgですので、若干は軽いですが、それでも普通の範囲内です。
しかし、その数値は、上位機種としてならかなり軽いと言うことが出来ます。
ただし、この機種は、少なくともその発売時点で東芝製紙パック式の最上位機種であるにもかかわらず、運転音を抑える仕組みや、吸引力を持続させる仕組みを何も持っていません。そして、それらがこの軽さに寄与しているはずです。
▼ ヘッド+延伸管+ホース部重量 (2)
それらの重量は、1.6kgです。全体としては重めですが、モーター式回転ブラシを装備した製品としては普通程度です。
それらにカーボン素材を採用して軽くしてあることが、東芝の上位機種のウリの一つとなっていますが、他メーカーも軽量化を進めている為、(パナソニック以外とは)差はあまりありません。
▼ 運転音(最大値) (2)
「VC-PG314」の運転音は、64〜約58dBです。これは数値的には微妙にはマシながらも、普通にうるさい掃除機です。
実は、吸込仕事率が低く抑えられていることにより、この "微妙にマシ" な運転音が達成されています。他の東芝製紙パック式は、その点凄いのです・・・。
▼ エコモード (3)
この「VC-PG314」のエコモード(自動パワーコントロール)は、
- ゴミ残しまセンサー
- 床面識別
- 節電アイドリング機能
- 及び、強モードの不使用
の3+1からなっています。
"ゴミ残しまセンサー" とは、赤外線センサーで吸気内のゴミ(チリ)を見分けて、吸引力を上下させる仕組みのことです。これは東芝とパナソニックの上位機種にしかありません。
"床面識別" は、回転ブラシにかかる負荷により、絨毯とフローリングとを識別する機能のことです。絨毯と識別した場合には、高い吸引力を選択します。
"節電アイドリング機能" とは、ヘッドを浮かすと1秒でパワーを低減⇒6秒で一時停止⇒その状態を60秒継続で電源OFFとなる機能のことです。
最後の "強モードの不使用" に関してですが、この機種の消費電力は1,000W(強)〜約250W(弱)となっているのですが、実はエコモード時には最大消費電力は700Wに制限されます。
この機種には何と "中モード" がないのですが、そのエコモード時の最大吸引時が、事実上の "中モード" に当るはずです。
この機種のエコモード時は、消費電力を最大60%削減するとの記載がありますが、"強" を使用しないだけで、既に最大30%の削減が達成されています。こういった方法をとるのは、他メーカーでは日立の中位機種だけですので、さすがにどうかと思います。
結局、絨毯上では "強" を使い、フローリングや畳上では、"エコモード" を使えということなのでしょう。
▼ 特記項目 "ゴミ残しまセンサーランプ" (4.5)
エコモードで使われる "ゴミ残しまセンサー" は、吸気内のゴミを探知すると、赤いランプを点灯させて使用者に知らせます。このゴミ吸引の視覚化は、掃除のモチベーションを上げるのに一定の効果があります。
ただし、このせいで念入りに掃除をするようになると、消費電力が増えますが、室内が綺麗になるのは良いことだと言えるでしょう。
▼ 付属ブラシ類 (4.5)
「VC-PG314」には、手元ブラシと延伸管部先端ブラシ(併せて「2WAYブラシ」)、通常のすき間ノズルに加え、ふとん用ノズル「VJ-B4」&それ用の小型ホースが付属しています。
小型ホースとは別に、どの掃除機にも必ず付属している本来の(蛇腹)ホースがあるのですが、小型ホースは延伸管を外した本来のホースの先端に更に接続する為の物で、特になくても構わないものです。
しかし、本来のホース部は左手にでも持って、小型ホースを接続した布団用ノズルのみを右手で操作することにより、本来のホース部の重量を気にすることなく、布団掃除をすることが可能となります。
▼ 価格 (3)
この機種は、最安時には25,000円を下回るはずです。布団用ノズルとそれ用小型ホースが付属することを考えれば、若干安いと言えるかもしれません。
▼ 総合評価 (3.14)
この「VC-PG314」の系統の機種は、少なくとも前年度までは東芝製紙パック式の最上位機種でした。
しかし、今年度から、ヘッドが東芝製最上位ヘッド "イオンカーボンヘッド" ではなく、一段劣る "自走式カーボンヘッド" となってしまいました。なので、これは最上位機種ではなく、2番目の機種相当だと見るのが適当だと思います。
そうやって見た場合には、この機種には "ゴミ残しまセンサー" がありますし、布団用ノズルが付属するしで、悪い訳ではないかもしれません。
ただし、パワーは低めで、運転音も大きく、エコモードは中途半端で、パワー持続の機能・構造もなく・・・と基本性能を見ると、やはり物足りなさは否めません。
実際、毎年この系統はあまり売れていませんが、それでも価格が安ければ・・・別に良いのではないでしょうか。
前年度型「PG313」との違い
VC-PG313 | VC-PG314 | |
ヘッド | イオンカーボンヘッド | 自走式カーボンヘッド |
前年度型との違いは、先に触れましたが、そちらではヘッドが東芝製最上位ヘッドの "イオンカーボンヘッド" であったことです。
そちらには、マイナスイオンプレートが設置され、静電気対策のマイナスイオンを発生させることが出来るのと、銀イオンを練り込んだAgブラシを採用することで、"床の菌まで除去" の効果が謳われていました。
東芝紙パック式 下位機種との比較
VC-PG314 | VC-PD9 | |
吸込仕事率 | 550〜約90W | 640〜約60W |
消費電力 | 1,000〜約250W | 1,150〜160W |
本体/全体重量 | 3.4/5.0kg | 3.2/4.9kg |
運転音 | 64〜約58dB | 68〜約61dB |
フィルター | ・フラボノイド フィルター ・脱臭フィルター | 一般フィルター |
ゴミ残しま センサー | 〇 | × |
延伸管先端 ブラシ | 〇 | × |
布団用ノズル& 小型ホース | 〇 | × |
別売品 アタッチメント | × | 〇 |
下位機種「VC-PD9」は、ボディーが異なる別系統品となりますが、吸込仕事率が業界トップクラスです。
ただし、そちらでは消費電力が高く、運転音は有名メーカー製のヨコ型として、最悪の数値となっています。
"別売品アタッチメント" というのは、別売のノズル等を接続する際に間に挟むアダプターですが、「VC-PG314」にはその必要がないので、付属していないはずです(そもそもアダプターが必要な方が少ないです)。
※価格は変動します。時価はリンク先にてご確認下さい。
・VC-PG314 | |
・楽天 ・amazon [レビュー有] ・楽天レビュー:レビュー(_件)を参照 ・ヘッド形状:自走式カーボンヘッド(モーター式) ・目詰まり対策:― ― ― ・吸込仕事率:550〜約90W[エコ自動モード有] ・本体重量:3.4kg/ 全体重量:5.0kg ・運転音:64dB〜約58dB ・排気方法:やわらか分散排気 ・持ち手(本体):固定式 ・すき間ノズル収納:収納なし ・色:グランレッド(R) ・ゴミ残しまセンサー(ゴミセンサー) ・ふとん用ブラシ&付属品用ホース付 ・標準紙パック「VPF-7」(1枚付属) | |
前年度型
・VC-PG313 | |
・楽天 ・amazon [レビュー有] ・楽天レビュー:レビュー(_件)を参照 ・ヘッド形状:イオンカーボンヘッド(モーター式) ・目詰まり対策:― ― ― ・吸込仕事率:550〜約90W[エコ自動モード有] ・本体重量:3.4kg/ 全体重量:5.0kg ・運転音:64dB〜約58dB ・排気方法:やわらか分散排気 ・持ち手(本体):固定式 ・すき間ノズル収納:収納なし ・色:グランレッド(R) ・ゴミ残しまセンサー(ゴミセンサー) ・ふとん用ブラシ&付属品用ホース付 | |
関連ページ:
・VC-PD9(下位機種)
・VC-PG313(前年度型)
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