「VC-C3」は、2013年12月1日に東芝から発売となった新型(モデルチェンジ)のサイクロン掃除機です。シリーズ名としては "トルネオミニ" と呼ばれています。これは小型・軽量がウリのシリーズで、本体重量は有名メーカー製のヨコ型としては業界最軽量の、たった2.3kgしかありません。
ただし、サイクロン方式は、上位機種の "トルネオV" シリーズとは違って本格的なものではなく、上手く遠心分離できずにフィルターに溜まるチリを、チリ落としレバーを使って落としながら使う方式に過ぎません。
※評価はおおよそのものです。
▼ ヘッド (3)
このトルネオ・ミニ「VC-C3」のヘッドは、非自走のモーター式回転ブラシ内蔵の "軽量コンパクトパワーヘッド" です。
"軽量コンパクト" とは、小振りであることを意味しており、確かに若干幅が狭い気がします。重量的にも、延伸管&ホース部と合わせて約1.5kgとなっていますので、モーター式回転ブラシの機種としては、軽い方です。
しかし、重量は上位ヘッドの "イオンカーボンヘッド" もかなり軽く、数値は同一となっているので、東芝製としては特別軽い訳ではありません。
"パワーヘッド" とは、モーター式回転ブラシ内蔵であることを意味しています。
フローリングでは、モーター式ではなく、タービン(吸気の風力)式の回転ブラシでも十分だとされていますが、絨毯であれば、やはりパワーのあるモーター式が好ましいです。
また、これは上位ヘッドでも同様ですが、ヘッドと延伸管とを水平にまで出来ることで(最後にグリップ部の捻りは必要)、家具の下等のすき間を掃除しやすく出来ています。
▼ 吸込仕事率 (2)
この「VC-C3」の吸込仕事率の最大値は300Wです。この数値は、紙パック式の事実上の最低限が500Wであることから見れば低いですが、本格サイクロンではないサイクロン式の小型機としては、平均的です。
▼ 清掃力 (2.5)
ヘッド性能はそこそこですが、吸込仕事率は低めなので、この位だろうということで・・・。
▼ サイクロン部(吸引力持続) (2)
この「VC-C3」を含むトルネオ・ミニは、上位機種のトルネオW,V(+Vコンパクト)とは違い、サイクロンは1段式で、基本的に大きなゴミを遠心分離できる程度です。
細かなチリは、ダストカップ上部の円形のメインフィルターで集塵されますが、主に掃除終了後のゴミ捨て時に、フィルター振動レバーを左右にガチャガチャと動かしてその振動で溜まったチリを下に落とすことで、ある程度の吸引力が回復します。
しかし、フィルターには振動では落ち切らないゴミが徐々に溜まって行きますので、そうなると手作業でのフィルター掃除が必要となります。
これは勿論、本来的なサイクロン方式とは言えず、褒められた方法ではありません。
▼ ゴミ圧縮 (3)
トルネオシリーズでは、ダストカップの底で、遠心分離されたゴミがサイクロンの渦の余波でゴロゴロと転がることでの、ゴミの圧縮効果があるとされています。
ただし、上位機種のトルネオV、トルネオVコンパクトでは約5分の1になると書かれているのに対し、不思議とこのミニでは具体的な数値が示されていません。
吸引力が衰えやすいので、そうなるとゴミもあまり圧縮されなくなるからなのかもしれませんが。
▼ ゴミの捨てやすさ (2)
ダストカップの底に溜まるゴミは、ある程度固まるので捨てやすいはずです。
ただし、トルネオ・ミニは、シャープ製やパナソニック製の類似機種とは違い、振動式のチリ落としで落としたゴミは、ダストカップにまでは落ちず、その上の筒型フィルターの付いた部品内に留まります。なので、このシリーズでは2つの容器からゴミを捨てることが必要となっています。この程度は大した手間ではないと思いますが、2度手間なのは確かです。
▼ ダストボックスの容量 (1)
トルネオ・ミニのダストボックスの容量は0.25Lで共通ですが、これは小型機の分少なく、また、小型機としては標準的です。
ゴミは、掃除毎に捨てるつもりでいた方が、無難であると思います。
▼ フィルター (3.5)
この「VC-C3」を含むトルネオ・ミニのメインフィルターは、0.5μm以上のホコリの99.9%を捕塵可能な "高集塵プリーツフィルター" です。この集塵性能は比較的高いです。
また、最終フィルターとして、抗菌・ウィルス抑制効果のある "イチョウ葉エキス入りフラボノイドフィルター" も装備されています。
▼ 本体重量 (5)
トルネオ・ミニの本体重量は2.3kgで共通です。これは有名メーカー製のヨコ型掃除機としては、業界最軽量となっています。その割に、性能は悪い訳ではないので立派なものです。
▼ ヘッド+延伸管+ホース部重量 (3)
それらの重量は1.5kgですので、全体としては普通程度ですが、モーター式回転ブラシ内蔵ヘッドとしては軽いです。延伸管には、カーボン素材を採用することで、軽く出来ているのがウリの一つとされています。
▼ 運転音(最大値) (2)
トルネオ・ミニの運転音は、64〜約58dBで共通です。これは単に普通のうるさい掃除機といったレベルです。
▼ エコモード (0.5)
この「VC-C3」のエコモードは、消費電力の最大値を850W⇒500Wに抑える、つまりは、"中モード" の使用(本来「強/弱[推定:250W]」の2モード制)と、ヘッドを浮かすとパワーを低減する機能(※上位シリーズとは違い、停止には至らず)から成っています。
東芝は、何故ヘットが浮くとパワー低減が低減される機能を「強」と「弱」でも使えるようにしないのか、また、そもそも "中モード" が必要なら何故備えていないのか、不思議です。
▼ 消費電力 (3.5)
この機種の消費電力は、850W〜約120Wですので、その最大値は標準的な掃除機の15%減となっています。
つまりは、パワーが低い分、消費電力も低く済んでいます。
▼ 付属ブラシ類 (3)
「VC-C3」には、手元ブラシと延伸管部先端ブラシ(併せて「2WAYブラシ」)に加えて、通常のすき間ノズルが付属しています。
▼ 価格 (4)
この「VC-C3」の価格は、前年度型「VC-C12」の価格から推測するに、最安値では2万円を切り、1万8000円程度にまで下がる可能性があります。もっとも、今回はマイナーチェンジではなく、モデルチェンジなので、違う可能性もありますが。
▼ 総合評価 (2.67)
この「VC-C3」は、出来るだけ軽くて、しかもモーター式回転ブラシを備えた機種が欲しい方には良いでしょう。しかし、ライバル機種として、これより目の細かい優秀な筒型フィルターが付き、フィルターも高性能なHEPAフィルターで、ヘッドも自走式だとされるシャープ製の小型機「EC-PX210」がありますので、そちらの方が無難です。本体を片手に持って使うのであれば、持ち手が上部にあり、本体も300g軽い当機に部があると思いますが・・・。
◆ 当「VC-C3」と、前年度型「VC-C12」との比較
VC-C12 | VC-C3 | |
吸込仕事率 (消費電力は850〜 約120Wで同一) | 320〜約30W | 300〜約30W |
本体重量 | 2.5kg | 2.3kg |
サイズ (※縦×横×高さ) | 31.5×21.5×25.7cm | 29.5×22.0×25.5cm |
チリ落としレバー | ダストカップ上面常設 | 上方カバー内部 |
カップ内部 までのチリ落とし | 〇 | × |
カップ構造 | 底開き | 普通のカップ |
フィルター脱臭力 | ゼオライト脱臭 | × |
後輪カバー | × | 〇 |
この「VC-C3」では、モデルチェンジが施されていますので、ボディの形状自体が大きく変更されています。
ダストカップも、ワンタッチでの底開きタイプから、ビーカーのような普通のカップ型へと変更されています。
軽量化は、小型・軽量モーターの採用と、ダストカップの軽量化(構造の単純化)によるものだとされていますが(※家電Watch)、吸込仕事率が約7%下がっていますので、性能低下を受け入れた分、微妙に小型のモーターの採用が可能となったこともあると言えるでしょう。
また、実は新型では、フィルター振動で落ちたチリがカップ内部には落ちずに、サイクロンの中心部にある筒型フィルター部に留まります。なので、カップ上部の円形フィルターを取り外してカップごとひっくり返して捨てるか、フィルター振動自体をフィルターを取り外してゴミ袋の中等で行わなければなりません(旧型では、フィルター振動で出たチリは、ダストカップ内部・中央底に掃き落とされます)。
◆ 東芝トルネオ[Vコンパクト&ミニ]、上・下位機種との比較
VC-S23 | VC-C3 | VC-C3A | |
ヘッド | 軽量コンパクト パワーヘッド | 軽量コンパクト パワーヘッド | フローリング ターボヘッド |
吸込仕事率 | 180〜約50W | 300〜約80W (※パワー低減時 最小30W) | 300〜約80W |
本格サイクロン | 〇 | × | × |
脱臭フィルター | 〇 | × | × |
運転音 | 65〜約58dB | 64〜約58dB | 64〜約58dB |
本体/全体重量 | 2.9/4.4s | 2.3/3.8s | 2.3/3.7s |
エコモード | 〇 (パワー停止版) | 〇 (パワー低減版) | × |
2WAYノズル | 〇 | 〇 | × |
すき間ノズル 延伸管取付 | × | × | 〇 |
別売品用 アタッチメント | × | × | 〇 |
上位機種「VC-S23」は、上位シリーズ "トルネオVコンパクト" の下位機種となります。そちらは一応本格サイクロンで、ゴミを吸気から分離するに当たり、フィルターに頼る割合が少ないです。
下位機種の「VC-C3A」は、ヘッド内の回転ブラシがモーター式ではなく、タービン(風力)式です。その為、回転のパワーは低く、主にフローリング向けだとされています。
"2WAYノズル" とは、延伸管先端部と手元グリップ部先端に付くゴミを掻き取りつつ吸引する為のブラシのことです。これは現在便利に使っていらっしゃる方には、なくては困るもののはずです。ただ、それらがない下位機種では、すき間ノズルが延伸管の手元グリップ部直下辺りに装着・保管することが可能となっています。
東芝では、この「VC-C3」より上位の機種では、すき間ノズルを延伸管に取り付けて保管することが出来ませんが、それが出来ないのは東芝とダイソンだけですので、すぐに対応した方が良いと思います。
"別売品用アタッチメント" というのはその名の通り別売ノズルを接続する際に必要な物のようですが、単に「VC-C3」より上位の機種には構造として必要がないので、付属する必要もないはずです。
※価格は変動します。時価はリンク先にてご確認下さい。
・ | |
![]() | ・楽天 ・amazon [レビュー有] ・楽天レビュー:レビュー(_件)を参照 ・ヘッド形状:軽量コンパクトパワーヘッド ・目詰まり対策:手動式チリ落とし ・吸込仕事率:300〜約30W[エコモード有] ・本体重量:2.3kg/ 全体重量:3.8kg ・運転音:64〜約58dB ・排気方法:― ― ―/ 集塵容積:0.25L ・持ち手(本体):固定式 ・すき間ノズル収納:収納なし ・色:グランレッド(R)、ピンクゴールド(N) ・床上ダストゲッター(ヘッド上のチリも吸引) |
前年度型
・ | |
![]() | ・楽天 ・amazon [レビュー有] ・楽天レビュー:レビュー(_件)を参照 ・ヘッド形状:軽量コンパクトパワーヘッド(非自走) ・目詰まり対策:手動式チリ落とし ・吸込仕事率:320〜約30W[エコモード有] ・本体重量:2.5kg /全体重量4.0kg ・運転音:64dB ・排気方法: ― ― ― ・集塵容積:0.25L ・持ち手(本体):固定式×1 ・すき間ノズル収納:収納なし ・色:グランレッド(R)、シャンパンゴールド(N) ・床上ダストゲッター(ヘッド上のチリも吸引) |
関連ページ:
・VC-C4 トルネオミニ(2014年度型後継機種)
・VC-S23 トルネオVコンパクト(上位機種)
・VC-C3A トルネオミニ(下位機種)
・VC-C12 トルネオミニ(前年度型)
関連サイト:
・本体質量2.3kgの軽量コンパクト・サイクロン式クリーナーの発売について|東芝プレスリリース