TC-EXD8P Be-K〔2.71点〕

TC-EXD8Pは、2014年5月21日に三菱電機から発売となった、新型(マイナーチェンジ)のサイクロン式掃除機です。

これは、三菱製小型掃除機 "Be-K(ビケイ)" の、サイクロン式シリーズ3機種中の中位機種で、モーター式回転ブラシヘッドの三菱製の最安品 "軽量パワーブラシ" を備えた機種ということになります。

また、この製品は本体重量が僅か2.4sしかなく、サイクロン式として業界2位タイの軽さですが、サイクロン部でまともに遠心分離しない、"なんちゃってサイクロン" ということになっています。

評価はおおよそのものです。


▼ ヘッド 3ツ星評価 (3)

この「TC-EXD8P」のヘッドは "(かるスマ)軽量パワーブラシ" と呼ばれています。

"パワーブラシ" というのは、ヘッド内にモーター式の回転ブラシが装備されていることを意味しており、その回転により、フローリング上のゴミを掻き込んだり、絨毯内のゴミを掻き出したり出来ます。

"かるスマ" とは、軽くてスマート、を意味しており、ヘッドが若干小型で、その分も含めて軽くできています。

実際、ヘッド+延伸管+ホース部の重量は、約1.4kgですので、モーター式回転ブラシの機種としては、業界最軽量タイとなっています。

また、掃除機ヘッドの回転ブラシには、近年その回転によるフローリング上での "拭き掃除効果" を謳う製品が中・高価格帯で増えていますが、三菱製掃除機のヘッド全般でも "フローリングふき機能" が謳われています。

しかし、三菱製の場合には、それは回転ブラシよるものではなく、ヘッドの吸込口後部の横長の起毛部分が、単に床の表面を撫でているだけです。

その程度では、回転ブラシの高速回転による拭き掃除効果とは全く別物のはずですが、単なる起毛によるものでも、一応床を拭いているということで、"フローリングふき機能" となっているようです。

つまり、業界を見渡しての実際上、それは詐欺的な名称ということになります。


▼ 吸込仕事率 2ツ星評価 (2)

この「TC-EXD8P」の吸込仕事率は、最大300Wです。本体が小型なので、他社の同等サイズのサイクロン掃除機と同じく、吸込仕事率は低くて構わないという判断なのかもしれません。

しかし、まともに遠心分離しないこの種のサイクロン掃除機であれば、紙パック式と同等の吸込仕事率が可能ですので、紙パック式Be-K(ビケイ)と同じく500W程度あっても良い位です。


▼ 清掃力 2.5ツ星評価 (2.5)

ヘッド性能はそこそこですが、吸込仕事率が紙パック式Be-K(ビケイ)と比べて3分の2弱しかないので、良い評価にはなりません。


▼ サイクロン部(吸引力持続) 1ツ星評価 (1)

「TC-EXD8P」を含む三菱サイクロン式Be-K(ビケイ)のサイクロン部には、円柱状の透明プラスチックの部品が付いており、吸気とゴミは確かにその周囲を回り、大きなゴミはその渦からはじき出されて脇へ飛ぶはずです。

しかし、そのゴミとそのゴミが遠心分離されて少し綺麗になった空気は、何と同じフィルターを通りますので、せっかく遠心分離をしても意味がありません(吸気の流路の吹き溜まりとなる位置に、大きなゴミが溜まるという程度の意味はあるかもしれません)。

また、こういった実質フィルター式の掃除機には、フィルターの目詰まりを防ぐ為に、張り付いたホコリを落とす目的でフィルターを振動させてホコリを落とす仕組みが付いていることが多いです。それがこの「TC-EXD8P」を含むサイクロン式Be-K(ビケイ)の場合には、何とフィルター清掃用ブラシのプラスチック製の後端を、メインフィルターに付いたプラスチック製のガイド部分に沿って強く擦り付けることで、振動を起こす簡易的な仕組みとなっています。

勿論それが上手く機能すれば、それでも構わないのですが、実のところこのシリーズの場合、実際にはフィルターは殆ど振動しません。ブラシの後端を擦りつける部分はフィルターの最上部ですが、酷いことに最下部には振動は全く届きません。


▼ ゴミ圧縮 4ツ星評価 (4)

サイクロン式Be-K(ビケイ)におけるゴミ圧縮効果は、仕組みとして単に紙パック式と同等のはずです。とは言え、紙パックのように中が一杯になる前に、ゴミを捨てることになるので、あのように圧縮される訳ではありませんが。

ただし、圧縮効果があるのは、ティッシュで集塵する大きなホコリのみで、メインフィルターから出る微細なチリは、舞いやすいので捨てるのが厄介です。


▼ ゴミの捨てやすさ 1ツ星評価 (1)

この「TC-EXD8P」を含むサイクロン式Be-K(ビケイ)は、フィルター前にティッシュを挟み、そこで集塵をすることで、メインフィルターへのホコリの到達を軽減する仕組み、言わば "ティッシュフィルター式(「ティッシュdeガード」)" の製品となっています。

そして、ゴミ捨て時には、そのティッシュごとゴミを捨てれば良いですので、このタイプはゴミ捨てが簡単だということになっています。

しかし、本当に厄介な細かいチリは、ティッシュを容易にすり抜けてメインフィルターに溜まりますので、細かなチリにはティッシュは無力だと覚悟しておく必要があります。

そのメインフィルターは、表面積を増す為に幾重にも折り畳まれた蛇腹タイプ(プリーツタイプ)なのですが、その折り畳まれ方が他にはない粗さで折り目も深く、専用ブラシを使ってその谷間を掃除するのにも、通常以上の苦労が予想されます。

三菱掃除機は、日本製(少なくとも組み立ては日本の工場で、女性の工員さん達が流れ作業で作っています)であるのがウリとなっていますが、あんなフィルターを使っているのでは、せっかくの "日本製" の名が泣きます。


▼ ダストボックスの容量 5ツ星評価 (5)

サイクロン式Be-K(ビケイ)におけるダストボックスの容量は、0.6Lです。これはサイクロン式としては多いですが、更にゴミ圧縮効果もありますので、本体は小型ですが、かなり多く入るはずです。


▼ フィルター 3.5ツ星評価 (3.5)

この「TC-EXD8P」を含むサイクロン式Be-K(ビケイ)には、ダストボックス部のメインフィルターとして高性能フィルターのHEPAフィルター(2層)、しかも抗菌効果のある銀ナノの練り込まれた特別製が採用されており、モーター後の最終フィルターとしても、"高性能クリーンフィルター" という名称のフィルターが装着されています。

HEPAフィルターが採用されているので、理論上0.3μm以上ののチリの99.97%が捕塵可能なはずですが、これらのシリーズ(2014年度型以降)の場合には、0.5μm以上のチリの99.9%以上が捕塵可能だとされています。

理論上、HEPAフィルターが付いていれば、その後方の "高性能クリーンフィルター" は不要のはずですので、前方のダストボックス部の(HEPA)フィルターからは、ゴミは漏れると考えることが必要なのかもしれません。


▼ 本体重量 5ツ星評価 (5)

この「TC-EXD8P」を含むサイクロン式Be-K(ビケイ)の本体重量は、2.4kgですので、2013年度型の東芝・トルネオミニの2.3kgに次ぐ軽さということになります。これはヨコ型掃除機としては、極端な軽さです。


▼ ヘッド+延伸管+ホース部重量 3ツ星評価 (3)

それらの重量は1.4kgですので、基本的には普通程度ですが、モーター式回転ブラシの機種としては最も軽い物の一つです。


▼ 運転音(最大値) 2ツ星評価 (2)

「TC-EXD8P」の運転音は、63〜約59dBですので、数値的には凄くうるさい訳ではないものの、それなりにうるさいといったレベルです。


▼ エコモード 星ゼロ (0)

この機種は安めの掃除機ですので、エコモードの類は付いていません。


▼ 付属ブラシ類 2ツ星評価 (2)

「TC-EXD8P」には、手元ブラシ(「すみずみブラシ」)と、通常のすき間ノズル(「サッシノズル」)が付属しています。


▼ 価格 4ツ星評価 (4)

この「TC-EXD8P」は、価格面では1万5千円を切ることも考えられる機種です。モーター式回転ブラシの装備型としては、これは最安の部類です。


▼ 総合評価 2.5ツ星評価 (2.71)

サイクロン式Be-K(ビケイ)は、サイクロン部の構造が最悪の一つです。小型でデザインが綺麗なので、見て欲しくなる方もいらっしゃるかもしれませんが、全くお勧めは出来ません。

ただし、同価格帯のサイクロン式で、モーター式回転ブラシを備えた機種だと、日立製「CV-SY9」しかありませんが、ヘッドに関してはこの "軽量パワーブラシ" の方が良い物に見えますので、小型機であることやデザイン面も含めれて検討すれば、この「TC-EXD8P」を選ぶという選択肢もあるかもしれません。

尚、三菱製の紙パック式の同等品「TC-FXD7P」であれば、同じヘッドを備えた上で、デザインも同レベルですし、特に問題点もありませんので、良い選択肢だと思えます。

口コミ当「TC-EXD8P」と、前年度型「TC-EXC8P」との比較


TC-EXC8PTC-EXD8P
運転音64〜約59dB63〜約59dB
集塵率
(0.5μm以上)
99%以上99.9%以上
ヘッドパワーブラシ
(JB-735XBM)
軽量パワーブラシ
(JB-735XDM)

当「TC-EXD8P」では、ヘッドの名前が変わっていますが、これは従来より上位機種では、"自走式パワーブラシ" で、この系統の機種では単に "パワーブラシ" となっていた為、紛らわしかったからだと思われます。今回、軽量化されたという話は特にありません。

ただし、一応ヘッドの型式が2014年度版に更新されていますので、何かは変更されているはずです。しかし、このレベルの変更の内容は公表されませんし、通常気付かれることすらないはずですので、多分回転ブラシのブラシの材質が少し変わったとか、そういう話だと思います。

口コミ三菱サイクロン式Be-K(ビケイ)、上・下位機種との比較


TC-EXD10PTC-EXD8PTC-EXD7J
ヘッドWクリーン自走式
パワーブラシ
 ・毛絡み除去
 ・抗菌回転ブラシ
 ・抗アレル物質植毛
軽量パワーブラシタービンブラシ
吸込仕事率310〜約80W300〜約80W
運転音64〜約59dB63〜約59dB64〜約59dB
本体/全体重量2.4/3.9kg2.4/3.8kg2.4/3.6kg
節電モード×
延伸管先端部
ブラシ
×
付属品2WAYロングノズルすき間ノズル

ご自宅がフローリングメインで、しかもあくまで敢えてBe-K(ビケイ)を選ぶならばですが(笑)、ヘッドの回転ブラシがタービン(風力)式の下位機種「TC-EXD7J」でも良いかもしれません。勿論、ヘッド性能が上の当「TC-EXD8P」でも、問題はありませんが。

 価格は変動します。時価はリンク先にてご確認下さい。


TC-EXD8P Be-K(ビケイ)
三菱掃除機 「Be-K」 (サイクロン式) TC-EXD8P-W シャインホワイト TC-EXD8P-W楽天
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楽天レビュー:レビュー(_件)を参照
ヘッド形状:軽走パワーブラシ(非自走)
目詰まり対策:フィルター部ティッシュ装着
吸込仕事率:300〜約80W
本体重量:2.4kg/ 全体重量:3.8kg
運転音:63〜約59dB
排気方法:― ― ―
持ち手(本体):固定式
すき間ノズル収納:延伸管横
色:シャインホワイト(W)
HEPAフィルター仕様
ヘッド上空のチリも吸引


前年度型

TC-EXC8P Be-K(ビケイ)
三菱電機 サイクロンクリーナー マゼンタ TC-EXC8P-P楽天
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楽天レビュー:レビュー(_件)を参照
ヘッド形状:パワーブラシ(非自走)
目詰まり対策:フィルター部ティッシュ装着
吸込仕事率:300〜約80W
エコモード:×
本体重量:2.4kg/ 全体重量:3.8kg
運転音:64〜約59dB
排気方法:― ― ― /集塵容積:0.6L
持ち手(本体):固定式
手元ブラシ:〇/すき間ノズル収納:延伸管横
色:プラチナホワイト(W)、マゼンタ(P)
HEPAフィルター仕様
ヘッド上空のチリも吸引


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三菱電機 掃除機:製品情報 Be-K サイクロン式