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TC-ZXD20P 風神〔2.82点〕

TC-ZXD20Pは三菱から2014年6月21日に発売となる、新型(マイナーチェンジ)のサイクロン掃除機です。これはシリーズ名として風神と呼ばれる同社製最上位サイクロンシリーズの下位機種ということになります。

その特徴としては、一応サイクロンでの遠心分離力が強化されており、ダストボックスからフィルターを排したことがウリとなっています。

しかし、本体には高性能フィルターが2枚装備されていますし、ダイソンや、それを真似た東芝のように、2段式サイクロンで、2段目で高い遠心分離力を得る為に、複数の小さなサイクロンに分けた構造になっている訳ではないので、原理的に仕組みとしてかなり劣っています。

この「TC-ZXD20P」は本体重量も3.7kgと、サイクロン掃除機としては若干小型ですが、軽量化の為にかモーターも消費電力850Wで、通常品より15%程劣る物を使用していますので、遠心分離力を高めるために本気になっているようには見えません。

発売前ですが、これは前年度型の改良型で、変更点はメーカーにより公表されていますので、それに基づいての評価となります。

評価はおおよそのものです。


▼ ヘッド 4ツ星評価 (4)

この「TC-ZXD20P」のヘッドは、三菱製掃除機の上位ヘッド "自走式パワーブラシ" です。

まず、"パワーブラシ" というのは、ヘッド内にモーター式の回転ブラシが内蔵されていることを表しています。特に絨毯を掃除する際には、その回転ブラシが絨毯を掻き分け、ゴミを掻き出すので、高い清掃力を誇ります。

"自走式" とは、その回転ブラシの回転がヘッドを前進させる程のパワーを持つので、ヘッドが楽に操作出来るものであることを表しています。

他社の上位ヘッドだと回転ブラシの回転で、フローリングの拭き掃除効果があるとされていますが、三菱製の場合には、吸引口後部の細長い起毛部分で拭き掃除効果があるとされています。代々のこの名前のヘッドのブラシ部分を見るに、他社製より頼りないですし、付加機能のあるこのヘッドの上位バージョン "Wクリーン自走式パワーブラシ" ならまだペット用と考えることが出来ますが、これの場合には良いところがありません。

また、少なくとも2013年度までの三菱製自走式ヘッドの回転ブラシには、かなり硬いブラシが採用されています。なので、床のゴミを掻き取る力は強いはずですが、フローリングや絨毯、畳等の床に負担をかけたくない方には、向いていません(モーター式回転ブラシの中でも中・上位の機種であれば、どれでもそういう傾向を持つと思いますが、硬めの回転ブラシは、弱めのヤスリのように、床をほんの僅かづつ削る可能性があります)。

正直、少なくとも私の家では、あまり使いたくない物です(汗)。


▼ 吸込仕事率 1ツ星評価 (1)

この「TC-ZXD20P」の吸込仕事率の最大値は230Wですので、かなり低いです。とは言えサイクロンによる遠心分離力を強化したタイプはこの程度が普通で、東芝・トルネオVだと200W、ダイソンDC63だと170/160Wですので、三菱・風神は、それらの中で比較的遠心分離力が低い分、吸込仕事率が高めとなっている、もしくは、優位点を作る為にわざと高くしてあると思えます。


▼ 清掃力 3ツ星評価 (3)

これは何とも言いにくい部分ではありますが、ヘッドの基本性能に疑問がある上に、吸込仕事率も低いので、こういった評価で・・・。


▼ サイクロン部(吸引力持続) 3.5ツ星評価 (3.5)

この「TC-ZXD20P」を含む "風神サイクロン" のサイクロン部は、サイクロンの渦にパワーを割くことで遠心分離力を強化したタイプなので、シャープ製や日立製、パナソニック製サイクロンには有利に立ちますが、ダイソンや東芝トルネオV,Wの2段サイクロンで、2段目が複数の小サイクロンに分かれたタイプには原理的に敵いません。

というより、この1段1個しかサイクロンがないタイプでは、ゴミの完全遠心分離を目指す本格派にはなり得ません。

それでも、この機種の清掃・洗浄が必要なフィルターは、小さくてしかも円形ではなく四角形なので、手間はそれ程かかるとは思えず、気にせず使えば、良いサイクロンだと思って使える範囲のものであるかもしれません。

あと、ダイソンとは違い、トルネオW,V(2013年度型以降)と共に、サイクロン部の水洗いが可能となっていることも、一応の特徴となっています。もっとも、こちらはトルネオとは違って、サイクロン部は単純なので、水洗い出来ない理由こそありえないのですが。


▼ ゴミ圧縮 1ツ星評価 (1)

風神サイクロン型には、特別なゴミ圧縮効果はありません。回っている内にゴミ同士が集まって、自然に圧縮される程度です。

ただし、ゴミ捨ては、ダイソンのように底が豪快にパカッと開くタイプではなく、カップ型ですので、ゴミを舞わせないようにそっと捨てることが可能です。

あと、風神サイクロンにおいては、ゴミは遠心力でサイクロン室から外部屋へ弾き出されて溜まりますので、溜まったゴミの内部を吸気が通る率が低く、ゴミの臭いを拾いにくい、つまり排気が臭いにくいとも一応言われています。

まともに遠心分離をするサイクロン掃除機であれば、どれでもそういう傾向があるものと思いますが。


▼ ダストボックスの容量 5ツ星評価 (5)

風神サイクロンのダストボックスの容量は、0.9Lもありますので例外的に多いです。特別なゴミ圧縮効果がないという悪条件もありますが、これだけ入ればさすがに問題はないでしょう。


▼ フィルター 5ツ星評価 (5)

この「TC-ZXD20P」では、汚れたら洗浄が必要なモーター前フィルターに高性能なHEPAフィルター、そしてモーター後フィルターに超高性能なULPAフィルターを用いています。

風神の排気性能はドイツの試験機関SLGによって測定がなされており、0.3μメートル以上のチリの99.9998%が捕塵可能だという試験結果が出ています。

これは、日立製のサイクロン式・紙パック式の両最高性能機種と並ぶ、家庭用掃除機としての最高レベルの排気性能ということになります。


▼ 本体重量 2ツ星評価 (2)

「TC-ZXD20P」の重量は、3.7kgですので、フルサイズ(通常型)のサイクロン掃除機としては小型ですが、家庭用掃除機としては単に普通程度です。


▼ ヘッド+延伸管+ホース部重量 3ツ星評価 (3)

それらの重量は1.4kgですので、全体としては普通程度で、モーター式回転ブラシの機種としては軽いです。


▼ 運転音(最大値) 1ツ星評価 (1)

「TC-ZXD20P」の運転音は、65dB〜約62dBですので、普通にうるさい掃除機です。風神は遠心分離力維持のために、弱モードでも強く吸っているようで(サイクロン掃除機としては健全な話です)、弱モード時にも音は割と大きいです。


▼ エコモード 1ツ星評価 (1)

この「TC-ZXD20P」には、手元グリップ部に振動センサーが付いており、動きがないと掃除の中断と判断して吸引力を弱め、その状態が30秒続くと電源をオフにします。これは一応 "スマートSTOP" と呼ばれています。

この機種のエコモードはこれだけですが、これは他社だと安い機種にも付くものでしかないので、三菱にはもっと頑張ってもらいたいものです。


▼ 付属ブラシ類 3ツ星評価 (3)

「TC-ZXD20P」には、手元ブラシと、延伸管先端部ブラシが付属し、勿論普通のすき間ノズル(三菱での名称は「サッシノズル」)も付属します。


▼ 価格 3ツ星評価 (3)

この機種は、モデル末期の最安時には、3万円を切る価格で買うことが出来るかもしれません。


▼ 特記項目 "大型コードリールボタン" 4ツ星評価 (4)

通常、掃除終了後にコードを巻き取る為には、本体の小さなボタンを屈んで押さなければなりません。

しかし、風神サイクロンと、紙パック式の(三菱)雷神では、足踏みで作動させる "大型コードリールボタン" を装備していますので、足で楽にコードを巻き取ることが可能です。


▼ 総合評価 3ツ星評価 (2.82)

まず、この三菱風神「TC-ZXD20P」は、一応高遠心分離力をウリにするサイクロン掃除機ですが、あくまで "ギリギリ本格サイクロン" でしかありません。

ヘッドの清掃力も、他社の最上位タイプと比べて若干心許ないので、手堅い選択には見えません。

エコモードも、他の日本製高額機種と比べて、床面検知やゴミセンサー機能がありませんので、物足りません。

しかし、良いところは、フィルター性能が文句なしに高いことです。

ダイソン以外で遠心分離をウリにした上で、高排気性能を誇る機種はこの「TC-ZXD20P」と上位機種の「TC-ZXD30P」だけですので、価値があるとすればそこのところだろうと思います。

ただし、その特別な排気性能を除けば、性能の割に価格は高めとなりますので、更に注意が必要です。ウリであるサイクロン部は、ダイソンや東芝トルネオV,Wと比べて構造は単純なのですが・・・。

◆当「TC-ZXD20P」と前年度型「TC-ZXC20P」との比較


TC-ZXC20PTC-ZXD20P
発売日2013年3月1日2014年6月21日
フィルターHEPA×2HEPA×1
ULPA×1
本体/全体重量3.8/5.1kg3.7/5.1kg

フィルターに関しては、モーター後フィルターにより高性能なULPAフィルターを使用することにより、上位機種「TC-ZXD30P」と同一の、家庭用掃除機としては最高峰の排気性能となりました。

重量に関しては、当「TC-ZXD20P」では、本体が100g軽くなって全体重量はそのままですが、恐らくこれは単に四捨五入の関係でそうなったのだと思います。つまり、極論すれば、本体は何グラムか軽くなっただけなのかもしれません。

◆三菱製サイクロン掃除機、上・下位機種との比較


TC-ZXD30P
(風神)
TC-ZXD20P
(風神)
TC-EXD10P
(ビケイ)
ヘッドWクリーン自走式
パワーブラシ
 ・毛絡み除去
 ・抗菌回転ブラシ
 ・抗アレル物質植毛
(単なる)自走式
パワーブラシ
Wクリーン自走式
パワーブラシ
 ・毛絡み除去
 ・抗菌回転ブラシ
 ・抗アレル物質植毛
吸込仕事率230〜約130W310〜約80W
サイクロン部高遠心分離フィルター部
ティッシュ装着
運転音64〜約61dB65〜約62dB64〜約59dB
本体/全体重量3.7/5.3kg3.7/5.1kg2.4/3.9kg
フィルターULPA×1+HEPA×1HEPA×1
自動パワー切替(加速度センサー)×
手元グリップフィジ軽(カル)
グリップ
旧かるスマグリップ
カロナビ×
足踏みコード
巻き取り
×
車輪4輪3輪
本体後部ヘッド
立て掛け
×
ダストカップ
鏡面加工
×
付属品2WAYロングノズル
ふとんブラシ
すき間ノズル2WAYロングノズル

当「TC-ZXD20P」の上位機種「TC-ZXD30P」は、風神の豪華バージョンです。ヘッドが最上位品となるのと、その動きに合わせて吸引力が自動コントロールされるのが、主な変更点となります。

下位機種「TC-EXD10P」は、シリーズが風神ではなく、小型機のBe-K(ビケイ)です。「TC-EXD10P」は、Be-K(ビケイ)3機種中の最上位機種なので、ヘッドに最上位品が付いていますし、吸込仕事率も少し高いですが、サイクロン掃除機として肝心のサイクロン部の性能がとても低いです。

 価格は変動します。時価はリンク先にてご確認下さい。


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楽天レビュー:レビュー(_件)を参照
ヘッド形状:自走式パワーブラシ
目詰まり対策:(高遠心分離力サイクロン)
吸込仕事率:230〜約130W
エコモード:掃除中断察知のみ
本体重量:3.7kg/ 全体重量:5.1kg
運転音:65〜約62dB
排気方法:― ― ―
持ち手(本体):固定式
手元ブラシ:〇/すき間ブラシ収納:延伸管横
色:シャインバイオレット(V)
HEPA×1+ULPAフィルター×1仕様
ヘッド上空のチリも吸引


前年度型

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ヘッド形状:自走式パワーブラシ
目詰まり対策:7年間フィルター掃除不要
吸込仕事率:230〜約130W
エコモード:掃除中断察知のみ
本体重量:3.8kg/ 全体重量:5.1kg
運転音:65〜約62dB
排気方法:― ― ―
持ち手(本体):固定式
手元ブラシ:〇/すき間ブラシ収納:延伸管横
色:メタリックマゼンタ(P)、メタリックブルー(A)
HEPAフィルター×2(モーター前&後)仕様
ヘッド上空のチリも吸引


関連ページ:

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ダイソンDC63(この機種にもHEPAフィルターが付いています)

東芝 VC-SG514/VC-SG414 トルネオV

HEPAフィルター/ULPAフィルター(採用機種一覧)

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掃除機・機種別★(星)評価の基準


関連サイト:

TC-ZXD20P(V) 風神|三菱公式サイト

三菱サイクロン式掃除機「風神」TC-ZXDシリーズ新商品発売のお知らせ|公式サイト

TC-ZXD20P - 英国アレルギー協会推薦証明("Details"を参照)