2014年4月中旬にジャパネットたかたから発売となった、布団用ダニクリーナー「RT-300J レイコップRT」です。これは日本製ではなく、韓国・ブカンセムズ社の製品で、ジャパネットたかた専売用のオリジナル仕様品ということになっています。
※2015年10月29日発売の新型機は別ページです⇒「レイコップRS2 RS2-100J」。尚、これのジャパネット専売用型番は未存在です。
振動効果が追加された回転ブラシを採用
この新型ジャパネット・レイコップに元になっているのは、日本では2013年10月で既に販売終了となっている "GENIE(ジニー)" という機種で、ボディーや機能を基本そのまま受け継いでいます。
新型「RT-300J」の特徴としては、他のレイコップやその類似製品によくある布団を叩くための振動装置ではなく、ゴミを掻き取る回転ブラシを装備しています。
ただし、それは "GENIE(ジニー)" にも付いていた普通の回転ブラシではなく、その軸に凹凸のあるブラスチック部品を追加し、それが高速回転することで布団を叩き、ゴミを浮かせる仕組みが追加されています。
ジャパネットで買ったレイコップなんだけど、パワフルたたきってどこについてるの( ̄― ̄٥)ないんだけど…毛もちゃんと取ってくれん(笑) pic.twitter.com/Uf3cAuWLYe
— 璃咲death。 (@r3vpunk) 2014, 12月 8
※「たたきブラシ」(※「パワフルたたき」は、メーカー正規型番「RS-300J」の装備の名称です)の "叩き" は、3つあるリング状の青いプラスチックの部品が回転することによって行われます。
振動型は、1分間に3,000〜3,600回振動していますが、「RT-300J」の回転ブラシは1分間に2,000回転し、振動用の突起は1回転につき3回布団を叩きますので、一応振動数は6,000回のということになります。
この機種にはそれだけでなく、回転ブラシによるゴミの掻き取り能力もありますので、こちらの方が通常の振動型よりも高性能に思えます。
しかし、それならばこの方式をレイコップの標準とすれば良いと思えますが、現実にそうではないので、原則的には通常の振動板による振動方式を採用する機種の方が良いのではないでしょうか。
吸引力
この「RT-300J レイコップRT」は、掃除機なので当然吸引も行っていますが、吸引力の目安を表す吸込仕事率は29.6Wと公表されています(※いつの間にか追記されていました)。
先代ジャパネット・レイコップ「BG-310JP」(※↓のピンク機)は47.3Wで、その原型であった先の黄色い画像の「BG-200 GENIE(ジニー)」が34.7Wであったことから、これは相当低い数値です。
2014年6月には、正規型番の廉価機「RE-100 LITE」が発売となっていますが、これが29.4Wですので、このジャパネットの新型は、それと並んで非常に吸引力の弱いレイコップということになります。
この「RT-300J」は、レイコップシリーズの中ではサイズが小さく、吸引口も小さいはずなので、その分幾らか吸引力が弱くても問題はないはずです。
しかし、標準機「RS-300J RS」が吸込仕事率65.1Wで、最新の最上級機「RP-100 RP」が同67.4Wであることを考えると、これらの吸引力がどれだけ心細いかが分かります。
実のところ、一見意外なことにレイコップのライバルと目される、ダイソンのハンディクリーナーは、充電式にもかかわらず、弱(=標準)モードでも吸込仕事率は28Wとなっています。
ダイソンには布団を叩き、チリを掻き取る電動の回転ブラシも通常付属しますので、布製品以外にも使用可能なそちらにするという選択肢も存在しています。
他の変更点・特徴
以前もダストボックスを取り外すことなく、内部を覗くことは可能だったようですが、覗き窓が小さく、しかもそこにホコリが付着することで内部は見にくかったようです。
それを受け、今回の新型では、覗き窓が大きくなり、吸い取ったゴミの量を確認しながら掃除をすることが可能となっています。これは、レイコップの標準機「RS」と同タイプの物が付いています。
また、やはり以前は付いていなかった、交換が必要な最終フィルターの "マイクロフィルター" の交換時期をアラームで知らせる機能と、1分間の放置でチャイルドロックが自動でONになる機能も追加されています。
レイコップの正規型番・主力機種「RS-300J」との違い
ジャパネット版「RT-300J」には回転ブラシと振動機能が付いていますが、振動機能はやはり簡易的なものでしかありません。
しかし、正規型番のレイコップ標準機「RS-300J」には、回転ブラシと振動装置が別々に両方付いています。
なので、やはり後者の方が性能は上のはずです。
また、正規型番「RS-300J」の吸込仕事率は65.1Wですが、ジャパネット「RT-300J」は29.6Wで、その半分以下に過ぎません。
勿論、それらにおいては吸引口の大きさに差があり、一概に吸引力が半分とは言えないかもしれません。しかし、その場合にも吸引力を及ぼせる範囲に差が生じますので、清掃力にはやはり差があると言えると思います。
なので、純粋な布団掃除の性能としては、ジャパネット「RT-300J」は正規型番「RS-300J」には敵いません。
しかし、ジャパネット「RT-300J」は小型機で、重量は1.9kgとなっています。
それに対し、正規型番「RS-300J」は2.3kgもありますので、重量は400gも違います。
確かに性能は大型のレイコップ「RS-300J」が上であるにしても、使いにくいからと使わなくなるとすれば、買った意味がありません。
しかし、その場合でも、ジャパネット「RT-300J」が軽くて使いやすいからと頻繁に使うことが出来るのであれば、こちらの方が布団は綺麗になると言えるでしょう。
こちらのジャパネット「RT-300J」に、正規型番「RS-300J」より優れている所があるとすれば、それは小型であるが故の使いやすさでしかないはずです。
なので、使用者が女性で、かつ腕力が平均以下で重いのは嫌というような場合には、ジャパネットの方が良いかもしれません。逆に使用者が男性であり、価格面で問題がなければ、迷うことなく「RS」にしておけば良いでしょう。
あとは、正規型番「RS-300J」では、ダストカップを本体に装着した状態で、内部が白色LEDで照らし出されてゴミの溜まり具合を確認しやすいです。
取れたゴミの量が確認しやすければ、その分掃除を楽しむことが出来る、つまりは掃除がはかどるかもしれません。
【シリーズ間での違い】
RP-100 (新型RP) | RS-300 (RS) | RE-100 (LITE) | RT-300J (ジャパネット機) | |
画像 | ||||
位置付け | プレミアム | スタンダード | エントリー | 準エントリー |
ハウスダスト 除去率 | 3分で90%以上 | 5分で約80% 以上 | 5分で約90% 以上 | |
吸込仕事率 | 67.4W | 65.1W | 29.4W | 29.6W |
吸引モード | 強/弱2段階 | 1段階 | ||
振動パッド数/ 振動回数 | 4個 毎分3,600回 | 2個 約4,000回/分 | 1個 約3,300回/分 | 3箇所 約6,000回/分 |
回転ブラシ | 〇 | × | 〇※回転ブラシ の突起で振動 | |
温風機能 | 〇 | × | ||
消費電力(最大) | 750W | 350W | 330W | 350W |
UVランプ出力 | 16W | 8W | 6W | |
重量(コード別) | 3.4kg | 2.3kg | 1.95s | 1.9kg |
ダストボックス 内LEDランプ | 〇 | × | ||
フィルター装着 感知センサー | 〇 | × | ||
別売ロング ハンドル | × | 〇 | × | |
定価(税別) (税込) | 55,370円 59,800円 | 28,380円 30,650円 | 19,800円 21,384円 | 24,800円 26,784円 |
正規型番・廉価機「RE-100 LITE」との違い
2014年6月発売の「RE-100 レイコップLITE」と比較すると、吸込仕事率はジャパネット「RT-300J」が29.6Wで、そちらは29.4Wですので、全くの互角です。
しかし、吸引補助の機能は、「RE-100 LITE」は振動のみで、「RT-300J」は回転ブラシ+一応の振動です。
回転ブラシがあることの最大のメリットは、布団に付着した毛髪が取りやすくなることです。なので、人のものであれ、ペットのものであれ、抜け毛が多い場合には、ジャパネット版の方がはっきり良いかもしれません。
また、実は「RE-100 LITE」の振動板は1枚のみで幅が狭く、広い範囲に効果を及ぼすことが出来ません。しかし、この「RT-300J」では振動用器具付きの回転ブラシの幅がある程度ありますので、効果範囲も比較的広いです。
振動機能は、専用の振動板を使ったものの方が高性能であるとしても、効果範囲が狭くては性能が高いとはちょっと言えません。
大きさに関しては、双方約1.9kgですので、殆ど同じです。
なので、「RE-100 LITE」と比べるのであれば、こちらのジャパネット・レイコップ「RT-300J」の方が良いと思えます。
価格
ジャパネットたかた機「RT-300J」の、2015年4月〜6月27日までの税込・送料込の正式な価格は、
- 本体のみ:19,800円+消費税1,584円+送料972円=22,356円
- 本体+収納台:22,800円+消費税1,824円+送料972円=25,596円
ということになっています(※⇒レイコップ特集)。
(※旧価格)2015年1月13日〜4月までの税込・送料込の正式な価格は、
- 本体のみ:24,800円+消費税1,984円+送料972円=27,756円
- 本体+収納台:27,800円+消費税2,224円+送料972円=30,996円
ということになっていました。
これらは初期価格と同じですが、それ以前の2014年秋〜冬にかけては、現在(4月)と同価格のセールを行っていました。
これは2014年4月の発売時には、本体のみで24,800円(税別)だったので、19,800円であればそれなりに安くなっています。
しかし、旧「BG-200 GENIE」は定価で17,800円(税込)、旧ジャパネットたかた専用機「BG-310JP」は19,800円(税込)だったので、新型はこっそり税別表示となった分で少し割高です。
その価格であれば、3,000円程足して、正規型番標準機の「RS-300J レイコップRS」にするのも良いのではないでしょうか。
尚、収納台に関しては、ジャパネット用以外もありますが、全て別売です。その為、通常買う方は少ないはずです。
これがあるとレイコップを縦にして保管できるので、あれば使っていない時にすっきりさせることが出来ます。
また、レイコップってやっぱり高いよな、と思われる方もいらっしゃると思いますが、私から見ても当然高いと思います(笑)。
掃除機での布団掃除であれば、普通のヨコ型掃除機に「布団用ノズル」を付ければ可能ですし、とりあえずそれで十分です。
紫外線ライトは、ダニを殺すことは出来ず、その効果は除菌だとされていますが、布団に除菌が必要な方は、病院関係者以外にはいないと思われます。
また、振動機能は吸引力の弱さを補うものに過ぎず、まともな吸引力があればそれで十分です。
しかし、レイコップが優れているのは、大きなヨコ型掃除機を持ち出さずに、手軽に布団掃除ができることです。
ヨコ型掃除機を使うとなると、大袈裟で面倒です。つまり、ハンディタイプという時点でそれを解決できているので、目の付けどころは確かに良かったと思います。
それでも実のところ、レイコップ等の布団掃除機をせっかく買っても、早々にタンスの肥しにしてしまう方々もいらっしゃるようですが(笑)。
ジャパネットたかただけで、レイコップの売上は計122万台を突破・・・
レイコップは、2014年1月末時点で、日本国内累計販売台数が100万台を突破したとされていましたが、ジャパネットたかたでは1月7日の時点で、60万台を突破したと販売ページに記載しています。
販売機種には、今回の新型に加えて以前の型番(※先代「BG-310JP」と、国外では「HERA」の名でよばれた「AP-200J」、及びヤーマンが正規輸入販売をしていた時代の「スマート」=「BK-100J」のジャパネット販売分)も含まれますが、つまりは、ジャパネットたかただけで、レイコップの日本国内販売分の6割以上を売り上げていることになります。
そして、それだけ売れるならば、メーカーに気前よくオリジナル性の高い特別仕様品を作ってもらえる訳だ、と思ったものです。
しかし、実はそうではなく、何とジャパネットの高田社長とレイコップの製造メーカー・ブカンセムズ社の李社長(元々は医者だという人物)は、何故か親しく、それで相方上手く利用し合っているようです。
それはともかく、テレビで宣伝しまくっているとはいえ、布製品にしか使えない2万円もする掃除機をそれだけ売るとは、ジャパネットたかたは凄すぎです・・・。
【売上推移】
売上 | ジャパネット | 日本全体 | 世界全体 |
2013年12月 | 300万台 | ||
2014年1月 | 60万台 | 100万台 | |
同年4月 | 75万台 | 150万台 | |
同年6月 | 85万台 | ||
同年8月 | 200万台 | ||
同年9月 | 104万台 | ||
同年12月 | 122万台 | ||
2015年3月 | 138万台 | ||
同年5月 | 300万台 | ||
同年8月 | 160万台 |
2014年12月17日時点で、122万台突破ですので、2014年はジャパネットだけで60万台以上売っています。これは一日換算で、約1,644台売れていることになります。
また、日本全体においては、2014年1〜8月には1ヶ月平均約14万台売れていることから推定して、同年には日本だけで約170万台売れたことになります。
…日本人はレイコップを買い過ぎなのではないでしょうか?(汗)。
"何はともあれ、一度は使ってみたい" と見事視聴者に思わせた、高田社長の大勝利だと言って良いのかもしれません・・・。
ラインナップ(※色が違うだけで性能は同じです)
- RT-300JGR (シャイニーグリーン)
- RT-300JPK (フェアリーピンク)
- RT-300JWH (パールホワイト)
関連ページ:
・RP-100J レイコップRP(2014年度型プレミアム機)
・RS2-100J レイコップRS2(2015年度型スタンダード機)
・RE-100 レイコップLITE(2014年度型エントリー機)
・EC-HX100 Cornet(コロネ)(シャープ製)
・V6 Mattress(ダイソン)
・VC-CLF1 トルネオVコードレス(東芝製)
・PV-FC100(日立)
・MC-DF100C ふとん掃除機(パナソニック製)
・AIM-UC03,AIM-UC02 ふとん用UVクリーナー(ツカモトエイム製)
・IC-FDC1 コードレス布団クリーナー(アイリスオーヤマ製)
・VH9201DSW,VH9201DS,VH9201D ふとんパンチクリーナー(LG製)
・BG-310JP レイコップ [ジャパネットたかた専用](先代モデル)
・VC-JS4000 トルネオVコンパクト[ジャパネット仕様]
・CV-S100J パワーブーストサイクロン[ジャパネット仕様]
関連サイト:
・レイコップ、布団掃除機の生産倍増 韓国に新工場棟(日本経済新聞)
・ジャパネットたかた、2015年1月に社長交代 後任に長男(日本経済新聞)
退任後の明氏(※現社長)の処遇は未定だが、通販番組の出演などは続けるとみられる。
・ジャパネット高田明社長、テレビ出演は半年か一年かは続けるが、再来年も出演することはない(東洋経済オンライン)
・衝撃の退任発表から約半年 - 新社長が語る新生「ジャパネットたかた」の姿(マイナビニュース)
・1時間、布団とダニのことだけ話そう - 高田社長、ジャパネットやめるってよ(日経ビジネスオンライン)
・「社長、辞めます!」ジャパネットたかた 激闘365日の舞台裏[単行本](amazon)