イオンのプライベートブランド(PB)、"トップバリュ" から発売され、テレビCMで有名な自走式お掃除ロボット「TVRC001(TV-RC001)」です。製造メーカーが不明ですが、型番が "TV" で始まることから、オーム電機が内々に造っているのかもしれません。
その特徴としては、
▼12畳の面積を50分かけて、94%を清掃
性能的には、まず12畳の面積を50分かけて、その94%を清掃可能だとされています。なので、これはこの数値が公表されているロボット掃除機の中で、最も清掃可能範囲の狭い製品となっています。
▼ゴミの掻き込み口に回転ブラシがない
これは本体裏のゴミの掻き込み口に、回転ブラシがない機種です。ゴミ収集性能としては、最小限のパワーで吸込を行うだけですので、絨毯を掃除するには弱く、事実上フローリング・畳用ということになります。安い製品の場合には、皆大抵そうなっていますが・・・。
▼段差センサーがない
この「TVRC001」には、他の殆どのロボット掃除機には付いている、段差センサーがありません。なので、玄関や下り階段を含む廊下等、本体が落下して壊れるよう恐れのある場所では、使用することが出来ません(落ちないように障害物を置くのはありですが)。
▼バンパーセンサーもない
やはりこの機種には、大抵のロボット掃除機には付いているバンパーセンサーがなく、バンパー自体もありません。
バンパーとは、本体前部に取り付ける大きなカバーのことで、ロボット掃除機は普通その内部にバネとセンサーを仕込むことで衝撃を軽減すると共に、障害物を認識して進む方向を変更します。
では、この「TVRC001」は、その機能をどうしているのかというと、本体が障害物に衝突し、動力源のタイヤのギアが空回りするのを認識して、方向を変える仕組みとなっています。
この場合、バンパーのあるロボット掃除機に比べると、障害物への当たり方は強くなります。しかし、この「TVRC001」を含む小型機の場合、そもそも非力なので、それ程家具等への傷を心配することはないでしょう。この機種では、本体前部には灰色の細長いゴムが横方向に貼られており、家具等を傷つけない一定の配慮はなされています。
▼段差乗り越え能力は殆どない
ロボット掃除機には、普通前輪として中央に小さな物が1輪、そして、後方に動力を伝える大きな2輪があるものですが、この「TVRC001」の場合、何と前方に前輪としては少し大きめのそれが付いており、これが動力を伝えています。そして、後方には追従する為だけの小さなタイヤが、左右に2輪付いています。
このように動力輪が小さな構造のためか、段差乗り越え能力が極めて低く、余程薄手の敷物でないと這い上がることは出来きず、カーペットに這い上げるのは殆ど無理と言えるでしょう。もっとも、ルンバ以外だと、小さな敷物は片付けた方が無難なので、その意味ではあまり関係ありませんが。
この機種の形状は、円形の前と両斜め後方の3か所を削ったかのような、他では見ないものとなっていますが、両斜め後方に関しては、通常両側方にある大きな動力輪が省略されているが故に削減が可能となり、前方に関してはそのついでに削ったのでしょう。
▼壁際に弱い
普通のロボット掃除機には大抵ある、壁際に沿って進む行動パターンがこの「TVRC001」にはありません。なので、壁際には弱く、逆に部屋の真ん中には強いです。
また、その行動パターンがないが故に、狭い場所にも入り込みにくいはずです。
▼縦置きスタンドに電源コードをつなげない
この「TVRC001」には、縦置き用の収納スタンドが付属します。ただし、この元々のアイデアは、やはり小型機のCCPの「CZ-860 ラクリート」から来ているはずですが、そちらでは電源コードをスタンドに繋ぎ、そのスタンドにロボット本体を載せることで端子が繋がって、充電が始まります。つまりそれは、"充電台" を意味しています。
しかし、この機種の場合、スタンドには単に載せるだけで、電源コードは本体に直接手でつながなければなりません。なので、一手間余計にかかります。
▼ダストボックスは大きい
ダストボックスは妙に大きく容量は360mlもあります。これは他の同等製品の1.8倍〜2倍程度の数値となります。ただし、この機種は吸込口に回転ブラシがあるタイプではなく、吸引力が強い訳でもないので、そもそも大してゴミを吸いません。しかし、ダストボックスの大きさに比例してフィルター面積も広いので、これは吸引力の持続に幾らか役立つはずです。
▼サイドブラシに毛がまとまった物を左右に2本採用
安い製品のサイドブラシ(側面ゴミ掻き集め用ブラシ)は、ブラシの毛がまとまっておらず、手で丸く広げながら部品をはめて固定するタイプの物もありますが、これのは6方向の6本にまとめられたまともな物です。しかも、それがきちんと左右に2本付いています。
▼価格は安く7,980円
このようにないない尽くしの為、価格は送料込みで何と7,980円!
当然最安の部類です。
バッテリー価格もかなり安く、2,980円で買えるのですが、ただし、サイドブラシは2個1組で1,980円と他の数倍の価格となっています。サイドブラシはあまり交換する必要はないはずですので(※絨毯上で使う場合には傷みやすいはずです)、バッテリーが安い方が良いのですが、何ともアンバランスな価格設定です。
バッテリー | フィルター(3枚組) | サイドブラシ(2個組) | |
消耗品価格 | 2,980円 | 1,980円 | 1,980円 |
▼イオンによる2年保証・修理を受けられる
安いロボット掃除機は、弱小メーカー製が多いので、充電地の寿命が尽きたり、数年後に故障した場合のことが少々心配ですが、イオンなら勿論問題ないでしょう。また、普通メーカーによる保証は1年ですが、イオンでは2年間の保証が付いています。
▼結論
これはそう良いものではないのですが、ロボット掃除機にフローリングの掃除をさせるつもりの方で、出来るだけ安い製品が欲しい方には、ありなのかもしれません。フローリングのそう広くない部屋を掃除させるためだけにルンバを買うのでは、さすがに少々オーバーですので・・・。
同等価格のライバル機種の最有力としては、やはりCCP(バンダイ系)の「CZ-860 ラクリート」ということになるでしょう。ただ、そちらはバッテリー価格が高く、5,000円程度するのですが・・・。
※価格は変動します。時価はリンク先にてご確認下さい。
・イオン・トップバリュ ロボットクリーナー TV-RC001 ― ― ― | |
・口コミ・評価:― ― ― ・ヘッド形状:ノーマル吸引(+サイドかき出しブラシ×2) ・吸込仕事率:未記載 ・本体重量:1.2kg /運転音:不明 ・段差乗り越え(cm):不明 ・対応床面積:約12畳 ・色:ホワイト(W)、ブルー(B)、レッド(P) ・サイズ:直径:30.0×高さ7.7cm ・4時間充電・50分可動 ・9.6V/800mAニッケル水素充電池(交換の目安:365回) | |
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