この機種の特徴としては、まずやはり軽いです。本体重量は2.4kgしかありませんので、通常のキャニスタータイプ(ヨコ型)の掃除機として、これは業界最軽量ということになります。
また、サイクロン式とは言っても、ダイソン製を含めて皆フィルターは付いており、その前にサイクロン部を設けることで、どれだけメインフィルターに達するホコリを減らせるかが勝負となっています。
しかし、この新型のサイクロン式 "Be-K(ビケイ)" の場合には、そのメインフィルター部の前にティッシュを挟み、遠心分離ではなく、そのティッシュにホコリを取らせるのをウリとしています。
昨年までのサイクロン式 "Be-K(ビケイ)" の場合には、事実上サイクロン部自体がなく、単にメインフィルターとその前に挟んだティッシュでホコリを取る仕組みになっていたのですが、この2013年度型からは、一応遠心分離用の筒状の部品を設置し、サイクロンの名に相応しく、大きなホコリ位は遠心分離できるようになったようです。
ただし、その遠心分離したホコリも、結局最後に同じフィルターで濾されることになりますので、遠心分離されようがされまいが、フィルター(とその前に挟んだティッシュ)のどの部分にホコリが付着するかだけの話となるはずです。なので、遠心分離用の筒型の部品は、いかにもサイクロン方式であるように見せるのがメインで、実際の吸引力の持続には、それ程関係がないように見えます。
このサイクロン部の性能に付いては、メーカー側の "吸引力99%持続!" 等の宣伝、もしくは説明も全くなく、少なくともメリットはそれ程ないものと思われます。
また、この2013年度型サイクロン式Be-K(ビケイ)では、そのサイクロン部分に見えるゴミの旋回部が、少し小さく、また、狭いので、大きめのゴミが引っかかり、溜まる可能性も考えられます。その場合には、ゴミの旋回部のプラスチックの部品を手で外して掃除しなければなりません。
これを小型サイクロンとして同等機種である、東芝のトルネオミニや、シャープのEC-PX210、パナソニックプチサイクロンと比べる場合には、それらにはティッシュを挟む仕組みがない代わりに、メインフィルターをガチャガチャと振動させてそこに付着したホコリを下に落とす仕組みが付いています。
この2013年度型の三菱製サイクロン式Be-K(ビケイ)からも、メインフィルター部には、フィルター掃除用ブラシのプラスチック製の後端を、メインフィルターの波型部分に擦りつけて振動させ、付着したホコリを落とす仕組が付きました。
しかし、これは本当にゴミを捨てる段階でのみ使う簡易的な仕組みで、きちんと専用の仕組みを設けている上述の他メーカー製と比べると、使い勝手や、振動性能そのものに少々難がありますので、あまり関心出来ません。
この三菱製新型サイクロン掃除機の「TC-EXC7J」は、基本的にそういった機種ということになります。
他の性能としては、この機種の吸込仕事率は300Wですので、吸込仕事率320Wの東芝・トルネオミニや同330Wのシャープ・EC-PX210、パナソニック・プチサイクロンの300Wと同等の、言わば300Wクラスですが、ゴミの遠心分離を強化したダイソン等は、それが故に吸込仕事率は実は200W前後しかありません(遠心分離を強化したタイプは、どのメーカーでも最上位クラスの機種ですので、吸込仕事率が低くても、ヘッドの性能で清掃力は高いようです)。
また、メインフィルターに自動振動機構の付いた、パナソニックやシャープの通常サイズのシリーズは、400W程度ありますので、300Wクラスの小型シリーズは、取り回しこそ良いものの、性能面では若干中途半端だということになります。
なので、これら小型シリーズの機種は、やはり取り回しの良さを最優先する方々向け、ということになると思います(※ただし、小型で、遠心分離力も高いのが、ダイソンの最新型DC48ということになります)。
ヘッドに付いては、「TC-EXC7J」は、下位機種だけあって、どちらかというとフローリング向けのタービン(風力)式の物が装備されています。
この機種には、上位機種として「TC-EXC8P」がありますが、そちらにおいては、主には、
- ヘッドの回転ブラシがモーター式(非自走)
- その分で、総重量が200g重い
- 運転音の最大値が1dB大きい(悪い)65dBに
なので、絨毯敷きの部分の面積が多いご家庭の場合は、一応そちらにした方が良いということになります。
また、この前年度型「TC-EXB8J」と比べると、
- 一応の遠心分離の構造(に見える物)の追加
- 本体重量が3.0s⇒2.4kgとなり、更に一回り小型に
- 吸込仕事率の最大値が520W⇒300Wに低下
- 消費電力の最大値が1000W⇒850Wに低下
- ヘッドもそれに合わせて変更されたようで、ヘッド+延伸管+ホース部で100g減
- 運転音の最小値が1dB低下で、65〜約59dBに
- メインフィルターが高性能なHEPAフィルターに
フィルターがHEPAフィルターになったのと、(元々小さかった物が)更に小型化したのは良いとしても、モーターの消費電力も下げ、吸込仕事率が大きく下がっているのには、多少どうかと思うところもあります。
この「TC-EXC7J」は、安くて軽くて紙パック式でない掃除機が良い、という方には選択肢に入るのかもしれませんが・・・他にしておいた方が、無難と言えば無難だと思います。
価格も、以前の型を見るに、意外と下がらない可能性もあります。
※価格は変動します。時価はリンク先にてご確認下さい。
・TC-EXC7J Be-K(ビケイ) | |
・楽天 ・amazon [レビュー有] ・口コミ・評価:感想(_件)を参照 ・ヘッド形状:タービンブラシ ・目詰まり対策:フィルター部ティッシュ装着 ・吸込仕事率:300〜約80W ・エコモード:× ・本体重量:2.4kg/ 全体重量:3.6kg ・運転音:65〜約59dB ・排気方法:― ― ― /集塵容積:0.6L ・持ち手(本体):固定式 ・手元ブラシ:〇/すき間ノズル収納:延伸管横 ・色:オレンジゴールド(N) ・HEPAフィルター仕様 | |
前年度型
・TC-EXB8J Be-K(ビケイ) | |
・楽天 ・amazon [レビュー有] ・口コミ・評価:感想(_件)を参照 ・ヘッド形状:タービンブラシ ・目詰まり対策:フィルター部ティッシュ装着 ・吸込仕事率:520〜約100W ・エコモード:× ・本体重量:3.0kg/ 全体重量:4.3kg ・運転音:65dB〜約60dB ・排気方法:― ― ― /集塵容積:0.6L ・持ち手(本体):固定式 ・手元ブラシ:〇/すき間ノズル収納:延伸管横 ・色:メタリックブルー(A) | |
関連ページ:
・TC-EXD7J(2014年度型後継機種)
・TC-EXB8J(前年度型)
・TC-EXC10P(最上位機種)
・TC-EXC8P(上位機種)
・三菱掃除機
関連サイト:
・三菱電機 掃除機:製品情報 Be-K サイクロン式