ただ、これはサイクロンとは言っても、ゴミが吸気の力で渦を巻くサイクロンではなく、空気の流路に沿ってクルッと1回転するだけの遠心分離部(1段目のサイクロン)と、使い捨てのティッシュを被せるフィルターで、ゴミを濾し取る方式の部分(2段目のサイクロンとされる物)を組み合わせた製品で、普通に言うところのサイクロンではありません(※⇒日立公式サイトによる図解)。
2段目のサイクロン部では、ゴミを分離するのではなく、何と圧縮するのだとされていますが、そこはフィルターで塞いでありますので、実質的に紙パック式の紙パック内と殆ど変わらない構造になっています。そして、1段目で遠心分離できなかったゴミと、2段目の(ティッシュを被せた)比較的粗いフィルター部を通り抜けたゴミは、"クリーンフィルター" と呼ばれる、電源コードの出し入れでギアを回す、目詰まり防止用の振動装置を付けられた事実上のメインフィルターにおいて、主に集塵されることになります。
また、この「CV-SY5000」には、"スマートヘッド" という、フローリングの菌までその内蔵の回転ブラシで拭き取るという、日立製の最高性能ヘッドが付いています。これは、ヘッド幅は30cmと、一度に広い面積を掃除できるよう幅広に作ってありますが、カーボン素材を用いると共に、余分なスペースをなくすことでの軽量設計となっています。
従来型では、ヘッドを手前に引く際には、内蔵の回転ブラシの後部にほぼ必ず付いている起毛ブラシ部分(※これは、吸い逃したゴミ、及び回転ブラシが後方に弾いたゴミを逃さないようにする為の物であるはず)が邪魔をし、ゴミを吸い込めないことがあるそうですが、今年度からは、それを解決する為に、起毛ブラシ部分を引く際にのみ回転するローラー式としたことが、このヘッドのウリともなっています(※⇒公式サイトによるヘッド機能の解説)。
(※新搭載の吸込口後方のローラーは、ヘッドの中央部には付いていませんが、中央部でもゴミは吸い込まれています。なので、わざわざローラーを付ける必要まではなかったようにも見えます)
この機種には、ホースにも、表面が滑りやすい上に細めの "スマートホース" を使用することで、ヘッド+延伸管+ホース部で約1.5kgとなっています。これは各メーカーの最上位ヘッドとしては、東芝のトルネオVの約1.4kgに次ぎ、三菱の風神サイクロンの上位機種と並ぶ、かなりの軽さということになります。
この機種の他の大きな特徴としては、運転音の最大値が53dBですので、静粛性は業界トップクラスです。
フィルター性能は過剰なまでに優秀で、0.3μ(マイクロ)メートル以上のゴミの99.999%を捕塵するとされています(※1μメートルは1000分の1mm)。これは国内外でトップレベルです。
吸込仕事率も、470Wありますので、日本製の(一応の)遠心分離をするサイクロン掃除機としては、トップとなっています。
これは前年度型「CV-SW5000」からのマイナーチェンジ品となっていますが、そちらとの違いとしては、
- ヘッドが "ワイドごみハンターヘッド" ⇒コンパクトで引く際に後部から吸いやすい "スマートヘッド" に
- 全体重量が100g減の6.3kgに
- 運転音の最大値が2dB下がった53〜約48dBに
- フィルター部と回転ブラシ部に施されていた "ナノチタン消臭加工" の省略
"ナノチタン消臭加工" に関しては、恐らく効果があまりなかったという事でしょうから、気にする必要は多分ないでしょう。
また、この機種には上位機種として「CV-SY7000」がありますが、そちらとの違いとしては、
- 運転音の最大値が1dB悪化で53dBに
- "分散上方排気" ⇒単なる "上方排気" に
- (色の違い)
なので、これらは殆ど同一機種です。
昨年までは、上位機種には、電動でのチリ落とし用フィルター振動機構があるのが大きな違いとなっていました。しかし、今年度では、そちらでもがこちらと同じ電源コードの出し入れの力を利用する形に変わりましたでの、このような形となっています。
この「CV-SY5000」は、、、サイクロン掃除機としてはまともとは言い難いので、私としては感心出来ません。しかし、他に特に良いものがある訳でもありませんので(※…ダイソンは高過ぎ ^^)、家電量販店の店頭で操作してみて、これの使い勝手が良いと感じれば、まあ良いのではないでしょうか。
※価格は変動します。時価はリンク先にてご確認下さい。
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![]() | ・楽天 ・amazon [レビュー有] ・楽天レビュー:レビュー(_件)を参照 ・ヘッド形状:スマートヘッド(自走式パワーブラシ) ・目詰まり対策:コード連動式フィルター振動機構&ティッシュ装着 ・吸込仕事率:470〜約50W ・エコモード:床面検知+操作力検知+ブラシ回転数制御+アイドリング&ストップ ・本体重量:4.8kg/ 全体重量:6.3kg ・運転音:53〜約48dB ・排気方法:上方排気 ・持ち手(本体):固定式×2 ・手元ブラシ:△/すき間ノズル収納:なし ・色:レッド(R)、シャンパン(N) ・超高性能なULPAフィルター(と同等)仕様 ・ワイド曲が〜るロング吸口付(高所用ノズル) |
※すき間ノズルの収納は、別売の "すき間用吸口ホルダー" (定価:315円)を延伸管に付けることで、延伸管横に取り付けることが一応出来ます。
前年度型
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・楽天 ・amazon [レビュー有] ・楽天レビュー:レビュー(_件)を参照 ・ヘッド形状:軽量・ワイドごみハンターヘッド(自走式) ・目詰まり対策:コード連動式フィルター振動機構&ティッシュ装着 ・吸込仕事率:470〜約50W ・エコモード:床面検知+操作力検知+ブラシ回転数制御+アイドリング&ストップ ・本体重量:4.8kg/ 全体重量:6.4kg ・運転音:55〜約50dB ・排気方法:上方排気 ・持ち手(本体):固定式×2 ・手元ブラシ:△/すき間ノズル収納:なし ・色:レッド(R)、ホワイト(W) ・超高性能なULPAフィルター(と同等)仕様 ・ワイド曲が〜るロング吸口付(高所用ノズル) | |
関連ページ:
・CV-SA500(2014年度・小型版後継機種)

・CV-SY7000(上位機種)
・CV-SY500(下位機種/小型版)
・CV-SW5000(前年度型)
・CV-SW3000(前年度型下位機種)
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・日立掃除機関連サイト:
・CV-SY5000(R)(N)|日立公式サイト