TC-EXC8P Be-K(ビケイ)

TC-EXC8Pは、2013年5月11日に三菱電機から発売となった、新型のサイクロン掃除機です。これには "Be-K(ビケイ)" という(紙パック式とも共通の)シリーズネームがあり、三菱製軽量掃除機として知られるシリーズの、サイクロン版最新3機種の中で、中位機種ということになっています。

この機種の特徴としては、まずやはり軽いです。本体重量は2.4kgしかありませんので、通常のキャニスタータイプ(ヨコ型)の掃除機として、これは業界最軽量ということになります。

また、サイクロン式とは言っても、ダイソン製を含めて皆フィルターは付いており、その前にサイクロン部を設けることで、どれだけメインフィルターに達するホコリを減らせるかが勝負となっています。
しかし、この新型のサイクロン式 "Be-K(ビケイ)" の場合には、そのメインフィルター部の前にティッシュを挟み、そのティッシュにホコリを取らせるのをウリとしています。
昨年までのサイクロン式 "Be-K(ビケイ)" の場合には、事実上サイクロン部自体がなく、単にメインフィルターとその前に挟んだティッシュでホコリを取る仕組みになっていたのですが、この2013年度型からは、一応遠心分離用の筒状の部品を設置し、サイクロンの名に相応しく、大きなホコリ位は遠心分離できるようになったようです。
ただし、その遠心分離したホコリも、結局最後に同じフィルターで濾されることになりますので、遠心分離されようがされまいが、フィルター(とその前に挟んだティッシュ)のどの部分にホコリが付着するかだけの話となるはずです。なので、遠心分離用の筒型の部品は、いかにもサイクロン方式であるように見せるのがメインで、実際の吸引力の持続には、それ程関係がないように見えます。
このサイクロン部の性能に付いては、メーカー側の "吸引力99%持続!" 等の宣伝、もしくは説明も全くなく、少なくともメリットはそれ程ないものと思われます。
また、この2013年度型サイクロン式Be-K(ビケイ)では、そのサイクロン部分に見えるゴミの旋回部が、少し小さく、また、狭いので、大きめのゴミが引っかかり、溜まる可能性も考えられます。その場合には、ゴミの旋回部のプラスチックの部品を手で外して掃除しなければなりません。

これを小型サイクロンとして同等機種である、東芝のトルネオミニや、シャープのEC-PX210、パナソニックプチサイクロンと比べる場合には、それらにはティッシュを挟む仕組みがない代わりに、メインフィルターをガチャガチャと振動させてそこに付着したホコリを下に落とす仕組みが付いています。
この2013年度型の三菱製サイクロン式Be-K(ビケイ)からも、メインフィルター部には、フィルター掃除用ブラシのプラスチック製の後端を、メインフィルターの波型部分に擦りつけて振動させ、付着したホコリを落とす仕組が付きました。
しかし、これは本当にゴミを捨てる段階でのみ使う簡易的な仕組みで、きちんと専用の仕組みを設けている上述の他メーカー製と比べると、使い勝手や、振動させることが出来るフィルターの面積の面で劣ります(これはフィルターの上端のみを振動)ので、あまり関心は出来ません。
この三菱製新型サイクロン掃除機の「TC-EXC8P」は、基本的にそういった機種ということになります。

他の性能としては、この機種の吸込仕事率は300Wですので、吸込仕事率320Wの東芝・トルネオミニや同330Wのシャープ・EC-PX210、パナソニック・プチサイクロンの300Wと同等の、言わば300Wクラスですが、ゴミの遠心分離を強化したダイソン等は、それが故に吸込仕事率は実は200W前後しかありません(遠心分離を強化したタイプは、どのメーカーでも最上位クラスの機種ですので、吸込仕事率が低くても、ヘッドの性能で清掃力は高いようです)。
また、メインフィルターに自動振動機構の付いた、パナソニックやシャープの通常サイズのシリーズは、400W程度ありますので、300Wクラスの小型シリーズは、取り回しこそ良いものの、性能面では若干中途半端だということになります。
なので、これら小型シリーズの機種は、やはり取り回しの良さを最優先する方々向け、ということになると思います(ただし、小型で、遠心分離力も高いのが、ダイソンの最新型DC48ということになります)。

この機種には、上位機種として「TC-EXC10P」がありますが、そちらにおいては、
  • ヘッドの回転ブラシを横に引き抜くだけで、毛絡みを除去出来る機能がある
  • その回転ブラシが回転力の強い自走式である
  • それらの分で、総重量が100g重い
  • 吸込仕事率の最大値が10W高い310Wである
  • 掃除の中断を察知してパワーダウン⇒そのままで30秒経つと運転を止める "スマートSTOP(節電モード)" がある
  • ヘッド取り外し時に延伸管先端部で使える "すみずみブラシ" がある
  • 先端にブラシの付いたロングすき間ノズル "2WAYロングノズル" が付属する
  • 回転ブラシに抗菌加工がなされ、また、ブラシに "アレルパンチ植毛" という、アレルギー性物質を抑制する加工がなされている
ということになります。そちらは、サイクロンBe-K(ビケイ)の最上位機種だけあって、こちらと基本同型ながら機能性が少し高いですが、ただ、以前からの傾向として、回転力の強いその上位ヘッドでは、回転ブラシの毛がかなり硬く、私としては、自宅で使うのには少し不安を覚えます。
ただ、ではこの「TC-EXC8P」の方が良いのかというと・・・勿論他社製もありますので、そちらも含めて考えるのが良いのではないでしょうか。デザインはスタイリッシュで上級感もあり、その面では魅力的なのですが・・・。

 価格は変動します。時価はリンク先にてご確認下さい。


TC-EXC8P Be-K(ビケイ)
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口コミ・評価:感想(_件)を参照
ヘッド形状:パワーブラシ(非自走)
目詰まり対策:フィルター部ティッシュ装着
吸込仕事率:300〜約80W
エコモード:×
本体重量:2.4kg/ 全体重量:3.8kg
運転音:64〜約59dB
排気方法:― ― ― /集塵容積:0.6L
持ち手(本体):固定式
手元ブラシ:〇/すき間ノズル収納:延伸管横
色:プラチナホワイト(W)、マゼンタ(P)
HEPAフィルター仕様


関連ページ:
TC-EXD8P(2014年度型後継機種) 最新製品
TC-EXC10P(上位機種)
TC-EXC7J(下位機種)
TC-EXB8J(タービン式しかなかった一応の前年度型機種)
三菱掃除機

関連サイト:
三菱電機 掃除機:製品情報 Be-K サイクロン式