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DC48 ダイソンボール(DC48MHSFMO)

2013年3月28日より公式オンラインストアで、そして4月18日からは全国の家電量販店等で発売となった、英・ダイソン社の最新サイクロン掃除機DC48です。

このラインナップは、従来通り、ヘッドの回転ブラシに差のある2種類で、

となっています。

それらの選び方としては、ご自宅の床がフローリングメインであれば、タービンヘッドで十分、そして絨毯メインであれば、モーターヘッドの方が好ましいとされています。

モーターヘッドの方が明らかに高性能なのですが、総重量で250g程度重いのと、価格が数千円高いので、一応2種類発売されています。


▼ 小型化

これらの特徴としては、やはり本体後部がボールを模した形で、重心が低く操作性の良い、2011,12年度型ダイソンボール「DC36/DC46」の小型機で、やはり小型機であった2009,10年度型「DC26(CF)」の、一応の後継機種ということになります。

とは言え、「DC36/DC46」と比べると、30%以上、そして、「DC26」と比べても15%以上小型化されて、本体重量はたった2.7(タービンヘッド)/2.8(モーターヘッド)sとなり、事実上ダイソン史上初の、超小型機ということになっています。

本体以外、つまり、ヘッド+延伸管+ホース部分では、DC46と比べて、モーターヘッドで250g減の2.15kg、タービンヘッドでは50g減の2.05kgと、特にモーターヘッドでは約1割軽くなっています。

しかし、他社の(超)小型機のそれらの重量が、モーター式回転ブラシの機種でも約1.4〜1.8kg程度であるのと比べると、特にモーター非内蔵のタービンヘッドでは、まだまだ重いと言うことが出来ます。


▼ ダイソンデジタルモーターV4の登場

この「DC48」は、超小型機とはなりましたが、吸込仕事率は170Wと、DC36と同じ数値で、DC46の180Wよりは10Wだけ低い数値となっています。

実は今回、2007年9月発売の「DC22」以降、キャニスタータイプ(ヨコ型)では使われていなかった、"ダイソンデジタルモーター" の最新版ダイソンデジタルモーターV4が吸引モーターとして採用されており、その大きさは従来品(多分DC46)用モーターの約3分の1しかなく、これが劇的な軽量・小型化と、吸引パワーの維持に一役買っています。

直流式の "ダイソンデジタルモーター" は、従来の交流式のACモーターと比べて小型で回転数・及びエネルギー効率が高く、また、微細で有害なカーボンダスト(モーター片)を排出しない為に性能も落ちにくく、それらの面だけ見れば、理想的なモーターだとされていました。

しかし、それは何と言っても音がうるさいのが欠点で、キャニスタータイプで最後にそれを採用していた「DC22」では、掃除機なのにジェット機のような音がするのが欠点となっていました。

しかし、今回、相変わらず運転音は未公表で、かつモーターをゴム製のケースで覆ったり、排気経路を長く複雑にする等、新たな遮音対策がなされたようですが、「DC46」と比べて約40%もの運転音が低減されたという話ですので、新型デジタルモーター「V4」における最大の進化は、一番の問題点であった運転音ということになるようです。

尚、そのダイソンデジタルモーターですが、「V3」は未発売で、「V1(=X20)はキャニスタータイプの「DC12/DC22」で、そして「V2」は、「DC31/DC34/DC35/DC45」のハンディ&ハンディ・スティッククリーナーに採用されており、現在も勿論現役です。「V4」では、最高回転数こそ104,000回転/分⇒101,000回転/分に下がっていますが、ハンディタイプとキャニスタータイプでは、やはりモーターの大きさが違うはずなので、それは仕方がないでしょう。しかし、今回、毎秒3,300回の回転制御が、毎秒6,000回と倍になっていますので、これも運転音を滑らかにすることにつながったのかもしれません。


▼ 集塵力の向上

また、DC46モーターヘッドの集塵力が89.6%だったのに対し、DC48(モーターヘッド)では93.3%に向上した、つまり約4%集塵力が上がったともされています。

吸込仕事率が下がって、集塵力がアップしたということは、ヘッドの性能が上がったことを意味しています。

この新設計のヘッドは、長年回転ブラシとして採用されていた硬く赤いナイロンブラシを何と全廃した上で、中程度の硬さでフローリングにも届く長さの新型ナイロンブラシを新たに採用し、DC26CF以来ウリとなっていたカーボン素材の滑らかなブラシも引き続き採用しています。

今回の改良では、主に吸気経路の単純化による静音化と軽量化、そして集じん性能の向上が図られたとされていますので、実際その新造ヘッドの採用で清掃力は少しアップしていることになります。

ただ、そのダイソンの言う「集塵率」ですが、海外掃除機が時々持ちだす "ダストピックアップ率" とは違う独自測定値のよう(絨毯上にしては高過ぎで、フローリング上としては低過ぎ)で、他との比較は不能です。


▼ 性能が低下した部分も

ただし、今回、性能が下がっている部分もあります。

まず、従来ダイソンのキャニスタータイプでは、メインフィルターとして常に採用されていた、高性能なHEPAフィルターが、このDC48では不採用となっています。なので、その分フィルターを空気が通りやすくなっているはずで、モーターが小型化しても吸込仕事率が下がらない理由には、それもあるものと思われます。

ただ、このDC48においても、従来通り "英国アレルギー協会推奨" が宣伝されていますので、排気はそれなりに綺麗ではあるはずですが(…製品ページにはそれっぽく書かれていますが、どうもDC48は未認定のよう。ただ、スイスアレルギー協会では認定が確認できます)

また、ダイソンにもサイクロンで遠心分離出来ない分のホコリがありますので、2種類ある内の最初のフィルター "プレモーターフィルター" のみ定期的な洗浄が必要です。そして、その目安はDC36の4年間、DC46の3年間から、このDC48ではたった1年間と短くなっています。これは、サイクロンの渦が弱くなり、それによるゴミの遠心分離効率が、低くなっている(設定されている)ことを意味しています。

なので、少しばかり集塵率が上がっても、吸引力が早く衰えることで、それはプラスマイナスゼロか、劣ることになってしまいます。これは、早めにフィルターを洗えば良いとも言えますが、実のところフィルターは洗っても、完全に綺麗になって100%の吸引力が戻る訳ではないので、やはりサイクロン部の性能が大きく落ちているのは、それなりに大きな問題です。

また、サイクロンの渦を弱めた事は、運転音を抑えるのにも一役買っているはずです。以前日本製で、運転音を抑える為に、サイクロンの渦をわざと弱めている掃除機があるとダイソン社が指摘していましたが、今回はダイソン社自身が、そういう方法を取る羽目になったようです。

集塵容積に関しても、DC26とDC36では0.68L、DC46では2段目のサイクロン部が2層になったせいで少なくなって0.58L、そして、この超小型のDC48では、2段目のサイクロンは1層に戻りましたが、それでも0.5Lとなり、DC26とDC36の約4分の3ということになっています。


▼ 付属品

付属品としては、標準付属品として

  • フトンツール(布団用ノズル)
  • ソフトブラシツール(大型ブラシ型ノズル)
  • フレキシブル隙間ノズル(軟質ロングすき間ノズル)

が付き、上位機種であるモーターヘッドには、"タングルフリー タービンツール" という物が追加されます。

この "タングル(毛・糸絡み)フリー タービンツール" は、小型のヘッドですが、何と横回転する楕円形の風力式の回転ブラシ(ブラシの方向は下)が2つ内蔵されており、髪の毛等が絡みにくいとされています。

これはDC46の発売時に、別売もされるとされており、価格は5,000〜6,000円程度になるという話でしたが、未だ単独での日本正式発売はされていません。


▼ 価格とボディカラー

価格面では、「DC46」と比べると、モーターヘッドでは92,800円⇒97,800円に、そしてタービンヘッドでは、こちらのみ "タングルフリータービンツール" を省略した上で、87,800円⇒89,800円となっています。小型・軽量化はされたものの、デジタルモーターの搭載や静音化の分でか、かえって高くなってしまいました。

もっとも、小型・静音化された割に、清掃力としては従来品と基本同等ですので、そこは仕方がないと言えば仕方がないでしょう。

また、ダイソンの従来品では、一つの型につき、一つの色しかありませんでした。しかし、今回、モーターヘッドでは、"サテンパープル" と "サテンフーシャ(レッド系)"、タービンヘッドでは、"サテンイエロー" と "サテンブルー" と、2色づつでの発売ということになっています。…これには、気合が入っているんだな、と驚きました。


▼ ダイソン以外のサイクロンとの比較

ダイソン製サイクロン掃除機を、他メーカー製サイクロン掃除機と比べる場合には、ダイソンでは、低い吸込仕事率で床への高い吸引力を保つために、ヘッド前に床とのすき間があまりないので、ヘッドの正面では壁際をあまり吸わない(側面では割と吸うという話です)ということや、猫砂や米粒を弾きやすい、という話は昔からあります。

…ただし、床への吸い付きは、特にモーターヘッドモデルでは、日本メーカー製よりずっと強く、ヘッド下のゴミを吸う能力としては、圧倒的に信頼が置けるのですが。

他では、日本メーカー製高額機種だと、ヘッドにモーター式回転ブラシによる自走力があり、楽に動かせる場合が多いのですが、ダイソンだとモーターヘッドの場合にも、回転ブラシによる自走力がほぼない(+床への吸い付きも強い)ので、ヘッドの動かしやすさとしてはイマイチとなります。特には小さなマット等を吸いつけやすく、掃除が大変です。

また、日本製の中位以上の機種には、大抵エコモードが付いており、パワーを床面等に応じて自動コントロールすることで、消費電力を抑えることができます。しかし、ダイソン(DC48)は1,150Wと、平均より15%高めの最大消費電力であるのに、エコモードがありません。ただ、サイクロン掃除機では、常に最大パワーで使う方が、サイクロンの遠心分離率を高く保てるはずなので、サイクロン方式を使う以上、その辺りは細かく考えず、出来るだけフルパワーで使うのが良いのかもしれません。

あと、言うまでもなく、ダイソンはサイクロン式なので、やはりゴミ捨て時に厄介です。フィルター性能が高くても、直接ゴミを扱うゴミ捨て時には全く関係ありませんので、アレルギー持ちのようなホコリに敏感な方ほど、その際には注意が必要です。シャープのゴミを押し固めるスクリューのようなものがあれば、その面ではまだ少しマシなのですが(…シャープはシャープで遠心分離力が低いという問題がありますが ^^;)。ゴミ捨ては、一軒家であれば毎回ということになると思いますので、掃除をする度に集めたホコリと、使用者が直接戦わなければなりません(^^)


▼ 購入するなら旧「DC46」も有

このダイソンのニューモデル「DC48」を、2012年9月発売の「DC46」と比べる場合には、サイクロン部の性能でそちらに大きく劣るものの、小型・軽量による掃除のしやすさでは優位に立ちます。なので、そういった面を優先するのであれば、この「DC48」を、逆に、あくまで吸引力の持続を求めるのであれば、「DC46」、もしくはその旧型の「DC36」をお選びになれば良いのではないでしょうか。「DC46」は、本体重量は約4.1sなので、普通サイズのサイクロン掃除機としては、どちらかというと軽い方です。…ただし、ヘッド等はやはり重い部類に入り、操作感も、やはり日本製の高額機種よりは重いのですが。

仮に価格を気にせず買えるのであれば、ダイソン製のそれらのどれでも、特に悪くはない買い物だと思います。愛着を持って使えるのであれば、価格よりは安い買い物となるのではないでしょうか。


DC48MHSFMO/DC48MHSPMO

「DC48MHSFMO/DC48MHSPMO」は、2014年12月上旬に発売となった、「DC48」のジャパネットたかた専用型番です。

「MH」はモーターヘッド機を表し、「MO」は、"メールオーダー"、つまり通販専用機であることを表します。そして「SF」は、サテンフューシャを、「SP」はサテンパープルのボディカラーを表しています。

オリジナルのモーターヘッド機(MHCOM)との違いとしては、単に "ソフトブラシツール"(大型ブラシ型ノズル) が省略されているだけです。

性能、及び色も同一で、プラスされたものは付属品を含めて何もありません。


 価格は変動します。時価はリンク先にてご確認下さい。


DC48 モーターヘッド(MHCOM)
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楽天レビュー:レビュー(_件)を参照
ヘッド形状:パワーブラシ
目詰まり対策:1年間フィルター掃除不要
吸込仕事率:170W
本体重量:2.8kg/ 全体重量:4.95kg
運転音:未公表
排気方法:― ― ―
持ち手(本体):固定式
色:サテンパープル(SP)サテンフューシャ(SF)
集じん容積:0.5L
付属品:フトンツール、ソフトブラシツール、フレキシブルすき間ノズルタングルフリータービンツール(6,300円)

DC48 タービンヘッド(THCOM)
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楽天レビュー:レビュー(_件)を参照
ヘッド形状:タービンブラシ
目詰まり対策:― ― ―
吸込仕事率:170W
本体重量:2.7kg/ 全体重量:4.75kg
運転音:未公表
排気方法:― ― ―
持ち手(本体):固定式
色:サテンイエロー(SY)サテンブルー(SB)
集じん容積:0.5L
付属品:フトンツール、ソフトブラシツール、フレキシブルすき間ノズル

DC48 タービンヘッド コンプリート(DC48THCOM)
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楽天レビュー:レビュー(_件)を参照
ヘッド形状:タービンブラシ
目詰まり対策:― ― ―
吸込仕事率:170W
本体重量:2.7kg/ 全体重量:4.8kg
運転音:未公表
排気方法:― ― ―
持ち手(本体):固定式
色:アイアン×ニッケル
付属品:フトンツール、カーボンファイバーソフトブラシツール、リーチアンダーツール

この「DC48 タービンヘッド・コンプリート」は、「DC48 モーターヘッド」が生産終了となった後に発売されたバージョンです。

通常品・従来型「タービンヘッド」との違いとしては、付属品がDC63と同様の最新型に更新されており、

ソフトブラシツール ⇒ カーボンファイバーソフトブラシツール

フレキシブルすき間ノズル ⇒ リーチアンダーツール

に変更されています。

本体は色違いの同型であるはずで、重量が4.75⇒4.8kgとなっていますが、これは単なる四捨五入です。

価格は、付属品の変更の分で、何と税込59,184円⇒64,584円へと大幅なアップとなっています。



関連ページ:

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DC26(CF)(旧小型機)

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関連サイト:

Dyson Ball DC48|ダイソン公式サイト

DC48 モーターヘッド/DC48 タービンヘッド(公式サイト個別ページ)

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