その特徴としては、吸込仕事率が高めの620Wで、ヘッドには風力式の回転ブラシ(タービンブラシ)を装備しています。また、パナソニックのCMで一世を風靡した、ヘッド上部の空気も吸う "エアダストキャッチャー" も付いています。
ただ、この "エアダストキャッチャー" は、上位機種に付いている、吸引に応じて自然に蓋の開く物ではなく、ヘッドの床面から少し上の部分に大穴を開けただけの、少しインチキな物です。この方式だと、壁際にピタッと付けた際にも、空気を吸い込みやすいので、風力式回転ブラシの回転の勢いが削がれにくいという利点があるのかもしれませんが、どうにも釈然としないものがあります。
パワー持続機構としては、"ツイン気流" という物があるとありますが、これはゴミを紙パック内でサイクロン風に回転させ、紙パックの上部に押し付ける、つまり紙パック内でゴミを隅から詰めるという微妙な仕組みで、役に立つかもしれないのは、紙パック内にあまりゴミのない最初の内だけです。
やはりパワー持続機構として、紙パックが詰まって来るとパワーを上げる "パワー持続センサー" という物も付いていますが、これは "中" (標準)モード使用時にのみ働く機能です。
それらに関しては、実用性に付いては「?」と思いますが、多分ないよりは良いのでしょう・・・。
また、たまに問題となる点として、タービン式回転ブラシを内蔵している、この機種にも装備された "エアロノズル" という名前のヘッドは、可動範囲が狭くて使いにくいと、たまに購入したのを後悔なさる方がいらっしゃるようです。これは確かに左右方向には最大25度程度(90度捻ってもその程度)、上下=縦方向には最大50度程度しか動きませんが、実はシャープ製のタービン式もほぼ同じ位です。
日立製や東芝製が、左右・上下共、90度近くまで動くことを考えれば、それらは可動範囲として確かに狭いです(三菱製は左右・上下とも50度程度)。しかし、タービン式のヘッドは軽く、また、勿論自走能力もないので、床にヘッドを押し付けたり、左右にブレずに前への押しやすくすることを考えれば、その程度の可動範囲が、恐らく合理的だなのだと思います。
実際、私も日立製のタービン式の機種を使ったことがありますが、ヘッドがクニャクニャとして使いにくいので、持っていた別売ヘッドのミラクルジェットを付けて使っていました。
ただし、特に日立製や東芝製から買い替えると、今までヘッドを押し込めていた家具の間等に入らないケースが出て来ますので、そういう方には非常に困る問題だと思います。
この機種には前年度型として、「MC-PK13A」がありますが、違いとしては、
- 吸込仕事率が610W〜約60W ⇒ 620W〜約80Wにアップ
- 消費電力も1,000〜約150W ⇒ 1,130〜約200Wにアップ
- 掃除の一時中断時に、本体後部にヘッド&延伸管を立て掛ける為の溝(スタンド)の追加
- 本体重量が約100g増の3.5kgとなり、全体重量も100g増の4.8kgに
- 先端にブラシの付くすき間ノズル "2WAYノズル" が、普通のすき間ノズルに変更
強モード時の吸込仕事率の最大値が10W(約1.6%)上がりましたが、その際の消費電力は130W(13%)も上がっています。
2011年度までは、掃除機の最大消費電力は、業界として1,000Wが普通でした。しかし、2012年度からは日立と東芝が15%程度上げ始め、パナソニックもそれに追随した形となります(※三菱製は小型機であるのをウリとしており、パワーを追及していないので、多分今後も上げないものと思います)。
弱モード時にも、約33%吸込仕事率と消費電力が上がっていますが、弱モード時のパワーが上がるのは、使いやすくなる側面もありますので、こちらについては何とも言えません。ただ、弱モードについては、吸込に関して元々信頼性が低いので、使わない人も多いのではないかと思います。
なので、基本的に少しの問題のはずですが、消費電力が低い分と、モーターの変更に伴って重量が約100g増えてしまった分、そしてすき間ノズルが普通の物になってしまった分で、前年度型の方が良いと言えば、良いでしょう。
この「MC-PK14A」の評価としては、安物であるとの前提で、基本的に十分と言えば十分です。ハンディタイプやスティックタイプでは頼りないので、やはりキャニスタータイプ(ヨコ型)が欲しい、しかもやはり少しはマシの物を、というような場合には、良いのではないでしょうか(もう少しだけ性能を落として安くした、「MC-PKL14A」も同時発売となっています)。
※価格は変動します。時価はリンク先にてご確認下さい。
・MC-PK14A | |
・楽天 ・amazon [レビュー有] ・口コミ・評価:感想(_件)を参照 ・ヘッド形状:エアロノズル(タービンブラシ) ・目詰まり対策:ツイン気流(=紙パック内簡易サイクロン)、パワー持続センサー ・吸込仕事率:620W ・エコモード:× ・本体重量:3.5kg/ 全体重量:4.8kg ・運転音:65〜約60dB ・排気方法:― ― ― ・持ち手(本体):固定式 ・手元ブラシ:×/すき間ノズル収納:本体内 ・色:ピンク(P)、ブルー(A) ・エアダストキャッチャー ・標準紙パック:AMC-S5(1枚付属) | |
前年度型
・MC-PK13A | |
・楽天 ・amazon [レビュー有] ・口コミ・評価:感想(_件)を参照 ・ヘッド形状:エアロノズル(タービンブラシ) ・目詰まり対策:ツイン気流(=紙パック内簡易サイクロン)、パワー持続センサー ・吸込仕事率:610W ・エコモード:× ・本体重量:3.4kg/ 全体重量:4.7kg ・運転音:65〜約60dB ・排気方法:― ― ― ・持ち手(本体):固定式 ・手元ブラシ:×/2WAYノズル収納:本体内 ・色:ピンク(P)、ブルー(A) ・エアダストキャッチャー ・2WAYノズル(ブラシ付すき間ノズル)付 | |
関連ページ:
・MC-PK15A(2013年度型後継機種)
・MC-PK13A(前年度型)
・MC-PK14G(上位機種)/MC-PKL14A(下位機種)
・パナソニック掃除機
・CV-VR7(日立製同等機種)
・VC-PC7A(東芝製同等機種)
・TC-FXB5J(三菱製同等機種)
関連サイト:
・MC-PK14A|パナソニック公式サイト