MC-SXD420 エアシス

パナソニックから2013年2月15日に発売となるMC-SXD420は、旧サンヨー製高級サイクロン掃除機 "エアシス" の最新型番です。2011年10月25日発売の「MC-SXD410」から発売元がパナソニックとなりましたが、今回もまたほぼ変更点のないマイナーチェンジに留まり、サンヨー製時代の性能・特徴をそのまま受け継いだ製品という事になっています。

この製品の特徴としては、まず半導体の工場等のクリーンルームにも使われる、超高性能なULPAフィルターをリング状にし、0.08μm以上の微粒子を約99.995%(自社測定値)集塵可能とした、 "ULPAリングフィルター" を採用していることが挙げられます。これは家庭用として世界最高レベルの排気性能のはずで、日本製としても、ULPAフィルターを装備した掃除機の中で最高のはずです。
しかし、サイクロンの方式としては、ダストボックス内の、フィルターの前にティッシュを挟みそこにホコリを集める方式なので、本当はサイクロン式ではありません。(サンヨー掃除機のサイクロン部の構造)
そして、本当のサイクロン式ではなくても、紙パックはありませんので、この機種の場合には大抵掃除をする度にゴミを捨てなければならず、その際には気をつけないと少々ホコリが舞う事になります。なので、せっかく掃除をして高性能なフィルターで掃除機内に微細なホコリを閉じ込めても、言わば掃除後に掃除機内を掃除することにより、使用者がホコリに接しなければならないことになります。
この機種のメインフィルター(これは最終フィルターであるULPAリングフィルターとは違う、ダストボックス部分に付いている物)には、電源をOFFにする度にガタガタと作動する(フィルター)自動振動機能がありますが、それでも落ちないホコリがどんどん溜まって行きますので、時々は人の手での、そのフィルターの掃除もしなくてはならないはずです。
なので、どれ程フィルター性能が高くても、こういう方式の掃除機であるという性質上、使用者がホコリに接しなければならない機会は、紙パック式と比べると相当多くなります。
また、パナソニックでは、パナソニックが開発していた方の高級サイクロン掃除機 "パワープレスサイクロン" でも、2012年度型からは皆ULPAフィルターを装備していますので、フィルター性能でのメリットは、そちらと比べても、もう基本的にありません。
ただ、この「MC-SXD420」には、フィルターにホコリがより引っかかるように、マイナスに帯電させた帯電層がある分と、ULPAフィルターの接着剤に樹脂材が用いられている分で(ただし、パワーサイクロンの側で、その少し特殊な接着剤が用いられている可能性はない訳ではありません)、それでも微妙に高性能のはずです。

このエアシスのヘッドに関しては、サンヨー製のウリであった、ヘッド正面を壁に当てると、前部のカバーが開いて壁際が掃除しやすくなる "ガバ取り構造" や、
その開くヘッド正面を下にして、縦にして家具等のすき間に使う事が出来る "逆立ち" 機能のある、便利な可変ヘッドを備えています。
また、回転ブラシにウェットシートをワンタッチで巻き付けて、床拭きをしながら吸引させることも出来ますが・・・ウェットシートはすぐに乾いてしまいますので、あまり実用的ではありません。しかも、シートを外した後にそのシートを掃除機に吸いこませることも出来ますが、掃除機に湿った物を吸い込ませるのは、あまり好ましくないはずです。

排気方法としては、"エアブロック" と呼ばれる、サンヨーが以前ウリとしていた後ろ斜め上方排気が採用されていますが、パナソニック製と日立製の上位機種でも、後ろ斜め上方に排気される仕組みとなっています。
掃除が終わった後には、本体からホースを抜いて、約10分間掃除後の部屋の空気を吸わせて浄化させる "空気清浄モード" というのも設けられていますが・・・実際この機能をご使用になる方が、どれだけいらっしゃるかは何とも分からない所です。…掃除が終わった後には、ダストボックスを明けて手作業でホコリを取り出すことになりますので、掃除機をご使用になる方は、空気清浄をするにしてもしないにしても、やはりその際に汚れた空気に接することになりますが。

この「MC-SXD420」は、最初に述べたように、前年度型「MC-SXD410」からのマイナーチェンジということになりますが、違いとしては、
  • 運転音の最大値が、62dB⇒61dBへと1dBだけ静かになった
  • "ペタすき間ノズル" という、吸引面が床にペタっと付く、少しだけ幅広なすき間ノズルが追加された(先端にブラシの付いたすき間ノズルも有)
と単にそれらだけとなります。
運転音に関しては、61dBというのは、掃除機としてどちらかと言えば、静かな方だというレベルです。この「MC-SXD420」の吸込仕事率は530Wで、他の高級サイクロン掃除機と比べると少し高いです。しかし、この遠心分離を(ほぼ)しないタイプでは、もう少し吸込仕事率を上げることも可能なはずなので、それをしない分で、特に静音構造の話が出てこなくても、吸引モーターの騒音を抑えることが出来ているのだと思います。ただし、61dBでは決して静かという訳ではなく、その上で、電源を切る度に作動するフィルター振動機構も付いています。
パナソニックからのエアシスの発売は、これで2度目の発売となりますが、2010年10月に旧サンヨーからの最終の発売となった「SC-XD4000」から、本体性能はほぼ変わりありません。
ウリとなっていた可変・多機能ヘッドは、この機種だけの為に改良を続けるというのは合理的ではありませんし、また、パナソニックにはパナソニックの高級機種で、エアシスとは違い、一応のゴミの遠心分離構造を持つ、先程も触れた "パワープレスサイクロン" のシリーズががあります。なので、このエアシスが大きく改良されることは、もしかしたらもうないかもしれません。

この「MC-SXD420」は、サイクロン掃除機の名を持ちつつも、ゴミの遠心分離ではなく、フィルター前に挟んだティッシュにゴミを集めるタイプの製品なので、ダイソンだけでなく、東芝や三菱がフィルターに頼らない高遠心分離力をウリとするサイクロン掃除機を販売している現在、もはや少し古いと言えます。
電源を切る度に作動するフィルター振動機構も、パナソニックやシャープは現在出来るだけそれを作動させなくても済むように改良していますが、このエアシスは設計が少し古いままなのでそういった改良もなく、また、そもそもまともな遠心分離をしていないので、そのような改良の余地も多分ない物と思われます。
それでも、排気性能は確かに非常に高く、ヘッドには便利な機能が付いていますので、それでも欲しいと思う方には良いのではないでしょうか。エアシスは名が売れていて、イメージの良い掃除機でもありますし・・・。

 価格は変動します。時価はリンク先にてご確認下さい。


MC-SXD420 エアシス
楽天
amazon [レビュー有]
楽天レビュー:レビュー(_件)を参照
ヘッド形状:隅とり逆立ちパワーブラシ
目詰まり対策:フィルター自動クリーニング&ティッシュdeブロック
吸込仕事率:530〜約60W
(エコ)自動モード:床質識別のみ
本体重量:4.8kg/ 全体重量:6.7kg
運転音:61〜約55dB
排気方法:斜め後方排気
持ち手(本体):固定式×1、折り畳み×1
手元ブラシ:〇/すき間ノズル収納:延伸管裏
色:ホワイト(W)
ULPAフィルター仕様
(簡易空気清浄機機能有)
純正ふとんブラシの「ふとん清潔ノズル」付
ペタすき間ノズル&2WAYノズル(ブラシ付きすき間ノズル)


前年度型
MC-SXD410 エアシス
MC-SXD410-W楽天
amazon [レビュー有]
口コミ・評価:感想(_件)を参照
ヘッド形状:隅とり逆立ちパワーブラシ
目詰まり対策:フィルター自動クリーニング&ティッシュdeブロック
吸込仕事率:530〜約60W
(エコ)自動モード:床質識別のみ
本体重量:4.8kg
運転音:62〜約55dB/ 空気清浄モード時:約51dB
排気方法:斜め後方排気
持ち手(本体):固定式×1、折り畳み×1
手元ブラシ:〇/すき間ノズル収納:延伸管裏
色:ホワイト(W)
ULPAフィルター仕様
簡易空気清浄機機能有
純正ふとんブラシの「ふとん清潔ノズル」付
2WAYノズル(ブラシ付きすき間ノズル)


関連ページ:
MC-SXD430 エアシス(2013年度型後継機種) 最新製品
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HEPAフィルター/ULPAフィルター(採用機種一覧)
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パナソニック掃除機/サンヨー掃除機

関連サイト:
MC-SXD420 エアシス|パナソニック公式サイト
掃除機の鬼が作ったに違いないと思えるほどのこだわりとレベルに達している「エアシス MC-SXD410」実機レビュー(GIGAGINE)[前年度型]



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