EC-PX210〔EC-VP1〕

EC-PX210は2013年1月にシャープから発売となった、新型(マイナーチェンジ)のサイクロン掃除機です。

プラズマクラスターイオンの発生機能を備えていますので、"プラズマクラスターサイクロン掃除機" とも呼ばれます。しかし、掃除機でのイオン放出は、謳われていたような効果(ダニのふん・死がいの浮遊アレル物質のタンパク質を分解・除去)が確認できないとして、2012年の11月に消費者庁に、景品表示法違反だと叱られてしまいました(⇒「シャープ・プラズマクラスター掃除機で景品表示法違反」)。なので、その効果は、現在はっきりしていません。


この機種固有の特徴としては、小型・軽量がコンセプトになっており、本体重量は2.7kgと家庭用掃除機として最軽量クラスで、モーター式回転ブラシ内蔵のヘッドや、ホースまで含めても、4.1kgしかありません。

これらは、同じくシャープから発売されている、デザイン家電的な小型機「EC-QX310」の本体重量/全体重量=2.4/3.8kg、東芝の小型機トルネオミニ「VC-C212,VC-C12,VC-C12A」の2.5/4.0(3.9)kgに次ぐ数値となっています。なので、階段等での持ち運びには、大変便利です。

しかし、これら小型の機種は、その分吸引力=吸込仕事率が低く、通常サイズの日本製サイクロン掃除機の3分の2程度の300W程度、この「EC-PX210」だと330Wしかありません。

その為、これらシャープ製の場合には、ヘッドも通常より少し小型の物が付いています(東芝製は小型機専用ヘッドがないので、もっとよろしくないです)

ヘッドは、微弱な自走力を持つと共に、裏に全方位キャスターを備えて横方向にも動かしやすい "こまわり・すみジョーズ自走パワーアシスト" という、毛のブラシと、ゴムブレード(ゴム板)が交互に付いたモーター式回転ブラシを内蔵しており、全体として位置づけると、中程度の品という事になります。しかし、パワー自動コントロール+ヘッドを床から浮かすOとFFになるエコモードを備えているので、一応なかなかの物です。

また、やはり小型である為に、ダストカップの容量も通常型の6〜7割しかありません。なので、広い面積を掃除するのには、やはりあまり向いていません。

更に、ダイソン以外の機種では、サイクロンの遠心分離力が全く足りないので、フィルターに振動機構を付けて、フィルターに付いたホコリを落としながら使う事になりますが、この機種においては、安めの機種によくあるように、手回しでのフィルター振動機能を装備しています。しかし、そのフィルター振動が、この機種では他とは違って、ダストカップを外した状態でしか行えません。なので、ゴミを沢山吸わせるのは、ただでさえ小型機の上に、あまり向いてはいません。

尚、ダストボックス内の筒型フィルターには、シャープから先行発売されていたデザイン家電的な小型機種「EC-QX310」では、前年度の「EC-PX200」とは違う目の粗い物に変更されていました。しかし、この「EC-PX210」では、前年度型と同じ目の細かい物が引き続き採用されています。

筒型フィルターの耐久性では、頑丈そうな素材で出来ている目の粗い物の方が上のはずです。しかし、サイクロンの気流でゴミが回転しながら勝手に綺麗になる筒型フィルター部には、目の細かいフィルターが採用されている方が、ゴミの余計な引っ掛かりも(少)なく、肝心のゴミの空気からの分離性能にも、単なる物理的に有利です。そして、ゴミがそこを通らなければ、その後部にある波型のメインフィルターの、少し厄介なお手入れの手間が削減されますので、使いやすいはずです。なので、この「EC-PX210」で、筒型フィルター部に目の細かいフィルターが引き続き採用されたのは、とても喜ばしい話だと思います。

下の写真は、参考用ですが、旧型の高級機「EC-VX210」と、安価な「ECT1E5(EC-CT10)」です。この「EC-PX210」は、右上の1枚の写真の筒型フィルターに近く、「EC-QX310」は左の段の写真に近い物が付いています。

一番下・3列目の写真は、メインフィルターにホコリが付いた時の参考用ですが、この「EC-PX210」にはもっと安く見えるフィルターが付いているはずです。

自動式機種の筒型フィルター(from EC-VX210) 手動式機種の筒型フィルター(from EC-CT10)
白い部分はホコリです 分解1
メインフィルター1 メインフィルター2

尚、ダストカップの上のメインフィルターには、HEPAフィルターが付いていますので、フィルター性能はとても高いです。…シャープ製サイクロンには、皆HEPAフィルターが付いているのですが・・・。


この「EC-PX210」には、前年度型として「EC-PX200」がありますが、違いとしては、

  • 2WAYベンリヘッドの省略
  • フィルタークリーニングお知らせ(=要求)ランプが、本体後部⇒手元グリップに
  • ダストカップ上部にあるHEPA(クリーン)フィルターが定価3,990円⇒4,305円の物に少しだけバージョンアップされている(部品番号が違うだけで名前は同じです)
  • (ボディカラーが、メタリックピンク、ライトシルバーの2色から、レッド系の1色に)

となります。

"2WAYベンリヘッド" というのは、ソファカバー等を掃除する為のゴムブレード(ゴム板)を掃除箇所に擦り付ける使用方法と、布団やカーテン向けのエチケットブラシを擦り付ける使用方法を切り替えて使える小型ヘッドのことで、別売で買うと、定価で2,940円程するものです。

これは本来カーテン&ソファー用ヘッドであり、布団用ではありませんでした。しかし、カーテンやソファーに使えて布団には使えないということはありませんし、また、誤解をする人が多いようなので、布団用でもあるという話になっています。

そして、それはどうしても必要な物ではないので、コストダウンということなのか、今回は省略という事になっています。

ボディーカラーは1色に減らされましたが、実はこの「EC-PX210」は、前年度型の「EC-PX200」が定期のモデルチェンジで、デザイン家電的な「EC-QX310」として新発売されたはずでした。

しかし、この売れに売れた「EC-PX120/EC-PX200/EC-PX210」の系統のシリーズにとって代わることは無理と見たのか、この1月という妙な時期に、この「EC-PX210」が追加発売となっています。

普通、モデルチェンジした機種は1年後にマイナーチェンジをし、その1年後にはまたモデルチェンジをすることになります。しかし、この機種は、同じモデルの2度目マイナーチェンジという事で、どこか消極的な所があるのか、安物ではないのに、ボディカラーは1色のみとなってしまいました。


この「EC-PX210」は、先代、そして先々代のこのシリーズの初代機「EC-PX120」もかなり売れていますし、製品として良い物だろうと思います。デザインも、掃除機として無理のない範囲で、かなりカッコ良いのではないでしょうか。

なので、それ程ゴミを吸わせる訳ではないのだけれども、やはり例え小型でも安心できるキャニスタータイプ(横型)の掃除機が欲しくて、かつサイクロン式をお探しの方には、この製品は良い選択肢だと言えると思います。価格面でも時間が経てば、すごく安くはなりませんが、高い物ではありませんし・・・。


 価格は変動します。時価はリンク先にてご確認下さい。


EC-PX210
シャープ サイクロン式 パワーブラシクリーナー (レッド系)【掃除機】SHARP プラズマクラスター搭載 EC-PX210-R楽天
amazon [レビュー有]
楽天レビュー:レビュー(_件)を参照
ヘッド形状:こまわり・すみジョーズ自走パワーアシスト[上位機種とは別バージョン]
目詰まり対策:手動式フィルター振動機構
吸込仕事率:330〜70W
エコモード:パワー自動調節+アイドリングストップ(ヘッドが浮くと一時停止)
本体重量:2.7kg/ 全体重量:4.1kg
運転音:62〜約57dB/集塵容積:0.25L
排気方法:― ― ―
持ち手(本体):固定式
手元ブラシ:〇/すき間ブラシ収納:延伸管横
色:レッド系(R)
HEPAフィルター仕様
高濃度プラズマクラスター7000付
ダニアウトダクト=空中の塵も吸引


量販店以外用特殊モデル

EC-VP1
SHARP コンパクトタイプサイクロンクリーナー レッド系 EC-VP1-R楽天
amazon [レビュー有]
楽天レビュー:レビュー(_件)を参照
ヘッド形状:こまわり・すみジョーズ自走パワーアシスト[上位機種とは別バージョン]
目詰まり対策:手動式フィルター振動機構
吸込仕事率:300〜70W
エコモード:パワー自動調節+アイドリングストップ(ヘッドが浮くと一時停止)
本体重量:2.7kg/ 全体重量:4.1kg
運転音:63〜約57dB/集塵容積:0.25L
排気方法:― ― ―
持ち手(本体):固定式
手元ブラシ:×/すき間ノズル収納:延伸管横
色:レッド系(R)
HEPAフィルター仕様
ダニアウトダクト=空中の塵も吸引

この「EC-VP1」は、量販店以外での流通用に作られたという話の「EC-PX210」の廉価機です。

「EC-VP1-R」とも表記されますが、「-R」とはレッド色を表しています。

オリジナルの「EC-PX210」との違いとしては、

  1. 吸込仕事率の最大値が30W低い300W
  2. 運転音の最大値が1dB高い(悪い)63dB
  3. プラズマクラスターイオン発生機能がない
  4. 手元ブラシの "ベンリブラシ" がない
  5. 先端にブラシが付き、その角度も変わる "フリーアングルすき間ブラシ" が、ロングタイプのすき間ノズルに変更
  6. (写真で見る限り色も少し濃い)

ということになるようです。

ヘッドは同じはずなのにパワーが1割も落ちていますし、手元ブラシがないのも、使い慣れている方には大問題です。

…それでも安い方が良い方には、良いのかもしれません。

尚、プラズマクラスターイオンに関しては、ブラシーボ効果を狙ったものですので(笑)、あってもなくても実質関係ありません。



前年度型

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楽天レビュー:レビュー(_件)を参照
ヘッド形状:こまわり・すみジョーズ自走パワーアシスト[上位機種とは別バージョン]
目詰まり対策:手動式フィルター振動機構
吸込仕事率:330〜70W
エコモード:パワー自動調節+アイドリングストップ(ヘッドが浮くと一時停止)
本体重量:2.7kg/ 全体重量:4.1kg
運転音:62〜約57dB/集塵容積:0.25L
排気方法:― ― ―
持ち手(本体):固定式
手元ブラシ:〇/すき間ブラシ収納:延伸管横
色:メタリックピンク(P)、ライトシルバー(S)
HEPAフィルター仕様
高濃度プラズマクラスター7000付
2WAYベンリヘッド付
ダニアウトダクト=空中の塵も吸引

関連ページ:

EC-PX600(2014年度型後継機種) 最新製品

EC-QX310(デザイン家電的同等機種)

EC-CT12(通常サイズ版下位機種)

EC-PX200(前年度型)

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関連サイト:

EC-PX210(R)|シャープ公式サイト



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