とは言え、この型番は、日本国内で正規に販売されているものではありません。日本では未発売で、アメリカで販売されている商品が、並行(非正規)輸入販売されているものということになります。
日本で正規輸入品も販売されている「ルンバ630」との違いとしては、スケジューラー(時刻予約)機能が追加されています。そして、アメリカ版630との違いは、それのみとなります。
実はややこしいことに、アメリカ版630と日本版630では、仕様が少し違います。
具体的には、アメリカ版では、
- "AeroVac(エアロバキュ)" という700シリーズと基本同様な吸引方式、及び専用フィルターの採用
- バーチャルウォール発生装置が、ルンバの起動と共に電源が入る新型のオート版に。そして付属数が2個⇒1個に減少
- リモコンの省略
- "クッションラバー" という、ルンバの前面に貼ることが出来る、家具等への当りを弱める緩衝材シールの省略
- 説明書が英語(※ショップ単位で日本語版説明書を付属していることが多い)
- ACアダプターが外国仕様(※それだとPSE法[電気用品安全法]に違反するようで、ショップ単位で日本向けアダプターと交換していることが多い)
"AeroVac(エアロバキュ)" という吸引方式は、やはり並行輸入のルンバ550で採用されていた方式で、以前からのルンバ(日本版630と620を含む)には裏面後部にある、横に細長いゴムベラ状の吸引口が廃止された上で、700シリーズと同じく、回転ブラシが掻き上げたホコリを吸引しているはずです。
つまり、以前は回転ブラシ部からは、掻き込むのみで吸引していませんでしたが、 "AeroVac(エアロバキュ)" では、回転ブラシ部から吸引している為に、毛や糸くず等が回転ブラシに絡みにくくなったはずです。
また、以前はダストボックス内部で、掻き込んだゴミと、吸引したゴミの収容される部分が、それぞれに分けられていました。しかし、"AeroVac(エアロバキュ)" では、掻き込む物を吸引しているので、ダストボックス内部を2つに分ける必要もなく、毛や糸くずを含む大きめのゴミをを、以前より沢山収納出来るようになっています。
"AeroVac(エアロバキュ)" では、ダストボックスが大容量となったと言われますが、それはそういう話のはずです。
そして、それらにより、アメリカ版600シリーズの機種は、"Ideal For Pets[ペット用として理想的]" と一応呼ばれています。
"クッションラバー" については、公式サイト等での別売もありますが、基本的には別になくても大丈夫だと思います。
説明書とACアダプターについては、ショップ単位で日本用を付属することが殆どですが、一応付属するか注意した方が良いでしょう。
また、並行輸入品は海外仕様品であるにしても、エラーメッセージ(音声)は16ヶ国語に対応しており、日本語にも対応しています。
あと、交換用フィルターが2枚付属と書いてあるショップと、1枚、もしくは特に何も書いてないショップがありますが、アメリカのiRobot社の公式サイトを見てみると、630、650共に1枚となっていますので・・・正式には1枚だと思います。もっとも、ショップ単位でおまけに付ける場合もありますが・・・。
海外版だと、正規輸入代理店のセールスオンデマンド社による保証・修理・メンテナンスを受けることが出来ません。なので、ショップ単位での保証・修理を受けることになります(※保証期間は、正規輸入品は普通に1年間ですが、販売店が独自に付けるものの方が長いケースもあります)。しかし、それでも良くて、かつスケジューラー機能のあるアメリカ版600シリーズが欲しい方には、このルンバ650は良いでしょう。
…ただし、やはり同じ並行輸入品で、性能もほぼ同じでありながら、付属品がやたらと多い「ルンバ595」というものも販売されていまして、価格(時価)に大差がなければ、そちらの方がお買い得となっています・・・。
※価格は変動します。時価はリンク先にてご確認下さい。
・ルンバ650 | |
・楽天 ・amazon [レビュー有] ・楽天レビュー:レビュー(_件)を参照 ・ヘッド形状:パワーブラシ ・目詰まり対策:― ― ― ・重量:約3.7kg ・色:ブラック ・3時間充電・60分可動/最大可動時間90〜120分 ・自動充電機構 ・スケジューラー(時刻予約)機能付 ・オートバーチャルウォール×1付 ・(予備フィルター×1付) | |
・ルンバ660 | |
・楽天 ・amazon ― ― ― ・楽天レビュー:レビュー(_件)を参照 ・ヘッド形状:パワーブラシ ・目詰まり対策:― ― ― ・重量:約3.7kg ・色:ブラック ・3時間充電・60分可動/最大可動時間90〜120分 ・自動充電機構 ・スケジューラー(時刻予約)機能付 ・バーチャルウォール(多分オート版)×1、バーチャル・ハロ×1付 ・交換用[フィルター×4、サイドブラシ×2、メイン&フレキシブルブラシ×各1]付 | |
ルンバ660という機種も一部で販売されていますが、これは650に幾つかの付属品を追加した型番です。
具体的には、まず "Vertual Halo(バーチャルハロ)" と呼ばれる、特殊なバーチャルウォールが1つ追加されています。これは、普通の(オート版を含む)バーチャルウォールが直線的に赤外線を発するのに対し、この "ハロ" は、自身を中心とした半径25cm以内の円状の領域を、侵入不能とする機能を持っているとされています。
ただし、実のところ、(オート)バーチャルウォールは、ルンバに自身を中心とした半径30cm程度の範囲には侵入出来ないよう赤外線を発しており、その上で直線的な赤外線も発しています。この "ハロ" では、どうもそれに一回り大きなカバーを被せることで、直線的な赤外線のみを遮断して、自身の周辺に侵入できないようにする赤外線だけを、発するようにしているようです。
なので、この660では、バーチャルウォールは、下位機種でもオート版であることから見て、オート版2つ、そして、そのカバーである "ハロ" が1つのみ付属しています。
また、これにおいては、付属する消耗品の数が、650がフィルターが1枚付属するのみであるのに対し、フィルター×4、サイドブラシ×2、メイン&フレキシブルブラシ×各1と大幅に増えています。また、お手入れツールも、カッターのみだったのが、メインブラシを中に通すことで毛絡みを取り除く、リング状の物も追加となり、700シリーズ等と同じとなっています。
それらの日本正規輸入品の定価としては、フィルターは日本にない物なので、他のフィルターから推測して、余分に付く3枚で3,150円程度。
ブラシ類はどれも1つ2,100円なので、×4で8,400円。
"バーチャルハロ" は、これも日本には正式にはない物で、アメリカでは何故か同価格である "お部屋ナビ" と "バーチャルウォール" より高額であるものの、日本では元々少し高い "お部屋ナビ" と同程度と仮定して、8,925円。
リング状のお掃除ツールは、日本には別売品はないですが、アメリカでは5.99ドルということなので、日本では倍程度と計算して900円程度。
ということで、合計すると21,375円程度ということになります。
なので、650と比べても、一応相当お得な価格ということになっています。
ただし、2つ目のバーチャルウォールである "ハロ" が必要ない場合には、余分な付属品合計は12,450円となりますが、並行輸入部品が割安であることを考えても・・・やはりそれでも少しお得かもしれません(各々の時価の問題もありますので、難しいです ^^;)。(※参考⇒「ルンバの国内正規品とアメリカ版の価格比較表」)
関連ページ:
・自動掃除機ルンバ[入門編]
・880/870/871(2014年度型)
・780/770/760(2011年度型)
・622/621(2014年度型)
・630/620(2012年度型)
・537J/527J(2011年度型)
・790/595/560/550/530(並行輸入品)
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