これは "パワープレスサイクロン" と呼ばれる、一応ゴミの遠心分離をするサイクロン式・上位シリーズの最上位機種です。前年度までは、「MC-SS310GX」という300系が最上位でしたが、今年度からは500系が最上位となっています。
型番が大きくなった理由は、性能面での理由ではなく、この500系では、"フィルム加飾" という通常の塗装の代わりに、高級感のあるフィルムを貼った、豪華仕様の塗装方法にあります。
(※以下の説明は、2012年度のパワープレスサイクロンシリーズで共通の部分が多いです)
この機種の性能的な特徴としては、一応遠心分離でホコリと空気を分ける "パワープレスサイクロン" 機構や、パナソニック製の最高性能ヘッドで、足踏みペダルでヘッド部が外れて子ノズルとなる "パワフル自走(親子)ノズル" 、ゴミセンサーの "ハウスダスト発見センサー" 、超高性能フィルターの "ULPAフィルター" 等を装備していることが挙げられます。
また、運転音も最大値として約53dBですので、掃除機としてかなり静かな部類ということになりますが、本体重量は5.1kgありますので、そこそこ重い掃除機ということになります。
ただ、これはサイクロンとは言っても、細かなホコリまでは遠心分離できず、フィルターにまで達したホコリを、電動でのフィルター振動により清掃する仕組みを持つ機種です。
…とは言え、今年度からは、 "ダブル反転気流" と言って、ダストボックス内の筒型フィルターの内と外で気流(サイクロン)の回転を逆にするという荒業で、内に入り込もうとするゴミをブロックし、遠心分離の効率を上げたという話です。
そんなことをしたら、外側のサイクロンの速度が落ちそうですが、昨年度までも筒型フィルター部の "メタルメッシュシリンダー" には、サイクロンの回転とは(ゴミを弾く為に)逆斜め気味に穴を開けていましたので、あまり変化はなく、却って効率が良いのかもしれません。
しかも、今年度では、斜め下気味に穴を開けることで、筒型フィルターの内側でホコリが舞い上がるのを、幾らか抑制しているという話です。
そして、それらにより、前年度までは電源コードをコンセントにつないだ際と、電源をオフにする度に自動での電動フィルター振動の異音がしていたのを、今年度からは、何とコードをコンセントにつないだ際にのみ、フィルター振動がブーンと1度だけ作動する方式と変えてしまったようです。
電源をオフにする度に、ブーン、ブーン、という大きめの余計な音がしなくなったのは、良い話です。しかし、それだとさすがにフィルターが詰まりやすくならないのでしょうか。確かに掃除の際には、普通何回かコンセントを変えますので、一度の掃除で何回かは、フィルター振動が作動するはずですが。
前年度型の最上位機種「MC-SS310GX」では、フィルター振動部付近にバッテリーを積むことで、ダストボックスを取り外しても、電動フィルター振動が出来るようになっていたのですが、今年度型ではそれも廃止されています。
どちらにせよ、フィルター振動では、全てのホコリを落とせるわけではなく、落ちないホコリが段々溜まって行きますので、時々の人の手によるお手入れが必要となります。今年度型は、例え少しばかり遠心分離の効率が増したにしても、フィルター振動が減っている分、お手入れは以前より必要かもしれません。
また、 "パワープレスサイクロン" は、ダストボックス中央下のくびれ部の形状による気圧差で、ゴミを圧縮すると言われていますが、ゴミは横方向に逃れますので、そう言う程の効果はないと思われます。…これは、ゴミを溜めこんだ場合には有効かもしれませんが、そのくびれ部より低い位置にあるゴミ捨てラインに達する前のゴミ捨てが奨励されていますので、ゴミは早めに捨てた方が良いでしょう。
この「MC-SS520GX」の場合には、除菌イオンとして知られる "ナノイー" を放出することもしています。
これは除菌というより、ホコリを帯電させてフィルターにかかりやすくする目的で使っているようですが、本体後方に排気に乗せて出しているので、ゴミを吸う進行方向とは逆方向となります。また、ナノイーを掃除機でサッと出す程度で、本当に効果があるかは不明です。そもそも本当にそいういう用途で役に立つのであれば、空気清浄機でこそ、その効果が謳われるはずですが、そういう話はありません。
この機種には、下位機種として「MC-SS320GX」がありますが、違いとしては、そちらにおいては、
- 塗装が一般的なものに
- 吸込仕事率が10W低い430W
- 運転音の最大値が1dB高い54dB
この「MC-SS520GX」は、パナソニック製サイクロン掃除機の最上位機種とは言っても、単なる見た目の豪華仕様としての性格を持つ機種なので・・・このシリーズを気に入って、かつ多少高くても問題ない方には良いでしょう。
"パワープレスサイクロン" シリーズは3機種ありますが、2012年度型ではどの機種でも大きな違いはありません。なので、塗装&色が気に入ったのでなければ、別に下位機種でも構わないでしょう。
※価格は変動します。時価はリンク先にてご確認下さい。
・MC-SS520GX パワープレスサイクロン | |
・楽天 ・amazon ・楽天レビュー: ・ヘッド形状:パワフル自走(親子)ノズル ・目詰まり対策:リニア振動フィルター自動クリーニング ・吸込仕事率:440W[エコナビ有] ・本体重量:5.1kg/ 全体重量:7.1kg ・運転音:53〜約48dB ・排気方法:まい上げブロック構造 ・持ち手(本体):固定式 ・色:プレミアムレッド(R) ・ULPAフィルター仕様 ・ハウスダスト発見センサー ・エアダストキャッチャー ・ナノイー発生機能付 | |
関連ページ:
・パナソニック掃除機
・MC-SS320GX(下位機種)
・MC-SS220G(最下位機種)
・各社最高性能機一覧
関連サイト:
・MC-SS520GX|パナソニック公式サイト