その特徴としては、一応遠心分離でホコリと空気を分ける "パワープレスサイクロン" 機構や、パナソニック製の最高性能ヘッドで、足踏みペダルでヘッド部が外れて子ノズルとなる "パワフル自走(親子)ノズル" 、ゴミセンサーの "ハウスダスト発見センサー" 、超高性能フィルターの "ULPAフィルター" 等を装備していることが挙げられます。
また、運転音も最大値として約54dBですので、掃除機としてかなり静かな部類ということになりますが、本体重量は5.1kgありますので、そこそこ重い掃除機ということになります。
ただ、これはサイクロンとは言っても、細かなホコリまでは遠心分離できず、フィルターにまで達したホコリを、電動でのフィルター振動により清掃する仕組みを持つ機種です。
…とは言え、今年度からは、 "ダブル反転気流" と言って、ダストボックス内の筒型フィルターの内と外で気流(サイクロン)の回転を逆にするという荒業で、内に入り込もうとするゴミをブロックし、遠心分離の効率を上げたという話です。
そんなことをしたら、外側のサイクロンの速度が落ちそうですが、昨年度までも筒型フィルター部の "メタルメッシュシリンダー" には、サイクロンの回転とは(ゴミを弾く為に)逆斜め気味に穴を開けていましたので、あまり変化はなく、却って効率が良いのかもしれません。
しかも、今年度では、斜め下気味に穴を開けることで、筒型フィルターの内側でホコリが舞い上がるのを、幾らか抑制しているという話です。
そして、それらにより、前年度までは電源コードをコンセントにつないだ際と、電源をオフにする度に自動での電動フィルター振動の異音がしていたのを、今年度からは、何とコードをコンセントにつないだ際にのみ、フィルター振動がブーンと1度だけ作動する方式と変えてしまったようです。
電源をオフにする度に、ブーン、ブーン、という大きめの余計な音がしなくなったのは、良い話です。しかし、それだとさすがにフィルターが詰まりやすくならないのでしょうか。確かに掃除の際には、普通何回かコンセントを変えますので、一度の掃除で何回かは、フィルター振動が作動するはずですが。
前年度型では、フィルター振動部付近にバッテリーを積むことで、ダストボックスを取り外しても、電動フィルター振動が出来るようになっていたのですが、今年度型ではそれも廃止されています・・・。
どちらにせよ、フィルター振動では、全てのホコリを落とせるわけではなく、落ちないホコリが段々溜まって行きますので、時々の人の手によるお手入れが必要となります。今年度型は、例え少しばかり遠心分離の効率が増したにしても、フィルター振動が減っている分、お手入れは以前より必要かもしれません。
また、 "パワープレスサイクロン" は、ダストボックス中央下のくびれ部の形状による気圧差で、ゴミを圧縮すると言われていますが、ゴミは横方向に逃れますので、そう言う程の効果はないと思われます。…これは、ゴミを溜めこんだ場合には有効かもしれませんが、そのくびれ部より低い位置にあるゴミ捨てラインに達する前のゴミ捨てが奨励されていますので、ゴミは早めに捨てた方が良いでしょう。
この「MC-SS320GX」の場合には、除菌イオンとして知られる "ナノイー" を放出することもしています。
これは除菌というより、ホコリを帯電させてフィルターにかかりやすくする目的で使っているようですが、本体後方に排気に乗せて出しているので、ゴミを吸う進行方向とは逆方向となります。また、ナノイーを掃除機でサッと出す程度で、本当に効果があるかは不明です。そもそも本当にそいういう用途で役に立つのであれば、空気清浄機でこそ、その効果が謳われるはずですが、そういう話はありません。
この機種には前年度型として「MC-SS310GX」がありますが、違いとしては、
- 電源オフの度の、自動電動フィルター振動の省略
- 超高性能なULPAフィルターの採用
- 吸込仕事率が30W低下の430Wに
- "外してもフィルタークリ―ニング" という、サイクロンボックス部を取り外しても、バッテリーによる電動フィルター振動が可能だった仕組みが省略に
- ヘッドを浮かすとパワーを低減するアイドリング機能が、ヘッドを浮かすと3秒後に一度電源を切るアイドリングオフ機能に(再び床に付けると再始動)
- ヘッドの前方を照らすLEDライトの追加
- 運転音の最大値が、(恐らく新登場の最上位機種「MC-SS520GX」との差を作る為に)1dB悪化の54dBに
吸込仕事率の30Wの減少は、ULPAフィルターの影響とダブル反転気流の影響、そして上位機種「MC-SS520GX」(吸込仕事率440W)の登場の影響が考えられますが、約6.5%の減と言えば、それだけの話です。
この上位機種として、唯一「MC-SS520GX」がありますが、違いとしては、
- 塗装が一般的なものではなく、フィルム加飾という高級・特殊なもの
- 吸込仕事率が10W高い440W
- 運転音の最大値が1dB低い53dB
この「MC-SS320GX」は、パナソニック製のサイクロン式の上位機種ということで、お買い求めになる方も多いと思われます。しかし、ダイソンのようにサイクロンだけで殆どのホコリを遠心分離する機種ではなく、やはり細かいホコリはフィルターで濾し取り、電動のフィルター振動で、そのホコリを落としながら使う、少し中途半端なサイクロン掃除機ということになります。
とは言え、ダイソンはもっと高価ですし、ヘッドで日本製より使い勝手で劣ります。また、他の日本メーカー製も、それぞれに課題を抱え、特に良い物はありません。
なので、今回はこのパナソニック製で、ということで手を打つということも、悪くはないのかもしれません・・・。
※価格は変動します。時価はリンク先にてご確認下さい。
・MC-SS320GX パワープレスサイクロン | |
・楽天 ・amazon [レビュー有] ・楽天レビュー:レビュー(_件)を参照 ・ヘッド形状:パワフル自走(親子)ノズル ・目詰まり対策:リニア振動フィルター自動クリーニング ・吸込仕事率:430W[エコナビ有] ・本体重量:5.1kg/ 全体重量:7.1kg ・運転音:54〜約48dB ・排気方法:まい上げブロック構造 ・持ち手(本体):固定式 ・色:メタリックピンク(P)、シャイニーシルバー(S) ・ULPAフィルター仕様 ・ハウスダスト発見センサー ・エアダストキャッチャー ・ナノイー発生機能付 | |
前年度型
・MC-SS310GX パワープレスサイクロン | |
・楽天 ・amazon [レビュー有] ・楽天レビュー:レビュー(_件)を参照 ・ヘッド形状:新パワフル自走(親子)ノズル ・目詰まり対策:リニア振動フィルター自動クリーニング ・吸込仕事率:460W[エコナビ有] ・本体重量:5.1kg/ 全体重量:7.1kg ・運転音:53〜約48dB ・排気方法:まいあげブロック構造 ・持ち手(本体):固定式 ・色:プレミアムレッド(R)、シャイニーシルバー(S) ・HEPAフィルター仕様 ・ハウスダスト発見センサー ・エアダストキャッチャー ・ナノイー発生機能付 | |
関連ページ:
・MC-SS330G(一応の2013年度型後継機種)
・MC-SS520GX(上位機種)
・MC-SS220G(下位機種)
・MC-SS310GX(前年度型)
・パナソニック掃除機
関連サイト:
・MC-SS320GX|パナソニック公式サイト
・家庭用サイクロン式掃除機「MC-SSシリーズ」を発売|パナソニックプレスリリース
・パワーと静粛性を両立したパナソニックのサイクロンクリーナー『SS320GX』(@DIME)