ルンバ620/630

2012年10月19日にルンバの新機種ルンバ620/630が発売となりました(米・アイロボット社製/日本正規代理店セールス・オン・デマンド社が販売)。

ただ、これらは、何と2012年2月24日に発売となったばかりの「527J/537J」の、少々のマイナーチェンジ品ということになっていまして、型番の違い程に、新しい物ではありません。

ルンバ性能比較 自動掃除機ルンバ解説

それらの変更点としては、単に、

  • メインブラシが変更され、上位の700シリーズと同様の柔らかな物に
  • ホームベース=自動充電台が付属しない、従来のルンバ527Jの系列の製品の消滅
  • その代りに、交換用フィルターが付属せず、バーチャルウォールも1つしか付属しない620の登場
  • 本体中央の黒い円の部分に、黄色の縁取りが付いた
  • ブラシのお掃除ツールが、リング⇒カッターに変更
  • 価格(定価)の値下げ

となります。


ルンバ「630」と「620」との違いとしては、付属品とボディカラーと価格が違うだけで、本体の性能は同じです。


630620537J527J
メインブラシ新型新型旧型旧型
バーチャルウォール旧型×2旧型×1旧型×2旧型×1
自動充電台×
交換用フィルター1枚なし1枚1枚
人工知能
(AWARE+iAdapt)
バッテリー寿命約1.5年約1.5年約1.5年約1.5年
時刻予約××××
品番(正式型番)R630030R6200605374452744
定価[消費税5%]
   [同8%]
54,800円
56,366円
49,800円
51,223円
59,800円
61,509円
48,800円
50,195円

表にするとこういった形となります。

新型となった、主に絨毯で使われているはずのメインブラシは700シリーズと同じ柔らかい物なので、日本の家庭には合っていると思います。しかし、硬い回転ブラシの方が良い、と思う方は、旧500シリーズの方が良いかもしれません。そちらは、恐らく徐々に販売終了となるものと思いますが。


また、付属品の赤外線で壁を作る "バーチャルウォール" は、全機種に時刻予約機能のある700シリーズでは、2時間で電源OFFにならず、ずっと電源が入りっ放しのオート版に移行しています。しかし、この600シリーズには時刻予約機能がない為、従来型のままです。

ルンバ「620」と「630」で付属する数に差のある、その "バーチャルウォール" の価格は、定価としては、1個7,020円。フィルターは1枚1,080円ですので、計8,100円となります。

なので、一応定価としては、「630」の方が5,143円高いですが、それでも総合的には2,957円お得となっています。

しかし、"バーチャルウォール" は、2つも必要ないご家庭が多いと思いますので、そういう場合には、一つ省略された「620」が良いのではないでしょうか。


▼ ジャパネットたかた

実は「620」は、テレビ通販のジャパネットたかたでも販売されています(ジャパネットたかた:チラシ・新聞からのご注文)が、これは交換用フィルター×3+エッジクリーニングブラシ×1がおまけに付く特別セットです。

フィルターは1枚1,080円、エッジクリーニングブラシは1本2,160円ですので、合計で5,240円になります。

しかし、通常価格から1万円引きであっても、送料込みで38,556円もしますので、そこから特別付属品合計を差し引いても、33,316円します。なので、まあまあ安いですが特別安いという訳でもありません。


▼ 後継製品

2014年9月12日には、実は新600シリーズ622/621が発売となります。

これらには、バッテリー寿命が約3年の "XLifeバッテリー" が採用されていると共に、時刻予約機能がないにもかかわらず、"オートバーチャルウォール(×1)" が付属しています。

発売後しばらくは、価格は十分に下がらないであろうということと、価格が下がっても、これら「630/620」の価格もそれに合わせて下がるであろうことを考えると、いつまでもどちらを買えば良いか迷う羽目に陥ると思います。

しかし、新型 "XLifeバッテリー" は従来型バッテリーと比べて2倍の寿命を持つことから、とりあえず旧「630/620」はバッテリー1個分、つまり10,800円分割高であると考えることが出来ます。

(新・旧のバッテリには互換性があるので、「630/620」の充電池交換の際に新型バッテリーを載せることは可能です。と言うより、多分旧型は廃版になると思います。800シリーズ発売時には互換性がないとされていましたが、「622/621」の発売に伴って動作確認が取れたそうです ^^;。ちなみに、公式ストアでは、オートバーチャルウォールは600シリーズでは使用不能と記述されています ^^;; ←指摘しておきました)。


▼ 上位・700シリーズとの違い

一応上位のルンバ700シリーズとの違いとして、そちらにおいては、、、

  • こちらでは "密着ワイパー型吸引口" という、横に細長い吸引口が回転ブラシ部の直後にある旧来の方式で、700シリーズでは回転ブラシが掻き上げたゴミを吸い取る "エアロバキュ(Aero Vac)" という(ルンバとしては)新方式
  • フィルター性能が上
  • 汚れの酷い場所では、前後動作を行う "念入り集中清掃" 機能がある(600シリーズは、その代りに"円清掃"を行う)
  • ゴミセンサーに "高感度光センサー" が加わり、2系統に(760を除く)
  • ルンバが起動する時間予約の機能がある(600シリーズには予約機能のある上位機種がない)
  • 段差で落ちないよう回避する為のセンサーが、4箇所⇒6箇所に増えた
  • 直径が1.3cm大きい
  • 前部のバンパーの素材が軟質に(600シリーズは、付属の細長いクッションを貼ることが出来る旧来のタイプのまま、という話です)
  • ダストケース満タンランプがある(760を除く)
  • 赤外線で壁を作る "バーチャルウォール" が、自動で電源がOFFにならないオート版に(770,760)。もしくは、掃除をする空間の順序を決められる上位装置の "お部屋ナビ" に(780のみ)(700シリーズでは、それらは必ず2つづつ付属します)
  • 本体上面のボタンがタッチパネルに(最上位の780のみ)
  • 交換用のフィルター・2セットが全機種に付属、また、780だと交換用ブラシも付属

…で全部のはずです。

定価としては、780⇒79,800円/ 770⇒69,800円/ 760⇒64,800円ですが、760(の国内正規品)は600シリーズの発売に伴い、公式通販のみでの扱いになるという話ですので、760の安い物はなくなってしまうはずです

吸引方式の違いとしては、700(&800)シリーズは掻き込みながら吸引する分、掻き込みと細かいゴミの吸引とが別々になっている(日本国内版)600,500シリーズより、回転ブラシ部での毛絡みに強いはずです(ペットオーナーの事を考えながらデザインされた、と米・公式サイトにあります)

700シリーズ用エアロバキュ 横長のゴムの部分が密着ワイパー吸引口

また、(日本国内版)500や600シリーズのフィルターは、はめ込みそれ自体には問題がなくても、それをスライドさせてセットする段階で微妙なすき間が出来るようで(特に使って埃まみれになって来ると・・・)、フィルター性能に難があります。なので、特にホコリにアレルギーのある方には、フィルター性能の確かな700シリーズ(もしくは、600シリーズの並行輸入品)の方が良いと思います。

しかし、一番の違いとしては、やはり時刻予約機能の有無でしょう。

特別、700シリーズが絶対良いということはありませんので、これらを読んで特に気になる所がなければ、600シリーズで十分だと言えるでしょう。


▼ カラフルな限定品

新型の発売日である(2012年)10月19日より、公式サイト限定で、「ルンバ630」をベースとしてボディカラーだけを全8色に変えた、10周年記念モデル「ルンバ10th Birthday 限定モデル」が1色100台限定で発売されます(完売しました。売り場と写真のみ残っています)
価格は56,800円で通常版より2,000円高く、公式サイトの販売品につき定価販売のみですが、発売直後は通常モデルもそれ程安くないでしょうから、600シリーズをお買い求めになるつもりであれば、悪くはないかもしれません。


 価格は変動します。時価はリンク先にてご確認下さい。


ルンバ630
ルンバ 630 Roomba630 ロボット掃除機 アイロボット ロボットクリーナー楽天
amazon [レビュー有]
DMMレンタル 3,840円(1ケ月間)〜
楽天レビュー:レビュー(_件)を参照
ヘッド形状:パワーブラシ(+サイドブラシ)
吸込仕事率:未公表/対応床面積:約25畳
重量:約3.7kg /運転音:未公表
サイズ:直径34.0cm×高さ9.2cm
3時間(自動)充電・60分可動/最大可動時間90〜120分
段差乗り越え:2.0cm程度
色:ブラック×メタリックグレー
リモコン&バーチャルウォール×2付
(予備フィルター×1付)

ルンバ620
ルンバ 620 Roomba620 ロボット掃除機 アイロボット ロボットクリーナー楽天
amazon [レビュー有]
楽天レビュー:レビュー(_件)を参照
ヘッド形状:パワーブラシ(+サイドブラシ)
吸込仕事率:未公表/対応床面積:約25畳
重量:約3.7kg /運転音:未公表
サイズ:直径34.0cm×高さ9.2cm
3時間(自動)充電・60分可動/最大可動時間90〜120分
段差乗り越え:2.0cm程度
色:ブラック×シルバー
リモコン&バーチャルウォール×1付

▼ 並行輸入品との違い

発売当初、日本限定モデルだとされていた630620にも、結局安価な並行輸入品(アメリカ版正規品)が出始めましたが、これが何と日本販売版とは吸引方式が違う物です。

これは、やはり並行輸入の550で採用されていた "AeroVac(エアロバキュ)" という方式、及び専用フィルターを採用しており、以前からのルンバには裏面後部にある、横に細長いゴムベラ状の吸引口は廃止された上で、700シリーズと同じく、回転ブラシが掻き上げたホコリを吸引しているはずです。

ただ、実は700シリーズも "AeroVac(エアロバキュ)" だとされていますが、フィルターの形状は、その700シリーズとも違う物です。

これは、一応それによりダストボックスが普通より大容量となって、ペットの毛等を掃除するのに向くとされ、同じ方式&フィルターの以前の550には、"ペットシリーズ" という名前が付いていました。また、現在のこれらアメリカ版600シリーズは、 "Ideal For Pets[ペット用として理想的]" と一応呼ばれています。

その550は、評判は普通だったので、フィルターも悪くはないと思いますが、日本向け正規品としては、結局そのフィルターは未採用ということにもなっています(変にややこしくなるのが嫌、というのが理由の気もしますが)

また、実はアメリカ版630/620には、リモコンが付かず、更にバーチャルウォールが、630にはオート版が1個のみ、そして620には何と1つも付かないようです(iRobot社のアメリカ公式サイトを見るとアメリカの630はオート版です。時刻予約機能はないタイプですが)

リモコンは、正直必要ないと思いますが、バーチャルウォールに関しては、それぞれの必要に応じて注意が必要です。バーチャルウォールには別売もありますが、何故か1つ7,020円程しますので、本体とセットで揃えておいた方が、割安で良いはずです。

あとは、並行輸入品は海外仕様品であるにしても、エラーメッセージ(音声)は16ヶ国語対応で、日本語にも対応しています。

説明書は、ショップ単位で日本語版を付属することが多いですが、一応付属するか注意した方が良いでしょう。

しかし、一番の注意点は、ACアダプターが日本仕様のPSE法(電気用品安全法)準拠品に交換されているかどうかです。大抵のショップではそうしている物と思いますが、やはり注意した方が良いでしょう。(その他、並行輸入品の注意点について)

フィルター3種類

左上がエアロバキュで、右上が従来のフィルター、そして左下は700シリーズのフィルター(1度に2個使用)です。

販売ページにて「国内正規品」と書いてある物であれば、日本販売版であるのは間違いないはずですが、現在並行輸入だとも国内正規品だとも書いていない商品がたまにあります。今回の場合、日本専用モデルだとされていた経緯から、その場合は国内正規品であるとも考えられますが、そういうショップでお買い上げになりたい場合には、メールで確認なさった方が良いと思います。


関連ページ:

自動掃除機ルンバ[入門編]

980(2015年度型) 最新製品

654(2015年度型) 最新製品

885/875(2015年度型)

622/621(2014年度型)

880/870/871(2014年度型)

780/770/760(2011年度型)

537J/527J(2011年度型)

790/660,650/595/560/550/530(並行輸入品)

iRobot Braava(ブラーバ)380j(拭き掃除専用)

ルンバ比較/専用バッテリー/交換用ブラシ

ロボット掃除機比較(ルンバの類似品の数々&違いについて)

シャープ ココロボ/東芝 トルネオロボ


関連サイト:

ルンバ600シリーズを販売開始|公式サイト・プレスリリース(PDFファイル)

ルンバ600シリーズ|自動掃除機ルンバ・公式ストア

4万円台のロボット掃除機「ルンバ630」を自宅で使ってみたよレポート(GIGAZINE)

普及モデル「ルンバ630」レビュー--性能、価格面でニーズを捉えたロボット掃除機(CNET JAPAN)

ルンバ630が我が家にやってきた〜(GetNavi WEB)