DC46 ダイソンボール

2012年9月27日に発売となる(公式サイトでは9月11日より先行販売)、英・ダイソン社の最新サイクロン掃除機DC46です。
これは基本的には、昨年度・2011年度型「DC36」のマイナーチェンジ品です。
後方がボールに見える独特の形状ですが、後方の両車輪を軽くV字状に設置して、その上にモーター等の本体重心を低く置き、形としてはボールを模した "Ball™テクノロジー" 、及びホースの付け根そのものが左右に可動することにより、本体の方向転換力・追従性は抜群だとされています。
これはダイソンボールとも呼ばれますが、勿論その名はそこから来ています。

ラインナップとしては、ヘッドの回転ブラシに差のある2種類で、
  • モーター式の回転ブラシを内蔵した「モーターヘッド(MHCOM)
  • タービン(風力)式の回転ブラシを内蔵した「タービンヘッド(THCOM)
の2種類です。(ペット用ノズルを付属して最上位扱いだった機種、及び付属品を幾つか省略したエントリーモデルは、今回発売されていません)
選び方としては、絨毯の部屋が多ければモーターヘッドが良く、フローリングが殆どであれば、タービンヘッドで十分だとされています。

▼ サイクロン部の強化
今回の2012年度モデル「DC46」では、サイクロン部が見た目として異常強化され、2段目の小サイクロン部が12⇒これまたこの部分のみで縦2列・16×2の32個と大幅に増えています。(少年漫画かゲームのラスボスの最終進化形みたいです・・・というか前作とは逆にか、悪役っぽく見えます ^^;)
その為、発生する最大遠心力も、従来機の29万G36万Gへと約25%アップしています。
これに伴い、従来より "ルートサイクロン" と呼ばれていたダイソンのサイクロン部分の名称は、このDC46では、"32ルートサイクロン" (32個の風路を持つルートサイクロン)と呼ばれるようになっています。
ついでに、"シュラウド" と呼ばれるダストカップ内の円筒部に張られた、簡易フィルターの網目部分も改良を受けているようです(DC36の際の説明がそのままである可能性も有)
しかし、サイクロン部に割くパワーが上がった割に、本体重量はほぼそのままに、吸引仕事率(吸込仕事率)が170AW180AW(AW[エアワット]=W[ワット])アップし、洗浄が必要なフィルターのその洗浄の目安は、約4年⇒約3年にダウンしています。
最大吸引力が約6%アップした上で、その際のサイクロンの最大遠心力が約25%もアップしたというのに、フィルターの洗浄の頻度が上がっているのは、よく分からない話です。
従来より小さなサイクロンを、しかも数多く採用したことで、素人目には効率が上がっているように思えますが・・・。…まあ単に従来の4年間が言い過ぎだったのかもしれませんが。

▼ ヘッドは従来型を継承
ヘッドに関しては、DC26の後期型から採用されている、回転ブラシに静電気対策のカーボンファイバー素材を採用した物がそのまま使用されており、何とこれはダイソンの特許技術なのだそうです(⇒ITmeida)
カーボンファイバーと聞いても、硬くて軽そう、という印象もあるかと思いますが、実際ここで使われているのは、殆ど絹に思える細くて柔らかな糸状の物で、それを高密度の束にして回転ブラシに植え込んであります。そのブラシが、フローリング上にホコリが静電気で付着するのを抑え、高速回転で床から掻き取ります。
絨毯上では、もう一種類一緒に植え込まれた、赤く固いブラシが主に有効だとされます。ダイソンのモーター式回転ブラシの「motorhead(モーターヘッド)」の場合には、かなり硬めのブラシが植え込まれていますので、絨毯を力強く掻き分けると共に、糸くず等も逃さず掻き取ります。
ダイソンでは、風力式回転ブラシの「turbinehead(タービンヘッド)」の場合にも、ブラシは硬めでして、特にモーターヘッドの場合には、繊細な絨毯には若干どうかと思います。…勿論気になる場合には回転を止めることもできるのですが。
ただ、最近は三菱も硬めですし、また、ダイソン「DC26 motorhead」を実際自宅に持っていますが、使っている内に柔らかくなって来たようにも思いますが(…となると絨毯の側にもやはり影響が?? ^^;)。

▼ "タングルフリー タービンツール"
付属品としては、従来の、
  • フトンツール(布団用ノズル)
  • ソフトブラシツール(大型ブラシ型ノズル)
  • フレキシブル隙間ノズル(軟質ロングすき間ノズル)
に加え、今回の「DC46」では新たに "タングルフリー タービンツール" という物が追加されてます。
これは、小型のヘッドですが、何と横回転する楕円形の風力式の回転ブラシ(ブラシの方向は下)が2つ内蔵されており、髪の毛等が絡みにくいとされています(⇒製品画像[Tech On!])
これは別売もされますが、価格は5,000〜6,000円程度になるという話です。
ただし、その代わりに、従来のDC36やDC26では地味に標準付属品となっていた、
  • ミニT時型ノズル(定価:1,260円)
  • コンビネーションノズル[ブラシ付すき間ノズル](定価:1,890円)
が、何とこの度省略となっています(汗)。… "フレキシブル隙間ノズル" があれば、特に必要な物ではありませんので、なくても大丈夫ですが・・・。
ミニT時型ノズル モーターヘッド/ミニT時型ノズル/ふとんツール
コンビネーションノズル(ブラシ格納状態) コンビネーションノズル(ブラシ使用時)
フレキシブルすき間ノズルとコンビネーションノズル ソフトブラシツール
フレキシブルすき間ノズル(ブラシ脱状態) フレキシブルすき間ノズル(最大に伸ばした状態)

▼ ダストボックスの容量は従来比85%程度
今回の新型「DC46」の、「DC36」からの他の変更点としては、小サイクロン部が派手に2段になったのに、本体のサイズがほぼ同じに留まり、高さも2mmしか高くなっていません。なので、ダストボックスの容量が0.68L⇒0.58Lと約85%に落ちています。…と言っても、日本製の場合には0.4L程度が普通なので、それでも少し大きめですが。

▼ 価格は相変わらず高いですが・・・
今年度、サイクロン部がやたら複雑になり、これまた複雑なオプションノズルが追加された割に、価格は定価で3,000円の上昇に抑えられ、モーターヘッドで92,800円、タービンヘッドは87,800円となっています。
ただ、先程も述べたように、3,150円分のオプション品が今回減っているので、約5,000円〜6,000円だとされる新型オプションヘッド "タングルフリー タービンツール" との差額が、結局値上げ分と言う事になるのでしょう。
全体的に部品は、DC36と共通の部分が多いでしょうから、量産効果+新部品部分で、結局本体価格は据え置きという形になったのかもしれません。

▼ ダイソンの欠点
まず、低い吸込仕事率で床への高い吸引力を保つために、ヘッド前に床とのすき間があまりないので、ヘッドの正面では壁際をあまり吸わない(側面では割と吸うという話です)、や、猫砂を弾きやすい、という話は昔からあります。…ただし、床への吸い付きは、特にモーターヘッドモデルでは、日本メーカー製よりずっと強いのですが。
他では、日本メーカー製だと、モーター式回転ブラシ付ヘッド+延伸管+ホース部で、重くても2.0kg以内、しかも、手元グリップ部や延伸管の先(ヘッド取り外し時)に便利なブラシが付いていることもあるのに対し、ダイソンの場合には、そういうブラシはどちらにもなく、「DC46 モーターヘッド」の場合には、重量は約2.4kg、「DC46 タービンヘッド」の場合にも、約2.1kgと重いです。
しかも、モーターヘッドの場合にも、回転ブラシによる自走力がほぼない(+床への吸い付きも強い)ので、ヘッドの動かしやすさもイマイチとなります。
ただ、本体重量としては、約4.1kgなので、通常サイズのサイクロン掃除機としては少し軽いです。
また、日本製高額機種には大抵エコモードが付いており、パワーを床面等に応じて自動コントロールすることで、消費電力を抑えることができます。しかし、ダイソンは1,100Wと、平均より約1割高めの最大消費電力であるのに、エコモードがありません。ダイソンは音の面でも大きめですので、普通に(?)強モードで使い続けると、それらの面で結構条件が悪くなります。
あと、言うまでもなく、ダイソンはサイクロン式なので、やはりゴミ捨て時が厄介です。フィルター性能が高性能基準のHEPAレベルだとされていますが、アレルギー持ちのようなホコリに敏感な人ほど、ゴミ捨て時には気を付けなければなりません。シャープのゴミを押し固めるスクリューのようなものがあれば、その面ではまだ少しマシなのですが(…シャープはシャープで問題がありますが ^^;)。ゴミ捨ては、一軒家であれば毎回ということになると思いますので、掃除をする度に集めたホコリと、使用者が直接戦わなければなりません(^^)。

 価格は変動します。時価はリンク先にてご確認下さい。


DC46 モーターヘッド(MHCOM)
dyson ball DC46MHCOM楽天
amazon [レビュー有]
楽天レビュー:レビュー(_件)を参照
ヘッド形状:パワーブラシ(非自走)
目詰まり対策:(32ルートサイクロン)
吸込仕事率:180W
本体重量:4.13kg/ 全体重量:6.55kg
運転音:未公表
排気方法:― ― ―
持ち手(本体):固定式
色:パープル系
HEPAフィルター仕様
付属品:ふとんツール、ソフトブラシツール、フレキシブルすき間ノズル、タングルフリー タービンツール

DC46 タービンヘッド(THCOM)
dyson ball DC46THCOM楽天
amazon [レビュー有]
楽天レビュー:レビュー(_件)を参照
ヘッド形状:タービンブラシ
目詰まり対策:(32ルートサイクロン)
吸込仕事率:180W
本体重量:4.12kg/ 全体重量:6.23kg
運転音:未公表
排気方法:― ― ―
持ち手(本体):固定式
色:ブルー系
HEPAフィルター仕様
付属品:ふとんツール、ソフトブラシツール、フレキシブルすき間ノズル、タングルフリー タービンツール


関連ページ:
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関連サイト:
DC46|ダイソン公式サイト
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DC46 - 英国アレルギー協会認証/ スイスアレルギー協会認証
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