2012年9月10日に発売となる、東芝の新型サイクロン掃除機「VC-SG512/VC-SG412/VC-S312」です(3機種とも基本同型モデルです)。
これらは同社製「TORNEO(トルネオ)」の最新シリーズで、(カッコ良く)「TORNEO V(ヴィ)」とも呼ばれます。
その特徴としては、
- ダイソンと同じようにサイクロン部が2段で、(ダイソンDC36と同じように)2段目が12の小さなサイクロンから成る
- 本体重量3.3kg/総重量4.7kgの小型・軽量機である
ということになります。
小型で "本格派" のサイクロンであるのは良いのですが、しかし、吸込仕事率は200Wしかありません。なので、最新のダイソンDC36の170Wと比べると高いですが、日本メーカー製としては最低ランクとなります。最近は小型のサイクロン掃除機が増えましたが、これはその中でも一番低いです。
もっともこれは、サイクロンの渦が強いことのもう一つの側面だとも言えるはずですが。
※店頭で見てきましたが、12の小サイクロンの下の部分は、仕切りのプラスチックの部分(一応の床となっている)がとても近くにあるので、せっかく遠心分離したチリを再び巻き込みやすいのではないかと思えました。また、その部分のチリは、自然にダストボックスに落ちる仕組みではないので、ゴミ捨ての際に自分で落としてやる必要があるようでした。恐らく、ゴミ捨ての際に、そのダストカップの上のその仕切りの部分を、全周囲に渡って叩いてやるか、ティッシュ等で拭ってやるかしなければならないでしょう。なので、ホコリに弱い方には、恐らく向かないだろうと思います(汗)。
しかし、良い点としては、ダストカップが、ボタンを押して下が開くタイプの物ではなく、本当に単なるカップ状でしたので、静かにゴミを捨てやすいはずです(下が開くタイプは、バサッと一気に落ちてしまうのです)。
ダイソンに似た新開発の 「バーティカルトルネードシステム(12気筒)」 とは、2012年3月1日発売の上位機種「VC-SG711/VC-SG611 トルネオW」に搭載されていた、横に2段に並べたサイクロンを縦に2段に並べることに成功した製品であるはずで、他の日本メーカー製よりは、さすがに遠心分離の効率は良いはずです(※↓のYouTube動画を再生してみて下さい)。
しかし、ダイソンDC36(やDC26)の消費電力は1,100Wであるのに対し、このトルネオVのシリーズは、日本メーカー製掃除機として小型機の標準と言って良い、850Wでしかありません。
なので、そもそもモーターのパワーが弱く、せっかくの複雑なサイクロンでも、遠心分離の効率は、凄く高い訳ではないかもしれません。…もっとも、サイクロン部の構造=遠心分離の効率で、簡単にダイソンに並べるとはとても思えませんが。
トルネオVの透視図を見る限りでは、12の小サイクロンが生じる内部が空の逆円錐状の部分の、その円錐の角度がダイソンに比べると緩いように見えますので、その分そこで生じさせている遠心力も、弱いものである可能性は高いように思えます。
また、消費電力とパワーが低い割には、運転音は64dBとされているので、意外とごく普通のうるさい掃除機並みの音はするはずです。…ダイソンDC36もその程度の音はするはずですが。
この「TORNEO(トルネオ) V」のシリーズは、本体だけでなく、延伸管・ホース・グリップ(手元持ち手)部分の全てが軽量版の新設計品です。
しかし、その割に従来型の通常サイズのトルネオ・「VC-CG511X」より、ヘッドの回転ブラシのモーターパワーが上がって自走力も増しているとされます。また、静電気を抑えるマイナスイオンの発生機能も一応引き続きありますので、吸込仕事率は450W⇒200Wに下がっていますが、このシリーズの発売に合わせたヘッドの新開発ということもあり、清掃力はそれなりに維持されている物と思われます。
また、このヘッド "イオンカーボンヘッド" は、回転ブラシ部分を掃除する際に、裏返すのではなく、上面のカバーを取り外すタイプです。その為、普通よりお手入れしやすいとされています。また、ヘッドと延伸管を水平にしても、ヘッド裏は床から浮かないともされています(これはいつも日立が "ペタリンコ構造" としてウリとしていますが、一応向こうは高さ8cm以上で、こちらは小型の分高さ6.5cm以上で掃除可能とされています)。
今回発売される3機種「VC-SG512/VC-SG412/VC-S312」での違いとしては、どうもやはり中間の「VC-SG412」が基本となるようです。
そして、下位機種の「VC-S312」には、他の上位2機種には付く、ゴミセンサーの "ゴミ残しまセンサー" が付きません。これにより、エコモード使用時の電力削減率が52%⇒44%と8%落ちることになります(…意外と役に立っていない気も ^^;)。
また、逆に上位機種の「VC-SG512」には、「VC-SG412/VC-S312」には付かない、
- 伸縮ロングノズル
- ロングブラシ
- 布団用ブラシ
- 洋服布用ブラシ
- 付属品用ホース
- 付属品収納バッグ
といった豊富なアタッチメントが付属します。
…違いは、何とこれで全部ですので、別に下位機種の「VC-S312」で良いかな、と思えてしまいます(汗)。
あと、このシリーズは、面白いことに、通常サイズのTORNEO(トルネオ)が従来型機種だとされているので、東芝はこの本体重量3.3kgの「V」シリーズを、サイクロン掃除機としては、メインで売って行くつもりなのかもしれません。
実はこのシリーズは、他メーカーの小型サイクロン掃除機とは違い、本体重量が少し重いこともあって、集塵容積が0.25Lではなく、普通のサイクロン掃除機のサイズの標準的と言っても良い0.4Lありますので、ゴミの入る量が少ないという訳でもありません。
ダイソンは高すぎるけれども、という方がサイクロン部が似ているとしてお買いになるパターンもあり得ますが、一体どうなるのでしょうか?(汗) 勿論、今までのフィルターの目詰まりを振動で防ぎながら使うタイプが売れなかったので、こういう吸込仕事率が低くても、サイクロン部分がマシな物を、という方向へ来たのでしょうが・・・。
(※あくまでダイソン社が実施したテスト的デモンストレーションによればですが、トルネオVでは絨毯に撒いた小麦粉を十分に吸い取れないようです。ダイソン製は床への吸い付きが強く、その代りにヘッド前方での壁際掃除に弱さがあるのですが)
ただ、これらにもフィルターがない訳ではなく、これはダイソンも同様ですが、結局はたまにフィルターを手で掃除しながら、使うことになります。
ちなみに、この「VC-SG512/VC-SG412/VC-S312」のシリーズの「V」が何を表すかというと、基本的に上位機種である「W(ダストカップ部分が2つなのを表すはず)」の前のアルファベットだということだと思いますが、一応 "Value" 、"Victory"、そして、「バーティカルトルネードシステム」の "Vertical" だとの説明もなされているようです。
※価格は変動します。時価はリンク先にてご確認下さい。
・ | |
![]() | ・楽天 ・amazon [レビュー有] ・楽天レビュー:レビュー(_件)を参照 ・ヘッド形状:イオンカーボンヘッド(自走式パワーブラシ) ・目詰まり対策:(バーティカルトルネードシステム) ・吸込仕事率:200W[エコ自動モード有] ・本体重量:3.3kg/ 全体重量:4.7kg ・運転音:64dB〜約58dB ・排気方法:― ― ― ・持ち手(本体):固定式 ・色:グランレッド(R)、ピンクゴールド(N) ・集塵容積:0.4L ・ゴミ残しまセンサー付 ・伸縮ロングノズル、ロングブラシ、布団用ブラシ、洋服布用ブラシ、付属品用ホース、付属品収納バッグ付 |
・ | |
![]() | ・楽天 ― ― ― ・amazon [レビュー有] ・楽天レビュー:レビュー(_件)を参照 ・ヘッド形状:イオンカーボンヘッド(自走式パワーブラシ) ・目詰まり対策:(バーティカルトルネードシステム) ・吸込仕事率:200W[エコ自動モード有] ・本体重量:3.3kg/ 全体重量:4.7kg ・運転音:64dB〜約58dB ・排気方法:― ― ― ・持ち手(本体):固定式 ・色:メタリックオレンジ(D)、シャンパンゴールド(N) ・集塵容積:0.4L ・ゴミ残しまセンサー付 |
・ | |
![]() | ・楽天 ・amazon [レビュー有] ・楽天レビュー:レビュー(_件)を参照 ・ヘッド形状:イオンカーボンヘッド(自走式パワーブラシ) ・目詰まり対策:(バーティカルトルネードシステム) ・吸込仕事率:200W[エコ自動モード有] ・本体重量:3.3kg/ 全体重量:4.7kg ・運転音:64dB〜約58dB ・排気方法:― ― ― ・持ち手(本体):固定式 ・色:メタリックピンク(P)、シルバー(S) ・集塵容積:0.4L |
関連ページ:
・VC-SG513 VC-SG413 トルネオV(2013年度型後継機種)
・VC-SG712 トルネオW(一応の上位機種)
・VC-CG511X(一応の前年度型シリーズ)
関連サイト:
・VC-SG512 /VC-SG412 /VC-S312 (東芝公式サイト)
・集塵フィルターなしで吸引力が99%以上持続するサイクロン式クリーナーの発売について|東芝プレスリリース
・長期レビュー 東芝「トルネオV VC-SG512」前編(家電Watch)
・2012年の家電を総おさらい―掃除機編:トルネオVやプチサイクロンなどコンパクトタイプに人気が集中(家電Watch)
・リビングの掃除はもちろん、愛車や工作部屋の清掃に大活躍「トルネオV」(家電Watch)