日本の有名メーカー各社では、掃除機にも使用電力削減のための、いわゆる「エコモード」を設けています(※各社で少しづつ名前が違います)。
この機能は、ヘッドのモーター式回転ブラシにかかる負荷から、絨毯とフローリングを見分けて吸引力を変化させる、床面検知を主とする機能です。
ただ、実は三菱のみ、"節電モード" という名で、ヘッドが動いていない場合に吸引を弱め、その状態で30秒経つとOFFになるという機能のみとなります。確かに似た機能は他社にも普通にある中で、手元グリップ部にセンサーを付けているのは三菱だけですが(=ヘッドを外してすき間ノズルを付けていても作動する)、という訳で、三菱はエコモードでかなり出遅れています。
また、同じメーカー製でも、価格によりエコモードの性能にも差があります。なので、以下の表は、各社で一番性能が良いものということになります。
(下位機種では、下の表の上から2番目、「掃除の中断で「弱」かOFFに」が省略されるケースが多いです。…ゴミセンサーの省略や、低性能化もありますが)
パナソニック | 東芝 | 日立 | シャープ | 三菱 | electrolux | |
床面検知 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × | 〇 |
掃除の中断で「弱」かOFFに (もしくは「弱」⇒OFFに) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
操作する人の動作連動 | × | × | 〇 | △ | × | × |
ゴミセンサー連動 | 〇 | 〇 | × | × | × | × |
回転ブラシの回転を抑制 | 〇 | × | 〇 | × | × | × |
「掃除の中断で「弱」かOFFに」というのには、実は2種類あり、ヘッドを床から浮かせた場合と、先の三菱と日立ですが、ヘッドを止めている場合があります。日立(と三菱)では、ヘッドを床から浮かせなくても、ヘッドが止まっているとセンサーが判断すれば、吸引を弱めるということですから、その面では他より若干良いのかもしれません。
詳細としては、
- パナソニック⇒床からヘッドが離れると3秒後に停止、床に着くと再始動、10分間停止で「切」
- 東芝⇒床からヘッドが離れると、1秒後にパワー低減、6秒後にパワーオフ。そこから1分以内に床に着ければ再始動。1分を過ぎると「切」に
- シャープ⇒床からヘッドが離れると、自動で停止⇒床に着くと再始動
- 日立⇒ヘッドを止めると、パワーを微弱に抑制。それが40秒続くと停止に
- 三菱⇒ヘッドを止めると、パワーを自動でパワーダウン⇒30秒以内に動かせば再開。30秒でパワーオフ
ということになっています。
「操作する人の動作連動」というのは、日立では積極的に "ヘッドを前後に素早く動かすとパワーアップ" と謳われていますが、シャープはどうも曖昧で、"床の種類や掃除動作に合わせてパワーを自動でコントロール" としか、どこを見ても書かれていません。なので、床面検知とあまり区別がない(素早く動かす⇒回転ブラシにかかる負荷が変化)のかもしれません。
「ゴミセンサーとの連動」というのは、パナソニック(「ハウスダスト発見センサー」)と東芝(「ゴミ残しまセンサー」)だけですが、実際に掃除機がホコリを吸っているかをセンサーで見分けて、吸引力を変化させます。しかも、パナソニックではこれをエコモード(エコナビ)の中心としているようなので、良い機能のはずですが・・・。
回転ブラシの回転数の制御は、パナソニックはハウスダスト発見センサーとの連動で、2段階に制御します。
…とは言っても、回転数が高い場合で約2,400/分回転、低い場合で約2,100/分回転ですので、大して差はありませんが・・・(汗)。
日立製の場合には、床面検知との連動ですが、具体的にどの程度回転数を変えるのかは不明です。
尚、実際にどの程度省エネになるかは、"強モード" で使い続けた場合とで比較され、機種にも因りますが、例えばパナソニックだと最大約55%、東芝だと最大約52%、シャープだと約60%、日立だと何と最大約75%に加えて、掃除の中断でパワーが抑制される分が、上乗せされるとされています。
ただ、実際、"強モード" で使い続ける場合と比べて、どの程度ゴミの取り残しが出るかという重要な問題があります。なので、単にメーカーが出す省エネ度の数値が高ければ良いとも限らず、この点ではなかなか判断のしようがないように思えます(同メーカー製間では一応目安になるはずですが)。
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