シャープの、国内メーカーの独自開発品として初のロボット掃除機となる「COCOROBO(ココロボ) RX-V100/RX-V80」です。機嫌が変わる人工知能の "ココロ(心)" を持っているので、そういう名前となったようです。2012年6月上旬の発売となります。
※ただし、"ココロボ" とは、シャープがこれから発売するココロを持つ家電= "ロボット家電" の共通の名称で、最初がたまたまロボット掃除機になったという話です。
と言っても、これは基本的に米・iRobot社のルンバと同じで、ゴミセンサーがないものの、その高級バージョンといった体裁となります(…形は東芝・スマーボ)。
具体的には、1.音声操作&会話(もしくは独り言)機能、2.本体カメラ+スマホでの操作、が新しく加わっています。…無駄に電力を消費するのでなくても良い、プラズマクラスターイオン発生機能まで付きましたが。
また、充電池に高価・高性能なリチウムイオンバッテリー、それも従来比約4〜2.4倍の1200回充電可能な特殊仕様品が載っています。その為、吸引モーターのパワーも従来のロボットと比べて2〜5倍に達しており、フローリングの目路のホコリまで吸引可能との話です。それに伴い、排気も無難な上方向への設計となっています。
更に、従来のロボット掃除機は、赤外線センサーで障害物を認識するのに対し、これはより精度の高い超音波を使用します。これで課題であったガラスや黒い壁・家具でも、比較的ぶつかりにくくなったという話です。ただ、こういったこともあるようです。。。
映像を見て気になるのは、軽い家具をかなり動かしてしまうという点だ。COROROBOのバンパーセンサーは他社製に比べるとかなり重く、およそ1300gの力がかからないと反応しない。そのうえ、壁や障害物を検出するセンサーが他社製のものより少ないため、テーブルやイスなどの足を検出するのはパンバーセンサーに頼るところが大きく、家具を動かしてしまうようだ (by ASCII.jp)
尚、掃除終了、もしくはバッテリー切れで充電基地に戻る機能も、当然持っています。
ボイス機能[人工知能ココロエンジン]
ココロボに話しかけることで、操作をしたり簡単な会話が可能です。認識可能な音声は30種類以上、話せるセリフは50種類以上だとされています(⇒声かけ表)。
その際には、音声に加え本体イルミネーションランプの点滅や、本体の動き(ダンス)を合わせて行います。ココロボにはペットロボのように "機嫌" があるそうで、それによっても、反応が変わります。
音声には標準語に加え、関西弁、英語、中国語もあります。(声の選定には何と4ヶ月もかかったという話です⇒「iTmeida」)
また、決まった時間に、幾つかの最初から登録してあるセリフ、もしくは自分で吹き込んだメッセージを読み上げさせることも出来ます。…物忘れが激しい方には、良いのではないでしょうか
ただし、何と運転中には「運転中は運転音が影響するため、声をかけても反応しません」(⇒家電Watch)との話のようで・・・(汗)、実は私も店頭で稼働中の実機に話しかけても無視されてばかりだったので、あまりうるさくない店内だったのにおかしいな、と思っていました(汗)。
スマホ連携機能
無線LANを通じ、外出先からスマホでココロボ本体の内蔵カメラで四方・四枚の写真を撮り、送信させることが出来ます。
…主には、ペットの飼い主向けの機能のようですが。
これには専用アプリがあるという話で、スマホを振ることで本体をリモコン操作をすることも(室内では)可能です(※これらは家電Watchの「長期レビュー シャープ「COCOROBO RX-V100」その2/その3」に詳しくレビューされています。)。
ただ、この機能はシャープのオリジナルではなく、スマーボのサムスン社版韓国販売用タンゴの上位機種 "タンゴビュー" によく似た機能がありますし、また、"アイクレボ" という機種にもその元祖的な機能があったようです。
また、掃除ロボットではないのですが、ルンバのiRobot社もそれに先立つ2007年9月に、"ConnectR" という、マイク・スピーカー・カメラを備え、ネット経由で操作を行う、ルンバ型のコミュニケーションロボットを発表しています。ただし、これはコミュニケーションを行うには、形状が不適切との判断で発売は中止となり、"AVA(エイヴァ)" というロボットに開発が引き継がれています。
これらの上位機種「RX-V100」と、下位機種「RX-V80」の違いとしては、
- スマホ連動機能(130万画素カメラ+LEDライト有)
- 会話機能("独り言"機能はRX-V80にもあります)
- 英語・中国語音声
- 音声関連のバージョンアップ用USB端子
これらが上位機種には付いています。
そして、店頭予想価格が上位機種は13万円、下位機種が9万円となっています。
尚、この驚異的な価格については、バッテリー性能も大きく関係しているものと思われます。
つまり、通常の約3倍となる3年程持つ超高性能バッテリーを積んでいることで、価格もそれだけで3万円に達している可能性があります。…3年もつ訳ですし、理論上では交換の手間が減る分で、それでも得となる可能性がある訳ですが。
※…何と価格は未定との話で、ルンバ等の1.5倍程度に収めたい等と、発売直前に及んで語っていらっしゃるようです(⇒「マイナビニュース」)。…まあ本当にそう出来るのかどうかは、私には判断出来ませんが(汗)。
…日経新聞(要会員登録)によると、バッテリー価格は定価で15,750円で確定のようです。会社が傾いているのに凄いです(汗)。
本体価格はかなり下がって来ていますが、これでバッテリーが長持ちする分も考慮して、購入を考えても良いのではないでしょうか。(一応ルンバには非正規の安いバッテリーもありますが・・・)。
この「RX-V100/RX-V80 COCOROBO(ココロボ)」は、結局ルンバ+既存のペットロボット(成長はしないが機嫌は変わる)と言った形となるのでしょうか。実際多くの人の役に立つ優位点は、高価なバッテリーによる吸引力のアップで、フローリングの目路のホコリまで幾らか吸えるようになったこと位です。ルンバにはそれなりの完成度があるので、新しさを出そうと必死になっても、なかなかこれ以上には出来ないのかもしれません。
あと、気になる点としては、やはり最新のルンバ770,80には2つ(固形物用&ホコリ用)もついているゴミセンサーがないことです。これは汚れている場所で吸いながら前後動作をしたり、そこを記憶して多方向から通過したりと、掃除には重要な機能です。
また、ルンバは段差乗り越え能力が約2.0cmとされるのに対し、このココロボは約1.5cmとされています。…ルンバ以外のロボット掃除機では、1.5cmが最高なのですが。この能力は、主に厚めの絨毯に乗る際に問題となります。
ルンバには、メインの回転ブラシも前後2本付くのに対し、これでは1本(ルンバ以外のロボット掃除機では、1本、もしくは未装備)ですが、これは吸引力がとても強いそうなので、それはまあ良いでしょう。
更に、このココロボには、赤外線で侵入不能な壁を作る、バーチャルウォール機能・発生装置が付いてないので、それが欲しい人には少し問題です。
※店頭でデモ機を見てきましたが、回転ブラシが非常に柔らかい素材だけで出来ていましたので、どちらかというとフローリング用だと思います。…たまに "イテ!(痛い)" 等と言っていました(笑)。
※1分25秒辺りから見る価値があります。最新のルンバ700シリーズには皆ゴミセンサーが付いていますが、この北村氏が最後に薦めているのは、770と780の2つセンサーが付いている機種です。
"ユーチュー部 by しゃーぷ" という、シャープの公式面白動画作成チームが作成した、ココロボが10台一斉に動く動画です。10台動くのは特別面白くはありませんが、10台一斉に返事をするのは、少しシュールです。
・シャープのCOCOROBOが当初計画を大きく上回る出足に(家電Watch) (2012年7月)
…発売直後の超高価格の6月に3割のシェアを取り、7月には更にそれを上回っているという話で・・・(汗)、日本メーカー製ロボット掃除機が出るなら買ってみようか、という人が多いのでしょうか。ココロボは下位機種では会話が出来ないのが残念ですが(…勝手に喋るだけの音声機能はあります)、会話も出来たら高くなるので仕方がないのかも・・・。
・COCOROBOが外出先から操作可能に+別売 "家電コントローラー" で室内の家電製品もリモコン操作可能に(家電Watch) (2012年11月)
以前は上位機種の「RX-V100」がスマホを通じて外部から写真撮影が可能とは言っても、何と本体を移動させることは出来ず、あらかじめ置いた場所の四方を撮るか、本体が充電台にある場合には、少し前に出て四方の写真を撮るかのどちらかでした。
しかし、今回のスマホ用アプリのバージョンアップで、あらかじめ室内マップを作成しておくことにより、好きな場所に移動しての撮影&掃除も出来るようになっています(※安全対策だったのかもしれませんが、そもそも外出時等に部屋中を動かすのは、ロボット掃除機として普通の使い方のはずですが・・・)。
また、定価15,750円の高価なオプション部品 "家電コントローラー" を、やはり上位機種「RX-V100」限定で本体左斜め後ろのUBSポートに装着することにより、スマホを通じて外出先から家電をリモコン操作可能となりました。これは、とりあえず同社製テレビ、エアコン(2005年製以降)、LED照明、スリムイオンファン等に対応していますが、他社製を含め、順次対応予定だそうです。
多種類の家電製品のリモコン操作は、赤外線が届かないケースがあるので、移動可能なロボット掃除機は、その役割に意外と適しているのだそうです。
ただ、それを装着してしまうと、ココロボが一点で反転しようとすると、椅子の足等に引っ掛かるケースが出かねません。ロボット掃除機の殆どが円形なのは、その場での反転が出来るからであるはずなので、ただでさえ通常サイズの「RX-V100」と「RX-V80」は、狭い場所は苦手であるそうなのに、これを装着するともっと苦手になってしまいます。
また、USBポートにUSBメモリーを挿したままココロボが動き回ると、本体の故障の原因にもなるとされていましたので、こちらはどうなんだ?と思っていました。しかし、これは何と本体に両面テープで固定してしまうことになっており、そのコントローラー自体にもUSBポートが側面と上部の2箇所に設置されていまして、本体のソフトウェアのアップデートは、以降はそこを使ってすることになるそうです。
下載の小型機「RX-V60」の追加発売を含め、もっと最初に企画を練るか、十分な完成度に至るまで発売を控える等、どうにかならなかったのだろうかと思えます。
ちなみに、ロボット掃除機に "家電コントローラー" と聞けば新しいですが、ココロボではいまだに赤外線で侵入不能な壁を作る "バーチャルウォール発生装置" の発売がありません。シャープでは、それは必要ないとの判断なのでしょうか。私の家では一つは欲しいのですが・・・。
※価格は変動します。時価はリンク先にてご確認下さい。
・RX-V100 COCOROBO(ココロボ) | |
・楽天 ・amazon [レビュー有] ・楽天レビュー:レビュー(_件)を参照 ・ヘッド形状:パワープラシ+サイドブラシ×2 ・目詰まり対策:(フィルター前ティッシュ装着) ・吸込仕事率:未公表 ・本体重量:3.3kg ・運転音:未公表 /集じん容積:0.2L ・色:パールホワイト(W) ・約4時間充電・1時間可動(帰還用に+20分有) ・16Vリチウムイオンバッテリー(3.0Ah) ・HEPAフィルター仕様 ・会話機能&カメラ+無線LAN機能有 ・サイズ:直径34.6cm×高さ9.6cm | |
・RX-V80 COCOROBO(ココロボ) | |
・楽天 ・amazon [レビュー有] ・楽天レビュー:レビュー(_件)を参照 ・ヘッド形状:パワープラシ+サイドブラシ×2 ・目詰まり対策:(フィルター前ティッシュ装着) ・吸込仕事率:未公表 ・本体重量:3.3kg ・運転音:未公表 /集じん容積:0.2L ・色:シルバー(S) ・約4時間充電・1時間可動(帰還用に+20分有) ・16Vリチウムイオンバッテリー(3.0Ah) ・HEPAフィルター仕様 ・サイズ:直径34.6cm×高さ9.6cm | |
・RX-CU1 家電コントローラー | |
・楽天 ・amazon ・楽天レビュー: ・対応機種:RX-V100(最上位機種)専用 ・サイズ(約):幅7.1×奥行5.7×高さ7.6cm ・重量(約):81g ・USBポートに挿し込むことで、同社製テレビ、エアコン(2005年製以降)、LED照明、スリムイオンファン等をスマホを通じて使用可能に。他社製家電を含め順次対応機種拡大予定 | |
・RX-V60 COCOROBO(ココロボ) | |
・楽天 ・amazon [レビュー有] ・DMMレンタル 3,540円(2日間)〜 ★ ・楽天レビュー:レビュー(_件)を参照 ・ヘッド形状:パワープラシ+サイドブラシ×2 ・目詰まり対策:(フィルター前ティッシュ装着) ・吸込仕事率:未公表 ・本体重量:2.5kg ・運転音:未公表 /集じん容積:0.1L ・色:ホワイト(W) ・約2時間充電・LOW時約50分/約HIGH時30分可動 ・16Vリチウムイオンバッテリー(1.1Ah) ・HEPAフィルター仕様 ・サイズ:直径29.9cm×高さ9.4cm | |
直径にして4.7cm、全高は0.2cm、重量では800gも小さくなった、小型のココロボ「RX-V60」(※及び、家電コントローラー「RX-CU1」)が2012年12月1320日に追加で発売となります。
これは、従来からのウリであった強力な吸引モーター "高速回転ターボファン" や超音波センサー、そして車輪といった基幹部品はそのままに、充電池の小型化でのみで小型化に成功しているという話で、高性能なHEPAフィルターやプラズマクラスター発生機能、人工知能 "ココロエンジン" による状況に応じた発声・LED発光機能といった省略されても良さそうな機能まで、そのまま載っています。段差乗り越え能力も、従来と同じ1.5cmまでとされていますので、その面でも安心です。
しかし、バッテリーの小型化により、従来の半分の2時間での充電可能ですが、稼働時間は従来の60分から、新たに加わったパワー切替のLOW(ロー)モード時には10分減の50分、恐らく上位機種と同程度の吸引力のHIGH(ハイ)モード時には30分となり、掃除可能な畳数も、25畳⇒LOWモード時に16畳、HIGHモード時には約10畳へと激減しています。ちなみに、バッテリーは16Vのリチウムイオンバッテリーである所までは同じですが、やはり容量は3.0Ah⇒1.1Ahに激減させられています。
ココロボを動作させる際、本体幅に5cmほどの余裕を持たせた通り道が必要とのこと。
つまり、新モデルRX-V60を動作させる際は35cm程度の通り道を空けておく必要があるが、阪本氏によれば、「大型家具店に置かれているダイニングチェアの80%が、脚幅35cm以下だった」という。ちなみに、従来モデルで通れるサイズとなる40cm以上の脚幅となると、同調査では30%ほどしかなかったそうだ (by マイナビニュース)
…これが本当だとすれば、つまりのところ、先行の通常型ではダイニングチェアの下には約30%の確率でしか入れなかった訳で・・・少なくともルンバではあり得ない話のはずですので、フローリング上で使うには基本性能に問題があったとしか(?)言いようがないと思います。…買っていて読んだらショックを受けるような製品を出すとは、(幾ら会社が傾いているにしても)シャープ・・・(汗)。
COCOROBOにガンダムモデル「ハロ」&「ハロ(シャアver)」が登場!(家電Watch)
※2012年9月下旬までの、"ガンダムフロント東京" での展示品で、一般販売はありません。色と形だけでなく、声も違っています。
関連ページ:
・RX-V95A/RX-V70A ココロボ(2015年度型後継機種)
・RX-V200 ココロボ(2013年度型新ハイエンド機)
・RX-V90 ココロボ(2013年度型新標準機)
・RX-V50 ココロボ(2014年度型新廉価機)
・ルンバ880/871/870/780/770/760
・ルンバ622/621/630/620
・東芝 トルネオロボ「VC-RCX1,VC-RVD1,VC-RV1」
・東芝 スマーボV[VC-RB8000/VC-RB7000]/スマーボ[VC-RB6000]
・LG電子・HOM-BOT(ホームボット)スクエア VR6260LVM
・モニュエル MR7780J/MR6680J CLEMON(クレモン)
関連サイト:
・RX-V100(W)/RX-V80(S)/RX-V60(W) シャープ公式サイト
・ロボット掃除機3モデルの「お掃除対決」…軍配は?(BCN/読売)
・ロボット掃除機のお掃除対決第二弾! 障害物に強いのはどれ?(BCN)
・お掃除ロボット徹底比較!『ルンバ』VS『ココロボ』買うならどっち?【動画付き】(@DIME)
・ロボット掃除機、頂上対決 国内勢はルンバ超えたか(日経新聞/※要会員登録)(スマーボを作っているのはサムスン電子ですが ^^;)
・ルンバとココロボ、試して分かった「本当の実力」(日経新聞)
・シャープ、会話ができるロボット掃除機「COCOROBO」(家電Watch)
・創業100周年を迎えるシャープが、ロボット家電「COCOROBO」に託した夢(家電Watch)
・「ぶれないコンセプト」に出合う幸せ ココロエンジンが考えるヒトと家電のつながり(日経テクノロジーオンライン)
・クラウド対応のココロボは、ゴミの日や電車の運行情報も知らせる 〜東急の新築マンションに試験導入(家電Watch)(一般販売はないバージョンです)