2012年3月に、韓国のLGエレクトロニクスから日本新発売となった「HOM-BOT(ホームボット) 2.0[VR6170LVM]」です。
これは、日本では東芝が販売元となっているサムソン電子製「スマーボ」と性能的にとても似た機種で、部屋をランダムに動き回るのではなく、部屋の端から逆の端まで、雑巾がけのように進路を順序立てての、一度の通過で掃除を終えます。
そして、それを実現するために、やはりスマーボのごとく光学カメラを装備し、最大毎秒30回周囲を撮影することで、現在位置を把握します。
また、スマーボとは違って、こちらでは別カメラで床面も撮影するようで、そちらは何と毎秒最大2,000回撮影し、移動距離を割り出すと共に、ゴミの存在も把握します。
ただ、このような方法では、掃除を終えるのは早いものの、掃除の仕方は多少粗くなるというのが、一応スマーボで得た教訓です。
充電式の掃除機は、そもそも吸引力が弱いので、同じ地点を多方向から繰り返し通過する位でないと、なかなか綺麗にはならないはずです。
また、スマーボの場合、部屋の隅から隅まで掃除した後、別経路で元の位置まで掃除しながら戻るという "念入りモード" がありました。しかし、このLG製ホームボット2.0では、その代わりに "空間拡張モード" という、部屋の内部をブロック分けして念入りに掃除する、少しハイテクな(?)モードが付いています。
また、この製品には、高性能なリチウムイオンバッテリーが搭載されています。これはロボット掃除機では珍しいと共に、他のロボットの充電池が大抵約300回充電可能であるのに対し、これは約500回充電可能だとされています(ただ、新型ルンバ700シリーズも約500回程度充電出来るはずです)。
スマーボでは、運転音が約52dBと、かなり静かでしたが、このホームボット2.0はそれを上回る48dBを達成しています。ロボット掃除機は、掃除だけでなくモーター駆動で移動もするため結構うるさく、起動がはばかられる場合もあるのですが、これはその欠点はある程度克服していると言えるでしょう。
この製品では、フィルターもHEPAフィルターを採用している為、排気も綺麗です。現在、ロボット掃除機でHEPAフィルターを採用しているのは、これ以外では、ルンバの新型・700シリーズとシャープから新発売になる "ココロボ" だけのはずです。
また、これには、3cm(以上)の段差を見分けて避ける能力と、幅3cmの椅子の脚を認識して本体のスピードを緩める能力があるとされます。これらは、数あるロボット掃除機の中でも最優秀のはずです。ただ、スピードを緩める能力は、ルンバやスマーボ(スマーボは障害物との接触を避けるのが通常)にもありますし、家具の角ではやはり普通に認識できずに突っ込むはずですので、少しばかりマシな程度だと思われますが。
ここまで見ると、このホームボット2.0は、スマーボの上位機種にしか見えません。しかし、赤外線で侵入不可能な壁を作るバーチャルウォール機能・発生装置が何故かありません。なので、それが必要な人には問題です。
また、実はタイマー機能も劣っています。スマーボにあるのは、毎日決まった時刻に起動させる一般的な予約機能ですが、これの場合、予約ボタンを押して、何時間後に起動させるかを選べるだけのようです。
あと、このホームボット2.0の注意点としては、段差乗り越え能力は1cm以下だとされています。ルンバは約2cm以下で、他の価格が高めのロボットは1.5cm程度(スマーボは不明)なので、この点では明らかに改善の余地があると思われます。
そして、ルンバと比べるとどうかという話ですが、清掃力では勿論ルンバの方が良いはずです。と言うより、十分な清掃能力を持つロボット掃除機は、現在ルンバだけのはずです。他のロボット掃除機は、ルンバの高性能なイメージを利用して、商売をしていると言えるのかもしれません。
ただ、ルンバはうるさいので、アパート・マンションでは、このホームボット2.0やスマーボを選ぶ選択肢もあるかもしれません。その場合には、ルンバの場合よりも頻繁に自分で部屋を掃除する必要があるはずですが。
2013年3月中旬に、その後継シリーズ「HOM-BOT(ホームボット) スクエア」が発売となりましたが、それと同時に従来シリーズの新製品「VR6140LVM/VR5942L」の2機種も発売となっています。
「VR6140LVM ホームボット2.0」は、前年度型「VR6170LVM ホームボット2.0」とほぼ同一品です。
分かる点としては、前年度には付属していた "畳専用ブラシカバー" という物が省略され、また、稼働時間が5分間だけ長くなったようである(旧型の稼働時間は公式サイト内に現存せず)ということになります。
「VR5942L ホームボット(1.0)」は、基本的にはこれも同型ですが、主には、他には2つあるカメラの1つ、多分本体下面の物が省略された廉価版機種となります。なので、他より掃除の精度が落ちるはずです。
これらは元々が、1度の通過で掃除を終えるタイプですので、それだと本当に室内を綺麗に出来るのかに、幾らかの疑問が生じます。
しかし、その代わりにか、何故か稼働時間が約15分も長い、90分となっています。
また、マイクロファイバー製専用布を付けての乾拭き機能と、予備フィルターも省略されており、自動で戻る充電基地(ホームベース)も、他より少し小さな廉価版的な物に変更されているようです。
※価格は変動します。時価はリンク先にてご確認下さい。
・HOM-BOT(ホームボット) 2.0 VR6170LVM | |
・楽天 ・amazon [レビュー有] ・楽天レビュー: ・ヘッド形状:パワーブラシ+サイドブラシ×2 ・目詰まり対策:― ― ― ・吸込仕事率:未公表 ・本体重量:約3.2kg ・運転音:48dB ・色:レッド ・約3時間充電・70分可動(15畳を18分で掃除可能) ・リチウムイオンバッテリー採用品 ・サイズ:直径36.0cm×高さ9.0cm ・フローリング用専用マイクロファイバーモップ装着可 | |
・HOM-BOT(ホームボット)2.0 VR6140LVM | |
・楽天 ・amazon ・楽天レビュー: ・ヘッド形状:パワーブラシ+サイドブラシ×2 ・目詰まり対策:― ― ― ・吸込仕事率:未公表 ・本体重量:約3.2kg ・運転音:48dB ・色:シルバー×ブラック ・約3時間充電・75分可動 ・14.8Vリチウムイオン充電池採用品(1,900Ah) ・サイズ:直径36.0cm×高さ9.0cm ・HEPAフィルター仕様 ・フローリング用専用マイクロファイバーモップ装着可&リモコン有 | |
・HOM-BOT(ホームボット) VR5942L | |
・楽天 ・amazon [レビュー有] ・楽天レビュー: ・ヘッド形状:パワーブラシ+サイドブラシ×2 ・目詰まり対策:― ― ― ・吸込仕事率:未公表 ・本体重量:約3.2kg ・運転音:48dB ・色:ホワイト ・約3時間充電・90分可動 ・14.8Vリチウムイオン充電池採用品(1,900Ah) ・サイズ:直径36.0cm×高さ9.0cm ・HEPAフィルター仕様 ・リモコン有 | |
関連ページ:
・HOM-BOT(ホームボット)スクエア(2013年後継機種)
・シャープ ココロボ「RX-V200/RX-V90/RX-V50」
・東芝 トルネオロボ「VC-RCX1,VC-RVD1,VC-RV1」
・東芝 Smarbo(スマーボ)V[VC-RB8000/VC-RB7000]
・モニュエル MR7780J/MR6680J CLEMON(クレモン)
・ロボット掃除機(安価なルンバの類似品の数々)
関連サイト:
・VR6170LVM ホームボット|LGエレクトロ二クス・ジャパン
・VR6140LVM ホームボット|LGエレクトロ二クス・ジャパン
・VR5942L ホームボット|LGエレクトロ二クス・ジャパン
・家電製品ミニレビュー LGエレクトロニクス「HOM-BOT2.0」(家電Watch)
・CCDカメラで部屋の構造や自分の位置を認識! 早く確実に掃除するLGエレクトロニクス「HOM-BOT 2.0」(ASCII.jp)
・【レビュー】最短の走行ルートを検出するLGのお掃除ロボット『HOM-BOT2.0』(@DIME)