これは、パナソニックのキャニスタータイプの遠心分離サイクロンシリーズ(遠心分離しない偽物サイクロンも存在します)である "パワープレスサイクロン" と方式を揃えた新製品、ということになります。
製品紹介として、"本格遠心分離方式サイクロンがスティックタイプでも新登場!" と謳われていますが、実際は、"低性能ながら一応真剣に遠心分離しようと頑張ったサイクロン掃除機が、スティックタイプでも新登場" ということになります。
普通のヨコ型(キャニスタータイプ)掃除機のパワープレスサイクロンには、フィルターに振動式のチリ落としが付いていますが、何とこのスティックタイプにもちゃんと付いています。ただ実物を見てきましたが、キャニスタータイプのそれにはどれにも付く、"メタルメッシュシリンダー" という特殊な目の開け方をしたダストボックス内筒型フィルターが付いておらず、大きなゴミを止めるだけの、無数に穴が開いたプラスチックが付いているだけでした。なので、フィルターの詰まりは早いはずで、頻繁に手作業でのフィルター清掃が必要とされるはずです。これは公式には月に1度程度とされていますが、それで済むのは最初の内だけだと思います。
また、フィルターは何故か水洗い出来ないので、清掃は、汚れがひどい場合にも、専用ブラシでホコリを掻き出すしかありません。
また、これらは実はかなり重く(4.4/4.2kg)、比較的重い紙パック式掃除機と同等の重量です。スティックタイプは本体を常に丸ごと動かさなければならないので、とりあえずヘッド(と延伸管とホース)だけ動かせば済むキャニスタータイプとは重量の意味が全く違います。
上位機種のMC-SU200Jであれば、自走アシストタイプのモーター式回転ブラシなので、前方に動かす分には多少軽く動くはずです。しかし、根本的に女性が気軽に使うようなものではありません。
あと、すき間ノズル的に使えるホースとノズルが付いていますが、これを使う際にも、底のヘッドからも吸ってしまうはずなので、吸引力が分散され、弱い吸引力でしか使えないはずです(スティックタイプで上にホースのあるタイプは、皆そういう構造のようです)。
「MC-SU200J」と「MC-SU100A」での違いは、ヘッドに内蔵されている回転ブラシの方式と、それに伴う重量200g、そしてボディカラーだけです。SU200Jには、高性能なモーター式の回転ブラシが付き、下位のSU100Aには、吸込の風で回るタービン式の回転ブラシが付いています。
両機種とも、吸込仕事率は250Wと、他メーカー、特に同じく遠心分離をするシャープのスティックタイプ(330W)と比べて低めです。しかし、去年は360Wあったので、パナソニックの方がモーター性能が低い訳ではありません。遠心分離にパワーを割くと、吸込仕事率は下がってしまいますので、一応製品のウリの通りに、遠心分離に力を割いているものと思われます。なので、これらはシャープ製スティックタイプよりは、遠心分離性能は高いと思われます。
収納やデザイン面で、どうしてもスティックタイプを、それも性能の良い物を、ということであれば、これらでも悪くないかもしれません。しかし、キャニスタータイプでもOKなのであれば、そちらの方が良いと思います(7,000円前後の掃除機)。つまりのところ、、、スティックタイプは、性能・機能的にあまり完成度が高くないのです。
※価格は変動します。時価はリンク先にてご確認下さい。
・MC-SU200J | |
・楽天 ・amazon [レビュー有] ・楽天レビュー:レビュー(_件)を参照 ・ヘッド形状:イオン軽走パワーノズル(最新Y字ブラシ) ・目詰まり対策:― ― ― ・吸込仕事率:250W ・本体重量:4.4kg ・運転音:約69dB ・色:ブラック(K) ・着脱パイプ(すき間ノズル的になる)/2段伸縮「スポッとハンドル」 | |
・MC-SU100A | |
・楽天 ・amazon [レビュー有] ・楽天レビュー:レビュー(_件)を参照 ・ヘッド形状:エアロノズル(タービン式) ・目詰まり対策:― ― ― ・吸込仕事率:250W ・本体重量:4.2kg ・運転音:約69dB ・色:ブラック(K)、ホワイト(W)、レッド(R) ・着脱パイプ(すき間ノズル的になる)/2段伸縮「スポッとハンドル」 | |
関連ページ:
・MC-SU210J MC-SU110A(2012年度型後継機種)
・スティッククリーナー
・パナソニック掃除機(キャニスタータイプ)
・7,000円前後の掃除機
関連サイト:
・MC-SU200J|パナソニック公式サイト
・MC-SU100A|パナソニック公式サイト