日立製サイクロン掃除機のサイクロン部の構造です。これは、「ごみダッシュサイクロン」と呼ばれる比較的低価格シリーズでは、以下の写真で全てです。
しかし、「2段ブーストサイクロン」と呼ばれる上位機種では、この仕組みの前に、吸気が螺旋状に1回りしながら上がる小さな風路があります。そして、そのカーブの途中で別方向に吸引し、そこで曲がり切れなかったホコリをティッシュを敷いた下の写真のサイクロンボックスに導くという、無駄にも思える仕組みが追加されています。
(※ティッシュのあるサイクロンボックスが詰まると、その別方向に吸引する部分から、直接メインフィルターにゴミが到達します)


機種名はCV-SP8です。少し古いですが、構造は基本的には新しい物と同一です。









このティッシュを敷く部分がサイクロンということになります。蓋となる部分は、ホースを差し込む部分があるだけで、単にほぼ平面です。一体どんなサイクロンですか?と聞かれても、単にティッシュでゴミを止めるだけ、としかお答えの仕様がありません。日立としては中でゴミがクルクル回るのでそれがサイクロンだと主張しているようですが、見た人はいないはずなので、何とも言えません。ただ、幾らか回っていたとしても、それは遠心分離とは違うはずです。




これらはサイクロンボックスを後方から見たところです。主に青色に見える、細かく折り畳んである物がメインフィルターです。これは普段電源コードの引き出し・巻き取りと連動して振動し、ホコリが落ちますが、定期的に人の手で掃除をする必要はあるはずです。
ただ、これのチリ落としの為の振動は、かなり強烈・遠慮なしなので、そこだけは凄いです。



これはゴミの入っている状態ですが、ティッシュは破れています。ただ、これは、どうも最近買った新しいティッシュが破れやすいようで・・・。
ティッシュの周辺部にゴミが溜まっているのは、ズバリ、そこから空気が漏れているはずです。そこから漏れると、後方のメインフィルターを通らないので、問題は大きいです(※上位機種だとモーター周辺に高性能なHEPAフィルターがあるので外部までは漏れませんが、そのHEPAフィルターがピンチとなるでしょう)。また、日立のサイクロンは、どう考えても元々ティッシュを挟むのに向いた形ではありませんので、挟みにくいです。
一応、総合的な評価としては、とりあえずこれは普通に言うところのサイクロン掃除機ではありません。どうも、サイクロン掃除機の定義がはっきりしておらず、空気が中で回転していれば、サイクロンの名の使用を止めさせることが出来ないようで、こういう物でもサイクロン掃除機を名乗っています。
良いものではないので、本当は売れないはずなんですが、インターネットで調べたりしない方は、「意外と安かったサイクロン(しかも1流メーカーの日立製!)」として買ってしまわれるので、家電量販店の実店舗では実は売れ筋商品です。こういうことをやっていれば、日立と東芝にはいずれ天罰が下るでしょう。
※パナソニックのツインサイクロンと三菱のサイクロン式Be-Kも同様ですが、それらは何故か売れていません。(笑)
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