これらはシャープ製の最上位機種なので、基本的に何もかもが高性能です。
その中でも最大の特徴は、ダストボックス内に遠心分離して下に落としたゴミを圧縮する機能が付いていることです。更に、EC-WX300では静電気除去作用を持つプラズマクラスターイオンをダストカップ内に放出しているので、他のサイクロン掃除機よりはホコリを立てることなく、綺麗にゴミを捨てられます。
また、運転音が家庭用掃除機としてはトップレベルの小ささ(52/53dB)ですが、電源を切る度にフィルターを電動振動させてチリを落とすので、それがかなり五月蠅いです。常識的にはそれも運転音(掃除機の稼働音)のはずですが、実際、それは運転音ではない、ということにしているようです。
※機種はこれらの2009年度型の「EC-VX210」。…私の家です。
※こちらは最新「EC-WX300」です。 by アスキー
ただ、これは日本製の高価格サイクロン掃除機に共通する問題で、シャープだけが悪い訳ではありません。(※例⇒パナソニック MC-SS310GX)
あとは、「EC-WX300/EC-VX300」に付くヘッドは高性能ですが、ヘッドを付け替えずに狭い場所を掃除する仕組みがないので、パナソニックの "親子ノズル" 等を実際に活用なさっている方がお買いになると、「しまった・・・」と後悔する可能性があります。
また、ダストカップ内、筒型フィルター部のメッシュフィルターが、従来式に比べて凸凹が少なく、穴径も小さい物となったとありますが、穴がラクラク見えること自体問題です。これが実はダイソン以外のサイクロン掃除機のほぼ一番の問題点で、ここが改善されない以上、モデルチェンジで良くなったとは言えません。
3Dクリーンシステム
尚、EC-WX300では、"3Dクリーンシステム" と称し、本体後部の上部に空気を吸う小さな専用ファンを設け(「ダストキャッチユニット」)、室内に漂うホコリを吸おうとしています。何でも、これが付いていないシャープ製2009年度型「EC-AP11」で掃除すると、室内空気中のホコリが掃除前の140%近くに増加するようですが、これがあると、掃除前の60%弱程度にまで低下するのだとか。
…これは困った話で、比べるならまず、ほぼ同一品で、かつそのシステムの有る無しの違いのある、「EC-WX300」と「EC-VX300」でやるべきです。
これらは、ダストカップ部に高性能なHEAPフィルターを付け、また、本体には超高性能なULPAフィルターを採用しています。それに対し、2009年のEC-AP11にはダストカップ部のHEPAフィルター1枚のみとなっています。
高性能なHEPA/ULPAフィルターは、そもそも1枚あればそれで十分なのに、2枚ついているのが元々不自然でした。何故なら、その構造は、1枚目からはホコリが漏れている事を意味するからです。…なので、比較対象のEC-AP11は、そういった可能性が考えられます
そもそも、掃除機は床のホコリよりも、ずっと大量の室内の空気を吸い込みます。なので、室内の空気が、掃除機をかける前より後の方が汚れているのであれば、排気に問題があるか、排気で掃除機の後ろのホコリが舞い上がっているかの、どちらかではないでしょうか。
もしくは、仮にそれ以外で問題があるとすれば、ヘッドの動きのはずです。掃除機本体は、それ程バタバタしないはずです。
しかし、EC-AP11には、ヘッドの上のホコリを吸う、パナソニックの "エアダストキャッチャー" の模倣機能がありますので、それが効いていないのかもしれません。
また、他メーカーだと、近年排気を出来るだけ上方に出す設計となって来ていますが、シャープにはそのつもりが全くないようです。ややこしい部品を付けるより、まずはそこが必要ではないでしょうか。
…とにかく、素直に新型機同士で比べれば、もう少し原因が分かることでしょう。
その新型機同士「EC-WX300」(上位)と「EC-VX300」(下位)の違いとしては、
- プラズマクラスターイオンのダストカップ内発生機能の有無
- 3Dクリーンシステムの有無
- 運転音の最大値が、EC-WX300は52dBでEC-VX300は53dB
- 本体重量がEC-WX300の方が200g重い
- 吸込仕事率の最小値が、EC-WX300が60Wで、EC-VX300が90W(?)
前年度型「EC-VX220」との違いとしては、
- 重量0.8/1.0kg減(消音機構の大幅見直し)。サイズも一回り小さく
- パイプ部の持ち手の改良
- ダストカップ内ゴミ圧縮スクリューの改良で従来の1/4⇒1/10に圧縮率アップ!
- ダストカップ内メッシュフィルターの若干の改良
- ヘッド裏の手前のタイヤ(ローラー)が、何と全方向キャスターに
- 3Dクリーンシステムの導入(EC-WX300)
- ゴミ捨てが "簡単くるりんポイ" ⇒ "ワンタッチ底からポイ" に
- (マジックホイール[低抵抗軸の特殊後輪]は重量減で多分退役)
なので、サイクロン式を使ったことがない方が、お試し感覚で買うのであれば、まあ悪くないかもしれません。しかし、サイクロンで一度は痛い目を見て、今度こそは良い物を!とお考えの方には、またちょっとどうかな、と思います。
この価格の物を買えるのであれば、素直にダイソンを買った方が良いと思いますが・・・何か理由があるのでなければ、紙パック式が一番無難だろうと思います。
※価格は変動します。時価はリンク先にてご確認下さい。
・EC-WX300 | |
・楽天 ・amazon [レビュー有] ・口コミ・評価:感想(_件)を参照 ・ヘッド形状:こまわり・すみジョーズ自走パワーアシスト(パワーブラシ) ・目詰まり対策:モーター式フィルター振動機構 ・吸込仕事率:450W ・本体重量:5.0kg/ 全体重量:7.0kg ・運転音:52〜約48dB ・排気方法:― ― ― ・持ち手(本体):固定式×1、折り畳み×1 ・色:メタリックブラック(B)、シャンパンゴールド(N) ・HEPA/ULPAフィルター各1枚装着 ・高濃度プラズマクラスター(ダストカップ内放出付) ・ダニアウトダクト=空中の塵も吸引 ・3Dクリーンシステム | |
・EC-VX300 | |
・楽天 ・amazon [レビュー有] ・口コミ・評価:感想(_件)を参照 ・ヘッド形状:こまわり・すみジョーズ自走パワーアシスト(パワーブラシ) ・目詰まり対策:モーター式フィルター振動機構 ・吸込仕事率:450W ・本体重量:4.8kg/ 全体重量:6.8kg ・運転音:53〜約48dB ・排気方法:― ― ― ・持ち手(本体):固定式×1、折り畳み×1 ・色:メタリックピンク(P)、ライトシルバー(S) ・HEPA/ULPAフィルター各1枚装着 ・高濃度プラズマクラスター ・ダニアウトダクト=空中の塵も吸引 | |
前年度モデル
・EC-VX220 ― ― ― | |
・楽天 ― ― ― ・amazon [レビュー有] ・口コミ・評価:感想(_件)を参照 ・ヘッド形状:パワーアシスト強力自走ヘッド(パワーブラシ) ・目詰まり対策:モーター式フィルター振動機構 ・吸込仕事率:450W ・本体重量:5.8kg ・運転音:52〜約48dB ・排気方法:― ― ― ・持ち手(本体):固定式×1、折り畳み×1 ・色:メタリックピンク、ステラシルバー、コスメティックピンク ・HEPA&ULPAフィルター同時装着 ・高濃度プラズマクラスター(ダストカップ内放出付) ・ダニアウトダクト=空中の塵も吸引 ・マジックホイール=本体を引くのに必要な力を大幅減 | |
※EC-VX220の特集 |
関連ページ:
・EC-WX310 EC-VX310(2012年度後継機種)
・EC-AX200
・EC-PX200
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関連サイト:
・EC-WX300|シャープ公式サイト
・EC-VX300|シャープ公式サイト
・家電製品ミニレビュー シャープ「プラズマクラスターサイクロン掃除機 EC-WX300」(家電Watch)