それで、ダイソン社の公式サイトにその威力を伝えるための、床に撒いたパウダー状物質の除去能力を示す、モザイクをかけられた "他社のプレミアム掃除機" との比較動画がアップされています。
それを見るに、確かにダイソンの「DC26 CF motorhead complete」の清掃力は高いです。しかし、それでダイソンが優れていると判断するには、深刻な問題点が複数あります。
まず、比較に使われている他社のプレミアム掃除機とやらが、本当に実在するのかが不明です。
床に映る映像にまではモザイクがかかっていないので、情報にはなるのですが、「A」はヘッド上面の影の出方から見てシャープ製の最上位ヘッドかもしれません。また、「B」は、パナソニック製の「Wパワフルドライブノズル(親子自走)」かもしれません。親ノズルを外すための足踏み用のレバーに独特の特徴があり、それが床に映っていますので、これは分かりやすくそう判断できます。
しかし、「C」ですが、これはヘッド上面の影の出方が敢えて言えば去年のパナソニック製に似ているかもしれませんが、「B」のように特徴ある足踏みレバーがないので、違うはずですし、他社製も思い当たりません。
これはダイソン製も含めて実験に使われた4種類の中で一番パウダーが床に残る、つまり一番性能が低く、また、実験の順序の3番目として4番目のダイソン製を引き立てる効果がありますので、小道具の可能性を考えることが出来ます。少なくとも、日本国内で手に入る「プレミアム掃除機」ではないのではないかと思います(⇒参考「各社最高級機一覧」)。
また、シャープ製とパナソニック製と思われるヘッドについても、実験に使用された実物のヘッド裏が公開されている訳では全くありません。
全部のモザイクを外し、ヘッド裏を一緒に映したた映像を公開すべきでしょう。日本においても比較広告は認められていますので、真実を公開する分には何の問題もありません。
また、その実験映像においては、床質が公表されていません。恐らくは硬い床面(一般に言うフローリング)での実験と思われますが、ダイソン製モーター式回転ブラシのブラシは硬く、傷が心配されますので、現実的には日本の家庭のピカピカのフローリングでは通常使用しません(自己責任で使用)。
※実はカーボンファイバーブラシの追加に伴い、少し問題のあった硬いブラシはこれ以降ひっそりと若干短くなり(汗)、それによる傷の心配はなくなったのだそうです。
あと、ダイソン製は絨毯に強いですが、その「導電性カーボンブラシ」というものは絨毯上での静電気にどの程度有効であるかは、一切言及されていません。フローリングより絨毯の方が静電気が多く発生しそうなので、気になるところですが。
従来の「DC26」とのその他の違いとしては、motorheadの延伸管が重いアルミ製からturbineheadと同じ軽く、長さ調節が可能な樹脂製になっています。ただ、それに伴い、本体にホースをグルりと巻き付ける、ダイソン掃除機として有名な収納方法が不可能となっていますが。
そして、その両者でパイプ部の持ち手の形状が変更となっているのですが、これが持ちやすさは同じでも、実はボタンが手のひらの近くにあり過ぎて操作しにくいです。
また、手元下の延伸管とホースの接続部が左右にスイング可能な見たことのない形状となりましたが、これがホースの曲がりより軽く動くので、使いやすい気がしますし、また、使ってみると妙に気分が良いです。
また、旧来のDC26ではヘッド裏の加工がturbineheadとmotorheadでは違っており、turbineheadの2タイプ(entry&complete)にのみ、起毛で床を乾拭き出来るような布素材が一部に貼られていたのですが、今回のマイナーチェンジで、これがmotorheadモデルにも適用されるようになりました。
後はボディーカラーが少し変わっています。透明なダストカップの中がド派手ですね。その部分は使用中には常に空気が回るので、ホコリまみれになることもあまりないだろうと思います。
関連ページ:
・ダイソン掃除機比較
・DC63 ダイソンボール
・DC48 ダイソンボール
・DC46 ダイソンボール
・DC36 ダイソンボール
・ダイソン DC26(DC26の総合ページ。主に2009年度型)
・DC26 motorhead complete 【レビュー】
・DC26&DC36 CF motorhead petcare
・DC22
・ダイソンの真実の真実
・ダイソン扇風機 "エアマルチプライアー"
関連サイト:
・ダイソン カーボンファイバーブラシ搭載掃除機 DC26 CF
・ダイソン、炭素繊維で床面のホコリを取り除く掃除機「カーボンファイバー DC26」(家電Watch)
・ダイソン、DC26購入で花粉掃除に便利なツールをプレゼント(家電Watch)