以前から気になっていた、「スイブルスイーパーG2」(SwivelSweeperG2)をとうとう買ってみました。現在、1台分の価格で2台貰えるというのがやはり決めてでした。(笑)
色々な口コミを見かけますが、普段接することのないタイプの清掃道具ですので、出来るだけ客観的にレビューしてみたいと思います。
(※ちなみに、この「スイブルスイーパーG2」というのは、テレビ通販で一世を風靡した「スイブルスイーパー」の最新バージョンです!)



まず、基本的な話としてこのスイブルスイーパーG2は吸引はしません。四方にある回転ブラシをモーターで回して、ゴミを内部に掻き取ります。その為、本体は軽く、重量はバッテリー込みでわずか900gしかありません。
ただ、吸引がない分、弱点もあります。
まず、毎分2000回転の回転ブラシ部でやはり気流が発生するため、ホコリを掻き込まずに遠くに押しやってしまうことがあります。
なので、運が悪いといつまでもホコリを回収できずに、ずっと追いかける羽目になります。(笑)
その場合には、違う角度から取り込ませることで解決するのですが。
また、実験として米粒を掃除させてみましたが、固形物は弾かれることがあります。通常は内部に向かって掃かれるのですが、運が悪いと回転するブラシが固形物の表面を叩き、何と少し遠くへ弾くことがあります。(笑)
更に、これは確率はかなり低いはずですが、内側に向かって弾かれた固形物がダストケースに入るのではなく、スイブルの本体の下を通過し、何と逆側の逆回転する回転ブラシの間隙をぬって、弾き出されることがあります。
ですので、このスイブルスイーパーは、実のところ掃除用具としては多少弱点があるものだと言えるでしょう。
また、吸引はしないのですが、モーターが高速回転しているだけに、運転音はそれなりに大きいです。ビィィィィィィー(ウィィィィー)と、自分でモーターを買ってきて、こういう物を自作したらこういう音が出るだろうな、という遠慮のない高い音が響きます。(笑)
普通の掃除機の音と比べると、やはりそちらの方が大きいと思いますが(…大きいです)、これに関しては好みの問題、何を煩いと感じるかの問題も多少はあるのかもしれません。
そして、スイブルスイーパーを使って、がっかりしたというような感想は、これらの理由から生まれているはずです。
※マイクがスイブルG2の方の音をよく拾っている感もありますが、スイブルはカラッとした高音だけで音が大きく、掃除機(これは日立製安物サイクロン)だと低音からキュイーン的な高音まで、という感じですね。
ただ、大々的に売っているだけあって便利な側面もあります。
まず、ヘッドが普通の掃除機用よりふた回りほど大きく、一度に掃除できる面積が広いです。
しかも、特にフローリングにおいてはどの方向にでも軽々と動くため(回転ブラシの高速回転で、ブラシが本体を微妙に浮かせる形となります)、ストレスがまずありません。(ゴミを取り逃すのがストレスだと言えばそうですが、ここでは移動の話ということで・・・)
この部分は、掃除機というよりフローリングワイパーそのものです。
なので、手軽に楽に掃除が出来ます。
勿論、先に書いたようにゴミの取り込みに失敗することがあるのですが、普通の掃除機でも一度で確実にゴミを吸いこむ訳ではないですし、その場合には再チャレンジすれば問題はありません。
ただ、確実に全てのゴミを取り除こうとすると、普通のキャニスタータイプの掃除機以上に時間がかかると思って良いと思います。
更に、吸引を放棄している分、この製品は可動時間が長いです。
バッテリーが新品の状態でですが、絨毯上で使った場合には30分。フローリングでは45分持つと言われています。コードレス掃除機は普通バッテリーが10分持てば良い方ですので、これらの数値は並はずれています。
また、スイブルスイーパーは、パワーブラシ(モーター式回転ブラシ)式ですので、意外かもしれませんが、絨緞掃除にも向いています(ゴミも逃げないんです!^^)。掃除機では吸い付いてしまう敷物も、吸い付けずに気楽に掃除が出来ます(ただし、毛足の長いものは回転ブラシに巻き込む危険性があるので要注意です)。
ですので、このスイブルスイーパーG2の用途としては、やはりゴミが落ちているのを見つけた時に、手軽にサッと取り出して掃除をするのにまず向いています。
ちなみに、コードレスのスティック/ハンディークリーナーと比べた場合には、こちらの方が床を広範囲を掃除するのに向いていると思います。
まず、ハンディータイプは基本的に床掃除には向きません(逆にスイブルは机の上等は掃除出来ませんが・・・)。
そして、スティッククリーナーの場合には、やはりスイブルスイーパーより重く、気軽さ・手軽さの面で差が出ると思います。スイブルの場合、重心が完全にヘッドにあるので使い勝手も非常に安定していますが、スティッククリーナーはそうではないという面もありますし。
また、コードレススティックタイプだと、(自称)サイクロン式かフィルター式なので、吸引力を維持するためにホコリの散るフィルター掃除が必要です。しかし、吸引しないスイブルスイーパーには、その必要がありません(ただし、回転ブラシの掃除は両者にあります)。
また、この製品には、しまってある掃除機を出すのが億劫な時や、わざわざ掃除機で掃除をする時間がない時に、簡易的に掃除をする用途が考えられます。バッテリーの持ちが良いですので、その際にはバッテリーの状態を気にせず、広範囲を掃除出来ます。
しかも、普通のキャニスタータイプと比べた場合は勿論として、スティック/ハンディータイプと比べた場合にも、収納性に優れています。何と、ほぼ普通のフローリングワイパーと同等の収納性を誇ります(ちょうど下の写真のように、ヘッドと柄を水平にして、狭いすき間に立て掛けることが出来ます)。なので、それ程場所を選ばず、置いておくことが出来ます。
ただ、勿論、この製品は宣伝文句として、掃除はこれ一つでOKなどと言っていますが、やはりそれはちょっとどうかと思います。きちんと吸引掃除をする普通の掃除機はあった方が良いはずです。
写真を撮りましたので、見ながら機能を一通り解説したいと思います。


柄の部分は、このように床に対して水平になります。ですので、ベッドの下等も比較的簡単に掃除出来ます。
ただ、これは多少どうでも良い話ですが、この柄自体は無暗に長いです。そこのところで、やはり外国のものなんだな、と思わされます。
もう少し柄が短ければ、もっと生活にフィットする感じが出ると思うのですが・・・。


これはスイブルスイーパーのG2に限定の機能ですが、エルボー・ジョイントと言いまして、柄の部分が曲がり、屈まずともベッドや椅子の下等掃除出来ます。
これは実は角度調節は不要で、つまみを引いてストッパーが外れた状態になると、人とスイブルのヘッドの動きに応じてクネクネと動き続けます。
実際、普段からその状態で使い続けても何の問題がない程ヘッドは安定しています。
元に戻したい時には、スイブルを前に押しやって引く動きをすると、柄が直線の状態となり、勝手にストッパーがかかります。
ただ、ストッパーを外す際には、多少屈まなければなりませんが・・・。




これらは、回転ブラシ部を覆う透明なカバーを外したところです。カバーの側は水洗い出来ます。


この白い部分は、スーパーフロアスライダーと呼ばれる物です。ここが床に当たりますが、タイヤ式と比べると、こちらの方が床に傷が付きにくいとショップジャパンは主張しています(…多分そうなんだろうと思います)。
これに関しては、回転ブラシが回転している際には、そのブラシの回転がある程度ヘッドを支えますので、電源を入れて動かせば、そんなに擦れる訳ではありません。
また、右の写真をよく見ると、その白い部品の外側に小さなブラシが付いているのが見えると思います。


その部分で壁際を掃除できるのですが、透明なカバーが付く分、どうしても2mm程度壁まで届きません。
吸引もありませんので、結局壁際はきちんと掃除出来ません。


ゴミ捨て時には、両側にあるこの黒い部分を内側に同時に抓むことで、底の部分のカバーが開きます。


単に開いてゴミが下に落ちるのですが、開閉部が大きいので、普通のゴミ箱の上ではちょっと捨てにくいです。ヘッド部分を縦にしてゴミ箱の中に入れ、そこで蓋を開ける必要があります。

この写真はよく見ると、窓状の部品が外れているのが見えると思います。実は両側にある半円状の部品の(写真上での)こちらだけが、フィルター状になっていて外すことが出来ます。どうやらゴミと共に空気も内側に掻き込むようで、空気を逃がす窓が必要となるようです。ただ、勿論これでゴミを空気から分けている訳ではありませんので、これの清掃は基本的に不要です。
ちなみに、向こう側は透明なプラスチック製となっていて、中を覗きやすくなっています。


これはバッテリー部です。


下部には電源スイッチが付いていますが、使用時には若干屈まないとオン・オフ出来ないので、結構不便です。
右の写真はバッテリーを外した状態です。


バッテリーと充電器です。
充電開始時には赤いランプが付きますが、充電が完了すると緑のランプが付きます。
アダプターまで赤いのには感心しました。


これは回転ブラシのお掃除ツールです。
回転ブラシには絡みついた髪の毛を取るのが主な役割です(出来ることなら髪の毛を掃除するのは避けた方が・・・)。
両側が強固な金属製で、とてもお掃除道具には見えません。
その気になれば、脱獄のためのトンネルだって掘れそうな恐ろしい一品です。

普段はこうやって本体に装着して保管します。


これもスイブルスイーパーG2のウリですが、縦にして磁石でくっ付けて安定させることが出来ます。右の写真の上部の丸い部分が磁石で、写真下部の小さな銀色の四角い部分とくっ付きます。


これもG2限定のようですが、柄の先端がゴム製で、壁に立てかけた時滑りません。
このゴム質が妙に良く、右の写真の角度程度まで柄を支えます。
最後にこのスイブルスイーパー(G2)の使用者の向き不向きを言いますと、やはり極めて真面目に掃除道具を探していらっしゃる方にはあまり向かないかもしれません。掃除道具として完成度が高い訳ではありませんので。
逆に、こういう面白いものがあるのか!と遊び心がある方は、多少掃除能力に難があっても、喜んでお使いになるのではないでしょうか。多分、お使いになるのがお子さんであれば、かなり喜んで使われるものと思います。
ちなみに、ウチの母親は、「こんなやつがあるなら、紙のやつ(普通のフローリングワイパー)を買わなくて良かったのに!」と言って喜んでいました。フローリングワイパーとは違ってゴミを内部に掻き込む為、最後にゴミが残らないのがやはり良いようです。
ただ、価格は告げていませんが。(笑)
関連ページ:
・シャークスチームモップの口コミ(こちらは上出来だったりします)
関連サイト:
・オークローン(※=ショップジャパン)、「スイブルスイーパー」の類似品を販売したアイリスオーヤマを提訴(家電Watch)
・「コードレススイーパー」をお買い上げのお取引様、お客様へ 〜商品販売を全面的に中止〜(アイリスオーヤマ公式サイト)