この度、ダイソン(dyson)社から 「エアマルチプライアー」(Air Multiplier)なる "羽根のない扇風機" (羽根がないと誤解される扇風機)が発売となります。
ダイソン社の販売する製品は、掃除機、業務用ハンドドライヤー(トイレのやつ)に続き、今回の扇風機で何とまだ三種類目ということになります。
この 「エアマルチプライアー」 、確かに見た目では大きな輪っかがあるだけで羽根が見当たりません。しかし、下の土台部分の内部には、当然羽根のある送風機が入っているはずです。そうでなければ原理的に風は出ません。(笑)
※肝心のその送風扇の写真、ありました! 「ミックス フロー インペラー」といいます。
その後の仕組みとして、土台から吸って輪から吐き出した空気が、輪の前後に存在する元の15倍の空気を巻き込んで、風を届けるらしいですが、勿論(…多分)この世に魔法はありません。なので、15倍の空気を動かそうと思えば、元の空気の "量" はともかく、確実にそれだけの運動エネルギーが必要となります。そして、少量の空気がそれだけの運動エネルギーを持っているということは、 "量" ではなく、 "勢い" としてエネルギーを持たされていることになります。つまり、土台部にあるはずの小さめのファンが超高速回転をし、少量の空気をとんでもない勢いで輪の部分に送っていることになります。
その結果としては、音が煩くなるはずなんですが・・・。
風量はつまみで細かく調整できる。弱風時は普通の扇風機の強風時程度の騒音だが、強風時はやや大きな騒音がし、静かな場所だとちょっと気になりそうだ。(Itmedia[「羽根のない扇風機」を見てきた Dyson、日本でも11月発売])
弱風時で普通の扇風機の強程度の騒音が出るとは、さすがダイソンです。掃除機での評判をそのまま受け継いでいます。
(※2012年度には、AM01テーブルファンでは、音質が大きく改善されたとあります。⇒マイコミジャーナル)
ただ、実際音を聞いてみると(YouTubeですが)モーター音やファンの風切り音というよりは、本当に空洞を風が吹き抜けるような音です。…モーターは超優秀なのかもしれません。
「DC31」は、新たにダイソンデジタルモータV2(DDMV2)を搭載し、軽量、小型、ハイパワーを実現。ブラシレス構造と強力なネオジム磁石および軽量で壊れにくい炭素繊維強化ポリマー製のターボチャージャ3D回転翼を採用した新型モータは最高10万4,000rpmで回転し、同社によればこの速度は前モデル「DC16」が搭載していた従来型モータの約3倍、F1レーシングカーの約5倍、ボーイング747の約10倍の速さだという。(マイコミジャーナル[回転速度は747の10倍! 最強ハンディクリーナー「ダイソンDC31」])
この時期に発売になるということは、このDC31のモーターと同系列のモーターなんでしょうし(音については何も触れられていませんが ^^;)。
ケーズデンキに実機がありましたので、見てきましたが、多少五月蠅い店内では空洞を通り抜けるような音はありませんでした(動画ではマイクが敏感に拾ったのかも)。五月蠅いと言われるのはモーター音のようで、最弱風にしても、ビィーというモーター音がはっきり聞こえます。最強モードだと、回転して物を削る電動工具か何かを(削らずに)空回ししている音を少しソフトにしたような音になります。
また、風質としては、驚いたことに、ないはずの風のムラが実はあります。乱気流の一種なのか、それともファンが空気を切った痕跡なのかはよく分かりませんが、単に空気が動いているだけという風質では全くありません。なので、単に普通の扇風機より柔らかい風が届くというだけです(なので、そこを評価するかが一番の問題)。
全体的な印象としては、エンジニアが自分たちの仕事場用に、思いついてとりあえず作ってみた物、といった感じでした。形は写真の通りで非常に綺麗でしたが。
この「エアマルチプライアー」の長所として、羽根がないので掃除が楽とありますが、羽根は内蔵されているので、実際の話としては羽根の掃除(空気の吹き出し口ではなく)は出来ないでしょう。ただ、内蔵されていてホコリを被ることはないので、羽根も汚れにくく、また、汚れたとしても見えないという長所が実際にあると言えるでしょう。
・・・ただ、実のところ、扇風機の羽根を掃除するのなんて、夏の終わりに扇風機をしまう時だけではないでしょうか。しかも普通は留金を外すだけなので、特別な面倒はありません。よく考えれば少しおかしいのですが、上手い宣伝文句だと感心します。
また、
羽根が空気を切るため空気の流れが不均衡になっていたが、この扇風機ならむらなく空気を送れるという。(Itmedia)
風を作る羽根が超高速で回る上に、空洞の中で風が壁に当たることにより、風のむらが消える(殆どなくなる)のかもしれません。
あと安全は確かに安全でしょう。羽根が露出していないので羽根に触ることは出来ないですし、送風モーターは土台に収納されていて、上部は空洞の部品のみですので、安定感は抜群のはずです。なので、小さなお子さんのいらっしゃるご家庭には良いかもしれません。
※価格は変動します。時価はリンク先にてご確認下さい。
2013年度型
・AM02LF リビングファン | |
・楽天 ・amazon ・口コミ・評価: ※前年度までの「AM02(N)タワーファン」より、13cm低くなっています ・本体重量:3.14kg ・サイズ:高さ87.7cm×奥行25cm×幅25cm(底の薄い円形の板の直径が25cmであるよう) ・色:シルバー&シルバー、アイアン&サテンブルー ・リモコン付 ・土台部で吸った空気の約16倍(サイズ減でも16倍のままのよう)の風量を送風 | |
2013年度には、下の「AM01N30」に、ブラック&ニッケル色モデルも追加されています。
2012年度型
・AM01N30 テーブルファン | |
・楽天 ・amazon [レビュー有] ・口コミ・評価:感想(_件)を参照 ・本体重量:1.77kg ・色:ホワイト&シルバー、アイアン&サテンブルー、ブラック&ニッケル(2013年に追加) ・土台部で吸った空気の約15倍の風量を送風 | |
・AM02N タワーファン | |
・楽天 ・amazon [レビュー有] ・口コミ・評価:感想(_件)を参照 ・風量:テーブルファンの1.3倍 ・本体重量:3.38kg ・サイズ:高さ100.7cm×奥行25cm×幅25cm(底の薄い円形の板の直径が25cmであるよう) ・色:ホワイト&シルバー、アイアン&サテンブルー ・リモコン付 ・土台部で吸った空気の約16倍の風量を送風 | |
・AM03N フロアーファン | |
・楽天 ・amazon [レビュー有] ・口コミ・評価:感想(_件)を参照 ・風量:テーブルファンの1.5倍 ・本体重量:4.36kg ・サイズ:高さ140.8cm×奥行28cm×幅45cm ・色:ホワイト&シルバー ・リモコン付 ・土台部で吸った空気の約18倍の風量を送風 | |
…実は2012年4月から販売されている製品から、上の3機種は型式が変わっています。
- AM 01 30 IB ⇒ AM 01 N 30 IB (テーブルファン・ブルー)
- AM 01 30 WS ⇒ AM 01 N 30 WS (テーブルファン・ホワイト)
- AM 02 IB ⇒ AM 02 N IB (タワーファン・ブルー)
- AM 02 WS ⇒ AM 02 N WS (タワーファン・ホワイト)
- AM 03 WS ⇒ AM 03 N WS (フロアーファン)
更に、テーブルファンでは以前あった25cmバージョンがなくなり、30cmバージョンのみとなっています。
また、そのテーブルファンのみ、土台内部のファンが改良されて、少し静かになったとされています。私も実際、ケーズデンキで新バージョンの実機を見ましたが、タワーファンやAM04 ホット&クールより、音が軽く、静かになっている気がしました。
尚、タワーファンとフロアーファンの変更点は不明(スペック変更はないはず)で、AM04では型式の変更はありません。
また、そのAM04では、空気の巻き込みの効率が低いようで、土台部で吸った空気の約6倍の風量を送風するとされています。
…従来品(+新型式も混入)
卓上・直径30cm型(2009年11月2日発売)
・AM01 Air Multiplier テーブルファン 30cm ― ― ― | |
・楽天 ・amazon [レビュー有] ・口コミ・評価:感想(_件)を参照 ・本体重量:1.78kg ・色:ホワイト&シルバー | |
卓上・直径25cm型(2009年11月2日発売)
・AM01 Air Multiplier テーブルファン 25cm | |
・楽天 ・amazon [レビュー有] ・口コミ・評価:感想(_件)を参照 ・本体重量:1.72kg ・色:ホワイト&シルバー、アイアン&サテンブルー | |
床置き・楕円型(2010年9月1日発売)
・AM02 Tower / タワーファン | |
・楽天 ・amazon [レビュー有] ・口コミ・評価:感想(_件)を参照 ・風量:テーブルファンの1.3倍 ・本体重量:不明 ・サイズ:高さ100.7cm×奥行25cm×幅25cm(底の薄い円形の板の直径が25cmであるよう) ・色:ホワイト/シルバー、アイアン/サテンブルー ・リモコン付 | |
床置き・直径45cm型(2010年9月1日発売)
・AM03 Pedestal / フロアーファン | |
・楽天 ・amazon [レビュー有] ・口コミ・評価:感想(_件)を参照 ・風量:テーブルファンの1.5倍 ・本体重量:不明 ・サイズ:高さ140.8cm×奥行28cm×幅45cm ・色:ホワイト/シルバー ・リモコン付 | |
⇒長期レビュー ダイソン「エアーマルチプライアー タワーファン&フロアーファン」
(※詳細画像 ⇒「ダイソン、羽根のない扇風機にタワーファンとフロアーファンを追加」 by 家電Watch)
Dyson Airblade(業務用ハンドドライヤー/ジェットタオル)
ダイソンによく似た「羽根のない扇風機」
・羽根なし扇風機各種 | |
・楽天 ・amazon ・口コミ・評価:感想(_件)を参照 ・円形部直径:各種 ・本体重量:各種 ・色:各種 | |
本体サイズ、重量、消費電力、首振り角度等ほぼ同一で、コードの長さのみ1.8mと1.18mで本物の方が長いものまでありまして、何故それで訴えられないかは、よく分かりませんでしたが・・・ついに2012年2月8日、AM01の、そして6月5日にAM02の、それぞれの類似品が輸入差し止め措置となりました。(⇒「ダイソンの“羽なし扇風機”の類似品、東京税関により輸入差し止め」by 家電Watch)
ハート形の物も、大きな物はなくなってしまいました。
関連ページ:
・グリーンファン・ジャパン(もう一つの自然な風の出る扇風機)
・コアンダエア(ツインバード製の3つ目の?自然な風が・・・)関連サイト:
・Air Multiplier™ (エアマルチプライアー) by Dyson.co.jp
・ファン&ヒーター(ダイソンオンラインストア/限定モデル有)
・30年を経て甦る、東芝の幻の発明“羽根のない扇風機”(ITmedia)
・ダイソンのトップエンジニアに聞く「air multiplier」の魅力(家電Watch)
・ダイソン、エアーマルチプライアーを使ったユニークな実験を公開(家電Watch)
・ダイソン、“羽根のない扇風機”に風船を通すiPhone用ゲームアプリ(家電Watch)
・暑いオフィスでのダイソンの使い方...らしいですが、衝撃を受けました。イノベーティブですね。。。(Twitter)