ダイソン社のコードレスハンディクリーナー《≒布団クリーナー》は、同社製の床用ヘッド&延伸管付き(縦型)コードレス掃除機、"デジタルスリム" からそれらを取り外し、ハンディ用ミニヘッド+数種のノズルのみを付属して販売しているシリーズです。
これは英語では「Handheld」(=携帯式)タイプと呼ばれます。
※これら3つのノズルは、標準付属品です。
このシリーズは、デジタルスリム(スティッククリーナー)として絨毯を掃除できるパワーがあるだけに、コードレスハンディクリーナーとしては異例のパワーを誇ります。
もっとも、その分価格も異例で、ハンディタイプのそれではない訳ですが・・・。
発売日 | 2015/5/21 | 2013/9/13 | 2011/2/14 | |
機種(個別ページ) | V6 マットレス | V6 トリガー | DC61 | DC34 |
画像 | ||||
吸込仕事率 [※「強」/「通常」] | 100/28W | 65/28W | ||
「強」稼動時間 | 6分 | |||
「通常」稼動時間 | 20分 | 15分 | ||
回転ブラシON時 「通常」稼動時間 | 17分 | 13分 | ||
フィルター | HEPA(※高性能) | 標準品 | ||
回転ブラシパワー | 〇〇 | 〇 | ||
トリガースイッチ | 軽い | 重い | ||
本体/全体重量 | 1.30/1.63kg | 1.22/1.55kg | 1.30/1.53kg | |
充電時間 | 3.5時間 | |||
バッテリー価格 | 8,640円 | 6,480円 | ||
バッテリー交換 | ネジ式 | 前期:ボタン式 (〜2013年5月) 後期:ネジ式 | ||
小サイクロン数 | 15個(2層) | 6個 | ||
フィルター清掃目安 | 1ヶ月に1度 | |||
特別付属品 | フトンツール 延長ホース | ― ― ― | フトンツール | ― ― ― |
発売日 | 2009/9/18 | 2006/10/23 |
機種(個別ページ) | DC31 | DC16 |
画像 | ||
吸込仕事率 [※「強」/「通常」] | 65/38W | 36W |
「強」稼動時間 | 6分 | |
「通常」稼動時間 | 10分 | (1モードのみ) |
回転ブラシON時 「通常」稼動時間 | 10分 | (1モードのみ) |
フィルター | 標準品 | |
回転ブラシパワー | 〇 | |
トリガースイッチ | 重い | |
本体/全体重量 | 0.91/1.53kg | 1.5/1.7kg |
充電時間 | 3.5時間 | 3時間 |
バッテリー価格 | 6,480円 | |
バッテリー交換 | ボタン式 | スライド式 |
小サイクロン数 | 6個 | |
フィルター清掃目安 | 1ヶ月に1度 | 6〜3ヶ月に1度 |
特別付属品 | ― ― ― | 予備バッテリー 付属機有 |
2015年5月発売の「V6」シリーズは、床用ヘッド+延伸管が付属する "デジタルスリム" のシリーズと名称の統合を図っただけで、2013年型の「DC61」とは基本同一品です。
「V6 マットレス」に至っては、「ダイソン社初の布団クリーナー」との謳い文句もありますが、単にボディカラーが独特だというだけで、従来と同じハンディクリーナーであるに過ぎません。
ちなみに、その色は、欧米のドラッグストアのイメージカラーに由来するとされています。
まず、「V6」の2機種(「マットレス」と「トリガー」)の違いは、特別付属品、
の有無だけで、本体は同一です。
「V6」と旧「DC61」の主な違いは、フィルターが高性能なHEPAフィルターになったことと、運転音が少し(※具体的数値未公表)静かになったことだけです。
ただし、「DC61」には "フトンツール" が付属し、"延長ホース" は未付属でした。なので、付属品に関しては、「V6」では増えたバージョン(=「マットレス」)と減ったバージョン(=「トリガー」)とが存在することになりました。
※左右共にフトンツール
「DC61」とその前の「DC34」の違いとしては、吸込仕事率の最大値が約1.5倍になったことと、標準モードでの稼動時間が4分間延びたこと、そしてダイソン純正布団用ノズルの "フトンツール" が標準付属品となったことが挙げられます。
また、強モードに切り替える為の "MAX" ボタンが押しやすいよう低い位置に変更されており、電源のON/OFFを行うトリガースイッチも、長時間使用でも疲れないよう軽いタッチの物に変更されています。もっとも、後者は主にデジタルスリム「DC62」用の改良だと思われますが。
ただ、旧DC34でも、コードレスクリーナーとしてはハイパワーですし、布団用ノズルもなければないで構わず、実のところそれは標準ノズルの "ミニモーターヘッド(モーター式回転ブラシ)" で代用することも可能です。
なので、価格差があればDC34でも悪くはありません。
DC34には、(ハンディ用)ミニモーターヘッドが省略され、メインノズルは通常ブラシが先端に付く "コンビネーションノズル" となる廉価バージョンも発売されています。
しかし、あまり出回っていないからか、価格面でのメリットが基本的にないため、特に考慮する必要はないでしょう。
もし安ければ、購入を考えても良いと思いますが、そのタイプはヘッドに電力供給する仕組み自体が省略されている為、後からミニモーターヘッドや、延伸管と専用床用ヘッドを買って接続しても、回転ブラシを回すことは出来ません。
尚、現在普通に入手可能なのは、ここまでということになります。
おすすめは「DC61」
では、それらの中でどれが一番おすすめかと言えば、「DC61」です。
「V6」では、フィルターの高性能化がウリとなっており、テレビCMでも煙を吸わせてそれが排出されない映像が流れています。
しかし、「DC61」と本体同型のデジタルスリム「DC62」は、英国アレルギー協会の認証を受けており、実はそれらにおいても排気性能は既に十分だったのです。
また、「V6」では、本体後部にフィルターを増設したことにより、親指で操作する強弱切り替えスイッチの "MAXボタン" が押しにくくなってしまっています。つまり、実は操作性が、「DC61」の方がはっきり上なのです。
その上、実売価格約3,000円のフトンツールが標準付属で、価格はそういった形(※長期的には売り切れて上がることがあります)ですので、非常にお買い得です。
バッテリーの脱着と充電方式
この写真のバッテリーが外れている機種は「DC45」ですが、「DC34」の後期型以降、バッテリーを取り外すことが出来なくなりました。
なので、現在ダイソン製のハンディクリーナーでは、充電は原則本体ごとコンセントの傍まで持ち運んで行わなければなりませんし、予備バッテリーを用意して交換しつつ使用することも出来ません。
"原則" というのは、バッテリーはネジで固定されているので、それを一々外せば、バッテリーだけをコンセントの傍らに置いて充電したり、交換しつつ使うことも可能であるはずです。
ただ、そういった使い方は前提とされていないので、バッテリーの頻繁な脱着は、その部分を痛める可能性がないとは言えないかもしれません。
尚、バッテリーの交換に関しては、ダイソン社のサービスセンターに電話をして取り寄せることになります。
ロングパイプと床用モーターヘッドには別売があるものの・・・
これらは、本体はデジタルスリムシリーズと同一(※V6はV6同士で、DC61はDC62と、DC34はDC35と同一)なので、延伸管と床用ヘッドさえあれば、それとして使用することが可能です。
しかし、ダイソンの日本法人は、それらを別売していません。
零細の輸入業者がアメリカ版正規品を販売していることがありますが、品薄であったり割高であったりで、お得とは言えません。勿論、製品保証も付いてこないと思います。
将来は、ダイソンの日本法人が正式に販売することもあるかもしれませんが、2011年2月発売の「DC35」&「DC34」用が未販売のところを見ると、期待は全くもてません。
なので、延伸管と床用ヘッドが必要かもしれない方は、デジタルスリムにしておいた方が良いでしょう(※無難なのはセットで買うことですが、別売でも悪くない価格で買える場合もあります⇒「ダイソン掃除機用オプション品」)。
壁掛け用ブラケットは付属せず
ダイソンのハンディクリーナーでは、デジタルスリムには付属する、壁掛け充電用の「ブラケット」が付属していません。
これには別売品もありますが、ハンディタイプには保管時に邪魔となる延伸管と床用ヘッドがありませんので、別になくても構わないのではないでしょうか。
布団掃除(フトンツール&ミニモーターヘッド使用)
布団掃除にはレイコップよりダイソンの掃除機の方が効果的(家電Watch)。
韓国製のレイコップは、動かしやすさが重視されているので、敷布団だけで比べるとこういう結果となります。
しかし、敷布団と違って自身の重量で固定されない掛け布団では、吸い付きが強過ぎて使いにくいです。
これをダイソン社製のキャニスタータイプ(ヨコ型)と比較する場合には、装着するフトンツールは実は同一品ですので、吸引力で勝るそちらの方が、良い結果が出るはずですが、やはり掛け布団では吸い付きが強過ぎて使いにくいです。
動画ではフトンツールを装着して実験をしていますが、実は何とダイソン社としては、布団掃除には "ミニモーターヘッド" を推奨しています(「ITmedia」)。
※左:ミニモーターヘッド / 右:フトンツール
この公式な理由は不明ですが、ミニモーターヘッドには回転ブラシが付いており、布団表面のチリを掻き取る効果があるのと、それが布団表面を高速で叩くことにより、振動でゴミを浮かせる効果があるからだと思われます。
また、そもそも論ですが、フトンツールは、キャニスタータイプ(ヨコ型)用のノズルであり、元々ハンディ用とは言えない可能性も高いです。
フトンツールとミニモーターヘッドの使い分けとしては、実はフトンツールは、"繊細な生地の布団" 用だとされています。
ミニモーターヘッドには、高速回転する回転ブラシが内蔵されているので、それで擦られるのが嫌な生地には使わないで、ということであるようです。
しかし、フトンツールにもエチケットブラシが隙なく付いていますので、毛羽立ちやすい布には実は使えません。例えば、そのエチケットブラシ部分にテープを貼って隠すなりすれば、そういった布にも使用可能ですが、清掃力はかなり落ちてしまいます。
また、実はミニモーターヘッドの方が、布に吸い付きやすく、掛布団にはちょっと使用する気になれません。
実のところ、フトンツールでも吸い付きが強すぎて、掛布団への使用は困難を伴いますが、それでもミニモーターヘッドよりはマシだと思います。
また、レイコップ等の布団用掃除機の多くはAC電源タイプなので、コードのある煩わしさがあり、しかもコードリール式ではないので、使用する度に一々コードを巻き取る必要まであります。
しかし、その反面使用時間に制限はなく、バッテリー交換の必要もありません。
これがダイソンの場合には、充電式ですので、上の表にあるように使用時間は6分〜20分に制限され、約500回の充放電でバッテリーを交換する必要まであります。
また、レイコップを含む布団用掃除機の多くは、本体を布団に置いたまま吸引を行えますので、使用中には意外と重さは気になりません。
しかし、ダイソンの場合には本体を浮かせたままにする必要があるので、それなりの腕への負担があります。
布団用ノズルは、ダイソン社に特有な物ではなく、国内の有名・無名を問わずの数多くのメーカーから、ごく普通に汎用品が販売されています(⇒「布団用掃除機ヘッド」)。その為、既に掃除機をお持ちの方であれば、この為にわざわざダイソンや布団用掃除機を買う必要はありません。
V6 Fluffy,V6 Animalplo,V6 Motorhead,DC74,DC62,DC45,DC35
V6 Absolute,DC44[※並行輸入品]
ハンディタイプ
V6 マットレス&トリガー,DC61,DC34,DC31,DC16
DC30[※並行輸入品]
関連ページ:
・ダイソンの吸引力の真相(他のコードレスクリーナーの10倍の吸引力)
・シャープ EC-HX150 Cornet(コロネ)(布団用掃除機)
・東芝 VC-CLF1 トルネオVコードレス(布団用掃除機)
・日立 PV-FC100(布団用掃除機)
関連サイト:
・最新のハンディ・布団クリーナー|ダイソン公式オンラインストア
・UVランプには効果がない!? ダイソンが新掃除機で“打倒レイコップ”(日経トレンディネット)