一時期40%まで行ったサイクロン式掃除機のシェアが25%まで落ちたのは、
ユーザーが「たまったゴミを捨てるのが簡単」「ゴミに触れずにたまったゴミを捨てられる」という紙パック式のメリットに気付いたからと言われている。というよりも、実は日本製のサイクロン式掃除機は偽物のサイクロン式掃除機だったと知れ渡ったからだというのが定説だと思います。
特に初期の物を買った皆さんは、フィルター掃除が大変だと悲鳴をあげて逃げ出しました。
そう、特に初期の日本製サイクロン掃除機は、吸引力が落ちない掃除機ではなく、単に紙パックを使わない掃除機にすぎなかったのです。もしくは紙パック式以前にあった「フィルター式」掃除機のサイクロン原理の応用による、フィルターがいくらか詰まりにくくなった方式であると・・・。
吸引力+「きれいな排気」が今後のトレンド?実のところ、高級機では吸引力は頭打ちです。嘘みたいな話ですが、シャープ、東芝、三菱では最安値のモデルの吸引仕事率がハイエンドモデルのそれを超えています。
理由はおそらく、ハイエンド機で必要とされる静粛性を確保するために必要十分の吸引力で抑えているからだと思われます。
ちなみに、二番手以降の機種は普通に吸引力を追及していまして、順調に数字が伸びています。
きれいな排気というのは、必要以上のものを追及しているという意味で、(今後というか現在の)トレンドだと言えるかもしれません。
サイクロン掃除機は、安いものでもHEPAフィルターという塵一つ許されない半導体の製造工場で使われる高性能フィルターを使っているものも多いです。特に、安いものはフィルター以外の部分から排気が逃げる可能性があるでしょうから、実態はどの程度きれいか分かりません。しかし、スペック的には排気は半導体の製造工場の空気並みということになります。
三洋、日立、そしてこの夏の新製品から東芝もハイエンド機でHEPAの更に上をゆくULPAフィルター搭載の機種を発売していますが、正直それは宣伝効果を狙ったもので、実際はそこまで必要ないと思います。特に日立のハイエンド機は、HEPAとULPA同時装備という無駄遣い・・・。
もちろん、アレルギーや喘息持ちの方でなければ、そこまでの性能は実のところ必要ありません。というか唯でさえ、日本人は「無菌室」住まいで弱いなとど言われますが、この傾向は日本の「無菌室化」を更に加速させるかもしれません。
トレンドと言えば、ナショナルの高級機が「エアダストキャッチャー」というものを装備し始め、テレビCMでも散々流したので、ご覧になった方も多いのではないでしょうか。床上30pに漂うハウスダストを床掃除と同時に吸い込むというあれのことです。
実はこの夏・秋から発売された各社の新型機では、これを模倣した機種が多く出ています。日立、東芝、三菱、三洋、とハイエンド機を更新しなかったシャープ以外の各社が真似をしました。これが今後(今とこれから)のトレンドだと言えるかもしれません。
ただ、ハイエンド機は唯でさえパワーを抑えがちだったのに、そういう床での吸引力が落ちるものを付けてしまうと、もっとパワーが無くなるということになります。もっともハイエンド機は性能の良いパワーブラシを付けていますので、影響はそれほどないのかもしれませんが。
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