掃除機選びの基礎知識

掃除機の価格の差はどこで生じているのでしょう?
吸引力だと思われるでしょうか?
しかし、日本製の10,000円程度以上のものであれば、十分なパワーを持つものばかりです。なので、実のところ買う際に大して気にする必要はありません。
全く嘘のような話ですが、シャープ東芝三菱では一番安い機種より最高級機の方がパワーは低いです。その理由は、高級機では目の細かい高性能フィルターを採用しているので、空気がフィルターを通りずらいことと、騒音対策で必要十分なパワーに抑えているからと考えられます。

金額の差が表れやすいのは、まず回転ブラシ部分です。


回転ブラシとは、掃除機のヘッド部にローラーのようなブラシを付け、それを回転させることでゴミを掻き込む仕組みのことです。もちろんそのようなものは付いてない機種も存在します。
しかし、現在それが付いていないのはかなり安い機種のみであり、大抵の機種には装備されています。
そして、その回転ブラシも数種類に分けられます。
吸い込みの風の力で回転する「タービンブラシ(タービンヘッド)式」と専用の小型モーターを取り付けて、それでブラシを回す「パワーブラシ(パワーヘッド)式」です。
そのパワーブラシ式にも主に2種類存在します。回転ブラシがタイヤの役割を果たして自走するものと、そうでないものです。ただこれは、単にモーターのパワーの差ですので、パワーの弱いものからとても強いものまで原則無段階で存在することになります。
更にその中でも特殊なものとして、モーター式の回転ブラシを吸込み口の前後に一つづつ配置し、真中にゴミを集めるように回転するもの(ナショナル製)と、「往復自走」と言いまして、ヘッドを押す時には前に進み、ヘッドを引く時には回転が逆になって後ろに下がるものが存在します(東芝製)。
もちろん、複雑な仕組みになるほど価格は高くなります。
家(部屋)の床が主に絨毯の方にはパワーブラシ式が向くとされ、フローリングや畳メインの方だと、パワーブラシ式でも良いのですが、タービンブラシ式でも一応十分だとされています。

また、サイクロン式が出てからの傾向として、サイクロン式ではフィルターの清掃機能が、紙パック式では紙パックの目詰まりを遅らせる機能が装備され始め、その質でも価格の差が生じます。
最も安いものでは、そのような機能は付いていないものが多いです。そして次に安い部類では、手動でフィルターや紙パックを震わせる仕組みをもちます。その次の部類では電源コードの引き出しや巻き取りの力を利用します。そして最も高価な仕組みとしては、専用モーターの力を使用します。
専用モーターなんてつけたら、いかにも高そうですね。
ただ、各メーカーがそれら全ての仕組みを採用しているわけではありません。
更に特殊な仕組みも存在し、東芝の「Quie」はフィルターのホコリを風で吹き飛ばします。
また、紙パック式では紙パックが詰まって吸い込みが悪くなってくると、モーターの回転数を上げるという仕組みも存在します。
そしてやはり紙パック式では、紙パックが詰まってきた場合にも、空気の流路が上手く確保されるよう専用に工夫されている場合もあります。

他では、やはり価格が高くなるほど、フィルターが高性能になる面もあります。
一応「HEPAフィルター」と呼ばれる半導体の製造工場で使われるような超高性能フィルターが付くとかなり排気は綺麗なはずです。
そして実のところ、安いサイクロン式でもHEPAフィルターを装備している機種は多いのです。
しかし、掃除機の機体の密閉度が低いと排気がフィルターを通らず機外へ逃げますので、高い機種ほど信頼性は高いのかもしれません。エレクトロラックスという海外メーカーのオキシジェン(紙パック式)という掃除機は、何と二重に排気の通るモーター部を密閉しているそうです(掃除機では排気をモーターの冷却に使っています)。その上、HEPAフィルターの中でも特に高性能なHEPA13型を使用することで、相当高い排気性能をもっています。
実はフィルター性能だけならHEPAフィルターより上のULPAフィルターというものがあり、日本製掃除機の何種類かが装備しています。
東京都消費生活総合センターが行った掃除機の排気性能を調べた実験によると、やはりULPAフィルターは性能が良いらしく、三洋のエアシスと思われる機種が最高で、二番目に日立の紙パック式でありながらULPAフィルター装着型の"きれい宣言"が付けています(「G」がオキシジェン、「H」はダイソンと思われます)。
紙パック式に関しては、"きれい宣言"のようにHEPA/ULPAフィルターを付けているものもありますが、一部の機種だけなので、排気性能は基本的に紙パックの性能次第です。少し高いですが、メーカー純正のものを使うと値段に応じて排気も綺麗なはずです。
スーパーで10枚298円で売ってるのなんかを使うと…(笑)。いえ、掃除はきちんとできます!ホウキで派手にホコリを立ててやるのと同じでしょうから。ただ、ホウキでやるより、空気は幾らか臭いかも知れません。(笑)

あとは、3万程度の高い機種になると、吸い込みのパワーの自動調節機能を装備し始めます。それによって絨毯への吸いつきを抑えたり、節電になったりするそうです。
これはいかにも豪華装備といった感じですね。

更にその他では、高めの機種になると、主にふとんブラシ(布団用掃除機ヘッド)が付くかつかないかで型番が別れる場合があります。ふとんブラシの型が専用装備のものもあるのですが、別売りで買える場合もありますので、ふとんブラシが気になる方はどうやれば得なのかを、時価に応じて考える必要があります(笑)。
ただ、もちろん安い機種に別売のふとんブラシを買って付けることも可能ですので、高い掃除機を買う方だけがふとんブラシに縁があるわけではありません。
ふとんを叩いてホコリを出すより、ふとんブラシを付けて掃除機をかける方が良いらしいので、余裕のある方は別売品をお買い求めになることもできます。

また、高い機種では、排気の向きが上向きになる場合もあります。もちろん排気で床のホコリを舞いあげないためです。

そして後は静粛性です。やはり基本的に高いものの方が静かです。静かにするためにわざわざ技術を開発したりしています。そしてその技術を採用する高級機ほど高くなるという仕組みです。

〜 まとめ 〜
掃除機選びで主に注目するポイントは、やはり今挙げた上から二つ、ヘッドの種類と、フィルターや紙パックの目詰まり防止機能ということになると思います。
赤ちゃんがいたりすれば、排気の性能や、静粛性が主なポイントとなることも考えられますし、喘息やアレルギー(花粉症)もちの方には、やはり排気性能が気になるものと思われますが。