マキタ掃除機比較

日本の電動工具メーカー・マキタ社製掃除機コードレスハンディタイプ(スティックタイプだと言われることもあります)は本来業務用で、新幹線車両内清掃で使用されていることで有名です。

しかし、その性能の高さから、一般家庭でも手軽に使える2台目の掃除機として使われ、有名ブランド化しています。

通販生活」という有名な通販カタログで、 "ピカイチ道具" として推奨されていることでも、一部で有名です。


▼選び方

マキタのコードレス掃除機の現行型は全部で11種類(+通販生活用型番2機種&エディオン用型番1機種)ありますが、

  • ゴミ捨ては清潔なものの、紙パック代が必要で、その交換なくしては吸引力を回復できない紙パック式
  • 紙パックは必要ないが、ゴミ捨てとフィルター掃除が不潔なカプセル集塵式(=フィルター式)

で選ぶのが第一の選び方です。


紙パック式(CL102DW)カプセル集塵式(CL100DW)

【縦】左:紙パック式 /右:カプセル集塵 【横】左:紙パック式 /右:カプセル集塵
紙パック式/カバー開 紙パック式/紙パック脱状態
カプセル集塵式/プレフィルター カプセル集塵式/メインフィルター
カプセル集塵式/奥はモーター カプセル集塵式/カプセル側内部

実際手に取ってみると、横向きの写真では分かりやすいですが、紙パック式の方が少し大きく、重量も120g重いです。モーターは同じのはずなので、少し扱いやすい分、カプセル集塵式が基本に思えます。しかし、やはりフィルター掃除をする気がないのであれば、紙パック式にすれば良いでしょう。

私はフィルター掃除が必要となる程には使っていないのですが、紙パックは1枚40円程度で、フィルターは1枚70円程度ですので、予備を買っておいて片方は汚れたら丸洗いしてしまう。あるいは、場合によっては使い捨ててしまうのもありかもしれません。

他の掃除機(特には紙パック式)で、フィルターに付いたゴミの殆どを吸い取ってやるというのも、現実的な方法であるように思います。

紙パック&ダストバッグ マキタ&パナソニック「AMC-HC11」

紙パック式に関しては、洗って繰り返し使える不織布製の "ダストバッグ" (左の写真の右側)も存在しており、何と本体を買うと1枚付いてきます。

これは実のところ、紙パック式で使えるフィルターだと言えば、確かにそういうことにもなります。しかし、どうも元々紙パック(とカプセル集塵式のフィルター)よりも目が粗いようで、更に何度か洗うと傷み始めるようです。

この価格は120(送料別)程度ですが、なので紙パックよりも絶対良いという訳でもありません。マキタ社による扱いも、あくまで紙パックの補助のようですので、やはりそのつもりで扱うのが良いでしょう。

ただし、ペットの毛等大きなゴミ用とするのであれば、適した使い方かもしれません。例え紙パックが一杯になっていなくても、他との交換は可能ですので、そうした方が良い場合にはそうしても良いのではないでしょうか。

右の写真は、パナソニックの通常サイズの紙パックとの比較です。

マキタ製紙パックは330mL(ダストバッグは500mL)、パナソニック製の通常サイズ品は1.6L収容可能だとされています。しかし、後者一般は掃除機本体のサイズを考慮に入れずにゴミを押し込めば、2.0Lは入るようであることもあり、見た目としてはもう少し差があるようにも見えます。

このマキタ製を実際に手に取ってみれば、大抵、見たことのない大きさの紙パックだ!と感心されるものと思います。

第二の選び方としては、

  • 床掃除をする等での数十秒〜数分間の連続使用がメインであるか(ボタン式紙パック式)
  • 気が付いた時にゴミを吸わせる短時間使用がメインであるか(トリガー式カプセル集塵式)

が挙げられます。

実はマキタでは、ハンディクリーナーの電源スイッチの形態が、"ボタン式""トリガー式" に分かれています。

ボタン式(CL102DW) トリガー式(CL100DW)

"ボタン式" では、親指を本体上面のボタンにグイッと伸ばさなければならないので(手の大きさにも拠ります)、手軽にON/OFFすることが出来ません。その代わりに、一度スイッチを入れてしまえば、持ち手を持つ手の位置をずらしたり、本体の持ち手ではない部分を抱えて使うことすら可能です。なので、長時間使用に適します。

また、実はボタン式でのみ、吸込の強/標準(=弱)の切り替えが可能です(トリガー式では常に強モード)。ただし、標準(弱)では、使用可能時間こそ伸びるものの、著しく吸引力が弱いので、実際には使い道がないと思えます。

"トリガー式" では、常に指がスイッチにかかっているのでスイッチを入れやすいですし、また、吸引させたい時だけ人差指を引いて電源を入れれば良いので、充電池の電力の節約にもつながります。

しかし、この場合弱点として、人差指を引き続けなければなりませんし、その間に手の位置を少しでも変えることが出来ません。なので、長時間使用には向きません。

それらは、持ち手の形状が少し異なり、そのせいで実は持ちやすい箇所も異なっているため、ボタン式の方が比較的後方を掴む羽目に陥っています。

双方の電源スイッチ方式は、ボタン式は紙パック式に、そしてトリガー式はカプセル集塵式にとそれぞれ組み合わされて固定されており、自由に選ぶという事は出来ません(リチウムイオンタイプの「CL141FDRFW」のみ例外で、ボタン式とカプセル集塵式の組み合わせとなっています)

そして第三の選び方としては、吸込仕事率の数値、つまり吸引力です。


マキタ ニューシリーズ・リチウムイオンシリーズ


型番紙パック式カプセル
集塵式
タイプ重量
(本体)
吸込仕事率
CL182FDRFW超強力型1.5kg30W
CL180FDRFW超強力型1.4kg30W
CL142FDRFW強力型1.4kg25W
CL141FDRFW強力型(例外)1.3kg25W
CL140FDRFW強力型1.3kg25W
CL103DX通販生活専売1.0kg27W
CL105DWターボ型1.0kg20W
CL102DW標準型1.0kg14W
CL100DW標準型0.88kg14W
CL072DS標準/短時間0.98kg14W
CL070DS標準/短時間0.81kg14W
参考
SV09/SV08/
SV07(ダイソン)
サイクロン ― ― ―1.29kg100W
HH08/DC61
(ダイソン・ハンディ)
サイクロン ― ― ―1.30kg
1.22kg
100W
こまめちゃん(日立)(コード式)2.1kg240W

2016年1月現在最新版です

マキタ製コードレスハンディクリーナーは、以前より吸込仕事率は14Wが標準となっています。

例えば、普通のヨコ型の紙パック式掃除機(AC電源型=コンセント接続型)だと、7,000円程度で買えるものでも500Wはありますので、14Wというのは大変低い数値です。

しかし、1万円程度のコードレスタイプは、予算的に使える部品のスペックに大差はありませんので、これ位が普通でして、他社製も同程度の吸引力しかありません(非公表も多いです)。

吸込仕事率がこのように低くても問題とならない理由は、それに比例して吸込口自体も小さく、また、そもそもコードレスなので、吸引力は低くても仕方がないと割り切られている所にあると思います。

なので、普通の掃除機の代わりに使おうとするなら結構無謀で、あくまで手軽に使える2台目の掃除機というのが、このタイプの位置付けとなります。

マキタの吸込仕事率のトップは30Wですが、例えばホコリを吸い込ませようと思うのであれば、吸引力自体より、吸引口にブラシがあるかが実は重要だったりします。もっとも、ホコリを吸い込むというより、ブラシにホコリがくっ付いてそのままになることも多いですので、その場合、ホコリ取りのハンディモップの方がマシだという話にもなりかねませんが。

ラウンドブラシ 棚ブラシ

CMで有名なダイソンと比べれば、勿論ダイソンの方が良いのですが、価格も相当高めで、ヨコ型掃除機の高級機が買える価格となってしまいます。

どのメーカーの物であれ、性能は基本価格に比例していますので、無名メーカー製ではない物を予算に合わせて選ぶのが、一応無難な選び方になると思います。


◆ リチウムイオン充電池の特徴

ところで、マキタ製の旧シリーズが旧世代的なニカド充電池を採用していたのに対し、この新シリーズは、高性能充電地として有名なリチウムイオン(Li-ion)バッテリーを採用することでの、リニューアルが計られたものとなっています。

その特徴としては、

  1. 小型・軽量
  2. 継ぎ足し充電が可能
  3. 長期保存に強い

となっており、高性能をウリとする充電式の製品では、現在ほぼ標準の充電地となっています。

現在、旧シリーズにも生産・販売中の製品がまだありますが、なので、価格はともかく性能面を見るのであれば、新シリーズの製品を選ぶのが好ましく、これは第四の選び方だと言うこともできます。

また、この理由により、マキタ製以外を購入するにしても、リチウムイオンバッテリーを採用している製品を購入するのが好ましいです(やはり価格は高めとなりますが・・・)。

ニカド充電池採用・旧4000シリーズ


ニカド(ニッケル・カドミウム)充電池は、従来充電式の製品によく使われているバッテリーで、マキタも以前はこれを採用していました。しかし、有害なカドミウムを使わないニッケル水素型の普及や、高性能なリチウムイオン型の台頭により、徐々に立場を狭くしています。

こちらの旧シリーズでは、新シリーズとは違ってもう一つ選択の要素があり、内蔵バッテリー式カートリッジバッテリー式で分かれています。

バッテリー内蔵式は、要するに不便ながら安いタイプで、新シリーズではほぼ全機種使い勝手の良いカートリッジ式が採用されています(通販生活専用の「CL103DX」と、その市販版「CL105DW」を除く)

内蔵式は初期にはユーザーが自分でバッテリー交換を出来ず、メーカーに送らなければならないという大きな欠点があったのですが、後に改良されてユーザー自身による交換が可能となっています。

旧シリーズは、既に大半が生産終了となっており、現在も生産・販売されているのは「4070DW」と「4076DW」のみとなっています。それらは両者共バッテリー内蔵式で、安いことに存在意義が残っているのがその理由だと思われます。

比較的新しい「4076DW」であれば、ユーザーによるバッテリー交換が可能で、ボディが新シリーズの下位系と同系列で運転音も抑えられており、価格面での優位性を含めれば、現在も新シリーズと同等の競争力を有しています

しかし、もう一方の「4070DW」は本当に古く、ユーザーによるバッテリー交換も不可能ですので、お勧めはできません。

バッテリー in 本体 バッテリー2
バッテリー in 充電器

マキタ製コードレス掃除機の "カートリッジバッテリー" とは、このような仕組みです。黒い物が充電池で、横のよく分からない色の物が充電器です。

単に、紙パック式かカプセル集塵式かの違いであれば問題ありませんが、本体の対応する電圧=V(ボルト)の数値が違うと、つまり型番が全く別の物だと、バッテリーの接続部の形状が違いますので、本来の対応品とは異なるバッテリーの装着は、出来ない構造になっています。


一般に充電式のタイプは吸込仕事率は未公表で、マキタ製も旧シリーズではそうだったのですが、2008年8月発売の4076DWでは、吸込仕事率は「強」14W、「標準」5Wと公表されています。他の未公表機種も、それと同等、もしくはそれと前後する程度の数値でしかないはずです。

なので、旧シリーズは、充電池の性質だけではなくパワーの面でも、新シリーズとはまともに比べることは出来ません。


現在も継続展開中の旧シリーズ機種

▼運転音

マキタの紙パック式はカプセル集塵式より120g重いですが、実はその差は遮音性に顕著に現れます。

つまり、紙パック式の方が運転音は若干静かです。これは旧シリーズの方が、その傾向が強かったようですが。

困ったことに、こうやって録音してみると違いが分かり辛いです。

しかし、直接聞くと、左のカプセル集塵式の方が高音がキツく、右の紙パック式の方は全体的に音がこもる感じです。

両者とも、タイプ的に所詮吸引力の低い充電式掃除機に過ぎず、大差はないので、あまり気にする必要はありません。しかし、それでも夜に使おうとすると、スイッチを入れる際の心理的抵抗感が、紙パック式の方がずっと低いです。

なので、夜も出来るだけ気軽に使いたいというような方は、紙パック式にしておいた方が無難だと言えるでしょう。

音のせいで、感覚的には紙パック式の方が吸引力が若干弱いとの印象すら持ちますが、そういう訳ではないようです。

尚、紙パック式の動画内でのみ、途中で音が小さくなりますが、それは「標準(弱)」モードへの切り替えによるものです(カプセル集塵式は、トリガースイッチなので、「強」のみの1モード制)。それだと確かに静かで、稼動時間も延びますが、吸込仕事率は14W⇒6Wと半分以下に落ちてしまいます。

▼所感

ヘッド・延伸管・すき間ノズル1 ヘッド・延伸管・すき間ノズル2

これらのヘッドと延伸管、そしてすき間ノズルは、普通に標準付属品です。

これらの写真とは別に、延伸管の先端にすき間ノズルを付けて使うこともできますし、その使い方が意外と便利だったりもします。

マキタを使った感想としては、ああ、一応使えるね、といった感じです・・。床面を含めてのチョイ使いには、丁度良いのではないでしょうか。実のところ、私の買った機種(「CL102DW/CL100DW」)吸込仕事率14Wというのは、やはり決して吸引力が強いということはありません。

ところで、紙パック式とカプセル集塵式の両方が何故手元にあるかと言うと、私はフィルター掃除が嫌だったので、最初に紙パック式を買いました。しかし、本体だけなら、カプセル集塵式も4,000円程度で買えると気が付き、追加で買ってしまいました(…勿論上の写真の為です)

普段私がカプセル集塵式と紙パック式のどちらにバッテリーを装着しているかというと・・・実は後から買ったカプセル集塵式です。手に取って比べてしまうと、大きさ・重さ共に少し差がありますし、私は気付いた時にホコリを吸わせる程度の短時間使用がメインですので、電源スイッチがトリガー式であるカプセル集塵式の方がずっと扱いやすいのです。


関連ページ:

マキタ掃除機/紙パック・フィルター&オプション
ラウンドブラシ棚ブラシホース

マキタ製バッテリー&充電器

CL180FDSHW[エディオン用](下位バッテリー&下位充電器付属例外機)

CL140FDSFW[通販生活用](下位充電器付属例外機)

マキタ掃除機の型番法則解説

コードレス掃除機比較

ボッシュ GAS18V-LI/PAS18LI[ライバル機種]

日立工機充電式クリーナー[ライバル機種]

リョービ充電式クリーナー[ライバル機種]

±プラマイゼロ XJC-Y010[ライバル機種]

アイリスオーヤマ IC-SLDC1[ライバル機種]

コードレスハンディクリーナー/コード式

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マキタ業務用掃除機(集塵機)

ダイソン掃除機比較[コードレス][ハンディ+スティック2WAY]

シャープ EC-SX310/EC-SX210[ハンディ+スティック2WAY]

東芝 VC-CL1200,VC-CL200[ハンディ+スティック2WAY]

三菱 HC-VXE20P iNSTICK[ハンディ+スティック2WAY]

エルゴラピード・リチウム[スティック+ハンディ2WAY]

日立 PV-BC500 パワーブーストサイクロン[スティック+ハンディ2WAY]

パナソニック MC-BU100J[スティック+ハンディ2WAY]


関連サイト:

株式会社マキタ公式サイト(大手電動工具メーカーです総合カタログ)

最新スティッククリーナー5機種の実力をガチ比較 前編 〜ダイソン、エレクトロラックス、東芝、シャープ、マキタ 一番吸うのはどれだ!? (家電Watch)

断言! コードレス掃除機は「ガテン系」マキタに限る(日経トレンディネット)

マキタの掃除機 どれがいい? : 発言小町 : 読売新聞

俺は草刈だ!のマキタが、シャープとロボット芝刈り機を開発へ、1〜2年以内に事業化(日刊工業新聞) [シャープ・ロボット掃除機「ココロボ」]

18Vリチウムイオンバッテリで使用できる業務用ロボットクリーナを発売(マキタPDFファイル)[通常型掃除ロボットが先行発売「RC200DZ ロボプロ」]

右上がその完成品、ではなく、あの有名自動車メーカー・本田の自動芝刈り機(日本未発売)です。マキタ×シャープは、ホンダとガチンコなのです(笑)。