"ダイソン(Dyson)のサイクロン掃除機"
自分で掃除をする人なら1度は使ってみたいと思うものと思います。
しかし、外国製なので3種類位を大味に売っているかと思いきや、ダイソン製は過去型番がいつまでも継続販売されているので、手に入る種類が多いのです。
なので、素人(?)が高いのを承知でせっかく買おうと思っても、どれを買ったら良いかは、なかなか分かりにくいと思います。
ですので、ここでは出来る限り、分かりやすくまとめてみようと思います。
尚、機種ごとの解説ページもありますので、お時間のある方はそちらも合わせてご覧下さい。
発売日 | 2015/10 | 2014/4 | 2013/3 | 2012/9 | 2011/10 |
機種 | CY24 | DC63 | DC48 | DC46 | DC36 |
画像 | |||||
ヘッド | フラフィ・CF | 軽量・CF | CF | ||
吸込仕事率 | 170W | 170W/ 160W | 170W | 180W | 170W |
フィルター | 言及なし | HEPA | 言及なし | 標準品 | 準HEPA |
フィルター掃除 不要期間 | 1年間 | 3年間 | 4年間 | ||
小サイクロン数 | 24個(2層) | 10個 | 32個(2層) | 12個 | |
本体重量 | 2.72kg | 2.75kg | 2.7/2.8kg | 4.1kg | 4.0kg |
※「CF」とは回転ブラシに導電性の "カーボンファイバーブラシ" を採用したヘッドです。
※「HEPA」とは高性能フィルターの代名詞 "HEPAフィルター" を表します。
※「小サイクロン数」とは、ゴミの回るのが見えるダストカップ部ではなく、その上に見える凸凹した部分にこそ高遠心分離力のサイクロン構造があるのですが、そこで幾つのサイクロンを発生させているかを表します。原則的にその数が多い方が、遠心分離力で優れていることになります。
発売日 | 2009/4 | 2007/12 | 2006/9 | 2004/6 |
機種 | DC26 | DC22 | DC12plus | DC12 |
画像 | ||||
ヘッド | 後期・CF 前期・旧型 | 旧型 | ||
吸込仕事率 | 170W | 210/200W | 210W | 210/200W |
フィルター | HEPA | |||
フィルター掃除 不要期間 | 2年間 | 7年間 | 1年間 | 半年間 |
小サイクロン数 | 10個 | 14個 (※+CS×1) | 5個 | |
本体重量 | 3.3kg | 4.8/4.9kg | 4.0kg | 4.0/4.1kg |
※「CS」とは、DC22でのみ採用された、特殊なサイクロン部位の "コアセパレーター" を表します。
ダイソン社のキャニスター型掃除機のシリーズは、同じ型番でも大きくは、
- motorhead(モーターヘッド)
- turbinehead(タービンヘッド)
の2種類に分けられます。
「motorhead(モーターヘッド)」は、ヘッドにモーター式回転ブラシを内蔵した機種で、「turbinehead(タービンヘッド)」は、ヘッドにタービン式(風力式)の回転ブラシを内蔵した機種となります。
それらの選び方としては、ご自宅の床がフローリングメインであれば、タービンヘッドで十分、そして絨毯メインであれば、モーターヘッドの方が好ましいとされています。
モーターヘッドの方が明らかに高性能なのですが、モーターを内蔵する分で重く、そして価格も高くなるのと、タービン式ではやはりパワーの面で劣ることから、一応基本的にはその2種類が販売されています。
ただし、2015年10月発売の「ダイソンボール フラフィ(CY24)」では、従来弱かったフローリング上の固形ゴミに対応した新種の特殊モーターヘッド「Fluffy(フラフィ)〔↓〕」が登場しています。
これは、2014年10月発売のコードレス機「DC74」で初採用されていたものですが、キャニスタータイプ用にアレンジされて装備されているはずです。
これにより、モーターヘッドは2種類が併存する形となり、タービンヘッドは、実は最新のボディ機種ではラインナップから外されています。
ヘッドに回転ブラシを内蔵していない、昔ながらのヘッドの機種は、2005年3月の発売の「DC12 entry」以来、日本での正式な発売はありません。
たまにあることもありますが、基本的に並行輸入品(非正規輸入品)であるか、販売店のオリジナル仕様モデルであるか、となっています。
現在では旧型となったDC36とDC26では、一応の最上位機種として、モーターヘッドにペット用ノズルを付属した(だけの)機種もありました。
しかし、やはり需要がないのか、DC46以降ラインナップから姿を消しています。
▼ ヘッド
ダイソン製のヘッドは、DC26の前期型以前と、DC26の後期型 "カーボンファイバー(※Carbon Fiber=CF)" シリーズ 〜 DC46まで、そしてDC48以降で区別することが出来ます。
まず、DC26の前期型以前のものでは、硬い回転ブラシが床に当たるため、フローリングや畳では、その回転を止めて掃除をすることが推奨されていました。
しかし、DC26の後期型 "カーボンファイバー" シリーズでは、静電気を逃がす効果があるために床に張り付いたホコリも取りやすいという、カーボンファイバー製の絹のようなブラシを回転ブラシに追加し、従来の硬いブラシは床には直接当たらない構造となりました。硬い回転ブラシは、絨毯上で使用する時のみ床(絨毯)に触れるため、絨毯専用ということになっています。これはその後のDC36とDC46でもそのまま採用され、それらにおけるヘッド性能はほぼ同一となっています。
硬いブラシの問題が解決されたのは良いのですが、ダイソンはこれ以降、以前は公表していた欧米の吸引力の基準 "ダストピックアップ率" を公表できなくなりました。つまり、その数値は下がったのでしょう。
DC48以降では、"カーボンファイバー" はそのままで、ずっとあった硬いブラシは廃止となり、中程度の硬さのブラシが、フローリング上でも床に当たる仕様となりました。
フローリングでも柔らかいブラシだけではなく、少しはゴミを掻き取れる硬さのブラシがあった方が良いですし、また、少しは硬めのブラシが絨毯内により分け入った方が良いので、新しいタイプの方が良いと思います。
また、DC48以降の新ヘッドでは軽量化が図られているので、若干構造が簡素にはなりましたが、総合的に従来より扱いやすくなっています。
前述の通り、2015年発売のダイソンボール・フラフィでは、特殊な「Fluffy(フラフィ)〔↓〕」型モーターヘッドが登場しています。
これは、フローリング上での猫砂等固形ゴミに強いヘッドですが、従来型ヘッドより250g重いので、その必要性が薄い方には、併売されている本体基本同型の従来型ヘッドの機種(ダイソンボール・モーターヘッド=DC63)が良いと思います。
タイトル:『「ダイソンだと、部屋の壁際のゴミが残る」? 』…まさかのオチが見られます。この大きさの画面だと、字幕を読むのが困難ですので、画面右下の「YouTube」ボタンか、その右の全画面表示ボタンをクリックしてご覧下さい。
これはDC26に関する話ですが、最新型でも同じのはずです。ただ、絨毯の奥を吸うには、ダイソンを含めて欧米製が良いのですが。
▼ 吸引力
掃除機の吸引力を表す吸込仕事率は(※⇒「吸込仕事率とは」)、は現在現実的に手に入るDC26以降ほぼ同一です。その為、やはりヘッドの違いの方が、清掃性能を考えるに当り重要となります。
▼ 排気のきれいさ
ダイソンのヨコ型では、DC26までは高性能フィルターの代名詞・HEPAフィルターが採用されていると明記されていましたが、DC36とDC46では「HEPAレベル」といった曖昧な表記となっています。その上、DC36では確かにHEPA基準である0.3μ(マイクロ)mのホコリでの計測(詳細値未公表)となっていたようですが、DC46では0.5μmのホコリでの計測となり、DC48ではそれらは全て消え、排気性能は不明となりました。
最新型では、フラフィではやはり不明ですが、DC63ではHEPAフィルターを採用していると明記されています。
▼ 運転音
ダイソンと言えば、音がうるさい掃除機として知られてきましたが、それは主に "ダイソンデジタルモーター" という電子制御の高性能モーターによるものでした。
しかし、DC26からは一旦デジタルモーターを放棄し、一般的なACモーターのみを使用したため、運転音は単に日本製の安物掃除機と同程度となりました。
ダイソンボールと呼ばれるDC36とDC46では、ダイソンなりに静音構造に取り組むことになり、DC26と比べて4dB静かになりました。
DC48では、そこから更に40%の静音化がなされたとされるので、静かになったはずですが、ダイソンでは運転音に関するそれ以外の数値を一切公表していません。これは、"dB換算でいえば3dBにもならない" と言われていますので、確かに、DC48はDC46と比べると静かですが、大したことはありません。日本製の静音をウリとする掃除機と比べることは、全くできないでしょう。
ダイソンも、他メーカーと比較するつもりはないようなので、あくまでダイソンとしては静かになったと捉えるしかありません。
最新のフラフィとDC63に関しては、DC48のマイナーチェンジ品で、運転音については特に言及はありません。なので、特に変更はないはずです。
尚、DC48以降は、5,000万ポンド(約71億円)かけて開発されたという最新のデジタルモーター "ダイソンデジタルモーターV4" が使用されていますが、それにもかかわらず静かになったのには驚きです。モーター自体が約3分の1にまでなった小型化に伴い、ボディーに念の入った遮音構造を施工出来たことが、大きいという話です。
※上と下とでは録音環境が違いますので、単純には比べられませんが・・・。
▼ 大きさ
DC63とDC48は、本体重量が2.7〜2.8kgの超小型機です。ヘッドも軽量化されましたし、この中では一番扱いやすいと言えるでしょう。
ただし、ヘッド+延伸管+ホース部は、日本メーカーの掃除機と比べるとまだ重いですので、使い勝手は良い訳ではないはずです。日本製では殆どの機種に付く手元ブラシや、すき間ノズルを延伸管に取り付けておく仕組みもないので、その面でも少々問題です。
フラフィも本体重量は2.72kgと軽いですが、ヘッドは大きく重いです。なので、使い勝手はあまり良好ではありません。
DC46とDC36は、本体重量は約4.0/4.1sなので、掃除機としては一応中型程度です。男であれば、掃除機なんだからこの程度の重さはあるだろうという重さですが、女性だと重いという人も現れます。
DC26は本体重量約3.3kgの小型機です。これが出た2009年には画期的な大きさでしたが、現在は3.0kg以下も多いです。勿論、その分パワーやダストボックスの容量が少ないものが多いのですが。
もはや手に入らなくなりつつあるDC22だと、ほぼ5kgなので重い部類に入ります。
▼ サイクロン部の性能
サイクロン部に関しては、やはり本体がある程度大きい程妥協のない物が出来るようで、何年に1度フィルター掃除が必要とされるかの目安は、DC22(7年) > DC36(4年) > DC46(3年) > DC26(2年) > フラフィ,DC63,DC48,DC12plus(1年) > DC12(0.5年)、という順番になっています。サイクロン部が異常進化したDC46,DC63が、DC36に何故劣るのかははっきりしませんが・・・。
DC22に関しては、唯一 "コアセパレーター" という名の3段目のサイクロンを持っていましたので、性能が高かったのですが、日本未導入の大型機においてもその後は未搭載なので、何か都合の悪い面があったのかもしれません。
尚、使用状況によっては、これよりずっと短い期間でのフィルター清掃が必要となります。もっともダイソンでは、スポンジ状のフィルターを少し揉みながら水で流して洗うだけなので、やってみればそれ程面倒ではありません。ただ、念の為か24時間の乾燥が必要とされるので、掃除機を毎日使いたい方には、少しの我慢か予備のフィルターが必要かもしれません。
▼ まとめ
一番無難なのは、やはりDC63(=ダイソンボール・モーターヘッド)です。
ただ、DC26の後期型 "カーボンファイバー" シリーズも、ヘッドと吸引力はDC36やDC46と同等で、小型で軽いですし、音は普通にうるさいにしても排気はきれいなので、意外と良いと思います。
タービン式ヘッドで十分なのであれば、DC48が割と安めで、新しめなので良いでしょう。
DC36とDC46は、本体後部がボール状になって取り回しが良くなったとされますが、重くなってしまってはそれ自体、扱いづらさに繋がります。
それら以前の製品に関しては、売れ残りがあることも稀にありますが、現在ほぼ手に入らなくなっています。
デジタルスリム(コードレス)
「ダイソンデジタルスリム(現「V6」)」として宣伝されている、コードレス式の一見スティックタイプのシリーズは、実のところ、同社製ハンディクリーナーに専用延伸管と床用ヘッドを接続しただけの製品です。
これら全機種には、ハンディクリーナーとして使うためのノズルも付属しているため、ハンディのみのタイプとして売っているものと、完全に同一の製品として見ることが可能です(※付属品が違う場合有)。
※これはDC45で、以前自分で購入したものです。
なので、単にハンディクリーナーが欲しいのであれば、ハンディのみのシリーズを買えば良いですし、床や高所も掃除したいのであれば、このデジタルスリムのシリーズを買えば良いということになります。
▼ 売れ筋は実はコードレス
2014年現在、ダイソンにおいては、実はキャニスタータイプよりもそれらのコードレス機の方が多く売れており、その比率は何と1(キャニスター):3(デジタルスリム+ハンディ)だとされています(「Management Today」)。
同社には、扇風機やハンドドライヤーもあるものの、売上は掃除機程にはないはずです。その為、同社は日本においては事実上、コードレス掃除機のメーカーだと言うことも可能です(笑)。ダイソンとしても、まさかこうなるとは思わなかったのではないでしょうか。
また、ダイソンはその高価格さが物をいう売上高だけではなく、販売台数においても売上シェアのトップに立ったという話です。なので、何とコードレス掃除機を制した者が掃除機市場を制するという、異例の事態となっています。
▼ コードレスの欠点
- パワーがない
- 稼動時間が短い
- 重い
まず、その "1" と "2" に関してですが、吸引力=吸込仕事率は通常のキャニスタータイプ(ヨコ型)の約6割しかありません。
ただし、その6割で動くのは強モード時の6分間だけで、16〜17分動く弱モードでは、ヨコ型の約16%の吸引力しかありません。
絨毯上はさすがに強モードが好ましいのですが、それ故に絨毯を有効に掃除できるのは、6分間のみということになります。そして電池が切れれば、3.5時間程の充電が必要ですし、約500回程の使用で1万円弱の充電池を買い換えなければなりません。
また、"3" ですが、コードレス機では吸引用のモーターと充電池の重量も、常に片手で支え、丸ごと動かさなければなりません。なので、全体としては大きな本体があるヨコ型よりもずっと軽いですが、ずっと使いにくい側面も存在しています。
発売日 | 2015/9/18 | 2015/5/21 | 2014/10/23 | |
機種 | V6 Animalpro | V6 Fluffy | V6 Motorhead | DC74 |
画像 | ||||
吸込仕事率 [※「強」/「通常」] | 100/28W | |||
「強」稼動時間 | 6分 | |||
「通常」稼動時間 | 20分 | |||
回転ブラシON時 「通常」稼動時間 | 16分 | 17分 | 16分 | |
ヘッド | ダイレクト ドライブ型(CF) | フラフィ型(CF) | 軽量型(CF) | フラフィ型(CF) |
フィルター | HEPA(高性能型) | 標準品 | ||
回転ブラシパワー | 〇〇 | |||
トリガースイッチ | 軽い | |||
本体重量 | 1.29kg | 1.22kg | ||
本体/全体重量 | 2.27kg | 2.34kg | 2.10kg | 2.3kg |
充電時間 | 3.5時間 | |||
バッテリー価格 | 8,640円 | |||
バッテリー交換 | ネジ式 | |||
小サイクロン数 | 15個(2層) | |||
フィルター清掃目安 | 1ヶ月に1度 |
※ヘッドの「CF」とは、回転ブラシに導電性の "カーボンファイバーブラシ" を採用し、静電気で床に張り付いたホコリを取りやすくしたタイプであることを表しています。
※「HEPA」とは高性能フィルターの代名詞 "HEPAフィルター" を表します。
発売日 | 2013/9/13 | 2012/9/27 | 2011/2/14 |
機種 | DC62 | DC45 | DC35 |
画像 | |||
吸込仕事率 [※「強」/「通常」] | 100/28W | 65/28W | |
「強」稼動時間 | 6分 | 8分 | 6分 |
「通常」稼動時間 | 20分 | 15分 | |
回転ブラシON時 「通常」稼動時間 | 17分 | 20分 | 13分 |
ヘッド | 軽量型(CF) | 旧型(CF) | |
フィルター | 標準品 | ||
回転ブラシパワー | 〇〇 | 〇 | |
トリガースイッチ | 軽い | 重い | |
本体重量 | 1.22kg | 1.30kg | |
全体重量 | 2.03kg | 2.30kg | 2.22kg |
充電時間 | 3.5時間 | 5.5時間 | 3.5時間 |
バッテリー価格 | 8,640円 | 6,480円 | |
バッテリー交換 | ネジ式 | 前期:ボタン式 (〜2013年5月) 後期:ネジ式 | |
小サイクロン数 | 15個(2層) | 6個 | |
フィルター清掃目安 | 1ヶ月に1度 |
▼ V6シリーズ
ダイソンのコードレスタイプは、スティックシリーズ(デジタルスリム)とハンディシリーズが、2015年度から「V6」シリーズとして統一されました。
こちらのスティックシリーズでは、
- Fluffy(フラフィ)
- Animalpro(アニマルプロ)
- Motorhead(モーターヘッド)
の3種が展開されていますが、それらの違いはヘッドだけです(※バージョンの違いにより、付属品の違いもあります。⇒「V6 付属品一覧」)。
「V6 フラフィ」には、そのままですが、"ダイソン フラフィ" と名付けられた2014年度新開発ヘッド(DC74で初登場)が装備されています。
これは床面との密着度を高く保つことで高い集塵力を生みつつも、回転ブラシに軟質素材を採用したことと、ヘッド前のカバーを取り去ることで、固形ゴミの吸い取りも可能となった他に例のないアイデア商品です。
従来ダイソンでは、猫砂を弾いて吸えないという類の苦情が多くありましたが、これで一応解決ということになります。
また、このヘッドでは、回転ブラシ用モーターがその軸の内部にある為(だから、妙に太い)、比較的高いモーターパワーでブラシを回すことが可能です。
ただし、その代償として、「V6 モーターヘッド」に装備された通常型ヘッド+延伸管の約1.3倍の重量となり、扱い辛くなっています。フラフィ型ヘッドでは、大きめの回転ブラシによる若干の前進力が生まれたようで、操作感は軽くなったとされていますが・・・私には違いはほぼ感じられません。
また、実は下記の「V6 アニマルプロ」のヘッドと比べると、硬めのブラシが回転ブラシとして植え込まれていません。
その為、実は絨毯から毛を掻き取るのは、若干苦手だと言えるかもしれません(ただし、軸が太いので毛は絡みにくいです)。
「V6 アニマルプロ」には、"ダイレクトドライブクリーナーヘッド" という名のヘッドが装備されています。
これは日本では2015年9月に初登場ですが、海外では "フラフィ" 以前から販売されているものです。
これにおいても、やはり回転ブラシのモーターがその軸の内部にある為、回転力は比較的高く、やはり重めです。
ただし、こちらの場合には、"フラフィ" のような特殊なタイプではなく、(コードレスとしては)比較的パワーのある回転ブラシがついているので、絨毯から毛を掻き取りやすい、というのが売り文句となっています。
静電気を逃がす "カーボンファイバーブラシ" も植え込まれているので、フローリングもそこそこ得意のはずです。
また、実はダイソン製品において「プロ」という名称は、付属品充実型の高価な商品であることを表しています。
通常、「プロ」ではないバージョン、この場合には単なる「アニマル」と呼ばれる製品があるはずですが、何故か今回それが存在していません。
なので、これはダイソン社としては、多く売ろうと力を入れている商品ではないと言えるはずです。
つまり、同社としては、やはり "フラフィ" が主力だと考えているはずです。
「V6 モーターヘッド」には、キャニスタータイプのDC48、DC63に付くものと同系統の、ダイソン社としてごく普通のモーター式回転ブラシ付ヘッドが装備されています。
これはDC46以前の物と比べて、かなり軽量化されていますが、コードレスで使う場合には、上述2種のヘッドと比べると回転力で劣ります。
しかし、フローリングで使う場合には十分だと思いますので、"フラフィ" が得意とする固形ゴミが殆どないのであれば(そういうご家庭は多いと思いますが)、軽くて扱いやすい分こちらが便利だと言えるでしょう。
尚、こちらでは固形ゴミは吸えないのではなく、一旦ヘッドを持ち上げて、その上に被せれば、サイズ的に不可能でない限りにおいて、普通に吸いこむはずです。
それら3種のどのヘッドにおいても、どんな床質でも使用することは可能です。
しかし、まとめとなりますが、
- フラフィ ⇒ フローリングが得意
- ダイレクトドライブクリーナーヘッド ⇒ 絨毯が得意
- 標準ヘッド ⇒ 軽いので掃除がしやすい
こういった特性となっています。
ちなみに、家電Watchという家電情報サイトで、やはり標準ヘッドを付けていた旧「DC62」が、コードレス掃除機の吸引力比較実験に使われていましたが、他メーカー製と比べれば圧倒的な性能でした。
なので、標準ヘッドでは性能が低いという訳では決してありません。
コードレス機にあくまで手軽さを求めるのであれば、「V6 モーターヘッド」が最適で、少しでも高い清掃力を求めるのであれば、フラフィかアニマルプロを選ぶのが良いでしょう。
勿論、最高の清掃力を求めるのであれば、キャニスタータイプが最適となります。
そちらに装備されているのは標準ヘッドのみですが、その回転ブラシの回転力は、電力に制約のあるコードレス機(※フラフィとアニマルプロを含む)の比ではありません。
▼ 旧モデルとの比較
実のところ、「V6 フラフィー」は2014年度型DC74の、そして「V6 モーターヘッド」は2013年度型DC62の、それぞれのマイナーチェンジ品です。
それらそれぞれにおける新旧の主な違いは、フィルターが高性能なHEPAフィルターになったのと、運転音が2dB程度と少し静かになったことだけです。
ただ、旧モデルは発売後かなり経っており、一部の機種を除いては既に売り切れてきています。
そして、DC74とDC62では、前者のヘッドが最新のフラフィになったというだけで、本体は(ほぼ)同一です。
なので、大きめのゴミに強いフラフィ型ヘッドが必要なければ、DC62で十分です。
2013年度発売のDC62では、吸込仕事率の最大値が従来型DC45と比べて、約1.5倍となったのが目立ちます。
しかし、ヘッドがDC48(ヨコ型)と基本同タイプの軽量型になって軽くなったのと、トリガースイッチが軽く握りやすくなったことで、使いやすくなった点が非常に大きいです。なので、使うのが女性であれば、可能な限りDC62以降の製品にするのが良いでしょう。
ただし、使い方として、ハンディクリーナーとして使うのが主であれば、長時間の連続使用はあまり考えられず、この場合トリガーを引く指はあまり疲れませんし、幅広の床用ヘッドの使用を前提とする高吸込仕事率も、必須ではありません。
また、ソファーからペットの毛を取る用途がなければ、使うノズルは主に先端にブラシが付いた "コンビネーションノズル" となると思います。
※これら "コンビネーションノズル" と "すき間ノズル" は、デジタルスリムとハンディタイプのどの機種にも付属しています。
そしてその場合には、"回転ブラシパワー" が弱くても関係ありません。
なので、その場合には、旧DC35でも構わないのではないでしょうか。
尚、DC62以降はサイクロンの遠心分離力が強化されているはずですが、フィルター清掃の目安は1ヶ月に1度のままとなっています。
▼ バッテリー交換方式
以前は、ダイソンのコードレスタイプのバッテリーは、ワンタッチでの取り換えが可能でした。
しかし、DC62以降は、バッテリーはネジによる固定式となっています。
そして、実はDC45とDC35においても、2013年5月以降の製造品は、同様の方式に公式発表なしで変更されています。
これに関しては、緩むことがあるからという理由だそうで、そうなると電流回路の接触不良や、一応はバッテリーの脱落の可能性もない訳ではありません。
その変更により、バッテリーのみをコンセントの近くに持って行って充電することは基本考えられず、原則本体ごと(※延伸管+床用ヘッドは不要)充電位置に置く必要があります(※この点を妙に激しく突いて来たのが、シャープの「EC-SX200 フリード」です)。
また、予備のバッテリーを用意し、バッテリーが切れたら交換するという使い方も出来ない訳ではありません。しかし、ネジの脱着を繰り返すと、ネジ山やネジ穴がダメになる可能性があるので、あまり好ましくはないはずです。もっとも、8,640円もする予備バッテリーを購入してまで、そうしようとする方は少ないはずですが。
※これはDC45ですが、2013年5月以降、及びDC62以降では、取り外しにはドライバーが必要です。
バッテリーの交換に関しては、DC45とDC35は、オフィシャルショップに一応バッテリー販売用のページがありますが、DC62に関しては発売後1年以上経過しても未だ掲載されておらず、最新のV6やDC74に関してもやはり掲載はありません。
バッテリーの交換が必要な場合は、ダイソンお客様相談室までお問い合わせください
とありまして、つまりネジで固定するタイプのバッテリーは、現在電話注文のみでの取扱いということになっています。
▼ 収納用 "壁掛けブラケット"
ダイソンデジタルスリムの標準的な充電・保管方法は、この "ブラケット" と呼ばれる専用の壁掛けを壁にネジで固定し、そこにハンディ部を納めるものです。
充電アダプターは、左下の写真のように、器具の中にプラグを通すことで固定し(この状態で強固に固定されています)、本体を収めることで自動的に電極が接続されます。
左の写真が、使用時の状態です。
これにおける取り外し、及び装填は、実は全体を少し真上にスライドさせた上で行う必要があります。なので、例えば誰かの体がこれに強く当たっても、本体が外れて落ちるということは原則として考えられません。
ブラケットには、右の写真のように、予備のノズルを2つ取り付けて保管することも可能です。
これはネジで壁に固定しなければならないのですが、ネジ穴は黄緑の矢印の2箇所です。
ネジはセットに付属していないので、ホームセンターで別途購入する必要があります。購入は大抵20個程度のセット品となってしまい、価格は100円程度です。
これは壁に穴を開けなければならないので、それが可能である方とそうではない方がいらっしゃいます。
賃貸の場合普通無理で、私は親と同居なので持ち家ですが、我が家でも無理です。
壁ではなく、家具に取り付けるという手段もありますが、やはり出来ない方が多いのではないでしょうか。
その場合には、充電は先程の写真のように、本体に直接充電アダプターをつなぐことで、行うことが可能です。
コードレスハンディ掃除機
これらは、上記の「デジタルスリム」から、延伸管と床用ヘッドを取り外し、ハンディ用小型ヘッドを装着したシリーズです。これは英語では「Handheld」(=携帯式)タイプと呼ばれます。
これらは、絨毯を掃除できる程のパワーがあるだけに、コードレスハンディ掃除機としては異例のパワーを誇ります。
発売日 | 2015/5/21 | 2013/9/13 | 2011/2/14 | 2009/9/18 |
機種 | V6 | DC61 | DC34 | DC31 |
画像 | ||||
吸込仕事率 [※「強」/「通常」] | 100/28W | 65/28W | ||
「強」稼動時間 | 6分 | |||
「通常」稼動時間 | 20分 | 15分 | 10分 | |
回転ブラシON時 「通常」稼動時間 | 17分 | 13分 | 10分 | |
フィルター | HEPA | 標準品 | ||
回転ブラシパワー | 〇〇 | 〇 | ||
トリガースイッチ | 軽い | 重い | ||
本体/全体重量 | 1.30/1.63kg | 1.22/1.55kg | 1.30/1.53kg | 0.91/1.53kg |
充電時間 | 3.5時間 | |||
バッテリー価格 | 8,640円 | 6,480円 | ||
バッテリー交換 | ネジ式 | 前期:ボタン式 (〜2013年5月) 後期:ネジ式 | ボタン式 | |
小サイクロン数 | 15個(2層) | 6個 | ||
フィルター清掃目安 | 1ヶ月に1度 |
発売日 | 2006/10/23 |
機種 | DC16 |
画像 | |
吸込仕事率 [※「強」/「通常」] | 36W |
「強」稼動時間 | 6分 |
「通常」稼動時間 | (1モードのみ) |
回転ブラシON時 「通常」稼動時間 | (1モードのみ) |
フィルター | 標準品 |
回転ブラシパワー | 〇 |
トリガースイッチ | 重い |
本体/全体重量 | 1.5/1.7kg |
充電時間 | 3時間 |
バッテリー価格 | 6,480円 |
バッテリー交換 | スライド式 |
小サイクロン数 | 6個 |
フィルター清掃目安 | 6〜3ヶ月に1度 |
こちらのハンディタイプでも、「V6」が発売となっていますが、現在このタイプで手に入るのは、そのV6と、2013年度型DC61、及び2011年度型DC34までです。
V6とDC61との主な違いは、フィルターが高性能なHEPAフィルターになったことと、運転音が少し(※具体的数値未公表)静かになったことだけです。
ただし、ダイソン純正布団用ノズル・別売有の "フトンツール" が付属するバージョンと、付属しないバージョンの2種が存在することになりましたが。
DC61と、それ以前のDC34の主な違いとしては、新型DC61で吸込仕事率の最大値が約1.5倍になったことと、標準モードでの稼動時間が4分間延びたこと、そして "フトンツール" が標準付属してくること位です。
旧DC34でも、コードレスクリーナーとしてはハイパワーですし、布団用ノズルもなければないで構わず、実のところそれは標準ノズルの "ミニモーターヘッド(モーター式回転ブラシ)" で代用することも可能です。なので、価格差があればDC34でも悪くはありません(※⇒「ダイソンのハンディクリーナーで布団掃除」)。
※左:フトンツール / 右:ミニモーターヘッド
あと、これは上のデジタルスリムと同じですが、V6、DC61、及びDC34の後期型では、バッテリーをワンタッチで取り外すことが出来なくなりました。
なので、充電は原則本体をコンセントの傍まで持ち運んで行わなければなりませんし、予備バッテリーを用意して交換しつつ使用することは不可能ではないものの、ネジ山やネジ穴を痛める可能性があります。
これらは、本体はデジタルスリムシリーズと同一(※DC61はDC62と、DC34はDC35と同じ)なので、延伸管と床用ヘッドさえあればデジタルスリムとして使用することも可能です。
しかし、ダイソンの日本法人は、それらを別売していません。零細の輸入業者がアメリカ版正規品を販売していることがありますが、品薄であったり割高であったりで、お得とは言えません。勿論、製品保証も付いてこないと思います。
将来は、ダイソンの日本法人が正式に販売することもあるかもしれませんが、という訳ですので、延伸管と床用ヘッドが必要かもしれない方は、デジタルスリムにしておいた方が良いでしょう(※無難なのはセットで買うことですが、別売でも悪くない価格で買える場合もあります⇒「ダイソン掃除機用オプション品」)。
また、ハンディタイプでは、デジタルスリムには付属する、壁掛け充電用の「ブラケット」が付属していません。これには別売品もありますが、保管時に邪魔となる延伸管と床用ヘッドがありませんので、別になくても構わないのではないでしょうか。
DC34には、(ハンディ用)ミニモーターヘッドが省略され、メインノズルは通常ブラシが先端に付く "コンビネーションノズル" となる廉価バージョンも発売されています。
しかし、あまり出回っていないからか、価格面でのメリットが基本的にないため、特に考慮する必要はないでしょう。
もし安ければ、購入を考えても良いと思いますが、そのタイプはヘッドに電力供給する仕組み自体が省略されている為、後からミニモーターヘッドや、延伸管と専用床用ヘッドを買って接続しても、回転ブラシを回すことは出来ません。
キャニスタータイプ
CY24,DC63,DC48,DC46,DC36,DC26,DC22,DC12plus,DC12
デジタルスリム(コードレス)
V6 Fluffy,V6 Animalpro,V6 Motorhead,DC74,DC62,DC45,DC35
ハンディタイプ(コードレス)
V6 Mattress&Trigger,DC61,DC34,DC31,DC16
型番の「DC」の意味
ダイソンの掃除機の全ての型番に共通する謎の「DC」ですが、これは "Dyson's Cyclone" (ダイソンのサイクロン)・・・ではなく、"Dual Cyclone" (2個からなるサイクロン)を意味しているはずです。
2個のサイクロンというのは、大きめのゴミを取り除くために、透明のダストカップ内部でゴミが回っているのが見えるのがまず1個目で、2個目は、そのダストカップの上に見える凸凹した部分の内部のことで、ここでは細かなホコリを取り除きます。
この "Dual Cyclone" の着想・実現により、ジェームズ・ダイソン氏の初期のサイクロンは100%に近い遠心分離率が可能となり、1986年には商品化に至りました(1号機は「DC01」ではなく、日本企業・シルバー精工(※倒産済!)がライセンス生産をした「Gフォース(2)」[Mark2])。
ただし、「DC07」からは2個目のサイクロンは、細かなゴミの遠心分離率を上げるために6〜10個程度の小さなサイクロンを設置する複数並列型となり、これは進化型として「ルートサイクロン(Root Cyclone)」と呼ばれています(「Roots」ではないよう)。
その後も、小サイクロンを放射線状(上のYoutube静止画)に並べ、その中央をフィルタースペースに宛てた「ラジアル(放射線状)ルートサイクロン」や、小サイクロンを横に並べることではもう増やせなくなり、上下2層にして増やした「2Tierラジアルサイクロン」、採用した小サイクロンの数を冠した「32ルートサイクロン」(※「2Tierラジアルサイクロン」の名が出来る前のネーミング)等、その時々に応じて名称は柔軟に変更されています。
この方が、何と発明家としての実績を認められて、イギリス王室より "サー(Sir)" の称号を得た、創業者の老ジェームズ・ダイソン氏です。
以前は、プレゼンテーションだけでなく、テレビCMにも出演していましたが、スタイルの良さはタレント並みです。
■Dyson公式アウトレットストアについて■
ダイソンは、実は楽天市場とYahoo!ショッピングに、直営のアウトレットストアを開設しています。
アウトレットとは言え、扱うのは元展示品や傷物(や中古品)ではなく、本来のオフィシャルストアでの取り扱いを終了した "型落ち品" です。
通常、そういった商品は安いのがウリであり、ご興味がおありの方も、当然それを期待なさるものと思います。
しかし、実際は全く安くありません。
オフィシャルストアは定価販売のみですので、値引きがある分確かにダイソンの直販にしてはお得です。しかし、楽天等の最安値級ネットショップとでは勝負になりません。
では、何か特典でもあるのかというと、基本的には何もありません。
ただし、ややこしいことに稀に本当に安い商品も存在しています。
現在で言えば、フトンツールがおまけに付いている、デジタルスリム「DC45」(2012年度型)が同ツール込だとかなり安く、羽なし扇風機「AM01 テーブルファン」(2011年度型)もかなり安いです。双方、古いですが。
また、2015年には、同ストアで購入してレビューを投稿すると、ジェームズ・ダイソン氏がデザインしたボールペンが貰えるキャンペーンが行われていました。
今後もそういった企画であれば、もしかしたらあるかもしれません。
⇒ ダイソン360 Eye™ ロボット掃除機(2015年10月26日発売)
関連ページ:
・【リコール情報】ダイソン ホット&クール「AM04/AM05」
・【リコール情報】ダイソンDC22(ddm)motorhead
関連サイト:
・ダイソン社公式サイト/Dyson Japan|Facebook
・ダイソン(Wikipedia)/List of Dyson products(英語版Wiki)
・ダイソン創業者のエンジニア魂「製品より会社が大事と思った瞬間に問題が起きる」(キャリコネ)
・“サイクロン”が起こした掃除機市場の大旋風 ― ダイソン(ITmedia)
・ジェームズ・ダイソンからのメッセージ 第1回:価格3倍の掃除機が売れる理由(Tech-On!)
・“全員がダイソンの愛用者だった”は偶然!? 情報感度と専門性の高さがビジネスパーソンの武器に(DIAMOND ONLINE)
・先取りしていたグーグル・グラスを含む、ダイソンの3つのお蔵入り発明(GIZMODE)
・家電ダイソン、R&D強化:新製品開発に10億ポンド投資(NNA.EU)
・ダイソンが巻き起こした悲劇 〜 中学の頃、大村君が苗字音読みでダイソンって呼ばれてて・・・(Twitter)