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ダイソンの吸引力の真相

ダイソンの掃除機吸引力が強いとの評判があります。

最新のサイクロン式だから強いに決まっているという、先入観からそう思うのかもしれません。(サイクロン掃除機自体、紙パック式より吸引力が強い訳ではありません⇒《掃除機の吸引力ランキング》)

しかし、ダイソン社はダイソンの掃除機は吸引力が変わらないと言っているだけで、吸引力そのものが強いとは言っていません。

実のところ、ダイソン製掃除機の吸引力自体は強くはありません。

吸込仕事率という(「吸込仕事率とは」)、掃除機の吸引力を表す一つの単位があるのですが、日本製では500Wを超えるのが標準であるのに対し、ダイソンDC12とDC22は、ダイソンデジタルモーター(DMM)装備型で210W、その未装備型で200Wということになっているようです。

つまり、吸引力は日本製の半分以下ということになります。


しかし、吸込仕事率というのは実はヘッドをつけない状態で測るものなんです。そのため、ヘッドの床への密着度で吸引力、というより "床に吸い付く力" はどうとでも変わってしまうのです。

実のところ、"床に吸い付く力" があまり強くても、特に女性の力だと床(や絨毯)に吸いついて使いづらいのです。そのため、どれだけモーターが高性能化しても、一定以上の床への吸い付きは避けなければならないということになります。


ダイソンの掃除機にも消費者が満足するだけの吸引力はあります。

では、倍以上のパワーを誇る日本製の掃除機は、そのパワーをどうしているのでしょうか?

実は、日本製の掃除機は、その有り余るパワーをヘッドの直下だけではなく、前や横からもホコリを吸うようにすることに使っています。

なので、もったいないと言えばもったいないのですが、その分壁際が掃除しやすくなっています。

逆に、ダイソン製は、弱いパワーを最大限に生かすために、ヘッドの直下にパワーを集中しています。そのため壁際には弱いようです。もっとも、ヘッドを細いものに付け替えて掃除をすれば良いということにはなりますが。


多分、欧米の広い家では、壁際の隅々までも掃除できなくても、掃除済みとなる面積が広いので、大して気にはならないのではないでしょうか。

それに対し、日本では家が狭いので、隅々まで掃除できないと気になるのかもしれません。

だから、一応やはり日本製掃除機の方式の方が日本には向いているのかもしれません。


店頭で幾つかの掃除機をダイソンDC22 ddm motorheadと共に試してみましたが、私の感覚ではそれらの吸引力は、

ナショナル MC-P88WE5を100とすると…

東芝 Quie(クワイエ) 93

三洋 airsis(エアシス) 86

ダイソンDC22 ddm motorhead 80

このような感じに感じました(変に細かいですが)。


ただ、勿論ダイソン製は殆ど吸引力が変わらず、日本製は紙パック式は勿論として、サイクロン式でも吸引力が必ず落ちますので、多少弱めでもその吸引力が保証されるのには大変魅力があります。


また、ダイソン製は、家の中でも土足の国々、ヨーロッパのものですので、絨毯に入った砂や土を吸い出すのに強い仕様となっています。

そのため、日本においても絨毯に強く、日本製では取りきれない絨毯上のゴミを取れたりもするようです。そこのところも、ダイソンは吸引力が強いという感触につながっているのかもしれません。

ただ、吸引力自体は日本製より弱いのに、絨毯のゴミが沢山取れるということは、結局その分絨毯を派手に掻き分けているということになります。それは絨毯や、絨毯ではなくても畳やフローリングの床に負担をかけるということにつながります。

ダイソンのタービンブラシ式はともかく、モーターブラシ式では、学校のトイレの床を磨くような、かなり硬めのブラシがついてますので、あれを畳やフローリングの上で作動させるのは私としては躊躇します。

モーターブラシ式ではモーターを止めることができるので、気に入らなければ止めれば良いのですが、勿論その分清掃力は落ちてしまいます。

なので、私がダイソンを買うとすれば、タービンブラシ式かな、と思います(現在は仕様の変更でタービン式にも硬い回転ブラシが装備されています・・・)。

ただ、評判を聞く限りでは、皆さんmotorheadでも普通に(・・・と言うか物凄く)満足していらっしゃいますので、室内が絨毯メインの方には最適なのだろうと思います。


DC26DC36

何とDC26のmotorhead(モーターヘッド)は購入していますが、これは床への吸い付きは結構強いです。その上、回転ブラシはやはり硬いので、絨毯での清掃力はかなりの物です(日本製と比べると、硬さに遠慮がない分強いと思えます)。しかし、やはり回転ブラシが硬い分で、フローリングや畳上では、回転ブラシを止めて使うのが推奨されていました。

モーターヘッド・裏 回転ブラシ

turbinehead(タービンヘッド)の場合には、吸込仕事率が低い上に(モーターヘッド共々170W)、タービン式の回転ブラシを回す為の空気をヘッドの横から吸っているので、床への吸いつきは大して良くはありません。また、回転ブラシも、モーターヘッドの物に比べれば柔らかいですが、比較的硬めなので、フローリングや畳では、やはり止めて使うのが推奨されていました。


DC26の後期型のカーボンファイバー(CF)シリーズでは、従来の硬い回転ブラシに加え、更に静電気を抑える作用のある、まるで絹のようなカーボンの細い繊維を束にして植え込んであり(公式サイト)、それがフローリングを掃くので、拭き掃除的な効果が非常に高いとされます。

そして、実はこのDC26のカーボンファイバーシリーズからは、タービンヘッドでもモーターヘッドでも、従来からある硬いブラシの長さがこっそり変更されて少し短くなったという話(確認済)で、もはやそれはフローリング等床面までは届かず、床を傷つける心配はないのだそうです。硬い方のブラシはこれ以降は、絨毯専用です。そういう話なのであれば、そう宣伝してくれれば助かるのですが・・・。

ただし、そうは言っても、これは良いことだけを意味する訳ではありません。何故なら、実はこの新方式ヘッドの採用以降、ダイソンは海外掃除機が自慢とするダストピックアップ率を公表できなくなってしまったからです。フローリング上では、新ブラシの効果で100%に近い数値が出るでしょう。しかし、絨毯上では、ヘッドを押しつけるなりしなければ、絨毯の底にまで硬い回転ブラシが届かなくなっているからだと思われます。…もっとも、ダイソンの、特にモーターヘッドの機種では、ヘッドの床への吸い付きが良いので、それでも日本製の機種よりは良い数値が出るだろうとは思いますが(タービンヘッドでの機種でも、実のところ日本製の高額機種より床への吸い付きは良いですが、所詮は回転力の弱いタービン式ということもあり、ダストピックアップ率については何とも言えません・・・)

後輪内部にあるプレフィルター 要洗浄状態
プレフィルター裏側 DC26 motorhead complete

これはDC26の、定期的なメンテナンスが必要なプレフィルター部ですが、こうなってしまうとさすがに吸引力が落ちてしまいます。ダイソンでは、こうなったフィルターは水洗いをすることで、吸引力を復活させることが出来ます。

ちなみに、DC12やDC22でもプレフィルターはこのように後輪の中にあるはずで、DC36以降では、ダストカップの中心部に筒型のフィルターが入っています。


その後の2011年10月17日に発売となったDC36(ダイソンボール)では、吸込仕事率は170Wのままで変化はなく、また、ヘッドもDC26のカーボンファイバーシリーズと特に変わらないはずです。勿論、こちらでも硬い方のブラシは床面まで届きませんで、フローリングでも一応安心して使えます。ただ、motorhead(モーターヘッド)の方だと、やはりブラシは硬いので、あまりガンガン掃除すると絨毯の摩耗が怖くはありますが(勿論その分絨毯を掻き分ける、もしくは絨毯表面のゴミを引っ掛ける力は強いです)

ちなみに、DC36ではサイクロン部が新型となり、フィルターの掃除の不要期間が、一応公式発表として2年⇒4年になると共に(ただし、DC22では7年間)、本体の取り回しが非常に良くなり、運転音も若干改善されています。なので、DC36とDC26では、普通はDC36を選びます。しかし、DC26は小型機なので、家の中がゴチャゴチャしている等、とにかく小さい方が良い方には、DC26(CF)でも良いでしょう。

DC22も残っていない訳ではないのですが、カーボンファイバーブラシ+取り回しの良さがウリのDC36まで出た以上、もはやかなり古いと言えるでしょう。


DC46

2012年9月27日には最新型のDC46が発売となっています。

しかし、これはDC36のサイクロン部の遠心分離力を約25%強化した事実上のマイナーチェンジ品で、吸込仕事率こそ10Wアップの180Wとなりましたが、ヘッドはそれまでの物をほぼそのまま継承しているはずです。

尚、遠心分離力の強化は、普通は吸引力の持続にプラスとなるはずですが、このDC46では、フィルター清掃の目安は、DC36での約4年に1度⇒約3年に1度と、何故か25%悪化しています。正確に測るとそうなるということでしょうか。そうだとすると、今までの物は・・・(汗)。


DC48DC63

2013年3月には、本体重量が30%以上も小型化されて、たった2.8/2.7kgとなった「DC48」が、そして2014年4月には、そのマイナーチェンジ版後継機種「DC63」が発売となっています。

これらにおいては、フィルター洗浄の目安は1年に1度と以前より大幅に悪化していますが、吸込仕事率は170Wと以前の水準を維持しています。

これらは本体だけでなく、ヘッドも軽量化されていますが、同時に回転ブラシの様式も変更され、以前床を傷つけると懸念されていた硬いナイロン製ブラシが何と全廃となり、その代りに床面にも届く長さの、中程度の硬さのナイロン製ブラシが新設されています。

これにより、床に軽くこびりついた汚れも、幾らか掻き取ることが出来るようになったようです(なるほど、以前はそういう欠点があった訳です ^^;)。

静電気を抑える作用のある、柔らかいカーボンファイバー製ブラシは引き続き採用されているので、少なくともフローリングの清掃性能は上がっているはずで、旧「DC46 モーターヘッド」の集塵力(硬い床、硬い床にある溝、カーペット、畳での平均値)が89.6%だったのに対し、「DC48 モーターヘッド」では93.3%に向上し、「DC63 モーターヘッド」では、94.5%にまで向上したとされています。

硬いブラシの全廃で、絨毯上に限っての性能がどうなったのかは伺い知れませんが、絨毯上では以前(DC26の前期まで)の硬いブラシが床面にまで届くバージョンが、最強だったのではないでしょうか。勿論、フローリング上では止めることを推奨されていた、曰く付きの物でしたが。


"ダイソンの最新機種の掃除機DC63は、他のプレミアム掃除機よりも平均40%多くゴミを吸い取ります。"

ダイソンはこのように宣伝していますが、これが実は4種類の床(硬い床、硬い床にある溝、カーペット、畳)において、ダストカップ満杯時の吸引力で取れるゴミの平均値の比較となっています(独立第三者機関による性能比較テスト結果:dyson」)

ダイソンは、

「ダイソンでは日本の住環境を考慮し、畳におけるテストを追加。」

等と書いていますが、日本の住環境を考慮するなら、「硬い床にある溝」が余計です。実験に使われる溝は、実は幅3ミリ、深さ1センチもの「国際規格」の溝なのです。これは日本の普通の家庭にはまずありません。

そして、ダイソンの床に密着させるタイプのヘッドは、溝の掃除では良い数値が出ますので、さり気なくダイソンに有利な条件設定となっています。

日本の住環境を考慮するとわざわざ言及するのであれば、尚更この実態を隠すのには問題があるです。

尚、動画のタイトルは、"平均40%多くゴミを吸い取ります" となっていますが、動画内のコメントでは "平均して、最大40%多くゴミを捕え、クリアビンに集めます" となっています。

これには悪意はないのかもしれませんが、なので、他社製と比べて「平均40%」ではなく、あくまで「最大40%」多くゴミを集めるという話となっています。


また、以下の表が、上記 "40%" の根拠となった集塵率の集計結果ですが、

DC63MH他社A他社B他社C他社D
ダストカップ空93%82%65%65%63%
ダストカップ満杯93%66%55%51%53%

他社製は、日本国内での掃除機売上げ上位5社における、2013年9月時点の売上げ上位の平均価格5万円以上の高級機。詳細未公表。

このようにダイソン以外の、日本製のサイクロン掃除機は、ダストカップの満杯時には、空の時と比べて10%程度以上集塵率が落ちています。

しかし、日本電機工業会自主基準の電気掃除機の吸い込み力持続率測定方法を使う場合、高級機の殆どは、1度の使用では吸引力が99%以上持続するのが普通です。なので、実験は2度か3度の平均値であるにしても、10%以上も落ちるのは尋常ではありません。これは、細かな砂のみを吸わせて実験を行っていることが、主因となっているはずですが。

国際規格であるIEC規格に基づくのは、一つの方法ではあります。しかし、それは要するに欧米規格であるので、室内では靴を脱ぐ日本では、日本に適した規格が必要です。

その為、国内基準の存在を消費者に隠して自らに有利となる国際規格に従い、日本で使用される日本製掃除機を一方的にこき下ろすグラフを作るのは、倫理的にどうかと思います。

また、ダストカップが空の時の集塵性能にも差がありますが、これは殆どが「硬い床にある溝」と、「絨毯」を掃除する際に生じているはずです。この差は、欧米製掃除機が床への吸い付きを重視するヘッドの設計をしているのに対し、日本製は大きめのゴミも吸い残さないよう、また、小さなマット等に吸い付きにくいように、ヘッドの前と横で床とのすき間を大きく開けた設計にしている為に生じています。

欧米では、靴に付いた砂が室内に入ってしまうので、それを取り除くのが最優先となるようですが、日本ではその深刻な条件がない為、そういった性能は未発達だと考えるのが妥当だと思います。

ダイソンは設計思想が異なる日本製とのみ、しかも自らが優れる部分でのみ比較しているので高性能に見えますが、

  • 大きめのゴミに弱い
  • 小さなマットには吸い付くので動かしにくい
  • 壁際に弱い
  • ヘッドは自走式ではない
  • ヘッド+延伸管+ホース部は日本製にはない重さ
  • パワー自動コントロール機能もない
  • 手元&延伸管先端ブラシもない
  • すき間ノズルを本体か延伸管に取り付けて保管できる仕組みすらない

…と使い勝手は散々です。

しかし、集塵力の差は、実力差としての説得力をそれなりに持ちますので(笑)、大きめのゴミはヘッドを軽く浮かせて被せて取る、また、壁際はヘッドの前ではなく、吸いの強い(ヘッドの)横で掃除をする、そして小さなマットは抑えながら掃除をするよう心掛ければ、実のところダイソンでも問題ないはずです。

そして、そういった使い方が常識となれば、日本メーカー製も同じような設計思想になるかもしれません。


デジタルスリム&ハンディクリーナー(コードレス)

DC45DC35,DC34

ダイソン製ハンディクリーナー「DC34」と、それに延伸管と床用ヘッドをプラスした "デジタルスリム" と呼ばれるシリーズの「DC35」と「DC45」ですが、これらはダイソン社のCMで、

"他の軽量コードレスクリーナーと比べ2倍の吸引力"

と宣伝しています。

これは本当の話で(笑)、吸込仕事率が最大64Wと、2位のボッシュ製の32W(「GAS18V-LI」)を大きく引き離しています。

なので、ダイソン社もコードレス掃除機だけを売るのであれば、吸引力は他社製(のコードレス機)を寄せ付けず、その衰えもあまりありません!と宣伝しても問題ありません。

その上で、ヘッドには同社のヨコ型掃除機と同系列のモーター式回転ブラシを装備していますので、清掃力はコードレス機としてはかなり高いものとなります。

ただし、その代償として、ハンディクリーナーとしてのみの用途となる「DC34」こそ2万円台半ばで済むものの、床用ヘッドと延伸管を装備した「DC35」と、特に最新の「DC45」に至っては、5万円程度してしまいます。これは国内有名メーカー製の通常サイズのサイクロン掃除機のトップモデル(⇒「各社最高性能機一覧」)を買える価格ですので、強力であっても当前と言えば当前です。

しかし、この価格のハンディ+スティッククリーナーを実際に販売し、しかもヒットさせることが出来るのはダイソン位だと思われますので、その意味では、ヨコ型掃除機での高価格よりも凄く見えます。

ダイソンデジタルスリム(コードレス) ダイソンハンディクリーナー

DC62DC61

2013年9月発売の「DC62」と「DC61」は本体は同じもので、やはり「DC61」に延伸管と床用ヘッドをプラスしたものが、"デジタルスリム"「DC62」ということになっています。

DC61では、"他のハンディクリーナーの3倍の吸引力" と称していますが、吸込仕事率はコードレス機としては異例の100Wもありますので、確かに前述のボッシュ製の約3倍です。

ただし、2014年2月には東芝製の高級機「VC-CL100」が、そして2014年5月にはシャープ製の高級機「EC-SX200」が発売されており(両機種とも、延伸管+床用ヘッド付)、残念ながら両機種とも吸込仕事率は未公表ですが、少なくとも50Wはあるはずですので、現在は他の3倍とは言えないはずです。


「DC62」では、CMや公式サイトで、何と "他のコードレスクリーナーの10倍の吸引力" と称して宣伝しています。

「DC62」の吸込仕事率は、「DC61」と同じで最大100Wに過ぎませんが、これがどういう事なのかというと、実は複雑な付帯条件が存在しています。

売上上位機種(2014年3月時点の独立調査会社のデータに基づく)を含むコードレススティッククリーナー10機種を対象《中略》ダストカップが満杯時の吸引力の持続性とバッテリーが終了する前までのパワー供給の低下を反映

これらが比較上の条件となっています。

つまり、ダイソンでは独自のサイクロン技術により吸引力はあまり低下しませんが、他社製はそうはいきません。他社製はサイクロン式を名乗っていても、殆どが実質フィルター式であるので、ダストカップが一杯になる頃にはフィルターにはゴミが隈なく付着し、吸引力はその分衰えます。

また、バッテリーに関しては、普通充電式掃除機は、使用可能時間が終わりに近づくと電池のパワーが衰え、弱い吸引力でしか吸わなくなります。

しかし、ダイソンのコードレス機の場合には、遠心分離のレベルを維持する為に、電池のパワーが衰える寸前に強引に電源をOFFにしてしまうのです。なので、ダイソンはバッテリーが切れが近づいても、吸引力が衰えることはありません。

稼動時間は、"弱" 時には17分間(ヘッドの回転ブラシがOFFだと20分間)で、東芝製「VC-CL100」とシャープ製「EC-SX200」の20分間には若干劣ります。

"強" 時だと6分間で、それらの4分の3ですが、吸込仕事率はかなり高いので、仕方がない面もあるでしょう。それでも勿論、吸引力が衰えてからも動かせば、もう少し稼動時間は延びるはずですが。

つまり、ダイソン社は、他社製のフィルターにホコリが隈なく付いて吸引力が衰えた状態と、自社製では稼動時間を犠牲にしてカットした、バッテリー切れで止まる寸前の吸引力が衰えた状態、とが同時に生じたケースを想定し、自社製はそれと比べると吸引力は10倍!とやっているのです(笑)。

ダイソンのサイクロンは、そもそも吸引力の強さではなく、吸引力があまり衰えないことこそがウリですので、他社製の吸引力が落ちた状態と、自社製の吸引力が維持された状態で比べるというのもありだとは思います。しかし、他社製のフィルターが綺麗で、バッテリー残量も十分なケースがないかのごとく扱ってもらっても困ります。


吸引力(吸引仕事率)
ダイソン
100W 
上位
機種
 
 
 
 

再現グラフを載せて置きますと、他社製の吸引力が衰えた状態は、最も強力なものでも吸込仕事率は5W程度以下です(ダイソン以外の詳細値未公表)

こうであるなら、当然 "他のコードレスクリーナーの20倍の吸引力" と宣伝しないと消費者に嘘を伝えていることになります。しかし、そこまで言ってしまうとさすがに嘘臭く聞こえると判断しているのか何なのか、せっかくの20倍という他を完全に制圧する驚異的なアドバンテージを誇ることはせず、消費者に10倍と実際の嘘をつく道を選んだようです。

また、もう一つの付帯条件として、"2014年3月時点の売上上位機種を含むコードレススティッククリーナー10機種を対象" とあり、"売上上位10機種" というありがちであり、改めて考えてみれば実は公平な基準で選ばれている訳ではありません。なので、ダイソンとしては都合の悪い他メーカー製を堂々と外すことが可能です。

恐らく、その時点で発売されたばかりで、それなりの本格サイクロン・東芝製「VC-CL100」はグラフに反映されていないはずです。また、シャープ製「EC-SX200」となると、発売前ということになっています。

更に、高価でそれなりの吸引力を誇るはずのキャニスター型(ヨコ型)のコードレスクリーナーの数機種も、付帯条件に "コードレススティッククリーナー10機種を対象" とあることから、実験からは外されています(宣伝文句は、"他のコードレスクリーナーの10倍の吸引力" )

こうやって見てみると、卑怯な印象、及びインチキの誹りは免れ得ませんが、実は家電Watchというインターネットの家電情報サイトで、ダイソン「DC62」、東芝「VC-CL100」、シャープ「EC-SX200」、マキタ「CL141FDRFW」、エレクトロラックス「エルゴラピードリチウム」の、ヨコ型コードレスを除く主要な5機種で、上述のような条件はなしでの、普通の吸引実験をしています。

結果としては、フローリングでは東芝とマキタも一応満足出来るレベルですが、絨毯上では10倍とかそういう問題では済まない差となっています(ただし、この状態だと数値を挙げれば3倍程度か)。これを見る限り、このタイプで唯一絨毯上でも実用的なのは、ダイソン「DC62」のみということになっています。…ということは、フローリングではダイソンの半額以下のマキタでも良いのかも(笑)。

それはともかく、先のグラフは取り扱い機種がインチキの可能性が高く、実験条件も卑怯ですが、それでもそれを根拠とする限り、吸引力の差は10倍ではなく20倍と言わないと嘘であることは確実です。控えめに言えば、10倍もの差を誤魔化して良いという話はないはずです。


本当は他のコードレスクリーナーの11倍以上の吸引力

上の再現グラフの詳細版が、実はダイソンの公式サイト内にひっそりと掲載されていました(公式サイトの全てのページの下部の、「製品」という項目の「性能試験と特許番号」という部分)。

それを見ると、驚いたことにテレビCMやDC62の製品紹介ページで掲載されている簡略版グラフには、何とダイソンに次ぐ2番目と3番目の好成績品が載っていないことが分かりました。

その2番目の製品は、DC62の吸引力を100とした場合に8.47ですので、DC62の吸引力はその約11.8倍、つまりは「11倍以上」ということになります。

何故そういった不自然さが許されるのかというと、コードレススティックタイプには一般的なスティック型と、ダイソン製のようにハンディ型に延伸管&床用ヘッドを接続したタイプとがあるのですが、簡略版グラフには、ハンディを基本とするタイプのみを抜粋して掲載したようです。

というのも、省略版のグラフの付帯条件には、実は、

グラフでは、延長菅での吸引力の比較試験結果を掲載

ともあります。

掃除機の吸引力(吸込仕事率)を数値として図る場合には、通常必ずヘッドを外して延伸管の先で計測します。なので、私はそれは単にそういう意味だと思っていました。

しかし、一部のスティック基本型ではヘッドが外れないので、そのタイプにおいては、全てヘッドが付いた状態で計測したようです。

なので、その付帯条件は、すなわち、スティック基本型が排除されているという特殊な意味になるようです。そして、問題の吸引力が2番目と3番目の製品は、スティック基本型として詳細版グラフに載っています。

しかし、そこでスティック基本型を排除する合理的な理由は何もありません。

実際、「10倍の吸引力」というのは、吸引力がダイソンに次ぐ2番目だった、スティック基本型との比較上の数値です。なので、2番目と3番目の好成績品を排除することで、ダイソンの「勝ち具合」を視覚的に分かりやすくするために、それらを載せていないのではないかと思います。

グラフの注意書きが全て罠の言い訳とは、常軌を逸しています。

また、省略版グラフには、1位のダイソン+「上位機種」と称して名称不明の4機種のデータが載っていますが、そこに成績順の2番目と3番目が載っていないということは、省略版の4番目と5番目は、本来6番目と7番目ということになり、「上位機種」ではなく「下位機種」ということになります。

なので、その「上位機種」というのは誤りで、省略版のグラフが上位5機種を載せているとの間違った認識を与えるという点で、相当悪質です。

高々小さなグラフ一つ見るのに、ここまでの情報リテラシーが必要とは、ダイソン社の無茶さ加減は素晴らしいと思います。


DC74

2014年10月に、ダイソン社からハンディ+スティック兼用タイプの新型「DC74」が発売となっています。

これに初採用された新型ヘッド「Fllufy(フラッフィー)」は、掃除機のヘッドとして革新的な物で、ヘッド前のカバーをなくすと共に、回転ブラシとして毛ブラシの代わりに、ローラーを採用しています。

そしてそのローラーで、ヘッドと床面との密閉度を高く保つと共に、表面にソフトなフェルト素材を採用することで、固形物を巻き込みやすく作られています。

この「DC74」は、従来型「DC62」と本体部は99.9%同一なので、吸込仕事率は最大100Wしかありません。

しかし、そのヘッドのおかげで清掃力は非常に高いようで、発売時のダイソン社による性能比較実験では、パナソニックのプチサイクロン・最上位機種「MC-SR520G」にも勝っています(静止画像)

ただし、長所だけではなく欠点もありまして、従来型ヘッドよりも少し重めとなっており、前年度型「DC62」の約1.3倍となっています。


ダイソン社は、4種類の床(硬い床、硬い床にある溝、カーペット、畳)における、ダストカップが空の時の吸引力で取れる粉末ゴミの平均値の比較を、ダイソンを含む売上上位6社おける、平均5万円以上における売上上位の掃除機(2013年12月時点。他は全てヨコ型機のはずです)で行っています。

それによれば、この「DC74」がダントツの性能となっています。


DC74MH他社A他社B他社C
ダストカップ空90%77%75%63%

掲載された他社製は、性能上位3製品のみ。詳細未公表。


また、前述のヨコ型機「DC63」による同様の実験は、この半年程度前に行われていましたが(※時期詳細不明)、実は「DC74」とは3%しか違っていませんでした。これはそちらが平凡なのではなく、こちらが相当な高性能であることを表しています。

「DC63」では、その(高)性能の代わりに、ヘッドを床に出来るだけ密着させる形となっているので、固形ゴミには弱いです(やはり海外製・エレクトロラックス社の高性能紙パック式掃除機「エルゴスリー」も、同等の集塵力と欠点を持っています)

しかし、「DC74」は、その海外製としては伝統的な欠点を克服したのがウリとなっています。

ただし、こちらは充電式であるが故の欠点として、回転ブラシの回転力が弱いので絨毯に絡んだゴミを掻き取ったり、かき分けて吸う力では劣ります。

また、そもそも「強」では6分間しか稼働しないので、広い面積を掃除することは事実上不可能となっています。

なので、両者は一長一短です(価格は同等です)

この「Fllufy(フラッフィー)」タイプのヘッドは、いずれヨコ型機にも装備されるものと思いますが、現在(2015年7月)未定ということになっています。


布団クリーナーの4倍のアレルゲンを取り除きます。(DC61)

最も多くのハウスダストを取り除く布団クリーナー(V6 Mattress)

ジャパネットたかたのテレビ通販で有名となった布団用掃除機 "レイコップ" の大ヒットに伴い、ダイソンでもDC61からは、布団掃除における高性能さがアピールされるようになりました。

その後継機種・V6 Mattressでは、DC61の排気性能強化版=マイナーチェンジ品に過ぎないのに、何とダイソン社初の "布団クリーナー" を名乗るようになっています。

ボディカラーが、他のダイソン製ハンディクリーナーと違ってホワイト×グリーンの独特のものなので、一見違う物のように見えるかもしれません。

しかし、それは単に色の問題で、機能・性能は同じ物であるに過ぎません。


また、ダイソン社のそれ、及び布団用ノズルは、日本語では、"布団クリーナー""フトンツール" と訳されています。

しかし、実際英語では、V6の "Mattress(マットレス)" であり、ノズルは "Mattress Tool(マットレスツール)" と表記されています。

日本にも勿論マットレスはありますが、日本の事情・実情に当てはめるなら、それは "敷布団" に相当するはずです。

ダイソンのV6やDC61の吸込仕事率は100Wで、他社製でもコード式機種であれば、その数値は楽々クリア可能です。

にもかかわらず、何故ダイソン製がダントツの性能なのかと言えば、それはつまり、掛布団や毛布を無視し、その重み故に強く吸っても吸い付かないマットレス(敷布団)にのみ合わせて、吸引力と特にはヘッドを調整しているからなのです。

他社製でも、通常吸い付きやすい掛布団や毛布は掃除をしにくいです。しかし、ダイソンは遠慮なくそれらを無視している分、その難度は余計に高くなります。

つまり、ダイソン社のそれらは、本当は、"敷布団クリーナー" であり、"敷フトンツール" であるのです。

それが同社の布団掃除における、「吸引力の秘密」ということになっています。


実のところ、実際にアレルギーがあっても、ヨコ型機に付ける布団用ノズルレイコップシャープ・コロネ等でも、問題はないと思います。

掛布団に対して若干使いやすい分で、総合的にもそれらの方が、布団掃除はしやすいと言えるでしょう。

もっとも、ダイソンの "布団クリーナー" は、本来的な用途としてハンディクリーナーです。なので、両方が欲しい方には、ちょうど良いと言うことが出来ます。

また、それに床用ヘッドと延伸管が付属する「V6」であれば、それらに加えて床掃除も可能ですので、家中が掃除できるということになります。


関連ページ:

ダイソンのCM問題(DC22の吸引力問題)

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